ファ!?気付いたら評価バーが真っ赤になってるんですけど!?
とにかくありがとうございます!!
皆さんの評価を糧に頑張ります!
「にしてもすげぇよ!」
雄英高校の廊下にて、私はここ数週間何度も聞いた上鳴の”すげぇ”にウンザリしながら歩く。
「俺たち雄英に受かっちまったんだぜ!」
「分かったから少し静かにしなさいよ………」
興奮し過ぎな上鳴はいつにも増してうるさい…………まぁ、その気持ちも分からん事も無い。
私は持ち前の演算能力とメルトダウナーで入試総合一位の首席、上鳴もある程度の学力をも補う実技成績で総合四位。
たしかに私も私の家族含め数日間は大喜びしてはしゃぎ回ったけど、いくらなんでもこいつは流石に喜び過ぎでしょ。
「ほら。もう教室だから黙りなさい、入学早々恥はかきたくないでしょ」
「おう!とにかく梅雨ちゃんと葉隠も受かってたみたいだし、これからの高校生活が楽しみだな!」
「そうね。あんたがいつアホを晒すのか本当に楽しみだわ」
「ひでぇなー、許容上限も上がったんだしそうそうアホは晒さねぇよ」
「おい上鳴。あれ……」
「………なんだあれ」
そうこうしている内に1-A教室付近にやって来たのだが………何故か教室のドアの前に薄汚れた黄色い寝袋を纏った男が転がっていた。
「やべぇよ上鳴、あたしの左眼クラッキングされたみたい………デカイ芋虫が見える」
「安心しろ…俺にも見えてる………あとアレは寝袋だ」
ドアの前に居たワカメみたいな緑頭とショートボブ頭も戦慄して固まっていた。
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
デカイ芋虫が喋ったかと思えば脱皮の如く脱ぎ去り、中からは綺麗な蝶では無くくたびれたオッサンが出て来る。
というか今担任って言ったか!?
「麦野沈利、教員への言葉遣いでは無いな」
「あぁ、はい……すみません」
「麦野が素直に謝った!?隕石でも降るのかよ!?」
「お前後でお・し・お・きな」
「合理的に行こう。さっそく全員これを着てグラウンドに集合な」
それだけ端的に言い相澤消太と名乗ったオッサンは廊下を歩いて去って言ってしまう。
「とりあえず着替えましょうか………」
教室内の奴ら含めて私も呆然としていたのだが、いい加減動かないと相澤”先生”にまた何か言われそうなので動き出すと、他の奴らもぞろぞろと私に続く。
「あっ!麦野ちゃんと上鳴くん!やっほー!」
後ろから元気な声で喋りかけて来たのは透明ちゃんこと葉隠透だった。
「やっほー葉隠!今日も可愛いな!」
「かわ…!?み、見えてないのに適当な事言わない!」
「いえ葉隠、多分こいつには見えてるわ」
「へ?」
中学でも女なら見境無く無意識に堕とすクソボケ上鳴の発言について補足を入れる。
「このクソボケは常に体からレーダーみたく電磁波を発してるから、全方位の景色を認識できるのよ」
「えーと?」
「つまり葉隠さんのお顔は、白黒テレビのように認識されている…ということでしょうか?」
話に参加して来たのは如何にも育ちが良さそうな……特に胸部装甲の育ちがとてつもなく良いポニーテールだった。
「あっ紹介するね!さっきお友達になった八百万百ちゃんだよ!」
「お二人共よろしくお願いします」
普段接する事の無いにこやかな笑顔に圧倒されて私達は少し言葉に困ってしまう。
「それで、答えの方はいかがでしょうか?」
「あ、あぁ……八百万の言う通り、葉隠の可愛い顔はしっかり見えるぜ」
「凄いですわね……それでは死角からの不意打ち等にも全て反応出来るのでしょうか?」
「そそ。電磁波を吸収されない限りは…「うわぁぁぁ!!上鳴くんのエッチ!!!」…ヘブラ!?」
八百万の質問に上鳴が答えようとしたら、唐突に葉隠の透明な平手が上鳴の頬に炸裂する!
「良い平手だな。腰がしっかり入ってる」
「冷静に分析してんじゃねぇよ!というか葉隠は何故に平手!?」
「だって実技試験の時わたし裸だったんだよ!!!」
「それがどうし…あ」
裸、そう裸だったのだ。
私も何となく察していたが、上鳴は見える見えない関係無しに、その体から無意識に漏れる電磁波のレーダーで全方位を認識出来る。
ならば、試験中に裸であっただろう葉隠は上鳴にとって文字通り丸裸だった訳だ。
「うわぁぁぁん!!もうお嫁に行けないよぉ!!!」
「ご、ごめん!!なんなら俺がお嫁に貰うから!!」
上鳴はようやくその事実に気付いて物凄く申し訳なさそうな表情をしながら謝り、またもやクソボケ発言をする。
「…………上鳴さんはいつもあの様な発言を?」
「まぁな……親友として頭が痛いよ」
周りの奴らから同情の視線を受けながら更衣室に入る…………
「君たちに今からやって貰うのは、個性使用ありの体力テスト。言うなれば個性把握テストだ」
衝撃的なファーストコンタクトのせいで最悪なイメージしか無いが、相澤先生からのお言葉には興味が沸く。
「ホントに入学式無いのかよ……」
「一応、合理的っちゃ合理的ね」
さっきのショートボブがガイダンスやら入学式やらと言っていたが、相澤先生は冷たく現実を突き付ける。
相澤先生の言う通り、私達はヒーローを目指すために
トップヒーローとなる為には、他学校の生徒よりも何倍を努力を重ねなければならない。
だから万人に通ずる、体力テストと個性使用を合わせて生徒の実力を迅速に測ろうとしているのだろう。
いかにも合理的だ。
それはそれとして、私はイベント事をある程度楽しみにするタイプなので、ちょっとショックを受けてたりもする…………
「首席は麦野だったな、中学のソフトボール投げ何mだ?」
「155mよ」
「……ゴリラかよ」
「……いやラージャンだろ」
「…じゃあ個性使ってやってみろ」
麦野沈利様の155mという大記録を聞いてクラスメイト達はざわつき、相澤先生も一瞬言葉に詰まる反応を見れて大変気分が良い。
あと、スーパーアスリートのこの私をゴリラ、ラージャンと呼んだ紫チビとしょうゆ顔の野郎は後で殺す。
「その円の中から出なかったら何をしても良い。
全力で投げろ」
「全力…ね」
受け取ったソフトボールを握って強度と重量を確かめつつ円に入り、ボールの飛ばし方を思案してみる。
まあ方法は色々とあるが、
重量約200g
強度は極低出力のメルトダウナーにも耐えられない程度
利用可能範囲は直径2m
演算能力を使った完璧な軌道計算だけでも、メルトダウナーだけでも、身体能力だけでも、他を圧倒する記録は出せない。
それならば、左眼をも合わせて使う軌道演算、メルトダウナーを応用したフォーム、超人的な身体能力。
これら三要素の弱点をそれぞれ補わせ、利点を最大限引き出す、私の全身全霊の一投で先生含めた全員の度肝をブチ抜いてやる。
「軌道演算完了」
投げる方向を見据え、ゆっくりと身体をしならせるフォームでボールを持った右腕を振りかぶる。
「オラァ!!!!」
そのまま右の手の甲を支点としてメルトダウナーを発動、瞬時に超加速された右手がブレない様に肉体で抑え込み、演算した完璧なタイミングで手を離しボールを遥か遠くへ投げ飛ばす。
『うわぁ!!』
『きゃぁぁ!!』
反動で背後の地面は大きく抉れ、砂塵と衝撃波が舞い散りクラスメイト達は思わず目をつぶり、私の口角は無意識の内に吊り上がっていた。
「ハハッ!結構行ったんじゃねぇの?」
「たしかに、結構行ってるな」
相澤先生が見せた端末の画面には、1597.2mという輝かしい大記録が表示されていた。
「うぇぇぇ!?1597メートル!!?」
「約1.6キロ……凄いわシズリちゃん」
「はっ!ぶっ殺しがいのある奴じゃねぇか!」
「なかなか悪くないキラキラだね☆」
頭が物理的にも精神的にもおかしい爆発頭や、様子のおかしい金髪頭が数名程混じっていたが、クラスメイト達の歓声やら驚愕した反応には心躍る。
接戦する闘いだったり入試みたいな大量の敵を倒しまくる方がやっぱり個人的には楽しいけど、こういうのも悪くないわね。
「まぁ、ざっとこんなもんよ」
「これなら私にもやり様はありますわね!」
「こりゃ面白そうだな!」
「………”面白そう”か。
なら、総合成績最下位の奴は除籍処分としよう……!」
「「「「「「「はぁぁ!!!???」」」」」」」
相澤の唐突な除籍宣告に私も私以外の奴らも目を剥いて驚愕する。
というかこのカス教師マジ!?
別に私が最下位になる気は一ミリたりとも無いけど、入学早々クラスメイトが一人消えるのは気分が悪いんだけど!
流石に嘘よね?
私の左眼には嘘は通じ……
「なぁおい麦野…!あの先生マジで言ってるのか!?」
「…………大マジみたいね。ケツに火ぃ付けるためだと思ったけど、アイツからは嘘の緊張は感じない………
………本当に一人消すつもりよ」
……私の左眼に嘘は通じない。
されど、奴の気配には左眼を使わなくとも除籍処分が本当であると理解させる程の凄みがあった。
「さぁ、手早くやろう。その方が遥かに合理的だ」
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めちゃくちゃ申し訳無いんですけど、書き溜めた分が無くなったので、これからは二日に一回か三日に一回の更新になります(>_<)
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