バグったルーデウス   作:運動大好きマン

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正直前回で終わりにしようと思いましたが思ったより好評だったこともあり、別作品書こうと思ってこれをエタったままにするのもな~と終わらせることにしました。
連載ですが4話くらいで終わりにしたいと思います。


エリス・ボレアス・グレイラット

 

 

 ルーデウスは、すごいんだから!

 

 年下のくせにナマイキでスケベだけど、私にできないことがなんだってできる。

 すごくてきれいな炎を出せる。ダンスが踊れる。銀貨二枚、お金を稼げる。

 誘拐事件の時も、舞踏会も、ルーデウスがいるとほっとして楽しくなる。

 

 毎晩、杖と指輪を側に寝る。ルーデウスとギレーヌからもらった大切なもの。

 寝るときはいつも溶けるみたいで気持ちいいけれど、二つを抱くと胸がぽかぽかして、幸せな気分。

 ただちょっと、ルーデウスから貰った杖は抱くとなんだかむずむずして、なぜかルーデウスは裸で跳びかかってくるけど。

 

 その時は、胸がボンボンってなって、熱くて仕方がない。

 でも悪い気分じゃないわ。

 

 お祖父様もお(・)祖(・)母(・)様(・)も、お母様もお父様も、最初は気味悪がってたけど、もう皆家族だと思ってる。

 お父様はルーデウスのことでなんだか忙しそうだけど。ボレアスがなんとかって。

 

 この幸せな気持ちをお返ししようって思った。

 だから聞いてみたわ。何か欲しいものはないかって。

 

 ルーデウスはいつも何か考えていたから。

 時々何かを見つめていたから。顔をしかめて、まるで睨んでいるみたいに。

 

 でもいらないって言われちゃった。

 ルーデウスは首をふるふる振って、もう十分だって。手の黒板にそう書いて。

 

「いいから、何か言いなさい! 何でもやってあげるわ!」

 

 そういうと気づけば、拳が前に出ていた。

 いけないわ! 胸を揉まれて、つい。

 

 他を聞くと、ただ首を振るだけだった。

 もう一回殴った。もう一回殴った。

 

 殴って、しまった。

 

 ギレーヌが来て腕を掴まれた。けど止まらないのだ。

 

 涙が止まらない。

 

 あの、なぜだか悲しそうな顔を見ると、胸が苦しいのが止まらなくなって、涙がぽろぽろ溢れ出るのが止められなかった。

 なぜか、どれだけ殴っても視界が歪んだまま。

 

 気づけば皆が出てきていた。いつしか叫んでいた。

 

「何よ! なんでルーデウスは頼ってくれないの!

 いつも何かで悩んでるのに!

 こんなに……皆助けてくれるのに!

 そんなに頼りない!? 私が!」

 

 私をいつだって助けてくれたのに。

 皆、なんだってさせてくれたのに。

 

「泣かないでよ!

 頼りなさいよ!

 もっと! 私を!」

 

 あなたのことは、助けさせてくれない。

 

「わああああん!

 うああああああ!」

 

 そうして泣き疲れて、指輪だけ付けて寝て。やっぱり杖を抱いて寝た。

 

 きっと、まだ弱いから頼ってくれないのよ。

 つまりギレーヌとルーデウスぐらいになればいいってことね。

 ルーデウスを守るために、私だって強くなってみせるわ!

 

 

 

 

 

「考(・)え(・)る(・)な(・)」

 

 それはギレーヌに決心を伝えた瞬間だった。

 今よりずっとずっときつい鍛錬にしたいって言うと、理由を聞かれた。だから答えた。ルーデウスに負けないくらい強くなりたいと。

 ひゅっ。と、息が詰まった。

 

「ああ。師匠には、すべてを合理的に考えろと教わった。だからお嬢様にもそう教えた

 だが……あたしにはわからない。ルーデウスを守るために、そうするのが正しいのか」

 

「あれは、違うような気がする」

 

 ふと、思った。

 ギレーヌも、ギレーヌでさえ、ルーデウスがどこまですごいのかがわからないのだと。

 強くてわからないから、ずっと柄に手をかけているのだと。

 

 そうだ。どうして気づかなかったのだろう。

 ギレーヌは怖いのだ。

 ずっと何かを見ていて、ずっと何かに怒っているルーデウスのことが。

 

 私は、ルーデウスは私に怒らないと知っているけれど、ギレーヌにはわからないのだ。

 

 ふと、思った。

 ルーデウスを守れるのは自分だけなのだと。

 諦めてはならないのだと。

 何があっても。

 

 それでも白い光がすべてを包んだとき、私はまたルーデウスに庇われて。

 今。

 

「お(・)前(・)は空から降ってきた」

 

 義(・)に(・)厚(・)い(・)と(・)名(・)高(・)い(・)ス(・)ペ(・)ル(・)ド(・)族(・)、そのルイジェルドという男に言われたとき。

 きっと今、ルーデウスを一人にしてしまったのだと、気付いた。

 

 ルーデウスはすごいんだから。

 私がいないといけないのに。

 

 

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