絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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レッドフード&パイオニアの3人との絡み


chapter追跡②:レッドフードに限界化するスカイ

ブルースカイとレッドフードは夜間に火を起こして野宿をしていた。周囲はスカイに搭載されたセンサーにより安全を確保し、静かな時間が流れている。

 

「なんだかんだスカイと一緒にいた時間は短かったな」

 

レッドフードは揺らめく炎を見つめながら呟く。普段の太陽のような彼女とは違い、憂いを帯びていた。

 

「そうだね……僕はずっと昔から貴女の事を知っているけれど」

 

そう言うと、彼女はニコリと微笑んでスカイの隣に座る。そして軽いヘッドロックをかけながら身体を預けさせる。

 

「嬉しいなぁ、ファンって奴だろ?アタシのどこに惚れ込んだんだ?」

 

「……」

 

少し考える。何処だろうか。顔?見た目?声?性格?生き様?……そのどれもがYESだった。

 

「全部、好きだ。好きなんだ」

 

「……へぇ?」

 

スカイの顔は熱に浮かされたように、赤く染まっていた。

 

「君は……決して自分では言わないけれど、ずっと格好良かった。浸食に犯されながらも戦ってる姿、慣れないパーティドレスを着て恥じらう姿。別れ方、生き方。全てが好きだった。ずっとずっと、ファンだった。君が何かの作品のキャラクターだったら、グッズを集めて、君を……」

 

「分かった分かった!そこまでにしろ!こっぱずかしい!」

 

彼女は珍しく照れくさそうにすると、頬をポリポリとかいた。

 

「お前がアタシの熱心なファンなのはよーく分かった。それで?もっと積極的に関わっても良かったんじゃないのか?」

 

「……はばかられた。スノーが、君の隣に居て欲しいと思ったから。2人の絡みは好きで……もちろんスノーも好きなんだけど」

 

「おちびちゃんか。アタシからしたらまだ子供なんだけど、今は違うのかな。でも……アタシへの好意はそんなヤワな物なのか?」

 

クイ、とスカイの顎に手をかける。真剣な眼差しと交差し、真っ赤になった顔で言う。

 

「……違う……ずっと、会いたかった。貴女が好きだ。でも……それは本当はみんなの方が……」

 

「ここにその皆は居ねえよ。で、どうなんだ?」

 

「……大好き……」

 

「どれくらい?」

 

「全ニケの中で、1番」

 

そりゃアタシも大きくなったなぁ!と彼女は笑う。そして、スカイを抱き締めた。

 

「これもファンサービスの一貫ってことで」

 

「ちょ……流石に、これは……色々……」

 

レッドフードの肌に触れたり、豊満な胸が当たったりしている。離れようと身動きを取ろうとするが、返って逆効果になる事を悟ると大人しくしている。

 

「アタシの事を好きって言ってくれるならこれくらいはしないとだろ?」

 

「……そういう所、本当に狡い」

 

「実際、スカイはもっと幸せになっていいと思うぜ。これまでの苦労話を聞いてたら尚更。おちびちゃん……スノーは違うのか?」

 

「……好意はあるんだろうなって分かるけど、お互いそれ所じゃないし。ダメ、だよ」

 

嘘である。実際スノーホワイトはスカイに対してある種の執着を抱いている。彼女の状態が悪ければ悪い程、その気質は高まる。

 

「ふーん。それは会ってみないと分からないか……」

 

「……?」

 

レッドフードはスカイの髪をかきあげると、また優しく微笑む。

 

「アタシとスノーでスカイを取り合ったら楽しそうだな?どうなってるんだろうな」

 

「……昔やってたでしょ。その時はスノーがむくれてリリスが仲裁しに来てた」

 

「ハハッ、そうだな。お姉ちゃんって呼んでたし。……で、実際どうなんだよ?どっち選ぶ?」

 

「……レッドフード。って即答はするけどスノーの事も脳裏に過ぎる……ダメだね」

 

おいおい、とレッドフードは笑う。

 

「天性の浮気者だなぁ!でも、ようやく壁一枚隔てたところから抜け出したんだな」

 

「う……」

 

抱き締める力が強くなる。身を委ねてしまう。

 

「嬉しいよ、素直に」

 

「……ほんと?」

 

「ああ、そりゃあな。好きな奴に好きって言われて嬉しい以外の感想はねぇよ。今日は……このまま寝るか」

 

民家で得たマットレスを地面に敷くと2人で寝転ぶ。レッドフードはスカイを離さず、より近くに抱きしめている。

 

「なに……」

 

「添い寝だよ」

 

「……そう」

 

ぎゅう、と力強く抱き締め、胸に顔を埋める。そのまま少しして、すぅ。と寝息を立てる。

 

「良い子だ、スカイ。お前の寝顔は本当に安心するな」

 

スカイがスリープモードに入ったという事は暫く安全だという事。過ごした時間は少なくとも、そう感じていた。

 

ふふ、と彼女は笑う。そしてそっと髪をかきあげ、スカイに向けて一つだけ口付けを落とした。

 

ーーーー

 

あの、僕はこんな展開知らないんだけど。夢?朝起きたらレッドフードは鼻歌を口ずさみながら薪の始末をしていたし。何?これ?

 

「さて、行くか」

 

「……分かった」

 

準備を整えて、故郷へと向かう。

 

「ラプチャー発見。スカイ、下がってろよ?」

 

ドォォン!!ドォォン!!

彼女の活躍は圧巻の一言に尽きた。守られる事は何度もあったが、彼女程頼もしいと思える存在はない。どんなラプチャーが来ても、負けないと思えるような。

 

「お、ありゃ鹿だな。狙……アタシのだと吹き飛ぶな。スカイ」

 

「分かって……る!」

 

「おお!流石だな!……で、どうやって解体するんだ?」

 

「まあ見ててよ。教えてくれた仲間がいるからさ」

 

共に鹿を解体したりしながら、数日。

 

「ラプチャーに囲まれた!まずいな……一旦逃げるぞ!」

 

「センサーに反応……反対からも来る!」

 

市街地を出た所でラプチャーの待ち伏せにあった。戻ろうとして、ラプチャーの反応が多数示される。

 

「スカイ!安全な所に隠れてろよ!」

 

「分かってる!」

 

ライフルを持ちながら遮蔽に隠れた時だった。

 

「エンカウンター」

 

ズドン!ズドン!

 

ウルフスベインとはまた違ったライフルの音が上空から響く。ラプチャーは吹き飛ばされ、更に3体のニケが空から降ってくる。

 

「……おいおい」

 

レッドフードはマジか。と言った顔をする。それもそのはず。旧知の仲間だからだ。

 

「レッドフード……まさか本当に生きておったとは……」

 

「ああ……嬉しいです。また会えるなんて……」

 

「話は後だ。今はラプチャーを殲滅する」

 

紅蓮、ラプンツェル、スノーホワイトが到着した。

 

「おいおい、センセイに聖女サマに……おちびちゃん。揃いも揃って変わっちまったなあ」

 

「そういうお主は変わらないのう」

 

「ふふ、レッドフードらしいじゃありませんか」

 

「……話は後だ。と、言った。だが、また貴女と肩を並べられる事ができて、嬉しい」

 

「……はっ!全員腕は鈍ってないだろうな!行くぞ!エンカウンターッ!!」

 

それからはあっという間だった。ゴッデス部隊の面々の前にはラプチャーは歯も立たずに殲滅されて行く。

 

「セブンスドワーフ!」

 

「ウルフスベイン!」

 

「「レディー!!」」

 

ドォォン!!ドォォン!!

ほぼ同時に放たれた弾丸が大型ラプチャーのコアを貫き、全てのラプチャーが倒された。

 

「ふぅ……危なかったぁ」

 

「腕は本当に衰えていないのう」

 

「……紅蓮は……色々変わったな。色も含めて。丸くなった……って言えばいいのか?」

 

「生きていれば色々とあるということさ。しかし……本当に君なのだね。戦ってみて分かるとも。何もかもが懐かしい」

 

「ははっ、そりゃよかった。お前は何者だー!って剣でも突き付けられたら恐ろしいからな。でも、アタシの方が強いんだけどさ」

 

「ほう?もう一度やってみるかね?」

 

「へぇ?なんだかんだ変わってない所もあるんだな」

 

クスクス、とお互い笑う。次に声を掛けてきたのはラプンツェルだった。

 

「あの……レッドフード。私……」

 

「ああ、分かってる。分かってるよ、ラプンツェル」

 

妙に神妙な面持ちの2人。

 

「立派になったな……」

 

「あぁ……!!立派だなんて……!そんなハレンチな……!!」

 

はぁ、はぁ、とラプンツェルは息を荒らげる。ダメな方に。どう考えてもよろしくないが、レッドフードは弟子の成長を見るような眼差しで彼女を見つめる。そうした後に、彼女はスノーホワイトへと静かに近付いた。

 

「よ、おちびちゃん」

 

「……!」

 

「なんだよ!距離取らなくてもいいだろ!?ほら」

 

と言って彼女は当たり前のようにスノーホワイトをヘッドロックする。

 

「……変わったな、お前は随分と。苦労したんだってな」

 

「そんなことは……ない。……いや、認めよう。私は変わった」

 

「表情筋動かしてるかぁ?無表情でクールぶって。本当は腹ぺこ食いしん坊のかわいいスノーなのに」

 

ぷく、とスノーホワイトは頬を膨らませる。

 

「うるさい。それは昔の話だ……いや、腹が減っているのは今もだが」

 

「言葉もツンツンしちまって。アタシは悲しいぜ?昔のスノーはもっと可愛げがあった」

 

「……」

 

「……取り繕うのはやめようぜ。アタシはスノーに会いたかった。お前は?」

 

「……私も、会いたかった」

 

「……カセットテープ、聴くか?」

 

「ああ、聴かせて欲しい」

 

馴染みのある曲が流れた。僕はその光景を見て、心の底から眩しいものを見ている気持ちになった。

 

「さて!レッドフードが化けて出た!……っていうのは嘘で、実はラピって奴の身体を借りてるんだ。アタシ」

 

「ラピ……坊ちゃんの所のニケだのう」

 

「ブラザーの……なるほど、納得が行きました」

 

「なんだ、知り合いか?すげえな……。まあいいや、その身体を借りてて、でも借り続けたらラピは多分死ぬ。だからアタシは身体を返したい。ちゃんと死んだから」

 

「っていうのがレッドフードの言い分」

 

一息置いて。

 

「僕はレッドフードとラピを分裂させる方法を確立させている。故郷に準備をしているから、それを行えばいい。ただ……僕はちょっと、かなり無理をしたので……このままだとコアに耐えきれずにボディが死ぬ」

 

「なので、レッドフードとラピを分裂させる。僕も限界を超える。が、この旅の終着点。って訳」

 

レッドフードを除く全員から「またか」という視線を向けられた。だって仕方ないじゃん。

 

「大体分かった。故郷へ向かおう」

 

「話を受け入れるのが早いねぇ。びっくりしてしまうよ」

 

「モタモタしている間に死んでしまう可能性があるなら、早めに行くべきだ」

 

「そうですね。スカイも無理はさせられませんし。行きましょう」

 

「……ありがとうな、アタシ達の為に」

 

「何を今更言うておるのかね、仲間であろう?」

 

紅蓮がそう言うとレッドフードは目をまん丸くさせた。そしておかしそうに少し笑ってから「変わったな」と呟いた。

 

ーーーー

 

「そもそも、私達と別れてから何があったんですか?」

 

「ん、あー、うーん。どこから説明すっかな……気が付いたら20年くらい経ってたんだよ。そこから目が覚めて、ラピと出会った」

 

地上を歩きながらゆったりと会話をしている。危険極まりない場所なのに、緊張感はない。

 

「そこから本当に短い間、イイ思い出を作らせてもらった。アタシには勿体ないくらいにな」

 

「おや、話してくれないのかね。とうとう私達にも話せない秘密ができてしまったのかい?」

 

「ははっ、そうだな。ラピと過ごした時間は……アタシ達だけの物にしたい。ま、知ってる奴もいるんだけどな」

 

わしゃ、とレッドフードがスカイの頭を乱暴に撫でる。

 

「うるさいな……後、なんで僕はスノーにおぶられているの?」

 

「足手まといだからだ。私が運ぶ」

 

「いやいや、普通に歩けるって」

 

「普通に歩けていないから運んでいる」

 

「えぇ……」

 

スノーは仏頂面のままだ。けれど、レッドフードは何か分かったのかニヤニヤしながら近付いてくる。

 

「ほほう……おちびちゃんも遂に目覚めたかぁ~~~?いいねいいね、アタシは応援する」

 

「そういうのではない」

 

「そういうのってどういうのだよ?」

 

「……レッドフード、うるさい」

 

「目が泳いでるぜ?おちびちゃん」

 

「泳いでいない」

 

「いいや。おちびちゃんは嘘を吐いている時は無意識に目が右上に行ってる。知らなかったのか?」

 

「……!!」

 

ハッとスノーホワイトは顔を逸らす。それを見たレッドフードは笑う。

 

「引っかかった~~~!嘘だよ嘘!にしてもへぇ、スカイとか。うんうん、アタシは応援するぜ?いいよな、そういうの」

 

「だから違うと言っている」

 

「だそうだぜ、スカイ?」

 

「……いや、分かんない……し。スノーは優しくて可愛くてかっこいいけど」

 

「うるさい」

 

「へぇ~?かっこいい所見せてくれよ、アタシにもさ」

 

「……考えておく」

 

「でもスカイはなんつーか、浮気者だよな」

 

ピシ、とスカイが凍り付いた。

 

「おや?」

 

「あら」

 

「……教えてくれ、レッドフード」

 

「教えなくてもいいんじゃない?レッドフード」

 

「どうしよっかな~~~スカイがアタシと添い寝した事は黙っておかなくっちゃな~!!」

 

「レ゛ッ゛ト゛フ゛ー゛ト゛!!!!!!」

 

「……」

 

スノーは無言のまま歩いている。スカイから見て表情は分からないが、不機嫌なのは分かる。

 

「いや、だって。スノーとはそういう機会がなかったし……」

 

「それに全ニケの中で1番好きって話だったもんなぁ!!」

 

「た゛か゛ら゛!゛!゛」

 

「……」

 

「ますます不機嫌になるじゃん!!ねぇ!!」

 

ニカッ!とレッドフードは笑う。ポツリとスノーホワイトが呟く。

 

「……私より、レッドフードがいいのか?」

 

「う……それは。……ファンって意味だと……そう。でも実際、100年以上生きてきて、知ってる関係じゃなかったりするから……あの……その……」

 

「どっちだ」

 

「……え゛ら゛へ゛な゛い゛!!!!」

 

くっ!と顔を顰めるスカイ。次いで、早口になる。

 

「だってレッドフードだよ、レッドフード。関わる相手全員の脳を焼いてる女だよ。ゴッデスに相応しくないとか言いながら1番ゴッデスの精神持ってる女だよ?強くてかっこよくて高身長ってそれだけで存在がズルじゃんねぇ。その上スキンシップだって取ってくるしこんなの恋愛経験皆無は勘違いするよ無理だよ」

 

「スノーはスノーで僕の知ってるスノーとは全然違くて色々感情寄せてくるし、所々昔の名残があってあ、かわいい。って思わせてくるし。なんだかんだ心配してきてくれる所とか嬉しいし。トーカティブと戦ってた時はかっこよかったし。そもそもクールキャラが見せるデレってそれだけで美味しいじゃん好きになるじゃんこんなの」

 

矢継ぎ早に口走るスカイ。普段の彼女はこんな事を言わないが、今は気の緩みが凄い上にずっと待っていた時間だからか、色々と言ってしまう。

 

「アタシ達は随分と愛されてるみたいだな?おちびちゃん」

 

「……ああ、そうらしい」

 

「浮気……いけません、いけませんよスカイ。ああでも3P……良いものですね……はぁ……はぁ……」

 

「全く……しかしまぁ、いいんじゃないのかね。好きな者が多いということは悪いことではないよ。無論誠実なのが1番だが、それも当人同士の合意があれば問題ないだろう」

 

「う゛る゛さ゛い゛!゛!゛」

 




本編に入る前にどうしても書きたかったエピ。
スカイはこの世界だとまともに恋愛した事がありません。恋愛下手です。

小説の方向性(セリフや描写など)

  • 積極的に改変が欲しい
  • 原作準拠で大丈夫
  • 原作準拠だが改変は間間に欲しい
  • 幕間エピソードが欲しい
  • 激しい改変はなくて大丈夫
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