とある原子崩し(偽)の英雄学園   作:NEAR LIGHT

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イカれた時間に投稿ぅ!


二十一話 宣戦布告Part2

 

 

 

『どうせてめーらアレだろこいつらだろ!?ヴィランの襲撃を鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!

 

ヒーロー科!一年A組だろぉぉぉ!?!?』

 

プレゼントマイクの煽りで最高潮に盛り上がった会場に、私達一年A組は入場する。

 

「人多すぎだろぉ…どうなってんだよ今日平日だぞ…?」

 

「イェーイ!!みんな私を見てー!!!」

 

観客席からの大歓声の音圧に押される峰田も居れば、逆に自ら手を振り返し自己アピールする葉隠も居た。まあ、見えないんだけど。

 

十人十色な反応をするクラスメイトを横目に、私は余裕の溢れる足取りで悠然と歩んで行く。

 

「ククク…!!あちらこちらにプロヒーロー共がうようよと…………私の実力を最大限アピールしてやるわァ!!」

 

「悪い顔なってんぞー」

 

観客席を埋め尽くす人々の左眼でパッと見の内訳はヒーロー四割、保護者三割、報道陣が残り三割といったところ。

 

会場に居るヒーローは一先ずとして、私のアピール本命は報道陣だ。そもそも私の体育祭での目的は闘いを楽しむのは勿論、体育祭後のヒーローインターンのドラフト指名にあるのだ。

 

私の実力をさらに伸ばし、()()()()()()()になるため実力派のヒーローの下で経験を積むのは必要不可欠。

 

だからこそ!なるべく映像映えする魅せ方を録画映像として残し、体育祭後に控えてるプロヒーローからのインターン指名を勝ち取ってやろうじゃない!

 

「選手宣誓!1-A麦野沈利!!!」

 

「ハイ!!!」

 

 

「な、なんだ今の透き通った返事…!?」

 

「あんな綺麗な麦のん見た事無いんだけど!」

 

「ケロ、通常運転が凶暴すぎてみんな引いてるわね」

 

好き勝手言いやがっている奴らは後ほど腹パンするとして、今は徐々に沸いてきた闘志を内に抑えつつ、表面は凛として雰囲気を纏い壇上へと登る。

 

私が階段を一歩一歩登るごとに会場もしだいに静まる。

 

 

 

 

 

さァて、多少印象が悪くなろうがここは一発ブチかまして私という存在を明確に印象付けようじゃないの。

 

「選手宣誓……と言えば、スポーツマンシップにのっとりだとか、日々の鍛錬の成果を発揮だとか、そんな言葉を並べるのがテンプレだけど。

 

私はそんな事を言うつもり、毛頭無いわ」

 

さっそくの宣言に会場は大いにザワつき、報道カメラのレンズは一層愉快な被写体として私を選び写す。

 

「皆さん、私は聞きたい。私、ひいては私達ヒーロー科は、未来のトップヒーローを目指す者として普通の努力を行い、普通の目標を志して良いのか?

 

いいや良くない、良い訳が無いッ!」

 

「大勢を救い巨悪に立ち向かうためには、常人を遥かに凌駕する努力を重ね、限界を超えようとする意志で高みを目指し更なる飛躍を行うべきよ!」

 

思いのほか、喋り出したらスラスラと言葉が流れ出てきた。

 

「だからこそ言わせて貰う。狙うはトップ、それ以外ありはしないわ。私は私の全てを使って勝ちに行く、その目でしかと見てなさい」

 

長かったような短かったような、私自身も途中から時間感覚を忘れるほどに熱く語ってしまった選手宣誓もとい宣戦布告は、締めに力強く言い切り幕を閉じる。

 

選手宣誓の趣旨とは違った台詞だったが、観客受けは想像以上に良かったらしい。大歓声と言っても申し分ない拍手と歓声、激励が私に降り注ぐ。

 

「なに満足そうにしてんだァ!!」

 

「自語りしてんじゃねぇ!!」

 

「首席だからっていい気になるなぁ゛!!」

 

あらら、同級生からの受けはあんましね。

 

「フハハハ!心地良い歓声ねェ…!!」

 

私は高らかに笑って同級生からの歓声もといブーイングを聞き流す。あと宣言でヒーロー科の事を口にしたのもあり、ヘイトがヒーロー科全体に向けられて凄いことになっている。

 

「いやー!ライバルからは熱い視線、観客からは応援の言葉、最高の体育祭ね!!」

 

「なーにが最高の体育祭だバカ麦野!とんでもない事言いやがって!!」

 

「こうも注目されてしまったら隠密を主にした戦略も機能しなくなりますわ……」

 

「だがこの四面楚歌の状況、逆に好機だ。この苦難を乗り越えれば俺達の実力は確たる物と証明出来る」

 

クラスメイトからの反応は様々だ。闘志を燃やす奴も居れば呆れ半分に覚悟を決める奴も居る。

 

闘いを楽しみのにライバルは多い方が良い、総合的に私の選手宣誓はプラスに働いたのだ。

 

「お前、まだ始まってもないのに心底楽しそうだな」

 

「言うなればクリスマス前夜にプレゼントを待つ子供の気持ちよ。なんせ全方位に喧嘩売ったことだしね」

 

「そうやって全方位からヘイトを集めても、全員ぶちのめすのがお前なんだろ?」

 

「さっすが上鳴、分かってんじゃないの」

 

『今年の第一種目はコレ!!障害物競走!!』

 

明らか教壇に立って良いとは思えないコスチュームのミッドナイト先生が競技を説明する。あれで雄英PTAに何も言われてないのバグだろ。

 

スタジアム外周四キロメートルの全員総当りのレース、規模感だけ言えば他のヒーロー科高校には真似出来ないトンデモ競技だ。

 

驚くのはここから、なんとコースさえ守れば何をしても構わない。誰を殴打しようとも足蹴にしようとも、笛は吹かれない!最高のルールね!

 

『Hey!WE ARE OK?小便は済ませたか!神に祈りはァ?

 

これより始まるのは足と足を引っ張り合う泥沼レースだァ!』

 

ここで改めて今私が持ちうる力を振り返る。

 

 

個性を抜きにした超人的な身体能力

 

絶対破壊のメルトダウナー

 

義眼の演算補助と偽証看破能力

 

一人の特訓で編み出したオリジナルの麦野沈利を超えるメルトダウナーの新たな必殺技。

 

 

これらで必ず一位を掴み取る。

 

もうそろそろ御託を並べ立てるのもお終いだ。あとは『メルトダウナー』の演算に集中し、左眼と肉体のパフォーマンスを最大限に発揮するだけ。

 

『スターーーート!!!』

 

闘いの火蓋は今切られた。

 

 

 

 

 




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