1話
…ここは
スパイクは真っ白な空間にただ浮き、存在していた。
辺り一面を見ても白以外の色は存在せず、当てもなくただ彷徨う事しか許されなかった。
「…ここは何処だ……ん!?」
「……………」
微かに声が聞こえてきた。
「………む…くん、織斑君!」
「……ん」
そこで白の世界から目が覚めた。
……………………………
白の世界から目が覚めると、"今"の自分自身と同い年位の女に囲まれてクスクスと笑われながら注目を集めていた、そして目の前には生徒と変わらない位のやや大きめの眼鏡をかけている先生?が不安そうな顔で頭を下げながらこっちを向いていた。
「ごめんなさい。怒っているのかな?ごめんねごめんなさい、あのね自己紹介、あ から始まって今 お の織斑君なんだよね、自己紹介してくれるかな?だ、だめかな?」
少々涙目になりながら年下に頭を下げている、…シュールだな。
「いや、すんません少し考え事してただけっすから」
「ほ、本当ですか?や、約束ですよ!」
はぁ、…また一段と注目を集めてるじゃねえか。
「あー、織斑一夏ッス、…よろしく」
軽く頭を下げて、直ぐに上げ直した。
「以上です」
ガタガタと今時コメディーでもしないようなズッコケ方でズッコケる女子が多くいた。
「あ、あのー………」
再び涙目になりながら「何か他に?」見たいな顔されてもな……
バッシ! 意味も分からず頭蓋骨に響き渡った。
「だっ!」
「………………」
振り向いて見ると黒のレディースーツを綺麗に着こなし、モデルをも思わせるような体型をした"織斑一夏"の姉織斑千冬が腕を組み、一夏の前に仁王立ちしていた。
「げっ!千冬姉…ごふ!」
再び頭蓋に響き渡った。
「学校では織斑先生と呼べ、それと何だ?挨拶もロクにできないのかお前は?」
「…はいはい、織斑先生ー、先生」
なんで此処にいるんだ……
……………………
教訓、適当に進路を決めてはいけない。
二月、外で凩が息吹くほとんどの学生が進路を決めている中、一夏は学校内にある進路相談室に呼ばれ担任の教師にありがたい言葉をもらっていた。
「織斑…あとお前だけだぞ、進路どうするんだ?」
「…ここにするよ」
「………何故だ?」
一夏は渡された今年度の高校の学校紹介が書いてある厚い本の1ページ目を開けて担任に見せた。
「一番最初のページに書いてあったからさ」
「…馬鹿者、そんなん事で決めるな!?大体IS学園は女子高だ!?」
「ならここにする、隣に書いてある愛越高校、ここなら文句ねえだろ」
「…もういい、好きにしろ。」
長いから割愛させてもらうが。
とりあえずの進路が決まり受験日に会場に行く途中、間違いで隣のIS学園の所持しているISに触れてしまい作動させて………今に至る。
もし、真面目に高校を選んでいたら。
もし、間違いなく愛越の会場にたどり着けたら。
もし、受付の女がオツムが悪くなくしっかりと案内してくれたら。
…教訓、適当に進路は決めてはいけない。
それが教訓だ。
………………………
その後は面倒だった。
世界初の男性操縦者だっつって家にマスコミが押し寄せたり、政府 企業の連中が家に押し寄せたりしてるせいでタバコすら買いに行けない。
結局IS学園に保護される事になり、女だらけで憂鬱になり寝ているっと……。
………………………
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田先生。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「いえ、副担任ですから…」
…なんで千冬姉が?
その答えは直ぐに理解する事が出来た。
「諸君、私が織斑千冬だ!君たち新人を一年で使い物になる操縦者を育てるのが仕事だ。
私の仕事は若干15才を16才まで鍛え抜く事だ。私の言うことは聞けいいな!」
その後教室に響くのは罵倒 困惑ではなく
「キャーキャー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私お姉様に憧れて北九州から来ました!」
…元気だね。
千冬ね…織斑先生はそれを鬱陶しく
「…毎年、よくもこれだけ馬鹿が集めるものなだ、私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか」
再び黄色声援が教室中を響き渡らせた。
「きゃあーーー!お姉様もっとしかって!もっと罵って〜!」
「でも時には優しくして!」
「そして躾もお願いしますお姉様!」
…ここは変態しか集まらないのか?
はぁー。
別に気にはならなかったが、意外な場所で姉の職場を理解してしまった。
◇◆◇◆
SHRが終わり、先ほどまで寝ていて分からなかったのだが、注目を集めていたようで、どうやら一夏が千冬の弟と言うのを理解したのか一夏の方を向いて女子同士がヒソヒソと小声で話し合っていた、つまり一段と注目を集めてしまっていた。
「あの子よ!世界で唯一ISを使える男性って!」
「あなた話しかけなさいよ」
「私、声掛けてみようかな〜?」
「待ってよまさか抜け駆けする気じゃないでしょうね」
「…俺はパンダじゃねえぞ」
イライラが募り、屋上でタバコでも吸いに行こうと思い立ち上がろうかとすると、一人の子が話しかけてきた。
「ちょっといいか…」
凛とした顔つきにこの髪型………
!まさか箒か!?
……………………
箒…初めての幼馴染?かもしれん女に呼び出され、俺たちは屋上に二人っきりで立っていた。
「んで、なんの用だ?」
「うん…」
「六年ぶりか…時間が経つのははえぇな…」
一夏は内ポケットから愛飲している赤柄のタバコを出して火を付けた。
「!お前…いやいい、お前に何を言っても無駄だったな…」
何か悟ったようにして、箒は注意を辞めた。
「…お前は変わらないな、六年ぶりに会ったが……いい女になったじゃねえか」
「なっ!!」
顔を真っ赤にし、威嚇するような猫みたいに一歩後ろにさがり一夏を睨み付けた。
効果音があるならば『フシャー』とでもいっているように。
時間も虚しく見つめ合っている中、次の授業の鐘が鳴り響き、一夏はタバコの火を消し持っていた携帯灰皿の中に入れた。
「そんじゃまたな箒、…それと髪留め似合ってるぜ」
「!?」
一夏は来た道を戻り、手を振りながらその場を後にした。
一夏が屋上を後にしたのを確認すると、箒はボソッと呟いた。
「…お前本当に変わらないな………一夏」
今、箒の事を少しでも知っているような人間ならば、あり得ないという程の笑顔を見せていた。
スパイクっぽくないだとか、文書がっとかありますが。
感想で言って頂けると幸いです。
…スパイクっぽいかな………
過去の話はまとめて後で投稿します!