とある原子崩し(偽)の英雄学園   作:NEAR LIGHT

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下っ端ヴィランと麦のんのセリフを入れ替えても違和感無い事に戦慄してる…………




十四話 迸る雷撃

 

 

麦野沈利 個性『原子崩し(メルトダウナー)

 

本来『粒子』又は『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を『曖昧』な状態に固定して強制的に操るぞ!

 

極めて雑な表現をすると全身からビームが撃てる能力だ!

 

威力は極めて高く、全方位へ同時に放つこともでき、電子線をループさせ座標軸を固定することで盾のように扱う事も可能だ!

 

ちなみに、下手すると自滅するので照準は慎重に行わないといけないぞ!

 

 

 

時間は少し巻き戻り………

 

 

上鳴Side

 

「どわぁぁぁ!!?」

 

 

俺は飲み込まれた黒い霧から吐き出されて尻もちをつく。

 

よ、良かった…あの黒い霧が即死攻撃の類いじゃなくて………

 

でもみんな無事か…?麦野みたいにバーサーカーじゃない奴も居るからめちゃくちゃ心配だ。

 

そんでもって麦野も心配。あいつブレーキをお母さんの腹の中に忘れて来てるから、ヴィランの事ボロ雑巾にしてそうなんだよな………

 

「ギャハハ!見ろよ!ガキ一匹が落ちて来たぜ!」

 

 

いやいや!今はヴィランに完全包囲されてるこの状況を切り抜けねぇと!!

 

 

「でも、俺一人で良かったな………」

 

「人の心配する暇あんの……ギャッ!?!?

 

「…味方を気にせずぶっぱなせるからなァ!!!」

 

無警戒に近付いて来たヴィラン一人に電撃を放ち気絶させる。

 

ヘヘッ!近くに味方が居ねぇんだったら演算も簡略化出来てソッコーで電撃もぶっぱなせるんだよ!!

 

「どうした?まさかガキ一人にビビってるわけじゃねぇよな!」

 

「このぉ…!人数はこっちの方が上だ!!やっちまえっ!!」

 

能力の自然レーダーからの反応が俺の全方位から一斉にヴィラン達が向かって来るのを知らせる。

 

けど、こんな有象無象に構ってる暇なんて一ミリたりとも無い。

 

とっとと麦野の所に戻って加勢してやんねぇとだからな!

 

無差別放電130万Vォ!!!

 

演算もへったくれも無く思うままに個性を使い、130万Vもの大電圧をヴィラン達もれなく全員に浴びせる。

 

やっぱ130万Vの無差別放電は指向性放電より負荷あるな、7〜9回くらいバカスカ放電してたらちょいアホになりそう。

 

「は、ハハ…!!残念だったな本気が通じなくて!」

 

全員倒してたと思ったのだが、一部のゴツイ異形型と少し焦げた奴が一人残っていた。

 

「俺がいつ本気つったんだよッ!

 

指向性放電130万Vォ!

 

原理はよく分からんが、まずは少し焦げたヴィランに向けて指向性放電130万を放つ。

 

「てめぇの電撃なんざ屁でもねぇんだよ!!」

 

ヴィランが飛来する電撃に両手をかざすと電撃はヴィランを逸れて地面に流れる。

 

あの野郎磁場を歪めてるな、もしや俺と似た系統の電撃使い(エレクトロマスター)か?

 

「面白い個性だな!大道芸とかに向いてるんじゃねぇの?」

 

「はっ!冗談言う余裕あるのか?今からなぶり殺されるってのに」

 

「HAHAHA!それこそ冗談だろ!」

 

皮肉では無い、心の底からそう思ってるのだ。ただ磁場を歪める程度なら対処のしようは幾らでもある。

 

麦野から叩き込まれた技と知識は伊達では無い。

 

「予定変更だ。お前はただなぶり殺すんじゃない、()()()()()()なぶり殺す」

 

ヴィランが片手を挙げると、周囲の異形のヴィラン達が俺を包囲してにじり寄って来る。

 

敵は数にして4人、俺を苦しめてなぶり殺すとのたまった奴は動かない、後方から俺の電撃を乱して妨害する腹積もりか。

 

多対一ならではの良い作戦だ、どうやら口だけでは無いらしい。

 

「死ねやガキぃ!!!」

 

四方から向けられる殺気を感じ取りながら、反撃に向けて冷静に素早く演算する。

 

俺は焦りも恐怖も感じていない、それ以上の焦りも恐怖も、技術も何もかも、アイツからこの肉体に刻み込まれた。

 

アイツには……麦野沈利にはまだ遠く及ばないのかもしれない。

 

それでも、目の前の敵を倒す事など造作もない。

 

指向性放電300万V!!!

 

「「「「「グギャ…ァぁ‪”‬ぁ!?!?」」」」」

 

目一杯気合いを込めた雷撃を4人の異形ヴィランと、電場を操るヴィランに数秒間浴びせて意識を完全に奪う。

 

「ど…うして……電撃が…ぁ…?」

 

電撃に耐性があったのか倒れずにフラつき、しかし今にもぶっ倒れそうなヴィランは訳が分からない様子で問う。

 

「簡単だ、お前の磁場を俺の能力で上書きして捻じ曲げたんだよ」

 

そう簡単な事だ、音速の3倍以上の初速を誇る超電磁砲(レールガン)を撃てる俺なら、そこらのチンピラヴィランが発生させる電場なんて容易く捻じ曲げられる。

 

麦野に言ったらもっと頭を使えだの、能力の特性をもっと活かせだののセリフが飛び出して来そうな戦法…………つまるところ単なる力押しで倒した訳だ。

 

「他にも何通りかあったんだけど、これが一番力の差を見せ付けれるからな」

 

「ば、化け…物……が…」

 

ヴィランが俺の能力の異次元さに卒倒して倒れたのか、普通に電撃のせいで倒れたのかは定かでは無い。

 

俺の異次元さにビックリして倒れたんだよな……?

 

そうして居るとUSJ中央の噴水辺りで緑閃光の帯が動いているのが目に入る。

 

麦野だ、麦野が戦ってるんだ。アイツの事だから強い奴と戦いたいだけかもしれない、でも何だかんだ言ってアイツも人を見捨てれない奴だ。

 

誰かを守るために戦ってるいるのだろう。

 

「すぅ………よし、俺が手伝ってやんねぇとな!!」

 

俺は深呼吸してから一呼吸置き、決意を固めて麦野に加勢するため走り出す………………

 

 

 

 

現在に至り…………

 

 

緑谷Side

 

 

「くたばりなァ!!」

 

「がッぁ…!?」

 

 

凄い

 

水難ゾーンの少し冷たい水に浸かり見る麦野さんの闘いから、緑谷出久の心中にはただその言葉だけが浮かんだ。

 

麦野さんは戦闘訓練で見せたあの超スピードを活かし、目にも止まらない動きで両腕が刀になっているヴィランを圧倒する。

 

目で追えない動きであるが、端々に見える一つ一つの動作から麦野さんが強力な個性に慢心せず身に付けて来た技術の数々を感じさせられる。

 

「な、なぁ…心なしか麦野の左目赤くなってる様に見えるは俺だけか?」

 

「いえ…私にも見えてるわ。シズリちゃんの動きも今までは辛うじて目で追えていたけれど、左目が赤くなってから完全に追い切れなくなったわね。あれも『メルトダウナー』の応用なのかしら」

 

「そこんとこどうなんだよ緑谷?」

 

「…………根本的な『電子操作』で人体の反応速度を劇的に上げる事なんて無茶苦茶だから応用では無いと思う」

 

だけど、理論上は可能だと僕は考える。

 

あくまで‪”‬理論上は‪”‬だ。仮に出来たとしても神経に流れる超微弱な電気信号を操作している事になるから、下手をしなくても脳のシナプスを焼き切ってしまう。

 

戦闘狂の麦野さんでも流石に自滅の危険性を孕んだ事はしないだろう………

 

………本当にしないよね?

 

「理屈はともかく!ヴィランの奴、麦野にボコされてるしこれもう勝ち確だろ…!」

 

峰田くんはヴィランに聞こえない小声で喜ぶ。

 

彼の言う通り、麦野さんのあの強さなら相澤先生や13号先生と一緒に残ったヴィラン達を全員倒せてしまいそうだ。

 

しかし、あの何人たりとも寄せ付けない圧倒的な立ち振る舞いは、僕には何故だか命を削るような危うい戦い方にも見えた。

 

「あの様子なら援護する必要も無さそうね、緑谷ちゃん峰田ちゃん。私達は13号先生の下に戻りましょう」

 

「そうだよ!とっととずらかろうぜ緑谷!」

 

「分かった……麦野さんがあのヴィランを倒したタイミングで僕達も移動しよう」

 

身を潜めながら移動の機会を見計らうため、闘いの行く末を見守る。

 

麦野さんが最後一閃らしきものを放とうとして軍刀を構えた瞬間、彼女の動きがピタリと止まった。

 

「ケロ…止まっちゃったわね。集中してるのかしら?」

 

「でもおかしくねぇか…?なんか左目に手を当ててるし……」

 

「涙…?」

 

いや違う、地面に落ちた雫の色が透明じゃない。

 

まるで血のように真っ赤な……

 

「おいあれ……血涙じゃねぇか…!!」

 

直後、麦野さんは一気に力が抜けたみたいに膝から崩れ落ち地面に倒れた。

 

 

 






実は最近、執筆する時間がなかなか取れないのと色々と設定の詰めが甘い部分があったので応援してくれる皆様に申し訳ないのですが、一度更新を停止させていただきます。

ここまでの評価付与と感想、本当にありがとうございました。

ふとしたタイミングで更新を再開するかもなので、お気に入り登録はそのままにしてくれたらありがたいです。

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