絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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3周年情報凄かったですね~~!イベントも激熱そうで楽しみ!

ようやくの本編更新です。お待たせしました!

※改変の仕方に悩んでいるので新しくアンケートを始めました。よろしくお願いします。


chapter探索:魔のクリスタル地帯へ

レッドフード、ブルースカイが加入した事により、戦力が大幅にアップしたカウンターズ。一旦、ブルースカイは離脱したもののレッドフードは残留している。そんな折にラプチリオンと出会い、地図を入手した。アーク上層部が手にしている地図と90%は合致しており、カウンターズこと特殊別動隊はクリスタル地帯へ向けて出発する事になる。

 

駐屯地01(奪還地01とも)

 

「で、クローンスカイはどうするの?アンタも一緒に探索?」

 

「いや、メンバー多くなったらそれはそれで問題だし、クリスタル地帯には別のクローンスカイ……アッシュグレイがいるから大丈夫だと思う。ここを防衛しておくよ」

 

「分かった。すまないな」

 

「んーん、マスターが不在で寧ろごめん。大丈夫だとは思うんだけど一応ね……」

 

ふるふると首を横に振るクローンスカイ。名前は未だになく、だぼだぼの白衣を着ている。

 

「ま!それにあたしが付いてるから大体は平気だろ。ちょっと性能は落ちたっぽいけどな」

 

ウルフスベインを担ぐレッドフード。大きな戦力かつ改変の結果とも呼べる存在。スカイが100年を掛けてようやく成し遂げた結果と言えるだろう。

 

「いやいや!あの伝説のゴッデスですよ!師匠!火力も火力!火力を超えた大火力です!」

 

「そうだな……?いや、確かに頼もしいが、シフティー」

 

『はい、指揮官』

 

何度も苦難を共にしてきたが、正式にカウンターズの専属オペレーターになったシフティー。彼女に指揮官は問う。

 

「レッドフードの名称や処遇は?」

 

『名称はそのままで構わないそうです。アークとしてはレッドフードを名乗るピルグリムとして扱うそうです』

 

「そのままじゃないか?」

 

『実際本人かどうか確かめる術はありませんし、変な偽名を名乗らせる必要もない。と。関わるニケには秘密厳守が課されますが』

 

「そうか……分かった」

 

「それで、支援部隊に関する情報は?」

 

ラピが尋ねる。彼女はオーバースペックを一時的に引き出せるようにはなったが、まだ真価を発する時じゃない。かつ、本人が力を制御しきれない為、普段と変わらない姿でいる。

 

『パスファインダー、ハンマー&ドリル、エレクトリックショックの各部隊から1名ずつとなっています』

 

「えっ?輸送と、鉱山の採掘と、ハードウェアの開発が専門の部隊よね?スカウティングとかメティスとかアブソルートとか、そのあたりが来るべきじゃないの?」

 

『それに関しては説明を……』

 

その瞬間、上空に信号弾が放たれた。

 

「指揮官、10時の方向です!」

 

ラピが続ける。

 

『おそらく、合流予定のメンバーが、ラプチャーに遭遇したものと思われます』

 

「行こう」

 

「ラジャー!」

 

カウンターズは指揮の元、援軍に向かう。レッドフードも行こうとしたが、スカイに呼び止められた。

 

「どうした?」

 

「リヴァリンには気を付けて。これは内密に」

 

「なんだそれ。分かったよ。じゃ、行ってくる」

 

ーーーー

 

「うわっ、ラプチャーが多すぎるっす。この近くにいるのが全部寄ってきたみたいっすね……」

 

「ううっ、申し訳ございません。細心の注意を払いましたが力及ばず……」

 

「あと私たち、どこか適当な場所で下りて歩いて行くはずだったっすよね?」

 

「ああっ。本当に申し訳ございません。うっかりしておりました……」

 

「へへへっ……ハンマリング氏、いびきをかきながら寝ていたことは覚えておられますかな?」

 

ハンマリング、リヴァリン、エレグの3人はカウンターズと合流予定だったものの、その最中にラプチャーと遭遇してしまった。エレグがハンマリングが寝ていた事を揶揄う。とはいえ状況はよろしくない。

 

「信号弾を打ち上げましたから、もうすぐ救援が来るはずですぞ。こちらから仕掛ける必要がありますかな?」

 

「まぁ、ラプチャー一体でも減らしておけば楽でしょうし……」

 

リヴァリンはそう言うが、エレグは何かが引っかかったように言葉を止めた。すぐに気にする必要はないと返答はしたが。

 

「それでカウンターズのみなさんはいつ来るんでしょうかな?信号弾を発射してから結構経ちましたぞ」

 

「奪還地01とここまでの距離。そしてカウンターズのみなさんの戦闘能力を計算すると……そろそろ、あの辺りに見えるはずです」

 

リヴァリンが指さした方向。

 

「ラプチャー発見!ニケ3機、肉眼で確認!」

 

「完全に囲まれてるわね。どうしたらあんな状態になるの?」

 

「ラプチャーに気付かれるまで寝てたか、アタシみたいに焚火でもしてたとか?」

 

「いいから早く助けましょう!」

 

カウンターズはラプチャーと交戦を行う。その様子、特にレッドフードをエレグは観察しながらリヴァリンに告げた。

 

「距離を測るのは得意と言う訳ですかな?」

 

「はぁ……これで生き延びてきましたから、当然の事です」

 

「(それにしてもあのニケ……ふむ、レッドフード氏ですかな。ブルースカイ氏と共にカウンターズと行動を共にしているという。しかし今はスカイ氏の姿は見えませんな。どこかに隠れているのやら……)」

 

ーーーー

 

「カウンターズのみなさんっすか?お会いできて嬉しいっす!」

 

ラプチャーを掃討し、無事合流した直後、ハンマリングを見たアニス、ネオン、指揮官は何とも言えない様子をしていた。

 

「……センチか?」

 

「おっ、センチ先輩をご存じっすか?私の憧れっす!」

 

マイティツールズに所属するニケ、センチ。レッドフードを除いた全員がそうだろうなと納得する。

 

「ありがとうございます。おかげで助かりました」

 

「へへへっ……みなさんお強いようですな。さすが特殊別動隊~」

 

「ラピ、こいつらで合ってるのか?」

 

「……シフティー、IDの確認をお願い」

 

『はい。少々お待ちください。そちらのみなさん、画面の方を見ていただけますか?』

 

「あ、オペレーター様ですか。お疲れ様です。画面を見ていればいいのでしょうか?」

 

『はい、3秒ほどで終わります』

 

「あう、目が痛いっす」

 

「もう少し電子機器と仲良くなるべきでは~?」

 

「それが、いくらやっても無理なんす」

 

『はい、完了しました。合流予定の3名に違いありません』

 

「へぇ~~~すげぇな。それで分かるもんなのか」

 

「……カウンターズ所属のラピ、アニス、ネオン、レッドフードよ。ブルースカイは今は別行動をしていて不在よ」

 

「存じております。お噂はかねがねうかがっております~。いや~カウンターズのみなさんに実際にお目にかかれるなんて、光栄です~。それにピルグリムの方もいらっしゃるなんて、どんな奇跡なんでしょう」

 

「話が早くて助かるわね」

 

「で、そっちの所属と名前は?確か3人とも部隊はバラバラなんだろ?」

 

「パスファインダー部隊所属のリヴァリンと申します。アークでは宅配の仕事をしていますが、今回の探索任務ではルート探索の担当です」

 

「(へぇ、こいつが。なんで宅配人が地上の案内をするのか分かんねえな……確かにこれは怪しい。一応言われた通りに目を光らせておくか)」

 

「ルート探索?地図があるのに?」

 

レッドフードが内心思っていたことをアニスが何の気なしに疑問をぶつける。

 

「地図はあくまでも参考よ。それを元にして進む道を考える役ということ。緊急事態の時に、どこを通って脱出するかも考える事になるわね」

 

「責任重大だけど大丈夫か~?ルートミスってラプチャーの群れに遭遇とかは勘弁してくれよ~」

 

あはは……とリヴァリンは若干冷や汗を垂らしながらまとめてもらった事に礼を言う。

 

「(ラピ)」

 

「(分かってるわ、怪しい行動がないか私も見ておくわ)」

 

「(OK)」

 

師弟コンビは短く、小さくアイコンタクトを取った。

 

「ハンマー&ドリル部隊のハンマリングっす。クリスタルの鉱脈の調査と聞いて、採掘のプロの私が参加しないわけにはいかなっす。発破でも調査でもなんでもお任せくださいっす」

 

「……だからって名前が単純すぎない?」

 

「ハンマー&ドリルのハンマリングですから、もう一人のメンバーはドリリー、なんて、フフフ」

 

「あれ、ご存じだったっすか?」

 

「……」

 

「……本当に何のひねりもないわね」

 

「エレクトリックショック部隊のエレグと申しますぞ。電子機器に関する事なら私にお任せですな」

 

「え?探索範囲に電子機器があるのでしょうか?」

 

「ひひひっ。あるかもしれないという話ですな~。地上の主は人間だったということを忘れてはいけませんぞ。我々は地上を探索するわけですからな~」

 

「なるほど、老朽化した施設などが残っているかもしれませんね」

 

「ひひひっ。そういう事ですぞ。そういう時にジャジャーン!と施設を復活させられれば最高の出番と言うワケですな?」

 

「ああ~想像しただけでもカッコイイです~」

 

「……そ、そうですぞ」

 

『オホンッ。それでは……自己紹介が終わったようでしたら、奪還地01に帰還してください。今後の作戦について説明します』

 

ーーーー

 

『では、説明を始めます』

 

①リヴァリン、ハンマリング、エレグの3名は一時的に特殊別働隊所属になる。

②探索目標は「クリスタル地帯」のおおまかな探索。明確な指定はないがクリスタルの採取が可能であれば有意義な物になるかもしれない。リスクがある場合は不可とする。

 

探索任務の内容はおおまかには以上。しかし、リスク回避として特殊別動隊から2人が残る様に厳命された事で空気が重くなる。アニスとネオンが残る事で話は決まった。と思ったが、そこに割って入る人物がいた。

 

「やぁやぁ、お疲れ様。クローンスカイだよ。話は聞いた。僕が残ろう」

 

「え、でもそれだと人数が足りないんじゃ?」

 

「おいおい、僕を誰だと思ってるんだよネオン。万能機であり、広域殲滅能力を持つ僕は単独運用も視野に入れられている。長らく指揮官が不在でも地上で生き残ってきた経験アリ。レッドフードならまだしも、半端なニケは僕の邪魔になるんだよ」

 

鼻につく物言いだが、彼女が敢えてそうしているのは誰の目からしても明白だった。

 

「それに光学迷彩システムの運用も防衛システムもここに専門家がいる。万事問題ない。何かあれば信号弾や通信で知らせるし」

 

「だ、そうだ。シフティー」

 

『うーん、こうなるだろうと思っていました。一応、私も共同でスカイと管理を行います。その為、指揮官への支援はやや手薄になるかもしれませんが、それは問題ありませんね?』

 

「頼もしい仲間がいるからな、問題ない」

 

『分かりました。お任せください』

 

「疑うワケではありませんが……大丈夫なんですかな?100年間で初めて奪還された場所ですぞ?奪われてしまったら苦労が水の泡になるのでは?」

 

「そうしたらまた取り返せばいい」

 

「ほう……」

 

「素敵です」

 

「ん、何か言いましたかな?」

 

「アニス、ネオン。なるべく急いで準備して。一緒に行こう」

 

「「(ラピ……)」」

 

話を変えたな、とスカイとレッドフードは思うのであった。ラピの情緒が発達したのは嬉しいが、とんでもない事になるのはまた別のお話。

 

「まったくも~!仕方ないわね!そこまで言われたら断れないじゃない!」

 

「そうですね。久しぶりにゆっくり休めるかと思ったのに」

 

「すぐに準備するわ!」

 

「おやつももっていかないと!」

 

「ほらほら、行った行った。……世話の焼ける子たちだねぇ」

 

「それがいいんだろ?それにお前も世話焼きっていうか……なぁ?」

 

「あーあー、知らない知らない。僕はこっちの方が楽なだけ~~~」

 

ぶんぶんと白衣を振りながらクローンスカイは去って行った。その背中を見てレッドフードはくすくす笑う。

 

「何がおかしいの?レッドフード」

 

「ああ……あいつはクローンでも変わらないんだなって思っただけだよ」

 

「ふむ、少々よろしいですかな。そのクローンというのはさっきから一体何を示しているのですかな?アレはブルースカイではないと?」

 

「あいつはアレだよ。スカイの……むぐっ!?」

 

「スカイの量産型と思ってもらえばいいわ。名称が定まってなくて、スカイって呼ぶのも本人と被るからそう呼んでるだけ」

 

「ほう!ブルーマイト的な感じですな。しかし名前がないというのは不便ですなぁ。それにスカイはスカイでアークにもおりますし……うぅむ」

 

「……全く突然口を塞ぐなよラピ!まぁ、アイツに関してはいい名前が決まったらでいいんじゃないか?」

 

「それもそうですな。では準備が整い次第出発と行きますぞ~!」

 

ーーーー

 

ルートという名ばかりのただの道を歩きながら、3人の事情をそれぞれ尋ねた。

3人は元々の知り合いではなく、それぞれの理由があって志願してきたという。

 

ハンマリングは新しい鉱山での仕事を見つけて廃棄一歩手前の生活から抜け出す為。

 

エレグはアークのエネルギー問題解決の手掛かりを探す為。

 

リヴァリンは……建前上は生活の為と上手く誤魔化したが、後ろめたい理由があるのだと暗に感じさせた。

 

そうして、クリスタル地帯が目前に迫ってきた。光の塊が地面から突き出しているような光景。存在感のある光彩と影を持ったクリスタルが所々にそびえたっていた。

 

『エレグ、周辺の成分分析を行ってください』

 

「お任せあれ」

 

エレグはタブレットを操作して分析を行った。

 

「毒性物質はナシ、酸素濃度も正常。未確認物質は検出されませんでしたな。うーん。変わったところはなさそうですぞ。エブラ粒子の濃度が異様に低いくらいですかな」

 

『了解しました。では、ハンマリングにお願いします』

 

「了解っす」

 

ハンマリングは大股で前に出るとクリスタルの前に立った。

 

「うーん。ひとまず、見た目は普通の水晶と同じっすね。叩いてみた感じも……硬度は高そうっすが、表面は石英とほぼ変わらないっすね。でも少し妙な所が……みなさん、ちょっと来てほしいっす」

 

「妙な所とは?」

 

「近づいても大丈夫なんですか?」

 

「ああ、大丈夫っす。表面が凄く滑らかっすからガスや液体が噴き出したりとかはなさそうっす。でも、念の為指揮官は少し離れてくださいっす」

 

「あ~~~こういう話って頭痛くなるんだよな……あたしは付近の偵察に出てる。なんかあったら連絡するししてくれ。男前」

 

「分かった。気を付けてくれ。レッドフード」

 

「そっちもな!変なのにあんまり触ったりすんなよ!食べるのもダメだからな!」

 

そう言ってレッドフードは地面を蹴って見晴らしが良い場所に登った。

 

クリスタルを調査して分かった事はかなりの量の電気が流れているということ。

中に回路のようなものがあるということ。

エレグのタブレットの電源が不自然に落ちたということ。

 

サンプルを回収しようとすると、背後からドーン!と射撃音が聞こえた。

 

「レッドフード!?」

 

『あ、あー。これってこの使い方であってんのか?まあいいか。こちらレッドフード。距離600にラプチャーを発見したから殲滅中。下級だから援護の必要は一旦必要ナシってあぶね!?悪い!残骸がそっち吹き飛んだ!』

 

突如入った通信と銃声、爆炎。そして、上空から降り注ぐラプチャーの残骸。

 

『クリスタルに当たったらどうなるか分かりません!』

 

「狙いが……!」

 

「任せてください!こう見えても野球選手志望だったのでスイングして吹き飛ばすっす!」

 

「大丈夫なの?!」

 

「オーライオーライ……ふん!」

 

ガンッ!とハンマーが勢いよく残骸に命中する。

 

「セーフっす!」

 

そして、地面にバウンドして事なきを得たかと思いきや。

 

ピッチャーに向かうように球(ラプチャー)は転がり、キャッチ(クリスタルが割れる)した。

 

「アウトじゃない!」

 

「フギャー!!」

 

「アニス!私の後ろに!」

 

「あなたが私の後ろでしょ!」

 

「全員ハイド!」

 

「間に合いません!指揮官!私の後ろへ!」

 

「みなさん!姿勢を低くして……!」

 

…………沈黙。

 

「おーい、大丈夫かー?って……全員なんでそんな体勢してるんだよ……」

 

焦った顔が呆れた顔になりながら、レッドフードが顔を出す。クリスタルが割れても何も起こらなかった。

 

クリスタルの欠片には電気が流れておらず、毒性物質も検出されなかった。しかし、粉々になり、塵となって消えてしまった。

 

ハンマリングが地面からクリスタルを引き抜こうとしたが、微動だにしなかった。

 

うーんうーんと悩んでいた所、レッドフードがウルフスベインを放とうとしたが全員で慌てて止めた。

 

「でもどうすんだよコレ。持って帰るのも無理なんだろ?」

 

「確かに……今の状況では、何もできることがなさそうだ」

 

「同意します。戻ってから改めて調査チームを編成しなおした方がいいでしょう」

 

「ああ、そうしよう」

 

「あの、ちょっと待ってくださいっす。もう少し奥に進んだらダメっすか?地図を見る限り、この先にはクリスタルがもっとあるはずっす」

 

「私も同意ですぞ」

 

「私もです」

 

「これ以上は危険じゃないか?」

 

指揮官はそういうも、ハンマリング、エレグ、リヴァリンの意思は固かった。

 

「私たち、仕事を見つけるためにここまで来たんです。このままアークに戻ったら調査隊には他の誰かが編成されるでしょう?そうなったら私たちはまた仕事がない哀れなニケになってしまいます。でも、せめてまともなサンプルか驚くような調査結果を持って帰ってくるようなことができれば……探索で活躍したという評価は得られるはずです。

このまま帰って、ただ現場を見て帰っただけの無能扱いされるわけには行きません」

 

「お願いします。どうか、許可をお願いします。もう他人の評価をうかがいながら生きていたくはないんです。この任務でルート探索の択割をやり遂げたと評価されれば、また次もあるはずです」

 

「勿論危険は承知の上です。それでもアークで誰かにこびへつらい続けるよりはいいんです。ずっと、そうやって生きて行くぐらいなら、いっそ地上で死んだ方がマシです」

 

ピクリと、ラピとレッドフードの肩が震えた。誰も気づいてはいなかったが。

 

「私にだって、プライドがあるんです。ですから、もう少し探索してみませんか?お願いします!」

 

「ラピ、どの程度リスク要因があると思う?」

 

「今の所大きなリスク要因はないかと。クリスタルには毒性や有害物質はなく、爆発などの危険もなさそうです。現在判明している限り、ただ珍しい模様のクリスタルというだけです」

 

「そうか……レッドフード、ラプチャーの戦力はどうだった?」

 

「問題ないな。アレくらいだったらあたし1人で余裕だぜ。頼りにしてろよ~?」

 

「分かった。探索を続けよう」

 

「オーケー」

 

「ラジャー」

 

『では、探索続行ということで引き続きバックアップを行います』

 

「ああ、頼む」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「……ふーむ」

 

ーーーー

 

「おや、あれはクリスタルの集合体のように見えますな?」

 

「おおっ。そうっすね。あそこだけクリスタルが固まってるっす」

 

「行ってみますかな」

 

「うっす!」

 

エレグとハンマリングが走り出した。

 

「エレグ様、急にテンションが上がりましたね」

 

「クリスタルに危険がないことは判明しているから、もう怖がる心配はないということね」

 

「でもわからないんだろ?気を付けた方があたしは良いと思うんだけどなぁ……まぁいっか」

 

コイツ(リヴァリン)の監視もしないといけないしな。とレッドフードは心の中で思った。

 

「やる気があっていいですね。やはり、希望が見えれば元気も出るのでしょう」

 

「そうですか?リヴァリンも随分意欲的では?」

 

「私ですか?まぁ……やる気は確かにありますが……私は最悪の状況を避ける為にただ必死なだけですから。知的好奇心のために意欲的なエレグ様とは性質が違いませんか?」

 

「必死になるのだって、別に悪いことじゃないでしょ?」

 

「必死過ぎると、無理をしがちになってしまいますので……」

 

「まあ、それはそうね」

 

「だから私たちがいるの。誰にも無理をさせないために」

 

「みなさん、私のために凄く気遣ってくださいますね」

 

「自分を下げる方が楽な時もあるけど、万能ではないと思う」

 

「あはは……ずっとそうやって生きてきたので、そういう人付き合いしか知らないんです」

 

「ニケになる前はどうだったの?」

 

「うーん、覚えていません。きっと今と似た感じでは?生まれ持った性格というのは変わらないものです」

 

「無理に変えろとは言わないわ」

 

「ラピ様は、性格も変えられると思いますか?」

 

「ええ、いくらでも」

 

「……まるで、経験したことがあるみたいですね」

 

「みなさん!こちらに来てくれますかな?」

 

「……はい!今行きます!」

 

リヴァリンが駆けて行った。

 

「はぁ……ありゃダメだな」

 

レッドフードがぼやいた。

 

「2人とも、リヴァリンが気になるのか?」

 

「はい。姿勢は消極的ですが探索自体には興味があるようです。探索の継続も言い出したのも彼女です」

 

「詳しくは知らないけどさ、何か考えはあるんだろうな。ああいう奴は自分が生き残る為なら何でもやるタイプだ。その癖自分は謙虚だと思ってるんだからたちが悪い」

 

「エキゾチックのこともあったし、注意しすぎて困ることはないわね?」

 

「最初から疑ってかかろうという話ではありませんけどね」

 

「そうだな、注意しておく」

 

「ああ、そうしな、男前」

 

ーーーー

 

エレグ達が見つけたのはクリスタルに覆われたラプチャー。しばらくすると機能を停止し、クリスタルに吸収された。

エレグの実験によってクリスタルはエネルギーがあるものを吸収する特性があり、それはニケのコアにも同様の反応を示すことが分かった。

 

そしてクリスタルは吸い取ったエネルギーを電気に変換し、電気がなくなると粉々になる。養分がなくて枯れる植物と原理は似ている。

 

ただ、欠片は粉々になるが、地面に埋まっているものは頑丈。掘ってみると地中で全部つながっていたことが判明した。

 

自然発生したものではなく、誰かが意図的に生やした物であることが分かった現状。

次の目的は『クリスタルの根元を突き止める』ことになった。

 

その晩。

 

安全地帯で野宿をすることになった一行。

 

アニスはリヴァリンと共にデコイを撒きに行き、指揮官はエレグを口説き、エレグはBOOMをインストールし、ハンマリングは爆音のいびきをかいていた。

 

「グゴーーーーー!!!!!!!!!!!」

 

「寝つきが良いってレベルじゃないだろ!?」

 

「そうですかな?行きもこんな感じでしたぞ」

 

「……レッドフード。イヤホンを貸して。音楽を聴きたいわ」

 

「スピーカーで流してもかき消されるしな……いいぜ、見張りのついでに一緒に聴くか!」

 

「……ええ」

 

わしゃわしゃとレッドフードはラピの頭を撫でながら見張りについた。

 

「ふむ、ラピ氏とレッドフード氏は随分仲がよろしいようですな?深くは詮索いたしませんが」

 

「ああ、こちらとしても詮索はしないでくれ」

 

「勿論ですぞ。しかしああいう関係は羨ましいですな~」

 

「……そうだな。古いものほど良いらしい」

 

「ほう、それはそれは……ではBOOMはいかがですかな!?」

 

「(しまった……)いや、遠慮しておく」

 

「言ってることが違いますぞ……」

 

各々の思惑を他所に夜は更けて行く。

 

ーーーー

 

「なぁ、ラピ」

 

「……どうしたの、レッドフード」

 

見張り番。本来なら1人で交代制だが、ラピとレッドフードは共に立っていた。イヤホンで共に曲を聴きながら。

 

「いや、こうして2人で並んで見張りをするのって初めてだなぁって思ったんだよ。ラピも大きくなったなってさ」

 

「年寄りみたいなこと言わないで」

 

「ははっ。ラピからしたらあたしはおばあちゃんだろ。だって100年は前なんだぜ?」

 

「それはそうかもしれないけど……」

 

ムッとラピが顔を顰める。基本表情を顔に出さない彼女ですら、レッドフードの前では幼くなってしまう。

 

「ま、冗談冗談。実際さ、あたしはあの時の死に方は満足行くものだったんだよ。仲間といい別れ方ができて、弟子も取れて受け継いで……うん、今思ってもあたしは同じことをするって言える」

 

「でも、やっぱり心残りってあるんだな」

 

「……どういうこと?」

 

「侵食もボディの共有もスカイがぜーんぶ土台を作ってくれた。色んな奴の協力があってラピはあたしを継承した。あの戦いで確かに感じたのは、仲間が今も頑張ってる。それ以外の奴も頑張ってる。ラピやアニス、ネオン、男前も頑張ってる。ってことだ。そうなるとあたしももうちょっと頑張ってみるかと思う訳で」

 

「わからないわ、はっきり言って」

 

「ラピ、お前の成長がもっと見たい。男前の事が好きなんだろ?いいじゃんか。情緒が未発達だったのが懐かしいなぁ……」

 

目を細めながらレッドフードはラピを見る。ラピは照れくさそうに顔を赤らめている。

 

「ふ……ほら、今のお前凄い顔してるって」

 

「……言わないで」

 

「普段クールな奴のデレる姿っていいよなぁ。あたし的にはもっと積極的でもいいんだけどさ」

 

「無理よ、今でも頑張ってるの」

 

「知ってる知ってる。でも、ヒロインレースは勝てないぞ?」

 

「ぐ……じゃあどうすればいいのよ」

 

「うーん、そうだなぁ……水着をかわいい奴にして誘惑するとか、パジャマを変えるとか」

 

「……恥ずかしいわ」

 

「あはは!こりゃあ結構時間が掛かりそうだな。……ま、そういうのも含めてもうひと踏ん張りするかって話だよ」

 

「レッドフード」

 

「ん?」

 

「……ありがとう」

 

ポン、と弟子は師匠に身体を寄せる。師匠はクスリと笑って弟子の頭をやや強引に撫でた。

 




本来なら探索のchapterはまだ続きがあるのですが、ちょっとレッドフードとラピの話を入れたくて区切りました。その後は次回にざっくりまとめる予定です。

大筋は本編準拠予定ですが、本編丸々!はなんか違うなぁと思うのであらすじでまとめたり、説明で完結させようかな~と思っています。

でも省いても1万文字くらいなので分割か……?と悩んだりしています。ちょっと試行錯誤するかもしれません。

クローンスカイの名前だったり、改変後のキャラの絡みや見たいエピソードなどがあったら感想いただけると助かります!
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