ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】 作:月日は花客
「攻撃した時に除外か……。ではこうしよう、呪霊を召喚」
すると、どこからか呪霊が一体やってくる。その等級はおよそ三級。正直言って特級とは天と地の差がある。
相手も合体してくる気か……?
「この呪霊で、攻撃」
「グオグリムの攻撃力が上回っているので、その呪霊は破壊され、墓地へ送られる。そしてお前はその余剰分ダメージを受ける!」
「……なるほど」
相手も馬鹿ではない。どうやらこちらの術式を試すような出方だ。
俺としては、この術式はかなり初見殺しの部分が大きい。
ジャッジキルはできないが、相手のリソースはそれこそ千あるだろう。それによって試し尽くされてしまったら、まずい。しかしそこまで時間をかけられるか? 俺はそっとデュエルディスクを撫でた。
「ターンエンド、でいいかな?」
「……俺のターン。ドロー、《ゴーティスの灯ペイシス》を召喚し、効果で《ゴーティスの朧キーフ》を特殊召喚」
今回、やけに魔法罠ではなくモンスターが手札にくる。俺のデッキはモンスターが多めに入っているが、それでもなかなか偏った引きだ。
まるで、モンスター達が「自分に殴らせろ」とでも言っているかのよう。
「キーフとグオグリムでシンクロ召喚《相剣太公─承影》」
真っ赤な、大剣を携えた大男が出現する。
男は魚から武者になった変化を面白がっている。笑うな、殺すぞ。
「《
「攻撃しなくて良いのかな?」
「ああ」
あの特級、明らかに攻撃力が3000を超えている。承影の効果で下がっていそうだが、どうだろうか。もう少しカードを除外して様子を見たい。
「では……効果とやらを使ってみようか。この呪霊の効果でその武者を破壊だ」
「承影は効果破壊される時、代わりに自分の墓地のカード一枚を除外できる! ペイシスを除外して破壊を防ぎ、更に効果! 相手フィールドおよび墓地のカードを一枚ずつ除外できる!」
承影さんカッコいいー!! 強ーい!!
これによって特級はおさらば……とはいかなかった。場に残っている。……効果を受けない、とか? わからん、新しい効果かもしれんし。
想定攻撃力4000以上、効果破壊持ちで対象にならない、あるいは相手の効果を受けない……。いや、ターン1で無効?
特級なだけあって、クソ厄介な性質してやがる。
「ふむ、できなかったようだね」
「……バトルフェイズ! 承影で攻撃!」
じゃあ殴ってみようという話。対象にならないなら攻撃力は普通に下がっているはず。それならば、4000だと仮定すると3700まで下がっている。
下手に決闘を長引かせるより、スピード重視で行って相手に情報を与えない方が良い。
が、しかし──
「っう!」
「残念、こちらの方が上だったようだ」
承影が破壊され、墓地に送られる。
俺のライフは1700下がっていた。残り4300。
相手の方が上……か、しょうがない、除外方向に舵を切ろう。こちらにもまだ手はある。
取り敢えず、シフを除外してペイシスの火力を上げておく。これは火力ではなく除外を増やすことを目的としたものだ。
「ターンエンド」
「私のターン、ドロー」
「相手スタンバイフェイズ、シフとペイシスを除外から特殊召喚!」
「呪霊を召喚」
また、ふよふよと呪霊がやってくる。推定は二級だ。
おそらくだが、一級と特級は上級モンスター枠に入るのでは、と考えている。アドバンス召喚を知らないから特殊効果以外で召喚できていないのだ。
これは相手が遊戯王を知らないことへのアドと言える。
しかし、相手は急速に遊戯王のルールを理解していっている。このままでは、ジリ貧だ。
「その《白の救済》を破壊だ」
「……白の救済が破壊された時、デッキからも魚族モンスターを一体特殊召喚する。《インフェルノクインサーモン》!」
小魚だけでは何もできないと悟られたようだが、まだ大丈夫だ。
今、俺の場にはペイシスが二体、シフとインフェルノクインサーモンが一体ずついる。
そして、相手メインフェイズが終了する時、俺はペイシスとシフ、インフェルノクインサーモンでシンクロ召喚!
《水晶機巧─グリオンガンド》!!
特級がなんだ! 変な頭しやがって!
「グリオンガンドの効果で、特級を除外!」
「っ祓われた……!? 先ほどの効果と何が違うんだ」
どうやら「一ターンに一度相手の効果無効」効果だったらしいなぁ!
こんなんじゃ満足できねぇよなぁ!!
「どうだ、舐めるなよゴーティスを、満足を!」
「満足……?? まぁいい、こちらも加勢を……」
「遊海ッ!! 無事かい!?」
……そこで、俺の集中は途切れた。夏油君の声がしたからである。
「夏油君? なんで東京に」
「《閃刀機─イーグルブースター》で飛んできたんだ。そいつが呪詛師だね」
夏油君は呪詛師を睨みつける。
やだ、カッコいい……! なんてときめいてる暇は無いか。
「まだやるか?」
「いや……こちらには分が悪そうだ、撤退させてもらうよ」
いつのまにか、乙骨君も戻ってきていた。これで三対一。うち特級二名。
流石に劣勢だと、男は片腕を挙げた。
「っ逃がさない!」
「じゃあね、呪術師たち。特に遊海君、楽しい戦いだったよ」
「待て──チッ、逃したか」
突如暴風と共に現れた巨鳥の呪霊によって、呪詛師は去っていった。その速度は巨大に見合わず、あっという間に姿が消える。
「……とりあえず、負傷者を運んでこの事を報告しよう」
「ああ」
「わかりました」
真希ちゃん、そしてパンダや狗巻君の元へ走っていく彼らを眺めつつ、俺は胸を押さえた。
あと、一発。おそらく、あの特級にグリオンガンドを除去されて殴られていたら、死んでいた。
グリオンガンドが効かなければ、もうどうにもならなかった。
その「あったかもしれない未来」が俺にのしかかる。
LPが半分減ったのもあって、気分が悪い。
「……一度吐いてからあっちに行くか」
デッキに戻っていくカード達の音が、少し元気がなかった気がした。
決闘描写にめちゃくちゃ時間かかりました。裁定ミスあったらスイマセ……。
遊戯王難しいです( ; ; )
【追記】
修正しまくりました。もうなんか、己のミスが多すぎて泣いてます。
これからも裁定、展開ミスがあればご指摘お願いします……。
マジで書くの大変なので、応援などとても助けになっています。ありがとうございます!!