次回のタイトルを前話の後書きで紹介してますが、自由度が無さそうなのでこれからは無しで行きます!
入試終了より数十分後、雄英高校採点室にて…………
「麦野沈利…か」
ヒーロー科の教師と校長が勢揃いする会議室のモニターには、先の入試試験で暴れ回った麦野沈利の試験中の写真と取得ポイントが表示されていた。
「近寄る敵をビームで撃ち抜きながらも、他の受験生への流れ弾は防いでいた点から見て、考え無しの戦闘狂、って訳では無いらしいですね」
少々気怠げな雰囲気を醸し出しながら言うのはヒーローネームを『イレイザーヘッド』とする壮年の男であった。
「全機の急所を正確に撃ち抜く精密動作、ビーム一発一発が必殺級の威力、加減は出来るのカナ?」
この空間に場違いなほどキャッチーな見た目の、人語を喋る小動物はこの学園の長、ネズ校長である。
「恐らく出来ないでしょうね。射程の調整は出来るみたいですが貫通力そのものは据え置きになっています」
可愛いドッスンみたいな四角いコンクリートは『セメントス』、ちなみに担当教科は現代文。
「私は彼女のこと好き!
ヴィランポイント80P、レスキューポイント25P、0ポイントまで倒して堂々の一位!
おまけにヒーローの素質もしっかりある!」
明らかSM嬢なコスチュームのヒーローは『ミッドナイト』、余計だが彼女は今年で三十路過ぎだ。
「ヒーローの素質がおまけは不味いのでは?」
「力も素質も、これから成長させて行けば良いわよ!なんせ彼女はまだ受精卵なんですから!」
「あと、彼女の個性は厳密に言えばビームじゃなくて、
「え、そうなの…?」
「まあ良いじゃないか!結果的に彼女は己の力で一位をもぎ取ったんだし、この際プロセスは関係ないのサ!」
「俺的には同率二位の二人が気になるぜ!」
ハイテンションの金髪トサカDJ、授業は普通な『プレゼントマイク』はモニターを切り替える。
モニターが切り替わり、悪役顔で笑う少年、爆豪勝己の姿と、超電磁砲を放ちアホになった、上鳴電気の姿が写し出される。
「爆豪勝己、ヴィランポイント77Pに対してレスキューポイントは0P!こいつは中々の骨太ボーイだな!」
「この子も凄かったですよね〜!誰一人助けずに二位なんて、私見た事ありませんもん」
「一位には一歩及ばなかったものの、彼の練度も素晴らしかったですね」
「そして上鳴電気、ヴィランポイント55Pとレスキューポイント22P…………」
「彼も序盤中盤で電気でロボットを惹き付け倒し続け、尚且つ人助けをしたのも良かったんですが………」
教師達は揃って微妙な顔をしてモニターに写る、上鳴渾身の超電磁砲の一連の映像を眺める。
「詰めが甘いな」
「ですよね………」
「一応数十分後には元通りになるみたいだが!その数十分があまりにも致命的だな!」
「威力と貫通力は一位にも並ぶけど、あの一発を撃って行動不能ってのは頂けないネ」
「結局、上鳴電気が仕留め損なった0ポイントは他の奴が倒しましたしね」
「まあ、そいつはさらにタチの悪い行動不能になった訳だが………」
「だが!彼は紛れもなく”ヒーロー”だと思う!!」
180°違うアメリカンコミック風な画風のNo.1ヒーロー、『オールマイト』はもう一度モニターを切り替える。
そこに写るのは、泣き顔の弱々しい印象を与える緑髪の少年だった……………
一方その頃、雄英高校臨時大保健室にて……………
「アハハ八ハ!!それであんたショートしちゃったの!?マヌケ過ぎるでしょ!」
「笑うなウェ〜ィ……」
試験が終わって梅雨ちゃんと服を着替えていた時に……!
なんとこのアホの名前と一緒に私の名前が放送で呼ばれたから何があったのかと思えば!
まさかカッコつけた
「えっと………」
「ハハハ…!あぁ…ごめんなさい。このアホのこと運んで来てくれた子ね?このアホなんかに世話焼かせてくれてありがとう」
「アホアホ言うなウェ〜ィ…!」
というか、この子上鳴と一体どういう関係なんだろう。
ただその場に居合わせただけで上鳴をここまで心配するとも思えないし……………まさか!!!
「あなた………
こいつに弱みでも握られてるんじゃないの……?」
「は!?え!?ち、違うよ!私は上鳴くんに助けられた恩があるから心配で着いて来ただけだよ!!」
「あれ?そうなの?」
私の義眼……正式名称はアナリティカルエンジンと言うが、コイツは私の脳の未使用領域を使って色々面白い事が出来る。
例えば、人が嘘をついた時に現れる独特な緊張を読み取ってそれを判別し、擬似的な嘘発見器みたいな事も出来るのだ。
透明ちゃんの声からは独特な緊張は感じない………という事は、試験中にも関わらず本当に人を助けたという事だろう。
「俺はウェイ!しっかり助けたウェイ!」
「えぇ本当らしいわね。それなら帰って祝杯よ!今夜は盛大にやろうじゃないの!!」
「お前の全奢りウェーイ!!」
「ハハハー!殺すぞ〜?もちろん割り勘な」
「ウェイ…………」
「あ、あの!私もその祝杯に参加して良い!?」
「うん?別に良いけど………」
透明ちゃんの声からはまた別の緊張が感じられる。
「ふーん」
この緊張からは、アナリティカルエンジンなど使わずとも透明ちゃんの思いを読み取れる………
それはもう甘酸っぱいような初々しい恋慕の感情が!!
「な・る・ほ・ど・ね
私はこのクソボケに一ミリも”そういう”興味は無いから安心しなさい」
「そ、そそ…!そういう興味なんか無いよ!!」
いやー!透明で表情は見えないけど、この手の事で人が恥ずかしがってるのは見てて楽しわね!
「このクソボケ上鳴は死ぬほど鈍感だから頑張りなさい。GOOD LUCK」
「だから違うってばー!!」
「ケロ、ようやく見付けたわシズリちゃん!」
振り返るとそこでは何処かの中学の制服姿になった梅雨ちゃんが少し息を切らせていた。
「放送で呼ばれたと思えば突然走り出しちゃうし!結構探したのよ!」
「ごめんごめん、放送で呼ばれたこのアホが心配でね」
「このアホさん…?と透明な人があなたのお友達ね。私は蛙吹梅雨、よろしくね」
「俺は上鳴電気!よろしウェ〜ィ!」
「私は葉隠透だよ!よろしく蛙吹さん!」
タイミング逃して聞けなかったけどこの透明ちゃん葉隠透って言うんだ………もう慣れたけど、この世界の人達ってマジで名は体を表すって感じね。
「ていうかどっち道入学したら顔合わせるんだから、別に探さなくても良かったのよ?」
「あなたはお友達だから当然よ。入学に関しては………私は雄英に受かる自信少し無いわ」
梅雨ちゃんはそう言って口角と瞼を下げて如何にも自信無さげだが、私はそう思わない。
「そうでも無いでしょ?チラッと見たけどあなたの実力なら十分合格は狙えると思うわ、他人も多く助けていたし」
「そうかしら………」
”助けていたし”
私は私自身が最後に口にした言葉に引っかかった。
この実技試験はロボットを多く破壊してポイントを多く得る、戦闘向きの個性を持つ者が圧倒的有利で、合格はそいつらが掻っ攫って行くだろう。
ならば戦闘向きじゃない個性持ちの奴らは不合格?
天下の雄英高校が戦闘向きのヒーローばかりを排出する?
答えはどちらもNOだ、確かに戦闘力も必要とされるが卒業生の中には戦闘向きじゃない個性持ちも確かに居た。
これらを考慮すると、雄英側は戦闘力以外の、それも”人を助けた行動”を点数に入れて合否を判断してるんじゃなかろうか。
「安心しなさい梅雨ちゃん」
「え?」
「このヒーローが戦闘力以外も必要とされるなら、雄英も当然戦闘力以外を見ているはず。人を多く助けたあなたはもっと自信を持ちなさい」
「ケロ……?」
「ウェイ!つまりは人を助けた事も…ウェイ!ポイントに加算されるって事ウェ〜ィ?」
「そう、試験中にも関わらず人を助ける、こういう人材も雄英は求めてるんじゃないかしら?」
「それなら私とかアレだよ!めちゃくちゃ色んな人助けたよ!」
「ケロ…!私も怪我人を運んだりしたわ!」
「そゆこと。だから暗い顔しないで、笑顔で明るく行きましょう」
「ふんふんつまり………つまり麦野は凶暴で戦闘力が高いから人を助けなくても問題無いって事だ!」
顔からアホが抜け切った上鳴は探偵みたく顎に手を添えて言い放ちやがった。
「カ〜ミ〜ナ〜リ〜クーン?
まだアホが抜け切って無いみたいね?そのユルユルな脳ミソを鉄みたく叩いて鍛造してあげましょうか〜?」
「アッゴメンナサイ………」
「小せぇなァ?そんなみみっちい声じゃぁ…!殴りがいがねぇだろうがよぉぉ!!」
「ひぇぇぇ…!!!助けて二人共!!」
「ケロ………恐ろしいわねシズリちゃん」
「女の子に凶暴って言うのは上鳴くんが悪いけど……………優しくしてあげてね………」
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ここの上鳴は超強化の代償としてハイパー鈍感なクソボケです
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ギャグ要素多め シリアス少なめ
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ギャグ少なめ シリアス多め
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どっちも同じくらい