とある原子崩し(偽)の英雄学園   作:NEAR LIGHT

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いい加減にUSJ編を終わらせたい……


十六話 血の味

 

 

「…被害お構い無しにてめぇをブチのせる!!!」

 

「イラつく奴だなぁ…!お前、死ねよ!!」

 

「やだねバァーカ!!」

 

「殺せ脳無ぅ!!!」

 

微かに黒い高速の飛来物が見え、電流の放出を中断し、即座に磁力で自分の体を引っ張って飛び退く。

 

すぐに振り返るとさっきまで居た場所に人ひとりが丸々収まる程のクレーターが出来ていて、傍には超電磁砲で飛ばした筈のガチムチの異形型が立っていた。

 

「嫌に硬いなお前……」

 

緑谷の超パワーに耐えれるレベルの耐久力があるから、耐えれると踏んで超電磁砲をぶち込んだのに、幾ら何でも硬すぎる。

 

ダメージだって蓄積するし、超電磁砲のコインが空気との摩擦で発生させた熱だって食らったらタダじゃ済まないのに、コイツの体は()()()()()()()()

 

しかも、とんでもない身体能力だ。さっきみたいな一撃でも喰らえば即死は免れない。

 

「それなら…」

 

両手の平を左右に突き出し磁力操作の影響範囲を拡大、周囲のあらゆる金属類を頭上に直径2m程でまとめる。

 

「行動不能にしちまえば良い!!」

 

電気を操ることの真骨頂はその汎用性、直接的に危害を加えなくともヴィランを無力化させることなんて幾らでも出来る。

 

 

例えば、磁力で動かした金属類で関節をガチガチ固めてやるとかだ。

 

 

「らあッ!!」

 

どんなに筋力があろうとも、人型の以上は四肢の関節を固められれば身動きを取れなくなる。しかもコイツは攻撃を避ける素振りも見せなかったから、照準を定められないという事も無い。

 

高速で迫る六本の金属の触手に奴も拳を振るいはするが、散らされても磁力で再集合させるので無問題。

 

関節への巻き付け自体には無反応でされるがままに終わり、やつが完全に身動きを取れないよう締め付ける。

 

四肢の関節を固められて直立不動のまま身動きを取れなくなったヴィランは、身を捩って脱出しようするけど無駄だ。

 

関節に巻き付けた金属には常人なら骨が粉々になる圧力をかけてるし、例え剥がされたとしても再集合させる。

 

「へへーん!人間工学の大勝利!」

 

「……何の大勝利だって?」

 

もう一人の手のヴィランが脳無と呼ばれたヴィランの金属の触手に触れ、()()()()

 

「……ッ!」

 

 

 

何をした?何の個性だ?

 

あれは金属に酸素を付与して急速に酸化させたとか、金属が受ける磁力の影響を無くしたとか、そういう類じゃぁない。

 

残留物を残さず完全に『崩壊』させられた。

 

「この程度で喜ぶなんて、やっぱりガキだな」

 

手段の究明とその理屈に意識を割いた数秒の内に、脳無の拘束は全て解かれ自由になってしまった。

 

「金属は九割方消されちまったし、どうしたもんかな……」

 

攻撃手段として効率の良い磁力操作が使えないなら、直接的にダメージを与えれるのは単純な放電なんだが………

 

脳が耐えれる最大電圧と細胞が発電出来る限界量の都合上、俺が日に使える最大出力は八回。

 

無差別放電130万Vで一回

ここまでぶっ飛んで来るのに一回

超電磁砲で一回

さっきの大磁力操作一回

 

既に四回、最大出力を使ってしまった。

 

この残り四回の最大出力で脳無を無力化するのは厳しい、それにヴィランが目の前の奴らだけとも限らない。一、二回温存する事も考えれば不可能に近いだろう。

 

なら状況で狙うは一点、指示を出してる手のヴィランだ!

 

「そらッ!」

 

両手に雷撃の槍を作り手のヴィランに高速で投擲する。それらは脳無に防がれたが問題無し、あの大電流を喰らえば気絶しなくとも十秒くらいは痺れて動けなくなる。

 

その内に走って射角を変えて指を拳銃型に変え、狙いすまして電撃を放つ。

 

「指向性放電5万V!!」

 

「どこ狙ってんだ!」

 

一発目は軽々と避けられた。速射性に重きを置いた電撃だからそりゃそうなる。

 

だったら、二発目はどうだ?

 

コンマ3秒にも満たぬ早さで二発目の電撃を発射して、三発目、四発目と秒間三発の高サイクルの電撃で乱射を続けると、七発目で奴の左手首に着弾する。

 

回復する暇を与えずもう一発……とは上手くは行かず、警戒されて距離を大きく離されてしまう。

 

「じゃあお前だなッ!」

 

脳無が復帰して襲いかかって来たので、同じように雷撃の槍を喰らわせて痺れさせる。さながらゲームのスタンハメだ。

 

「そんなの見えてんだよ!」

 

「がァ…ッ!?」

 

背後から右手を突き出す死柄木に体から漏れてるレーダーで素早く反応、ノールックで電撃をぶっぱなす。

 

明らかにおかしい。大の大人でも四、五回気絶するくらいの電流を流したのにまだ立ち上がって来やがる。

 

麦野に劣らずとも勝らず身体能力と言い、あの破壊に特化した個性と言い、今更ながらただのヴィランじゃ無いと確信させられるな。

 

「でも、即死攻撃ってのは恐ろしいもんだが、射程が自分の間合いだけじゃ脅威にはならねぇな」

 

当たらなければどうということはないって、偉い人も言ってた通り、レーダーで敵の初動を感知出来る俺なら反応出来ない訳でも無い。

 

「それじゃあトドメ…「させませんよ」……!?!?」

 

一際大きい電流を打ち込もうとして視界が真っ黒になった。何が起こったのかを理解する前に視界が晴れた。

 

さっきより少し離れた場所に飛ばされたみたいだけど、何が狙いなんだ?ボスにトドメを刺されたくなかったのか?

 

「もしかしたら負傷組と俺を分断したかったのか…!早く戻ら……

 

 

刹那、俺の脳は目の前に迫る脳無の拳を認識した。

 

 

……!!!

 

防御、ただその一点のみに重きを置いて能力を発動する。

 

懐に忍ばせていた超電磁砲用のコインと、残った金属類で拳の重心をズラして直撃を避ける。

 

それでも尚、大量の鋼鉄を凝縮したような下方からの重い一撃は俺の両腕の骨を複数節に折り曲げる。

 

これだけで終わらず、発散されなかった運動エネルギーは俺をぶっ飛ばす事になり地面を高速で跳ねながら更にダメージを増やして行く。

 

「かゥ…ッ!!」

 

血の味がする。それも濃い血の味、口の中を切ったのか舌を切ってしちまったのか……

 

「ハッ!どんなヒーローも脳無のパンチをもろに受けたらタダじゃ済まねぇよなぁ!!」

 

あのヴィランの声が聞こえる。途切れ途切れでおまけに耳鳴りも聞こえて来るな、視界も点滅してるし意識もハッキリしない。

 

痛みも感じない上に右腕の感覚が無い、だけど痛みを感じないって事はアドレナリンがドバドバ出てる証拠だ。

 

「まだ…まだァ……!!」

 

なら痛みを感じない内に麦野達を逃がさねぇと……!!

 

額から滴り落ちる血を無視して立ち上がり、折れた腕を強引に持ち上げて超電磁砲の発射準備をする。

 

「全く、ヒーローってのは大変だ。そんなにボロボロになっても、勝ち目が無くても戦わないといけないんだもなぁ」

 

「はぁ…うっせぇよ……バーカ。俺が引いたら誰がアイツらを守る?誰も守っちゃくれないなら……俺が守る!

 

でもって…お前も……ブチのめす!!」

 

精一杯の不敵な笑みを浮かべたところで、USJの出入り口部分の扉が周囲の貼りガラスごと吹き飛ぶ。

 

誰……?いや、あの破壊力を起こして外からやって来る人物。そんなの一人しか居ない…!!

 

もう大丈夫…!!私が来た!!!

 

 

オールマイト(英雄)が来た……!!!

 

 

 




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