とある原子崩し(偽)の英雄学園   作:NEAR LIGHT

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遅くなってすみません!

今回は説明回みたいになってますから次回はもうちょっと早く投稿出来ると思います!


七話 科学の個性

 

 

 

「あ、あの!麦野さん!!」

 

「おん?」

 

相澤先生のめちゃくちゃなテストも終わり、教室に戻って机の上の書類やカリキュラムを確認してると何やら興奮した様子の緑谷がやって来た。

 

「どしたの?告白ならちょっと大胆ね」

 

「こ…こ…こっ…!告白!?」

 

「冗談よジョーダン

 

んで?何の用かしら?」

 

顔を真っ赤にする程とは中々良い反応してくれるわね、これから三年からかい倒してやりましょう。

 

「え、えっと。お互い除籍を回避出来たら個性の事を教えてくれる…って言ってたから聞きに来たんだけど……」

 

あのぶっ飛び教師の合理的(大嘘)のインパクトで完全に忘れてたわ………にしても熱心ね緑谷、ノートまで持って来て記録する気満々じゃない。

 

「その話、私も同席させて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

「あっ!私も聞きたーい!」

 

「おう!俺も気になるから聞かせてくれ!」

 

「オイラもオイラも!」

 

おぉ……大分増えたわね。

 

確かにあんだけ派手にカマしたら気になりもするでしょうけど、これクラスのほぼ全員が来てないかしら…?

 

まあそれだけ私のエンタメ適正があるって事ね!

 

「フッフッフ………ならば聞かせてあげましょう!!

 

私の個性、『メルトダウナー』のことをね!!」

 

いつの間にかぞろぞろと集まって来ていたクラスメイト達にも説明するために、教卓の前に移動した私は大変良い気分で話し始める。

 

「さっそく矛盾するけど、私の個性の正式名称は『メルトダウナー』じゃなくて『電子操作』っていうジミーな名前よ」

 

「電子操作…?」

 

「あのビームが…?」

 

「厳密に言うとビームでは無いけど、一応その認識で問題無いわ」

 

これから話す机上の空論にも感じる確立された理論に説得力を持たせるため、メルトダウナーの光球を手の平に展開して見せつける。

 

「本来、電子ってのは『粒子』か『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す素粒子なの。

 

でも、その法則を捻じ曲げて二つの中間である『曖昧なまま』の状態に電子を固定して強制的に操るのが、私の個性よ」

 

「はい!」

 

「ほいどうぞ、八百万ちゃん」

 

当然出て来る質問の先陣を切ったのは八百万だ。

 

「強制的に操る…と申しますが、それがどうしてあの様な絶大な破壊力を生み出すのですか?」

 

「良い質問ね。『曖昧なまま固定された電子』は『粒子』にも『波形』にもなれない、だから擬似的な「壁」として振る舞うの」

 

「壁…?」

 

「この壁は通常の手段では減速せず、破壊されない。そんな代物を強制的に動かし高速で対象に叩きつける……

 

そんな幻想の科学を現実の科学に強引にでも落とし込むのが私、麦野沈利であり「メルトダウナー」よ」

 

『…………』

 

なんか反応が薄いけど、こいつら本当に理解してるんでしょうね……?

 

私が麦野沈利の肉体と能力を持っていてメルトダウナーの理論を知ってても、この能力を再現するのはめちゃくちゃに苦労したのよ……?

 

左眼も再現する時に間違えて吹き飛ばしちゃったし……

 

「ちょいちょーい?理論と個性が揃っても、『メルトダウナー』はめちゃくちゃピーキーで扱いづらい能力なんだし、もっと驚いてくれて良いのよ……?」

 

「そう言われても…」

 

「ここまで科学な事を言われるとは思って無かったから…」

 

「実戦で使ってるところを見ないと何とも…」

 

クソ!

 

事故とはいえ左眼まで潰れて再現した能力なのよ!?

 

いくら何でも酷すぎでしょこの反応は!

 

それともアレ!?

 

こんな暴力ラージャン女の個性は口頭弁論じゃ伝わらないって訳ぇ!?

 

「ぼ、僕は聞いてて楽しかったよ!」

 

「私としても大変参考になるお話でしたわ!」

 

「フォローありがとね二人とも…………」

 

あーあ、実戦ならメルトダウナーの凄さも分かるだろうし………

 

なんか都合良く戦闘訓練でもしてくれないかしら…………

 

 

 

 

翌日………

 

 

 

 

「今日のヒーロー基礎学はコレ!戦闘訓練だ!!」

 

 

マジか、なんか都合良く戦闘訓練してくれるじゃん。

 

日頃から他人に優しくして愛想を振り撒いてた賜物ね。

嘘は言ってない

 

「オールマイト先生!戦闘訓練って具体的には何をするんですか?」

 

「HAHAHA!オールマイトで良いよ芦戸少女!具体的な説明は外でするから、とりあえずコスチュームを着てグラウンドベータに集合してくれ!」

 

オールマイトが指を鳴らすとスムーズに壁の一部がスライドして開き、番号が印字されたアタッシュケースを収める三列のラックが姿を現す。

 

カッコイイけどスゲー無駄な機能だと思うのは私だけだろうか……?

 

「君たちの『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた戦闘服……コスチュームさ!!!」

 

 

 

それから女子は女子更衣室、男子は男子更衣室で着替えてから…………

 

 

 

「わぉ!麦野さん真っ黒だね!」

 

「そっちは中々セクシーなコスチュームね」

 

グラウンドベータに移動して集まり、それぞれがそれぞれのコスチュームについて感想を言い合う。

 

麗日のコスチュームは体のラインがダイレクトに出るセクシーな物に仕上がっていて不健全に防御力が低い仕上がりであったが、私はそんな雰囲気なぞ微塵も感じさせないコスチュームだ。

 

鮮やかで威厳と自信を感じさせる黒を元に、襟や袖の縁などの要所にメルトダウナーと同色のエメラルドグリーンの衣装を施された、重厚感のある軍服風コスチュームである。

 

「うんうん、結構しっくり来るわねコレ」

 

これまた黒とストライプの帽子のつばを弾いて感触を楽しみ、腰に携えた()()()()()の柄に手を置く。

 

「ていうか麦野さんは学校のケースじゃ無かったよね?もしかして自家製のコスチューム?」

 

「そう!防弾防刃防爆性能、オマケに防炎の盛りに盛りまくった高性能コスチュームよ!」

 

「えぇ!それ凄い高かったんじゃないの!?」

 

「普通ならそうなんだけどね、実は私の親が財閥を代々家族で経営してるから…」

 

「お金の暴力で!?」

 

「別に札束ビンタしたんじゃないから安心なさい………私がそこの子会社の研究部の人達と仲良しだから試験的に無料で作ってくれたのよ」

 

「今度は人脈の暴力………」

 

この義眼を作ってくれたのも個性の研究の助けをしてくれたのも、今の私があるのもその会社の人達のお陰だ。

 

「んで、緑谷のも自家製?」

 

「うん!お母さんが作ってくれたんだ!」

 

薄いジャージにホームセンターのマスクと手袋………麗日とは違う意味で健全に防御力が低そうである。

 

「ど、どうかな…?」

 

「カッコイイと思うわよ?特にオールマイトに寄せて来た所が」

 

「べべ…!別に寄せて無いよ!?」

 

「さぁ……始めようか有精卵ども!!!」

 

そうこうしてるとオールマイトが訓練の説明を始めたので耳を傾ける。

 

場所はビルの奥内、人数は2対2、ヴィランチームとヒーローチームに別れて戦う対人戦闘。

 

状況設定については核兵器を守るヴィランに対し、ヒーローは制限時間内にヴィランもしくは核兵器を確保するのが目的。

 

 

場所の広さに比べて時間が15分だから、ちょいヒーロー側が不利かな?

 

「ちなみに……コンビと対戦相手はクジで決める!!」 

 

「ええっ!?適当なのですか!?」

 

「プ・・・プロは急遽他事務所とチームアップをする事も多いんだよ、その辺りの事情もあるんじゃないかな!」

 

「なるほど…!将来を見据えた計らい!!これは失礼しました!」

 

「一通りの説明は済ませたが、何か気になる事はあるかな?」

 

「質問良い?」

 

「勿論良いぞ麦野少女!」

 

「核以外の破壊はどの程度まで許容してくれるの?」

 

メルトダウナーを人に撃つつもりはそんなに無いけど、建物に対してはバンバン使ってくと思うし聞いとかないとね。

 

ていうかカンペ出してるわねオールマイト………

 

「ふむ……ルール上はいくらでもやっちゃって構わないが、強いて言うなら不用意な破壊で自チームが不利になる事は避けてくれたまえ」

 

なるほどナルホドー………不利にならないなら壊しまくっても良いって事ね!!

 

「それじゃあ麦野少女以外に質問も無いみたいだから、早速クジを引いていこう!」

 

さーてと、個人的にクジ運は良い方だから、私がヴィラン側、全力でぶん殴っても問題無い位なるべく硬い対戦相手が欲しいわね。

 

「Cチームは麦野少女&八百万少女!」

 

「よろしくお願いしますわ!」

 

「ほいほーい、良い具合に勝ちましょうね」

 

ペアは防御力がほぼ皆無なコスチュームを身に纏う八百万だった…………

 

そのコスチューム大丈夫なの?

 

コスチュームというか羞恥心とか感じて無さそうな、その頭の方は大丈夫なの?

 

「……どうかしましたか?」

 

まあでも、昨日の話も理解してたし参謀タイプな雰囲気するから

 

「いえ、何でも無いわ。それより個性の事を教えてくれない?作戦を立てるのに互いの個性を知るのは必要でしょ」

 

「それもそうですわね。それでは……

 

……私の個性は『創造』、文字通り物体を創り出せる個性です。生物は創れませんが、非生物で分子構造を理解しているならば何でも創れますわ」

 

「へぇー。分子構造を理解してないといけないのがこれまたピーキーだけど、何でもってのは凄まじいわね」

 

「感謝申し上げます」

 

うーん?このお手本の様なお嬢様語で堅苦しい喋り方、何だが調子が狂うわ。

 

「初戦はヒーローAチーム対ヴィランDチーム!2チーム以外のメンバーはビル地下に移動して観戦室だ!!」

 

『はーい!!』

 

初戦は爆豪&エンジン眼鏡VS緑谷&麗日………

 

Dチームの面子は、屋内とは言え脅威的な機動力のエンジン眼鏡、安定した打撃力と機動力の爆豪。

 

対してAチームは身を削る超パワーの緑谷、格闘戦に用いれば強力な無重力の麗日。

 

「いくら確保テープがあるとは言えこれは……」

 

「ヒーローチームは相当不利ね」

 

戦闘に用いるほとんどの要素でヒーロー側は負けている、これではやる前から勝負は見えている…………

 

 

 

でも、そんな安置な私の予想は見事にひっくり返された。

 

 

 

 

 

「勝者!!ヒーローチーム!!!」

 

目標を危険に晒すような危なげのある勝利ではあるが、緑谷の大健闘と麗日の咄嗟の起点。

 

死力を尽くした緑谷と麗日は下馬評を根こそぎ覆し、ヴィランチームから勝利をもぎ取ったのだ。

 

 

 




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