ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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花御のセリフ表記がめんど……読みづらかったので変えました。






☆29:ゴーティスの交流戦②

 

「乱入ペナルティ2000にカード外部使用ペナルティ一枚分で500……残りLPは5500か。ちょいど良いハンデだぜ」

 

 さて、何が起こったかわからない諸君のために解説しようじゃないか。

 俺の遊戯王の術式によって、伏黒くん達はかなり術式を拡張したり、思考に柔軟性ができてきている。

 しかーし! それを教える俺自身が遊戯王の術式を拡張できていない……というのは、とんでもねぇ屈辱!! 苦渋!! 羞恥!!

 というわけで、デメリット付きだがカードの効果……主に魔法罠だな、を決闘を開始せずとも使えるようにしてみたのだ。ペナルティとして次の決闘開始時に一枚ごとに500LP持ってかれるが……まぁその分威力や条件をある程度調節できるから総合としてはプラスだ。

 決闘前にデッキぶん回して最強盤面にしてからスタート、なんてことはできない。ペナルティで開始した瞬間に死ぬからな。

 

 今回は《魔法の筒》を一枚使用したのでその分が引かれる。ま、それで虎杖くんを守れたならおつりがくるぜ。大人がいるのに子どもが傷つくってのは、情けない話だからな。

 目の前の樹木みてぇな呪霊……花御と名乗ったそれは、俺の術式を警戒してか慎重に構える。

 

「まぁそう強張るなよ。楽しい楽しい決闘なんだ、リラックスしていこうぜ?」

「……」

「無言? 悲しいぜ俺は。決闘者はおしゃべりなんだ」

 

 効果をつらつらと述べていく口は自然と滑舌が良くなる。

 

「俺が先行か。それじゃ、ガキ共は手を出すなよー! ペナルティで呪力持ってかれっからな!」

 

 京都校の子達は俺の術式をよく知らないだろうから、忠告しておく。

 俺の術式、がっつりタイマン向けなのなんとかならんかなぁ? 複数人デュエル系のゲームや展開、あんまり覚えてないんだよなぁ。アニメよりOCG勢だったから。

 

「それじゃ、行きますかぁ!」

 

 実は今回、いつものゴーティスとは違うデッキを持ってきているのだ。交流試合が終わった後伏黒くん達と遊ぼうと思ったのだが……この呪霊のせいでそうはいかなくなってしまった。

 その分の恨みも込めさせてもらうぞ、木偶の坊が!!

 

「俺は《氷結界の紋章》を発動!」

「なっ、氷結界!?」

 

 伏黒くんの驚く声が聞こえる。

 そう、今回俺が持ってきたのは氷結界ゴーティス!

 今まで俺は魚族モンスターや氷水を混ぜ込んでいたが、今回はガッツリ氷結界!

 氷の世界をお前に見せてやる。凍り枯れろ、雑草野郎が。

 

「《氷結界の霜精》を召喚、デッキから《氷結界の鏡魔師》を墓地へ。鏡魔師の効果で《氷結界の晶壁》を手札に」

「今まで遊海さんが氷結界を使うことはなかった……。初動がゴーティスカードじゃない!? 一体どうなってしまうんだ!」

「伏黒どうした??」

 

 氷結界は相手の展開や妨害を封じる効果が多い。除外系を除くと意外と妨害が薄いゴーティスとは相性がいい。魚族のバフが受けられないのは残念だが……そこは贅沢な悩みというやつだろう。他テーマに求め過ぎだ。

 

「氷結界の晶壁を発動、鏡魔師を特殊召喚。霜精をリリースし、鏡魔師の効果でトークンを3体生成」

「《なにを……》」

「ここまでゴーティスが出てきていない……マジで氷結界中心なのか? オイオイ、どうしちまったんだよ遊海」

「真希先輩?」

 

 あー、慣れねぇから慎重に回さないと。こういう間違わないようにソロソロと頭を冷やしながら戦うってのも楽しいんだよな。合ってるかわからない道をひたすら突き進む感じ。

 人によっては共感できなさそうだけど。

 

「鏡魔師とトークン1体で《瑚之龍》を召喚。瑚之龍とトークン2体で……」

 

 俺は今回の主役となるだろうモンスターを召喚する。氷結界の基本的な流れだが、相手にとってはこれは初見だ。

 パキパキと周囲に天色の結晶が生成されていく。モンスターを召喚する時の予兆のようなもので、《相剣太公─承影》の時は剣戟の音が。《氷水啼エジル=ギュミル》の時は溶けゆく冷気が、辺りを舞っている。

 

「結晶よ、集い煌めき魔龍となれ! シンクロ召喚《魔救の奇跡-ドラガイト》!!」

「ドラガイト……!? 初めて見るモンスターだ……!」

「アダマシアぁ!? ゴーティスに互換性あったか!?」

「ねぇさっきから東京校の奴らのテンションおかしくない?」

「伏黒以外の一年も困惑してるみたいだけど、なんなのかしら」

 

 アダマシアは岩石族サポートのイメージが強いかもしれないが、ドラガイトはゴーティスにも入るんだぜ! 墓地に水属性がいるならお手軽に魔法罠が妨害できちまうんだ。助かる〜!

 

「更にここから! 《ゴーティスの陰影スノーピオス》の効果により、手札から《ゴーティスの灯ペイシス》と《ゴーティスの妖精シフ》を除外して、スノーピオスを特殊召喚! ターンエンドだ」

「《珍妙なことを……。これが羂索の言っていたカードの術式ですか……!》」

「相手スタンバイフェイズ! ペイシスとシフは俺のフィールドに戻ってくる! さらにスノーピオスとシフでシンクロ召喚! 《ゴーティスの死棘グオグリム》! スノーピオスは効果で除外されるので、シフを除外して手札に加える」

「グオグリムが出た! しかしまだ除外リソースが足りない……油断しないでください、遊海さん!」

「え、えーと、何がどうなってんのかよくわかんないけど頑張れ、遊海さん!」

 

 声援ありがとう、伏黒くん、虎杖くん!

 京都校の人らも突然現れたドラゴンと棘をもつ異形に驚いて、手を出してこない。それが正解だ、乱入ペナルティの2000ダメージは普通に痛いからな。

 花御は巨大な樹木を召喚し、俺のモンスターたちを貫こうとする。

 複数体による攻撃により、グオグリムの破壊は効果によって免れたが、守備表示にしていたペイシスは破壊されてしまった。

 ドラガイトには嫌な予感を感じたのか、攻撃してこなかった。残念。巨木の攻撃は2000程度。ドラガイトのカウンターが決まっていたら更に深手を負わせられたのに。

 

「ははっやけに慎重派だな。そんなに臆病になるなよ」

「《舐めたことを……!》」

 

 花御はその特異な声を憤怒に歪ませて、左手で持って殴りかかってきた。

 グオグリムの効果はターン中一度だけ。惜しくも破壊されてしまう。

 俺には300のダメージが入るが、微々たるものだ。残りのLPは5200。しかし相手は特級だ、今の攻撃がドラガイトに来ていた方が危なかった。

 

「……カスダメだな、それじゃあ俺のターン! 《氷結界の照魔師》を召喚、効果によってスノーピオスを捨て、鏡魔師を召喚。照魔師と鏡魔師でシンクロ召喚! 《氷結界の龍ブリューナク》!」

「……花御が思うように動けていない?」

「警戒している、というより……明らかにふらついているわね」

 

 おそらくだが、魔法の筒のダメージが回復しきっていないのだ。LPは最初8000で始められるが、その数値に込められた呪力量は体力満タンの時よりずっと少ないだろう。

 そして現状、呪力で回復させようにもドラガイトが目を光らせているし、迂闊に行動ができないのだ。羂索と繋がりを見せた辺り、俺の術式の情報はある程度いっているはず。

 下手な行動によって余分にダメージを受けるのを恐れたのだろう。さっきの罠のように。

 

「バトルフェイズ!」

「《クソッ》」

「……! ドラガイト、無効にしろ!」

 

 花御が若干ヤケクソになりながら体を回復させようとする。俺はそれをドラガイトで咎めた。

 パキ、と結晶のブレスによって、花御の回復の動きが止められる。

 しかし、俺は同時に放たれた蔦の接触を妨害することができなかった!

 

「ブリューナク!」

「《動きは止めさせてもらいますよ!》」

 

 ブリューナクが絡め取られ、カードに戻される……裏守備表示にされた。

 クソ、まさか表示形式変更効果を使ってくるなんて。油断した。

 次のターンには復活できるにしろ、このターンは動けない。

 迂闊なのは俺の方だった。完全に流れに乗ってしまっていた。

 しかしまだドラガイトが残っている。ゴーティス達のリソースだってそこそこだ。

 なにより、この場にいる生徒達の命は俺が握っているに近い。

 

 この決闘に乗っかっている命の数は、ずしりと俺の肩にのしかかっていた。








今回都合で完全に文面上でのみ処理している(いつもは紙で回しながら書いていた)ので、ミスがあったら教えてください。決闘描写、コワイ。
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