絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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2.5周年前にとんでもないイベントが出てきた………
一旦この章が終わったら2.5周年終わりまで待とうと思います。


chapter帰還①:旅は楽しく、終わりは近く

「まずはレッドフードの紹介から。彼女はゴッデス部隊の一員だ。それも初期のね。ラピとの関係は友人であり、彼女の師匠」

 

「って事だ、よろしくな!」

 

「よろしくな!じゃないわよ!ラピはどこ!?」

 

「だーかーらー、アタシの中だって!」

 

「それをどう信じろって言うのよ!」

 

「僕が変身した所を見てる。ラピとレッドフードはボディを共有している。正確には2つのボディが1つに圧縮されている。ボディの主導権はラピが握ってるけど、必要に応じてレッドフードのボディを活性化させることができる。その際に生じるコア同士の反発作用であんな出力が生まれているって訳。そうでしょ、少年」

 

指揮官は端末を見る。

 

「……合っている」

 

「イングリッドからもらった注射を打てば解決する。けど、ラピはレッドフードを故郷に返したがってるから無理だ」

 

「そうなんだよ。ラピがずっと故郷へってうるさくてさぁ」

 

「って訳で、レッドフードとラピのコアをそれぞれ分ける。レッドフードの故郷でね」

 

「そんな事できるの?どうやって?」

 

「僕の力と2人の力。ラピがレッドフードを継承する。これを見越してレッドフードのスペアボディは存在してるから問題ない」

 

「私たちがはいはい、分かりました。って受け入れるとでも思ってるの?」

 

「そうですよ!そんなのまかり通りません!」

 

「大体こんな大勢呼んで、しかもレッドフードの仲間?ラピを元に戻す気なんてないんでしょ!」

 

「それはない。我々はラピとレッドフードを元の在り方に戻す。その為にここに集まっている」

 

「嬢ちゃんや坊ちゃんが心配する気持ちも分かる。だが、我々もどちらかが消えるというのは納得できんのだよ」

 

「こればかりは申し訳ありません」

 

「……なるほど、レッドフードと私たちは面識がない。だから信頼に足る3人を呼んだのか」

 

指揮官はポツリと呟く。しかしスカイに目をやると、違和感に気付いた。

 

「そういうこと。僕もまともに動けないしね」

 

「……スカイ、どうかしたのか?」

 

スカイの武装は全て無くなっており、座っているにも関わらずスノーホワイトに支えてもらっている。心無しか辛そうに見える。

 

「ああ……あの時の戦闘でコアが限界を迎えた。このままだと僕は死ぬ。だからレッドフードとラピを分裂させる際に生じるエネルギーを使って、僕もボディをコアに合わせる必要がある」

 

「そうやって……ラピを利用するつもりでしょ!指揮官!注射器貸して!」

 

「今回ばかりは付き合ってられない!ラピの命がかかってるのよ!?」

 

「だからだよ。手遅れになる前に手を打ちたい」

 

「だったら……!!」

 

悔しそうに歯噛みをするアニス。

 

「ラピの事も知らない癖に……ふざけないでよ」

 

「知ってるよ」

 

「……は?」

 

「知ってる。見てきたから。彼女が人間だった時も、どうしてニケになったのかも、レッドフードとどう過ごしたのかも、知ってる。その上で……お願いします」

 

スカイはよろよろと立ち上がると、指揮官達に向かって地面を頭に付けた。

 

「どうか、僕に彼女を任せてくれませんか」

 

土下座。今のスカイが取れる唯一の行動だった。

 

「……指揮官……!!」

 

「アニス、すまない。だが、ここはスカイの選択を信じる。それに多分、これが初めてだ……ラピが何かを望んだのは」

 

アニスは瞳を瞑り、暫くして溜息を漏らす。

 

「…………分かったわ……指揮官が言うなら、止めない。けどね、大事な仲間であり、友だちなの。助けるからには絶対に助けて」

 

「分かってるよ。任せて」

 

「アタシの出る幕っていうか、何も言えねえな、これだと」

 

「貴女もよ。生きるなら生きて。ラピと一緒に」

 

「アタシだってそれができるならそうしてるし、そうしたい。死人……つったらここにいる全員に怒られるか」

 

レッドフードの手が勝手に動き、自分の頭を叩く。

 

「あいたぁ!?ラピもかよ!?」

 

「何やってるの……」

 

「アタシじゃねえって!ラピだよ!」

 

「……さ、そろそろ行こうか」

 

「分かった。だが、場所は分かるのか?」

 

「勿論、チャイムが案内してくれる」

 

「任せるのだ!最短ルートで行くのだ!」

 

「見かけによらず優秀なのね……」

 

ーーーー

 

接敵するラプチャーはゴッデス部隊によって軽く殲滅されて行く。その戦い様は圧巻の一言に尽きた。

 

「出る幕、ないわね」

 

「ありませんね!これ!」

 

「あはは……こればかりは私も邪魔になっちゃうかな……」

 

「やはり凄いですね、チャイム」

 

「やはり何としてでも国民にと……!!」

 

「……これは、凄いな。これが伝説の部隊……」

 

「そうだね」

 

スカイは高鳴る胸を抑えるように、彼女達の背中を見る。それを不思議そうにアニスがこう尋ねる。

 

「貴女はいつも見てるんでしょ?何を今更」

 

「いつもは空からだからね。……こうやって後方で見るのはほんと、初めてかも。やっぱりゴッデスは素晴らしい」

 

「見てよ、ドロシーと紅蓮の連携。今は仲良いけど昔は犬猿の仲だったんだよ?紅蓮なんか剥き身の刀みたいな感じで今と全然違うし、逆にそれがよかったんだけど。それで2人はライバルみたいな感じでさ。ドロシーなんて服が汚れるのも嫌だって言うくらいには敏感気質で。でも戦闘の時は息ぴったり。ほら、紅蓮が先に斬って、トドメをドロシーが刺した!」

 

スカイは興奮している。ゴッデスの戦いに。

 

「ラプンツェルは後方支援だから目立たないと思うじゃん?でもああやって、各々生まれた僅かな隙を守ってくれてるんだよ。飽和攻撃相手は本当に助かるなぁ。被害もどこなら安全か考えて展開してるから後ろが崩されることはない。普段はアレだけどね。でもそこがいい」

 

「あぁ……レッドフードとスノーホワイトの共闘だなんて、100年振りかな。凄い。スノーとレッドフードの遠距離砲撃の安心感。昔はkm単位での連続射撃にも成功してたんだよ?凄くない?セブンスドワーフを展開して、飽和攻撃に集中射撃。それを凌いだとしても……」

 

爆煙の中からレッドフードが現れる。銃口を押し付けて、引き金を引く。

 

「レッドフードがいる。僕達ゴッデス……いや、昔の人間にとってはね、レッドフードこそ勝利の象徴なんだ。最強のニケはリリーバイスだけれども、レッドフードはいかなる戦いでも負けない。そう思わせてくれる芯の強さが存在するんだ」

 

熱く、語っている。

 

「そう……なのか……君は?」

 

「僕?」

 

「君もゴッデスだろう?ピナも」

 

「ええっ!私はそんな……ただ時期が重なっただけの量産型ですよ!!あんな連携はできません!」

 

「そうなのか……」

 

「僕は……できるけど、うん。ゴッデスであってゴッデスではないから。みんなは違うと言ってくれるけど、自信がない」

 

「何よ、アークテロの時に散々活躍してたじゃない」

 

むす、と怒るアニス。そうですよ!とネオンが言う。

 

「止めるだけならアークの戦力で充分だった。守るにしてもね。……実際に表立って活躍したのはブルーマイトだし。僕は遠隔でビットを扱ってただけ。…………装備の性能がいいだけだよ」

 

「うっわ〜……って言いたいけど、なんか本当に元気ないのね」

 

「……うん。装備がないと僕は量産型以下だから。今はコア出力も減少してるし……」

 

「そう気を落とさなくてもいいんじゃないか?」

 

「え?」

 

「君が活躍しなくても、代わりに戦ってくれる心強い仲間がいるという証拠だろう?」

 

「……ははっ!そうかもね、そうだね。そうだ」

 

「そうですよ〜スカイ様は本当にネガティブなんですから。私だってドロシー様の隣にずっと立っていたいですもん」

 

「ごめんよピナ。……自分のやってきた事が無駄じゃないって分かるのは、いいね」

 

「うむ、そうなのだ!悲観する事ではないのだ!」

 

唐突にチャイムが口を開いた。

 

「どれだけ無駄、無意味と言われるような事でも、やり続ければそれは結果になるのだ。お前は常に先を見て行動し、結果を出している。だからお前の周りには沢山の仲間がいるのだ」

 

「ゴッデスやエデンは仲間だけどさ、カウンターズには快く思われてなさそうだし?」

 

ちら、と横目でアニスを見る。彼女は目が合った後、ふんすと鼻を鳴らす。

 

「気に食わないのよ。合ってるから余計に。自分の無力感を分からせられるっていうのがね、どうにも嫌なの」

 

「サイアクな気分になるよね。分かるよ。本当にさ」

 

「……そう。昔はどうだったの?」

 

「おや、珍しいね。昔の事を聞いてくるなんて」

 

「別にいいじゃない!ただ、ただ。なんでそこまで固執するのか知りたいだけ。本当に誰も失いたくないって、できると思うの?」

 

「……思わない。でも、可能性はある。なら、やるだけだよ」

 

ポツリ、とスカイは続ける。

 

「僕は昔、人間だった頃は病弱な令嬢だったんだ。元々病気で長生きはできない事は分かってた。そしてある日色んな記憶……未来での光景を思い出して、このまま死にたくないって思った」

 

「死ぬのが怖かった。何の為に産まれたのか分からなかった。死に恐怖して、怯える為?数少ないアークへの移住権を勝ち取る為?違う。自分にできる事はもっとある。そうやって……科学者になった」

 

「人類の勝てる確率は0%に近くて、でも0じゃなかったからやりたくて、けれど身体は着いてこなかった。ニケの手術にも耐えられないくらい体力がなかったんだ。考案するプロジェクトは尽く棄却された。だから最後に僕は僕に託したんだ。全てをね」

 

「……それで今の貴女がいるってこと?」

 

「そういうこと。そういうアニスは?」

 

「んーー、なんだか。今話す気分じゃないかも。後ででもいい?今話したらなんか、死ぬみたいで嫌」

 

「分かった。聞かせて貰えるように頑張るよ」

 

「そうして」

 

「……ちょっとちょっと!私にはないんですか!!」

 

「君はスパイでしょ」

 

「ネオンに悲しい過去があったらある意味びっくりするわよ……」

 

「師匠!!」

 

「……いや……すまない。確かにと納得してしまった」

 

「酷いと思いませんかピナ!?」

 

「まあ、元気な子あるあるだよね。実は〜って奴?うん。よしよし」

 

ピナがネオンの頭を撫でる。

 

「あら、戦闘が終わったようですね」

 

「あれだけの軍勢。流石なのだ!合流するのだ!」

 

ーーーー

 

「状況終了」

 

「いや〜久々の戦闘は訛っちまうな!にしてもお前ら強くなり過ぎじゃないか?」

 

「そんな事はありませんよ。寧ろ100年経っているのに健在な貴女の方がおかしいくらいです」

 

「ドロシーに同意だね。私の方が強くなったと思っていたが……やれやれ、まだまだ先は遠そうだ」

 

「やはりレッドフードには敵いませんね」

 

「いやいやいや!お前らの方が凄いって!あの後もずーっと戦って来たんだろ?アタシなんかとっくに抜かされてるよ」

 

「いや、事実だ。レッドフードは即座に最新型のラプチャーとの戦い方を心得ている。世代交代しているのにも関わらず全盛期の動きができるのは……私も驚いた」

 

「なんだなんだ?みんなして褒めてくれるじゃんか。アタシ調子乗っちゃうぞ?いいのか?いいのかよ〜?」

 

「……ふふ、楽しいですね。なんだか昔を思い出してしまいます」

 

クスリとラプンツェルが微笑んだ。

 

「そうですね。……変わらないと思っていましたが、レッドフードに懐かしさを覚えてしまいます。出会い方が違えば、貴女さえいれば……と思ってしまうでしょう」

 

「やめろよ。アタシらがゴッデスなのはアタシがいるからじゃない。ゴッデスがゴッデスなのは心の持ち方。そうだろ?」

 

「これで自分はゴッデスではないと言うのだから。スカイ共々ゴッデスに向いている者は自分を卑下しないと済まないのかね」

 

「はぁ!?事実だろ!なあスノー!」

 

「いや。レッドフードもスカイもゴッデスだと私は思っている。ただ、他者から見るのと自分から見るのとでは違うだけだろう」

 

「ったく。お前ら本当に色んな意味で変わったよな……スノーはこんなんになっちまったし。よっと」

 

「何をする……」

 

「昔を思い出そうと思って」

 

レッドフードはスノーにヘッドロックをかけた。イヤホンを刺して古い音楽を流す。

 

「……ふふっ、見慣れた光景なのに懐かしいですね」

 

「一応聞いておこう、プロレスかね?」

 

「……違う」

 

「プロレスじゃないなら……ッ!!?はぁ……はぁ……いけませんよ…おふたりとも……」

 

「違う!」

 

否定しているとスカイがやってきた。

 

「おーい……って、プロレス?」

 

「違う!」

 

懐かしの天丼である。

 

ーーーー

 

「そういえば、マリアンは元気か?」

 

「ああ!?」

 

「確かに!?」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

「マリアン?誰だそれ?」

 

「あー……うむ……」

 

「ええと……」

 

沈黙するゴッデス部隊。キョトンとしたレッドフード。難しい顔をするチャイム。目線を逸らすクラウン。

 

「元気……ですわ。あらゆる意味で」

 

「そう、なのか?」

 

「なんでちょっと間があったのよ」

 

「毎日飲酒と卑猥な話と拾い食いをしたり、鹿の解体をしたり、ラプチャー相手に紳士的な振る舞いをすることは問題ですが……1人で留守番を任せられるくらいには元気ですよ」

 

「全然ダメじゃない!!指揮官!!」

 

「……スカイ?」

 

「僕は!!ちゃんと!!頑張った!!虫団子とか作らせてないもん!!他のみんなが暴走したんだよ!!」

 

「ドロシー様、ノリノリでしたもんね。"礼節が、人を、作る"でしたっけ?」

 

「おいおい、それってめちゃくちゃ昔のスパイ映画じゃねえか。ドロシー……みんなで見たの覚えててくれたんだな……」

 

「ち、違います!!アレはその、ええと……ええと……」

 

「……ふーん、アンタにもユーモアってのはあるのね。ちょっと意外」

 

「おーほっほっほ!お嬢様ですわ!みたいなナリしてるだろ?実は違うんだな」

 

「下賎な民と同じ食事はできませんわー!とか言ってると思ってたわよ」

 

「ですから!そのようなことはありません!!」

 

必死に弁明するドロシー。スカイとピナはその光景をにこやかに見ている。

 

「楽しそうですね」

 

「そうだね。地上なのに……変な気分」

 

「で、どうしてマリアンはああなったんでしょう。私たちはちゃんとサバイバルを教えましたよね……?」

 

「みんな、嬉しかったんだと思うよぉ……」

 

「ああ!後、時々釣りもしていますわ。悪いことばかりではありません」

 

「それは……いい……のか……」

 

空いた口が塞がらない指揮官。思わず、ほんの一瞬。彼女らに任せてよかったのか?と思ってしまったかもしれない。

 

「……まあ、元気なら……それに越したことはない、な」

 

「ええ。今話せるのはここまで、でしょうか」

 

「これ以上話すと会わせてやりたくなってしまうのだ」

 

「そうだな……元気だけでも知れて良かった、ありがとう」

 

「変なニケだけど、良い奴なのね」

 

「次に会う時が楽しみですねぇ!」

 

和気あいあいと、少しの寂しさをもって一行は進む。

小説の方向性(セリフや描写など)

  • 積極的に改変が欲しい
  • 原作準拠で大丈夫
  • 原作準拠だが改変は間間に欲しい
  • 幕間エピソードが欲しい
  • 激しい改変はなくて大丈夫
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