しがない一転生者の徒然 作:ふなぐち又兵衛
こんにちわー!飯野ミ…牡丹ネキでーす!!
好きなものは幼馴染で旦那様のシュ…保護眼鏡ニキ!
家族や友達と食べるごちそう!特に甘いもの!日本酒!
新潟の碧…田舎ニキ*1に、福島の廣…酒カ…って呼んじゃっていいのかな?
けふん、酒カスネキ*2!いつもおいしいお酒の情報、ありがとーございまーす!!
で、嫌いなものはメシア教とぉ!物理反射持ちの悪魔!!
地獄に落ちろぉセクハラ手羽先とギリメカラァアアアアア!!
……スミマセン、取り乱しマシタ。
えーとですね、今回は、わたしが語り部を勤めさせていただきマス。
いつもは、黒…豆柴ニキの奥さんで、シキガミのナナコさんが、
ノロケながら、日常に何が起きたかを語ってきたわけですが。
この前、ナナコさんがストライキするような事態が起きまして、
わたしにピンチヒッターをしてくれ、とのことです。
……ハイ、ご想像の通り、豆柴ニキがらみデス。
しかも、キッカケになったのはわたしだった、っていうね……。
最初はね?ちょっとした興味だったんですよ。
コボルトに変身した時の、豆柴ニキの撫で心地は、どんな感じなのかな?っていう、ね。
わたしの実家でも、ワンコ、飼ってたんです。
ジンタっていう、雑種の、おじいちゃんワンコなんですけどね。
あ、今も元気にしてますよ?
ただ、いつもお世話してる母より、父になついてるんですよねー、妙に。
それにしても、なんでシュ…保護眼鏡ニキには、母と同じくらいになついてて、
わたし相手には、わりとぞんざいなのかなあ……と、スミマセン、脱線しちゃいました。
で、豆柴ニキの頭を、初めて撫でさせてもらった時の感触は、そのコそっくりで。
あたたかくて、ワシャっとしてました。
おでこ、頭のてっぺん、耳の裏、ほっぺた、顎の下。
ワシャワシャした毛並みが、指と手のひらをしっかりと受け止めてくれて、おまけにほっぺたが伸びる伸びる。
とってもホカホカしてました、気持ちよかったです。
ちなみに、ほっぺたをつまんだ*3時以外は、豆柴ニキはずーっと苦笑いしてたと思います。
ほっぺをつまんだ時?何故か真顔でしたねー。
あとで訊いてみたら、痛くはなかったそうですけど。
それから、星霊神社の修行場異界の上層を探索して帰ってきた、打ち上げの時に、
たびたび、豆柴ニキに変身してもらって、撫でさせてもらうようになったんです。
シュ…保護眼鏡ニキと、ナナコさんは、少し面白くなさそうだったかなあ。
わたしも豆柴ニキも、浮気してるつもりはなかったんですけどねー。
ただ、その、え、へへへへへ……。
……激しかったんだろうなあ、とは。
打ち上げの次の日、豆柴ニキの目の下に、ナ…脱毛ネキ顔負けのクマがおはようございますしてたり、
それとは反対にナナコさんがツヤツヤしてたり、
うちの保護眼鏡ニキの頬が、ほんのりコケてたりはしてましたから。
たぶん、わたしも、ナナコさんばりに、ツヤツヤしてたんじゃないかなあ、ふへへへへへ……。
……ゴメンナサイ、また脱線デスね。
えーと?コボルトに変身した豆柴ニキの頭は、ワシャっとした手触りであったかかった、
ほっぺはみょんみょん伸びた、
ナナコさんと、うちの保護眼鏡ニキはヤキモチ焼きだった、
あと、その話を知った脱毛ネキが、ニッコリしてた、でしたっけ。
そうそう、脱毛ネキ脱毛ネキ。
脱毛ネキも、わたしたち四人と、コーヒー呑んだり、
素材集めを依頼したりされたりするようになってからすぐに、
コボルトに変身した豆柴ニキを撫でてみたい、って言い出したんですよねー。
で、ある日、コーヒーブレイクの時に、撫でさせてもらってたんです。
……ヒトの表情筋って、あんなにゆるむんだなあって……わたし、知りませんでした。
ハイ、デレっデレでしたね、脱毛ネキ。
目の下のクマは据え置きでしたけど、
かわいい盛りのお孫さんに抱きつかれた時の、おばあちゃんそのものでした。
頭も頬も撫でて撫でて撫でて、思わず抱きしめようとして、
ナナコさんが涙目の般若みたいな顔になった時には、
さすがに気がついて、謝ってましたけど。
ナギさんもおっきいからなあ、色々と……そりゃナナコさんも怒るし泣くわ。
で、ですね?
コーヒーブレイクに火…バーナーニキが、シキガミのリズさんを連れて、
マシュマロの差し入れをしてくれるようになったり、
島…チェストニキと、シキガミのまみかちゃんが、
大福や焼き芋持参で参加するようになったりしたんですけど……。
おいしかったなあ、焼きマシュマロも、焼き芋も、大福も。
じゃなかった、シキガミのふたりも、豆柴ニキの頭を撫でたり、
ほっぺたをもみもみしたりするようになってたんですよね。
リズさんは豆柴ニキの頭を撫でて、いつもの硬い表情でしたけど、ほんのりほっぺたを赤らませてました。
バーナーニキは豆柴ニキといっしょに苦笑いしてました、豆柴ニキの頭を、グリグリ撫で回しながら。
シュ、保護眼鏡ニキとは違って、嫉妬はなさそうな感じでしたかね、たぶん。
逆にまみかちゃんは、隙あらば、豆柴ニキのほっぺたを、もみもみもみもみしてましたねー。
そして、ジト目になったチェストニキに後頭部をかるーくはたかれたり、
眉間にシワを寄せたナナコさんに「まーあーちゃーんー?」って、
ドスの利いた声で制止されてたり、
そのたびにふたりに、あと豆柴ニキにも謝ってたり……ほえ?チェストニキですか?
わっしゃわっしゃわっしゃわっしゃしてましたよ、
豆柴ニキの頭のてっぺんから後頭部までを、念入りに。
ただ、わたし、不思議に思ったんですが、
脱毛ネキや、まみかちゃんが撫でる時より、
バーナーニキやチェストニキが撫でる時の方が、
豆柴ニキは、リラックスしてる感じだったかなあ、って。
同性だから、気安かったんですかねー?
と、そうそう、同性といえば!
ガイア連合の最古参の幹部のひとりの、セツニキ*4さん!
1回だけ、近くを通りがかったセツニキさんが、わたしたちに断りを入れて、
豆柴ニキを撫でてったことがあったんですよ。
その時も、豆柴ニキは、とっても安心してる感じがしました。
セツニキさんが立ち去ったあとも、なんだか……おもはゆそう?
みたいな感じで、撫でられた頭を、手で抑えてました。
それを見たチェストニキは
「今世の
ナナコさん?
ものっすごいヘの字口で、眉間にすっごいシワが寄ってました。
「……セツニキさんは、男、セツニキさんは、男」って、
歯の隙間から搾り出すようにつぶやき続けてましたね……。
と、そういえば。
最初に、わたしたち以外で、
豆柴ニキを撫でる機会があったのは、セツニキさんじゃなくて。
シキガミのパラスちゃんを連れた、蟲キ…は失礼だよね、蟲姫ネキちゃん*5、でした。
やさしい手つきでしたけど、わっしゃわっしゃしてて、豆柴ニキは苦笑いしてました。
ナナコさんは「なあ、浮気はアカンと思わんか、パラやん?」って、
唇を尖らせて、パラスちゃんにボヤいてました。
で、蟲姫ネキちゃんから、だったんですよね。
おっきな狼のシキガミを連れた人魚ネキ*6が、ほんの気まぐれみたいに頭を撫でて、
豆柴ニキがぼーっとしたり、ナナコさんがぐぬぬ顔になったり。
別の日に、人魚ネキといっしょに通りがかった幼女ネキ*7が、
豆柴ニキを力いっぱいぐりぐりわしゃわしゃって撫でくりまわして、
ナナコさんがあたふたしたり、豆柴ニキがギブアップを叫んだり。
また別の日には、カス子ネキと邪視ネキ*8が通りかかって、
カス子ネキがニヤニヤしながら頭といわず頬といわず、撫でたりさすったり揉んだりして、
豆柴ニキがビクンビクンして、ナナコさんが絶叫したり、邪視ネキが止めてくれたり。
仕事あがりのお疲れモードみたいだった脳缶ニキ*9が、もちもちもちもちとほっぺたを揉んで、
豆柴ニキが疲れをうつされた?みたいに、ぐったりしたりする時もありました。
その時はナナコさんが言葉少なに
「スマンな、みんな、ウチ、ゆーちゃん看病してくるわ」
ってだけ言って、早退してましたっけねー。
その次に会った時の豆柴ニキは、
「おれもう病院行けないかもしれない、看護婦さんこわい」って、力無く笑ってました。
その時のナナコさん?
すんごいツヤツヤした、幸せそうな顔で、豆柴ニキと手を繋いでましたよ?
まあ、黒医者ニキ先生*10に見つかるまでの、短い間でしたけど。
あ、邪視ネキといえば、豆柴ニキが、一番うっとりしてたのが、
ためらいがちな手つきの邪視ネキに、頭を撫でられた時だったかもしれません。
……ナナコさん?血の涙を流してました。
「命子ちゃんのテクと、シオリちゃんの手つき、
盗んだるわ、盗んだるわ、覚えたからなあ、覚えたからなあ」って、
まるっきり、呪いをかけるような声でしたね……。
たぶん、あの時のナナコさん、破魔弱点だったと思います。
んー、あと……話せそうなのは、ふたりぶん、かな?
平…馬ニキのシキガミのヒメちゃん*11が、豆柴ニキの頭を楽しそうに撫でて、
すんごい顔してたナナコさんに気づいた馬ニキに静止をかけられて、しょんぼりしてたり。
邪教の館?で、シキガミのスキルカードの抜き挿しをしてくれる*12、ミナミィネキ*13…さん、が、
わたしたちのところに近寄ってきた途端、
豆柴ニキが弾かれたように跳び上がって、脱兎の勢いで逃げ出したり。
ナナコさんも、威嚇するような顔で振り返りながら、その後を追って、逃げ出してました。
それからでしたかねー、豆柴ニキと、ナナコさんの顔を、もう三日ばかりも見てないんですよ。
「共有なんて、ゆるさへん」
「ゆーちゃんはウチのもんや」
「ゆーちゃんはみんなが撫でてええぬいぐるみとちゃう」
「ネトラレ、ダメ、ゼッタイ、って言うたやんか」
「ミナミィネキはん近づけたら、ゆーちゃんが妊娠してまう」
「まーちゃんの浮気もん!」
「そんなまんざらでもない顔すんなやリズはん!」
「ナギはんのヘンタイ!」
「ミナちゃんのアホぉおおおおお!!」
でした、わたしたちが、最後に聞いたのは。
……悪いこと、しちゃった、よねえ。
あ、ちなみに、豆柴ニキとナナコさんが帰ってきたのは、四日めのことでした。
例によって例のごとく、力無く笑う豆柴ニキは、歯型まみれのキスマークまみれでしたし、
ナナコさんは、ツヤっツヤの顔で、ヒロアカ?の、トガちゃん?みたいな顔で笑ってました。
あの、わたし、誰に謝れば、いいですか?
・牡丹ネキ
語り部ナナさんの代理人、見習いミナちゃん?
今回の元凶、らしきもの
・豆柴ニキ
今回の被害者
・豆嫁
今回の被害者兼加害者にして、約束されたオチ担当
・お名前をお借りした黒札の皆様と、シキガミの皆様
ほんっとーに、ゴメンなさい
飯野夫妻と黒井夫妻に一番ごめんなさいしなきゃいけないのは俺なんだよね