とあるシリーズとヒロアカのクロスを書いてみたかったので書いちゃいました!
「そらそらァ!!どうした上鳴ぃ!!」
「ちょ!?まっ!?早い早い!!!」
埼玉県のとある山中の整備された平原にて、私はエメラルドグリーンの光球を周囲に浮かべ、10本程のビームを標的に向かって連射していた。
「クソっ!これでも喰らえ!!」
弱音を吐きながらも私のビームの全てを弾く又は避ける標的……上鳴電気は腕を振るい一直線に進む雷撃を放つ。
「へっ!遅せぇよ!!」
単純な軌道で遅い速度の雷撃を横に跳んで軽く躱す。
「はぁぁぁ!?なんで今の避けれんだよ!?」
「鍛え方が違ぇんだよ!そっちこそ弾いてばっかじゃ無くて攻めて来いよ!模擬戦になんねぇぞ!」
「こっちは個性の制御で手一杯なんだよ!このゴリラ!!」
「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」
「か、掛かって来いやぁ…!!!」
健康優良でありモデル体型の美人なこの私をゴリラと呼んだ電気を、お仕置する為に拳を握り込んで走る。
「オラぁ!!」
勢いを乗せた初撃の飛び蹴りは上鳴に流され、着地と同時にノールックで放ったビームは電撃に掻き消される。
そのまま二撃目に移ろうとした時、電場の急速な変化を感じて咄嗟に飛び退くと、私が居た場所に雷撃が浴びせられる。
「チッ……やっぱり近接は厳しいな……」
「今度はこっちの番だ!!」
上鳴が地面に手をかざすと黒い粒、砂鉄が巻き上げられ渦巻きながら上鳴の周囲に集まる。
「ようやく磁場を操れる様になったんだ!とくと味わって貰うぜぇぇ!!」
宙に浮く砂鉄は四本の束になり、触手の如くうねりながら私を捕えようと向かって来る。
「甘ぇんだよぉ!!」
充分目で追える速度の砂鉄の触手を、全て見切った上で同様の四発のビームで全て迎撃する。
「まだまだぁ!!」
(迎撃は間に合わないか………)
さらに迫る二本の砂鉄の触手を、今度は純然たる身体能力を用いたバク宙で後ろに飛び、照準もままならいので前方にビームを乱射して消し飛ばす。
「………今のは少しヒヤッとしたな」
唐突だが私の生い立ちについて話そう。
私の
前世との違いは細かくあるが一番の違いは『個性』という存在だろう。
『個性』を使って『ヒーロー』という存在が、『個性』を悪用する『ヴィラン』を倒すという……なんとも某DCとか某MARVELみたいな世界が今世だ。
それと、さっき憑依と言った由縁であるこの肉体は『とある魔術の禁書目録』という作品に登場する、麦野沈利という女の肉体なのだ。
色々省略するが、彼女は学園都市という超能力が科学的に解明された場所で、7人しか居ないレベル5の第4位に位置する。
簡単に言うと全身からビームをぶっぱなすイカレ女だ。
まあ………性格が中々凶暴だったので、今の自分に似てないことを信じる………
「マジで…ウェイ!どういう反応速度…ウェイ!してんだよ!」
「おいおいもうアホになっちまったのかよ。接近戦ならお前の方が上だが、その弱点は克服しねぇと不味いだろ」
ワット数を上げすぎて脳がショートしたのか、若干ウェイウェイしてる上鳴に言いながら、そこら辺の石を空中に投げ、狙いを定めてビームで消し飛ばす。
「電撃だけなら…ウェイ!ワット数を上げなかったら幾らでも…ウェイ!撃てるんだけどなぁ………
というか入試前日にして弱点も何もあるかよ……」
「ま、そうだな。今日はこれくらいにして明日に備えるとしましょうか」
周囲に浮かぶ光球を消し、近くに置いていたクーラーボックスからスポドリを取り出して上鳴に投げる。
ジャージのファスナーを解放して、未だに色濃く残る冬の冷気に身体を晒しながらスポドリを飲む。
「…………ついに明日か」
「なにセンチメンタルになってるのよ」
「いやだってよぉ………チャンスは一回だけで倍率も300倍だぜ?センチメンタルにもなりたくなるだろ………」
「ビビんなって。自分の個性を伸ばして必殺技まで習得出来たんだ、今のお前なら対人でも対物戦でもさほど問題ねぇよ」
「勉強だよ!勉強!!筆記実技共に優秀なオメェと違って、俺はアホの子なんだよ!ア!ホ!の!子!」
「あー…………………ドンマイ」
「なんとか言ってくれよ!?」
嘆きの上鳴の肩を叩きつつ右手のひらに光球を出したり握り潰す様に消す。
ああは言ってるが上鳴も凡ミスがたまにある位で、理数系はむしろ出来る方なので別にアホの子でも無い。
「グダグダ言っても仕方ねぇ!とっとと帰って復習でもしようぜ!麓まで走るぞ!!」
「ま、待ってくれぉ!」
翌日、入試当日にて、私と上鳴は雄英高校の正門付近にやって来ていた。
『ねぇねぇ…あの人めっちゃ美人じゃない?』
『確かに凄い……発育の暴力』
『グヘヘ…さすが雄英だぜぇ………』
私は周囲の受験生達………あと変態紫髪のチビからの小声の黄色い歓声を一身に受けつつ、上鳴と並んで髪をなびかせながら歩く。
「アイツらも、お前がとんでもないイカレバーサーカー女だとは思いもしねぇだろうなぁ………」
「うん、お前後でシメるな」
『どけデク!!!』
『かっちゃん!!』
若干だが不機嫌になりながらも雄英高校のデカイ扉を潜ろうとした時、後ろの方から何やら怒鳴り声が聞こえて来て思わず振り返る。
「なんだ?受験当日に喧嘩か?」
「いや、そういう訳でも無さそうよ」
本来有機的な物質で自然形成されているはずの左の眼球、そこに埋め込まれた明らかな人工物、義眼で視界を拡大する。
「片方の奴……例のヘドロ事件の被害者ね」
「あー…テレビでやってたあの事件か。あいつも雄英受けるんだな」
「手から爆発を起こす個性だったか?競争相手としては中々厄介だな」
「もう一人の緑髪は…」
視界を拡大せずとも分かる程に思いっ切りコケて、傍のショートボブ頭の個性だろうか、それによって地面から数センチ上で浮遊していた…………
「まぁ……アレは考慮に入れなくても問題無さそうだな」
「試験を前にしてあの覇気の無さじゃ、どっちみち落ちるでしょうね」
数秒後には忘れる程にイメージが薄い男など一々記憶しておくのも面倒だし、今は眼前に迫る試験に集中すべきだ。
「そういやお前。その”左眼”は使っても大丈夫なのか?多機能で半分ズルみたいな感じだけど……」
「問題ないわよ 。あたしの筆記試験は特例で別の試験に変更する、って通達があったからね」
さっきも使った訳あって義眼となっている左眼、通称アナリティカルエンジンは、私の脳の未使用領域を使って情報処理やその他の便利ツールとして使用出来るのである。
もちろん通信機能も付いてるから、筆記試験は特例となった訳だ。
「実技試験にも、軌道計算とかの拡張機能は使っていいらしいわ。ま、演算処理は私の脳ミソでしてるから妥当な判断でしょうね」
「乱用には気を付けろよ。俺もお前の親御さんからも強く言われてんだからな」
「へいへい、モチロン解ってるわよ」
雄英特有のユニバーサルデザインでクソデカイ廊下を上鳴と共に案内図通りに進んで行くと、上鳴の試験会場と私の試験会場への別れ道に辿り着く。
「さてと……」
私と同時に足を止め、私と同じように振り向き、私の目を真っ直ぐに見詰める上鳴と向き合う。
「下手な事して落ちるなんて事は、くれぐれも無いようにしなさいよ!」
「そっちこそ、ヘマすんじゃねぇぞ!」
「はっ!誰に物言ってんのよ!」
「ヘヘっ、それもそうだな!」
両者の思考には一点の曇りも無く、むしろ闘志のプラズマを弾けさせていた。
拳と拳をぶつけ合って突き放し、互いに不敵な笑みを浮かべて試練の地へと歩を進める。
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主人公のガワはムギのんでも、中身は違うから安心してね!
次回!『エレクトリックな独断場』
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