絶望を希望に変える為に   作:スカイ⛅

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3.5周年に合わせて久々の投稿!連日投稿です。2話で魔獣は終わり!
魔獣~継承まで戦力差が割とあるなぁとストーリを見返してて思いました。




chapter魔獣:変わった再会

 

「「……」」

 

「……?」

 

アブソルートとの変わった再会。ウンファはラピとレッドフードと見合っている。だが、なぜレッドフードは自分が見られているのかよく分かっていない様子で時々首を傾げている。

 

「なあラピ、お前の仲間ってどこか変だよな?」

 

「貴女がそれを言うの?」

 

「……」

 

はぁ、とウンファが溜息を漏らす。少し眉間を押さえた後、ややもって

 

「ソイツか?」

 

「……ええ」

 

「……何故、何がとは聞かない。知る必要もないだろう。ただ、私たちにその結果を見せろ」

 

「そうね」

 

「3分後にコンテナが到着する。カウンターズで片付けろ」

 

「指揮官」

 

ラピが指揮官へ判断を仰ぐ。彼はそれぞれに指示を飛ばす。

 

「今回は私は見ておくよ」

 

「え、参加しないって訳?」

 

「アブソルートが見たいのはカウンターズの成長とラピとレッドフードの実力だからね」

 

「自分はどこにも入ってないからって楽をしようって感じ~?」

 

「まさか。警戒はしておくさ」

 

スカイはセンサービットを展開し、ラプチャーの数を抜け目なく把握する。最もそれをカウンターズに共有する事はしない。普段のように自分で殲滅をする事もしない。難儀な関係だね、と心の中で思うだけ。

 

「エンカウンター!」

 

指揮官の号令でカウンターズは行動する。レッドフードが長距離からコンテナに向かうラプチャーを次々と狙撃し、撃墜して行く。だが、ラプチャーも彼女を狙って対地攻撃を行う。

 

「ラピ!カバー!」

 

「了解!」

 

弾倉を込めながら器用に地面を駆けるレッドフード。その無防備な背中をラプチャーが捉えるがラピがライフルを放ち、対空砲火を行う。

 

「アニスはドカンとやってやれ!」

 

「オッケー!まっかせなさーい!」

 

ドン!と放ったグレネードランチャーの弾が飛行型の群れに近付くと思い切り爆発する。爆風に巻き込まれたラプチャーは落下してくる。

 

「ネオン!火力は?」

 

「正義!ですよね!」

 

ショットガンがバコン!と火を噴いて落下したラプチャーを次々に撃破する。カウンターズの連携は見事なもので、大枠の作戦指揮を行っている指揮官ですら、ショットコールをしているレッドフードに全て任せてもいいのではないかと一瞬思う程だった。特に顕著なのはラピとレッドフードの連携だろう。

 

「レッドフード!」

 

「後ろだな!分かってるよ!」

 

ラピが声を掛けただけでその意図を瞬時に察して行動し、逆にレッドフードもラピへ同じように声を掛ける。

 

「……相変わらずあの2人の連携はズルよね。私の方が歴長いのに」

 

「そこは私たち、ではないんですか?カウンターズですよ?」

 

「分かってるわよ!ラピの隣に長くいたのは私!ってだけ!」

 

「嫉妬ですね!」

 

「嫉妬よ!悪い!?」

 

「いいえ、あ。アニス!シット!」

 

「嫉妬嫉妬うるさいんだけど!」

 

「座れ、の意味の方です!敵の攻撃が来ますよ!後リロードしてください!」

 

「Holy shitって事~!?」

 

……こっちはこっちでギャグをしながらラプチャーに対処をしていた。その光景を見ている指揮官は背中にウンファの視線が刺さっている事に気付き、胃が痛くなっていた。

 

ーーーー

 

「よし、殲滅終了!全員お疲れ」

 

「……」

 

「……2人は楽そうでよかったわね……」

 

「そうですそうです!偶には交代してください!」

 

「えぇ?そっちも楽しそうだったろ?咄嗟のコールもできてたし」

 

「アレはそういう意味じゃな~い!!」

 

「まあ落ち着け、アニス。取り合えず合流しよう」

 

「指揮官様ぁ……偶には交代させて……」

 

「正直な話、私もネオンとアニスはある意味で息ぴったりだと思う」

 

「行き当たりばったりの間違えじゃなくて!?」

 

「にぎやかなのは良い事だぞ~」

 

「張り詰めすぎるのもよくありませんよ!アニス!」

 

「(空気が緩み過ぎるのもよくないと思うんだけどの顔のアニス)」

 

「「(ウンファにこれを見られていると考えて頭を押さえているラピと指揮官)……」」

 

ーーーー

 

「なぁ、スカイ」

 

「……何?」

 

「アイツらはアレを真面目にやってるのか?」

 

「うん、多分」

 

「……ギャグで戦うのはメティスだけにしてくれ。ツッコミが足りない」

 

「ははは。無理だって。そもそもキミの部隊にはエマがいるでしょ」

 

「だから足りないと言っているんだ。戦力の充実よりツッコミを増やした方がいいんじゃないのか、カウンターズには」

 

「胃痛で思考転換するよ、ソレ」

 

「……それもそうか。……そもそもお前がいたか」

 

「まあね。個性豊かには慣れてるし、私も完全ツッコミではないけど。もうちょっとシリアスにしてもいいんじゃないかなって思うは思う……」

 

「互いに苦労するな」

 

「ウンファがねぎらい?珍しい」

 

「伝説に何か言える程の実力があるとは思っていない」

 

「ふぅん。元指揮官なら余計にそうなるのかな。総評は?」

 

「うるさい。個々人の連携、実力はかなり改善された。少なくとも三流ではない。そもそもレッドフードがいる時点で評価を付けるのは烏滸がましいだろう。……ただ、チームとして見るのなら……戦力差が激しいな。アレだとアニスやネオンが危機に瀕した時に他2人は助けられるだろうが、逆はできないだろう。レッドフードとアイツが抑えられたら部隊としては頭打ちだ」

 

「ウンファならどうする?」

 

「強化が必要だろうな。それも大幅な強化が。伝説と並ぶという事は生半可な物では分不相応だ」

 

「なんだかんだ実力は認めている辺りツンデレだね。それをそのまま言わないのも」

 

「うるさい、黙っていろ」

 

「え~?キミの指揮官時代はさぁ~」

 

「うるさい!」

 

ピシャリ、とウンファに遮られた。

 

「ウ、ウンファ、喜んでるのかな?」

 

「ふふ~どうかしらね~。でも私たちもそうでしょ?負けていられないな~って感じがするもの」

 

「う、うん。私たちも、もっと強くなる……!」

 

「はぁ……合流するぞ」

 

ーーーー

 

「ようやく三流からは抜け出したようだな。成長が速い、悪くない。しかし、底も見えている。バカな後輩と部隊のリーダーはいい。レッドフードは言わずもがな。だが、お前達2人はいずれ部隊のお荷物になる。成長はしているが足りない。もっと努力しろ」

 

「分かってるわよ、それぐらい」

 

「そうか、ならいい。伝説と肩を並べているんだ。それがどういう事になるかも理解をするんだな」

 

「……そうね」

 

「作戦区域に移動するぞ」

 

ザッザッザとウンファは先頭を歩く。ベスティーやエマとカウンターズは話しながら歩く。その後ろでレッドフードは指揮官に声を掛けた。

 

「どうした~?そんな自信のなさそうな顔をしちゃってさ」

 

「……君達を見ていると自分がまだまだ未熟だと痛感するんだ」

 

「未熟ぅ?指揮官がそんなんでどうすんだよ。もっと自信持てって!……とはいえ、あたしもあたしであんまりだな」

 

「君が?」

 

「ああ。やっぱり全盛期よりは実力が落ちてるって言うか……カウンターズが悪い訳じゃないのは念頭に入れておいてくれよ~?100年も経つと戦い方も変わってるからそれに合わせるのがちょっと大変だなって」

 

ポリポリと頭を掻きながら悩ましそうな表情を見せる。

 

「男前の指揮はいいんだ。大枠はなんつうか、あたしらの指揮官に似てる所があるからさ。基礎は問題ないんだよ。前みたいに一時しのぎで戦うのも問題はない。けど、ちゃんとした部隊になってくると話は変わるんだよなぁ。どうしても元いた方の癖が出ちゃってさ、そこら辺今はラピがカバーしてくれるから問題ないんだけど……」

 

「レッドフードも部隊のカバーをしていたと思うが」

 

「そこなんだよ。誰かが部隊のカバーを毎回行うってのはあんまり健全じゃない。まあ、スカイみたいにどうしても役割をこなせるのが1人しかいないっていう状況は別としてな?理想は全員が全員カバーを取り合える状態だろ」

 

「それはそうだ。……ラピやレッドフードを部隊の遊撃として指揮するのは良くなかったか?」

 

「いや、今はそれでいい。でもそれだといつか頭打ちで困るぞ~?って話さ。大枠の指揮は問題ないんだから自信は持っていいし、どんどん試してみろ!あたしとスカイがいる時は特にな!」

 

バンバンとレッドフードは指揮官の背中を叩いて行く。「ついで感覚で巻き込まないで欲しいんだけど!?」と空からスカイの嘆きが聞こえた。

 

ーーーー

 

クリスタル地帯にAピラーを設置しながら各地を転々とする。道中でヘレティックと遭遇する事もなく、特に問題はないかと思われたが、レッドフードの意図していない一言で空気は凍った。

 

「そういやアブソルートってラピが元いた場所なんだろ?どうだったんだ?」

 

「「「「……」」」」

 

ピシ、とウンファ、ベスティ、エマ、ラピの足が止まった。

 

「あら~……ラピ、本当に何も言ってないのね……?」

 

「……私の問題、だから」

 

「?え、なんだなんだ。何があったんだよ」

 

その言葉に返答はなく、ただただ気まずい沈黙とエマの微笑みがあるだけ。ウンファは背を向け、ベスティはあわわとしている。ラピも気まずそうな顔をしており、レッドフードは何かを察した。

 

「ラピ、別れ方はどうだった?」

 

「それは……」

 

「何もなかったわよ~。前触れもなく突然書類で脱退が告げられて、それでおしまい」

 

「…………」

 

「ラピ」

 

「……ええ」

 

「あたし言ったよな?ダサい別れ方はするなって。ちゃんとサヨナラをして来いってさぁ」

 

「……ええ」

 

「何をしてるんだこのバカ弟子ッッッッ!!!!!そこまで似なくていいんだよッッッ!!!」

 

レッドフードの怒号と拳の音が鳴り響いた。それからレッドフードは数十分もの間ラピを説教した。アブソルートと何があったかを聞いた上で面々に向き直り。

 

「ほんっっっっっとうにあたしの弟子がすまなかった……!!ぜんっっぶあたしの所為!!」

 

「……お、落ち着いて、レッドフード……ウンファも、エマも、私も、そこまでじゃ……ないから……多分」

 

「そうねぇ。昔の話だし」

 

「いや違うんだって!あたしも似たような別れ方をやっちまった過去があるからさぁ~~~!!!!ああ~~~~!!!!」

 

「狼は井戸の底で死ぬ?だっけ」

 

「やめてくれ~ッ!!!!」

 

「あの後大変だったんだよ」

 

「知ってる。分かってる。だからちゃんとラピにも伝えたつもりだったんだけど……っかぁ~~~!!」

 

過去の事を思い出して顔まで真っ赤になっているレッドフード。何の話か分からないカウンターズ一行。頭を押さえるウンファとラピ。困惑しているエマとベスティ。そしてこうなるだろうなぁと予想していたスカイ。

 

「……ラピ、取り合えず話してこい」

 

「で、でも……」

 

「でもも何もあるか!バカ野郎!大馬鹿!普通にウンファが可哀想だろうが!!お前の事めちゃくちゃ信頼してたんだぞ!?それなのにラピ、お前って奴はさぁ……」

 

「ほら~、ウンファも話をして来たら?」

 

「……」

 

「こ、こんな機会、そうそうないと思う、よ」

 

「ちっ。はぁ……分かった」

 

ーーーー

 

ラピはアブソルートの面々に胸中を話した。レッドフードになりたかった事。彼女を受け継ぐのが使命だと思っていた事。彼女が強かったのは大切な仲間が居たから。自分にも大切な仲間ができて、近付けたと思った矢先に流れ弾で人を犠牲にした時、始末書の心配をしていた自分はただ彼女の真似をしていた事に気付いてしまった事。そのモノマネにアブソルートを利用してしまった。だから申し訳なくなって、出て行ってしまった。

 

「それが理由か。とんだ大マヌケだな」

 

「……ごめんなさい、今まで話す事ができない臆病者で」

 

「フン。この話をしたのもレッドフードに叱られたからか?」

 

「……そうかもしれない。でも、いつかは話さないといけないとも、思ってた。私のせいで、止めるのは違うって」

 

「はぁ……お前が人の話を聞かない情緒未発達の子供だと言うのはよく分かった。その話、他の奴等にはしたのか?」

 

「……」

 

「出来てないのか、そうか。……今度は別れる前にちゃんと話してやれ」

 

「許すの?」

 

「ここで意固地になって許さないと言ったら私までお前と同レベルになるだろうが。その話をされた時点で許すしかない。……だが、そうか。私たちの何かが嫌になった訳じゃないんだな」

 

「……そうね。あくまで自分の問題よ」

 

「それが分かっただけでもいい。……案外、答えを知りたかっただけなのかもしれないな。まぁ、そっちの部隊では上手くやれ。とっとと合流しろ」

 

「……ありがとう」

 

ラピはカウンターズの方へと戻って行く。

 

「あっさり許すのね?」

 

「……そうだな。さっきも言ったが答えを知りたかっただけなのかもしれない。だからといって過去がなかった事になる訳じゃないが」

 

「過去に囚われ続けるほど愚かじゃない?」

 

「ああ。私たちには私たちでやるべき事がある。そうだろう」

 

「う、うん。そうだね……!」

 

「アイツらに強化が必要だと言ったが、私たちにも必要だ。帰ったら"タクティカル・アップ"計画を進める」

 

「良いのね?」

 

「今のアイツには居場所があるからな」

 

「ふふ、そう」

 

ーーーー

 

 




ウンファ達との和解、難しい!でもレッドフードがいたら頭抱えてラピを叱るくらいはやりそう。自分も似たような事してるからこの師匠あって弟子ありって感じ。
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