パチパチと焚き火の音がする。そして聞き馴染みのある、古い歌が聞こえてくる。パチリ、目を開けるとそこに映るのは赤い色と靡くマフラーだった。
「レッド……フード」
「起きたか?ハカセ……スカイ。大丈夫か?身体の調子は……?」
「ああ……ちょっと、辛いけど大丈夫……だけど装備が……」
「そうか……。ってか、驚かないんだな」
「知っていたからね。ずっと、待ってた」
起き上がると焚き火を挟んで地面に座る。残っている装備は通信機器だけ。戦闘は不可能だろう。
「ほら、なんかこう。何があったのかって聞かないのかよ?」
「聞いたら教えてくれるのかい?違うだろ。君はそういう奴だ」
「は〜〜〜変わってないな!ま、いいけどさ」
「……いい旅、だったんだろう?」
「……あぁ、お前らと別れて……アタシには勿体ないくらいの、いい旅だった」
あんなにいい物を見せられて、脳が焼けない者は居ないだろう。事実僕もそうだった。納得してしまうくらいの、死に方だった。
「そうか……そうだよね。まあ、僕は君が知らない事も知ってるんだけど」
「何だよそれ!?怖いぞ普通に!?」
「ははっ、でも教えられないかな。誰がそうか分からないから」
「相変わらずだなハカセは。変わってない……いや、良い方向に変わったか?」
「100年くらいは経ってるからね。みんな変わるよ」
レッドフードは少し躊躇った後、口を開く。
「皆は……どうしてるんだ?」
「紅蓮は酒呑みに。ラプンツェルは良い感じの変態に。スノーホワイトは無口クールになりつつも食いしん坊に。ドロシーは……ピナっていう仲間が増えて幸せそう」
「ははっ……すげえなそりゃあ。見てみたいもんだ」
「……そして、指揮官は行方不明。リリスは死んだ。頭をラプチャーに盗まれて」
「……何だって?リリスが……死んだ……?」
パチッ、と薪が音を立てる。
「ああ、死んだ。その所為でスノーホワイトは思考転換を起こした。アークにはゴッデス部隊は入れず、今はエデンって場所を拠点にしている。後……確信は持てないけど指揮官はアークに生きていると思う。どうやってかは分からないけど」
「待て、待てスカイ。情報量が多い……マジか、そんな事になってるのか」
レッドフードが深刻そうな表情をする。そう言えばドロシーは伝えていなかったから、こんな反応をするとは思わなかった。
「ラピと君のボディに関しては把握している。その上で、君もラピも助かる方法を作ってある」
「何だって?お前、流石に……」
「自分は死んだ。だからラピに後を託して、そのまま。なんて事は許さない。レッドフードの物語は終わった、なんて事も許さない」
「おいおい、なんでだよ。だって事実だろ」
「侵食に負けた、或いは相討ちなんて……認められない。似たような事をオスワルドに言われただろう?」
ハッとレッドフードは目を見開く。そして僕の肩を掴んだ。
「オスワルドって、今!?知ってるのか!?」
「色々とね。ゴッデスの為に動いてくれた。アークガーディアン作戦の時は色々と話を聞いた。そして、第2世代の事も何とかしてくれたよ」
「第2世代……アナキオール、だっけ。アイツは?」
「その名前は禁止。アンチェインドっていう物質を使って侵食が治った。今は開発者のエイブ……僕の元々の知り合いと一緒に行動している。後々頼もしい味方になってくれるさ」
はぁぁ……とレッドフードは豪快に溜息を吐きながら座り込む。
「この先、君はラピに全てを託す。でもぶっちゃけ戦力が足りない。後どれだけ控えているのか分からないんだ」
「だからアタシがいるって?」
「……なんて名分はあるものの。僕が居て欲しいんだ。僕の代わり、ではないけれど」
「どういうことだ、おい」
「君とラピに行おうとしてるのは未来で行われる事を今、現在にやろうとしている。どうなるかは分からない。こればかりは。そしてその鍵に僕が必要なんだ。上手く行けば限界を乗り越えられる」
「そうじゃなくて!お前の代わりってどういう事だよ!?」
「道中イレギュラーがあって、力を使い過ぎた。僕も限界を超える必要があるみたいで……失敗すれば進化したコアにボディが適合しなくて死ぬ。僕のボディのデータは抹消されているから間に合わない」
「だから、レッドフード。君に酷な事を言う」
「……」
「君が死ねば僕も死ぬ。君が生きようとすれば僕も生きられる可能性がある」
「お前……ほんっっと、自分の命をなんだと……」
「よく言われる。でもそうしないと追い付けないからさ」
「でも、それでラピの命を……」
「そこに関しては大丈夫。視て来たから、どうやれば分離できるのかは分かる。君たちの意志が必要だけど」
「そもそもボディがないだろ?」
「ラピの素体はそのままでいいよ。レッドフードのボディは作ってある」
「……は?作った?」
「うん、100年前に」
「……お前なぁ!?」
ゆさゆさと肩を揺すられる。ごめんと内心思うけど許して欲しい。
「ったく……分かったよ。それで、どうすればいい?」
「とりあえず君の故郷に向かおう。そこで用意してるから」
「分かった」
ーーーー
☁️:レッドフードが見つかった。正確にはとあるニケと融合してるんだけど。
໒꒱:……どういう事ですか?
⚔️:なんだって?
ʚ✞ɞ:本当なんですか!?
❄️:……………
꒰ఎ:レッドフード様って、あの!?え!?
☁️:とりあえずドロシーとピナはカウンターズの案内をお願い。その他はSFSに乗って座標に来て欲しい。
⚔️:真偽を確かめる……いや、君が言うのであれば本当なのだろうね。分かったよ。
ʚ✞ɞ:レッドフードに……会える……あぁ、懐かしいですね……。
❄️:レッド……フード……
໒꒱:とりあえず、スカイは後で必ず説明してもらいますからね。
꒰ఎ:そうですそうです!今回も無茶をして!!
☁️:後で聞くから!!分かったっての!!
ーーーー
「何してんだ、それ?」
「ゴッデスのみんなに連絡を入れた。今から向かうってさ」
「はぁ!?お前!?何勝手に……」
「勝手さ、勝手だとも。でも、いいじゃないか。……みんなバラバラだったんだ。ここまで纏めあげて、何とかやってきた。僕だってね、別れになるかもしれないなら挨拶はしておきたいんだよ」
「……はぁ、そう言われたらアタシは何も言えない。……よく頑張ったよ、スカイ」
「死ぬかもしれないから……いいでしょ、かつての仲間が一同に会する所を見たいって願いもさ」
「映画やコミックでよくある奴だな……でも、ラピの仲間はどうだろうな」
「納得はしてくれないだろうね。ラピをそんな危険な目に遭わせられない!って……でも、その気持ちも分かるけど……」
「僕は、ラピとレッドフードが、一緒に並んでいる所を見たいんだ。きっと、ラピも叶うならそう思ってるんじゃないのかな」
「……そうかよ」
パチパチと焚き火の音が深くなる。その時だった。レッドフードが立ち上がる。
「ラプチャーだ。スカイ、戦えないだろ?」
「ライフルはあるけどね……」
「よし。なら下がってろ」
「分かった」
カチャ、と彼女はウルフスベインを構え、ラプチャーのいる方向に放つ。ドン、ドン、ドン。数発の銃声の後、あっという間にラプチャーは殲滅された。
「鈍ってない、流石だね」
「ありがとな。よし、移動するぞ」
「分かった……って、え!?」
レッドフードは焚き火を消すと、僕を抱えて走り出す。
「疲れてんだろ?それともお姫様抱っこの方が良かったか?」
「いやいやいや!!……誰にも見られなくてよかったぁ……」
「ははっ!!行くぞ〜!」
夜を、駆け抜けた。
ーーーー
上空。スノーホワイト、ラプンツェル、紅蓮の3人はスカイから渡されたSFSに乗って飛行している。
「それにしても便利だのう。長距離移動も苦ではないではないか」
「エデンとスカイの技術の結晶ですね。私のジャマーもあるので」
「……」
「スノーホワイト?どうした?」
いつものように無表情なスノーホワイト。しかし、紅蓮達から見てどこか浮かない顔をしていた。
「……どんな顔をして会えばいいのか、分からない」
「レッドフードにですか?……そうですね。特に貴女は良くも悪くも変わってしまいましたから」
「でも、芯は変わっていないのだろう?食欲旺盛な所だったり」
「私は……次に会ったら彼女の武器を作ると約束していた。だが、今は持っていない。戦闘で紛失してしまった」
「データはあるんですよね?」
「ああ。結果的にクイーンの情報を得る為に再製作を後回しにしてしまった。……幻滅されないか心配だ」
「会って、キチンと話をすれば良いのだよ。思ってること、思っていたこと、全てを。折角再会できるのだ。まずはそれを喜ぼう」
「……そうだな、分かった」
「大丈夫ですよ、スノーホワイト」
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「レッドフード……生きていた……けれど、アレはラピの身体から……一体何が……?」
ドロシーは戦闘の爪痕を見ながら考え込んでいた。その傍らにはピナもいる。
「私も見ました。ラピの身体からレッドフード様と同じマフラーが出ていたのを」
「偽物、と判断もできますが……スカイが本物と判断している以上それが事実でしょう。ですが、困ったのは……」
「ラピとレッドフード様、2人に1人しか居られない事。ですか?」
深く考え込み、憂いた表情をするドロシー。
「戦力的に考えればレッドフードです。明らかに。でもレッドフードやカウンターズは納得しないでしょう。逆にラピを取れば……私達は納得できません。彼女達よりも古い付き合いですし、私達にとっても大事な仲間ですから」
「ううん……難しいですね。いっぞどっちも分離して助かる!みたいな事になりませんかね?」
「そうなったら1番ですが、そうならない事もあります。できれば平和的に話し合いで解決したい物ですね」
「その為に、案内人頑張りましょう!!」
「……ええ、ありがとう、ピナ」
ドロシーはふと、この場にいるのが自分だけだったらと考える。もしかしたら、レッドフードを選んだあまり酷い事をしてしまうかもしれない。ゴッデスとしてやってはいけない。一線を超えるような事を。
「ドロシー様!カウンターズが見えました!」
「……行きましょうか」
ドロシーとピナはカウンターズらと合流する為、足を運ぶ。
小説の方向性(セリフや描写など)
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積極的に改変が欲しい
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原作準拠で大丈夫
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原作準拠だが改変は間間に欲しい
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幕間エピソードが欲しい
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激しい改変はなくて大丈夫