ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】 作:月日は花客
「いやぁ〜大変だったね」
「もう書類見たくないデス……」
俺と冥冥さんは、高専の会議室にいた。冥冥さんはニコニコと紅茶を飲み、俺はデスクに突っ伏している。
あの後、俺を待っていたのは書類地獄だった。
どんな人物で、どんな事があって、どんなふうに退けたのか……。
あとその他諸々書類書類書類。
あの後乙骨君の呪いが解けたらしく、そこも相まって書類書類書類。
もう暫くボールペン持ちたくないしキーボードも叩きたくない。ていうか白い紙を見たくない。
乙骨君の解呪については、外部の俺は詳しく知らない。しかし、解けた乙骨君はなんだか清々しい顔をしていて、すっきりしたなら良かったと思う。
氷水たちは、狗巻君たちをちゃんと守ってくれていた。はぐれた雑魚呪霊や血の匂いに寄ってきた呪霊を寄り付かせず、襲ってきたらなんとか倒してくれていた。
まさか助けに来た夏油君すら攻撃しようとしたのは焦ったけど……そういえば夏油君の決闘で氷水ゴーティス使ったことなかったもんね、初対面でしたか。
あの後、回復したパンダと狗巻君は氷水の子にお礼が言いたいと、わざわざカードに呪力を通してお礼を言ったそうな。
俺に返そうとしたけど、どうせならと譲った。デッキにシナジーがあるかは置いておいて、彼女たちなら二人を守ってくれると思ったから。
「アクティは狗巻君、コスモクロアはパンダに、やるよ。是非上手く使ってやってくれ」
「……絶対に活用します」
「うに! 赤シャリ!」
うーん、あんまり合わないと思うけど……そういうこだわりを見せていくのも決闘者なので良しとしよう。
俺としては緊急時にちょっとしたサポートで使ってね的な意味合いで渡したんだが、デッキに入れる方面に伝わったようだ。まぁそれも良い。
真希ちゃんは、乙骨君のおかげで大きな傷も無くすぐ復活していた。
気絶した後、俺が駆けつけたこと、なんとか呪詛師を倒そうとしたが逃げられたことなんかを伝えると、ひどく怒っていた。
自分自身に、である。
自分の無力を痛感した彼女は、きっともっと強くなる。俺が教えた判断力も伸びていくだろう。
それにしても、あの呪詛師の目的はなんだったんだ?
乙骨君に憑いていた怨霊? それとも別の何か? 高専に何がある?
「誘き出されたのかもねぇ」
「誰がです?」
「アイツは、君の名前をすでに知っていたんだろ?」
その言葉に、ふっと己の名前が頭に浮かぶ。
そしてそれが、百鬼夜行の出来事と線で繋がれていって…………。
え、目的ってもしかして俺??
「いやいやいや、なんで??」
「君が面白い術式を使い、何故か不老。そしてフリーの呪術師……という事で、君は結構呪術界で注目されているんだよ」
「そ、それで仲間に引き入れようとか、殺そうとか……? こんな大事にして? メリット無いでしょ」
「案外愉快犯気質だったりして」
「えー、流石に節穴でしょ……」
俺はただの一般決闘者ですよ?
そんな、叩いても面白いもの出てきませんって。せいぜいカードしか。
結局この話も雑談に終わり、俺の目の前にはまた書類が積まれるのだった。
もう嫌ぁ━━━!!!!!!!
*
「いやぁ、楽しかった!」
ここは日本のどこか。いや、どこかとは言えないかもしれない。
ある呪霊の領域である、白い砂浜に海が広がる空間。そこに呪詛師──羂索はいた。
隣には人型の呪霊が、同じようにサマーベッドに横たわっている。
「見たかい? あの特異な術式を」
「見たけどさ……よくわかんなかった。なんかボードゲームみたいだよね」
「そうそう、カードゲームに酷似した面白い術式だ。……結局、不老の仕組みはわからなかったが」
肉体になにか異変があるわけでも、天与呪縛がある訳でもなさそうだ。
十数年経っても変わらぬ姿、身体能力。それは彼の野望に大いに関係するだろう。しかし、術式を見てみてもその秘密は不明のままだった。
「何が隠されているんだろうね」
「さぁ?」
「カードの効果で何かが……? いや、呪具との縛り……? そもそも遊戯王のルールは……」
ブツブツと独り言を始める羂索を、呪霊──真人は興味なさそうに無視した。
暗躍蠢く呪術界に、じわじわと毒が侵食していく。
その渦中に、決闘者は立っていた。
*
「……なんか今寒気がした」
「風邪ですか?」
遊海です。年が明けました。
聖夜なんて無かった。いいね?
あんっのダボカス術師のせいで伏黒くん達と決闘できなかったじゃねぇか! マジクソゴミハゲ!!
あんにゃろう次見つけたら《最果てのゴーティス》の餌にしてやるからな……覚悟しとけよ……。
「ともかく、伏黒くん、高専入学おめでとう!!」
「ありがとうございます」
しかしこうして、伏黒くんが高専に一年生として入学することになったのだ! おめでとう〜! ドンドンパフパフ。
俺も何かと高専に入り浸ってる術師だからね、これで会える機会も多くなるだろう。
「最近夏油君に会った?」
「数日前に決闘しました。相変わらず強いですね……」
「もう完全に俺と互角だもんな二人とも。先輩決闘者として誇らしいぜ……」
制服の上にベルトを下げ、そこにデッキホルダーを差している伏黒くんも立派な決闘者だ。
式神も増えた。今なんだっけ、玉犬とー、鵺とー、大蛇とー、蝦蟇と満象と脱兎。あと最近円鹿調伏したんだっけ?
なんか色々合体してみてるらしいし、かなり拡張できてるよね。
これも俺の決闘者としての教えのお陰かな……なんてね。
「《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を処理できたと思ったら《サイバーロード・フュージョン》からの《キメラテック・オーバー・ドラゴン》に轢き殺されました」
「俺もやられたわー、それ」
夏油君マジで強くなってるからね、もう一流。サイバー傑名乗って良い。
五条をコテンパンにのした時から、あの五条悟を思う存分叩きのめせて煽れる事にストレス発散を見出したのか、夏油君のデュエルタクティクスに磨きがかかった。
若干動機が不純だが、これもまた切磋琢磨? ということで……。
五条は未だにカオスMAX信者が抜けない。
最近ようやく罠や魔法による絡め手を覚えてきたが、まだカオスMAXに依存している面が大きい。カオスMAXを除去された後の動きがガッバガバなのだ。
そこをどうにかしたら筋は良いし覚えも早いんだからなんとかなりそうなんだが……。ここは考え方の面が大きいので、本人がどうにかするしかない。
「しかし伏黒くんも高校生かぁ、成長って早いね。おじさん泣いちゃうよ」
「おじさんって見た目じゃ無いですけどね……」
見た目が変わんないからか精神もあんまり変わんないんだよね。立派なおじさんの筈なんだけど。
羂索書くの苦手なので、違和感あったら申し訳ない。
こいつわからん……。