ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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☆31:ゴーティスの交流戦④

 

「遊戯王とは! モンスター、魔法、罠カードを操り、相手のライフポイントをゼロにした方が勝つカードゲーム兼俺の術式! さっき活躍したドラガイトもペイシスも俺の式神のようなものだ」

 

 俺はデッキからカードを一枚抜き取り、呪力を流す。

 そうすると、実体化したペイシスがふよふよと生徒たちの前に出た。東京メンバーにはお馴染みのため、8本あるうちの1本の触手で手を振る。伏黒くんたちはそれににこやかに応えた。

 

「わ! かわいい……!」

「きれーなタコ……? でいいのかしら」

「ペイシスって呼ばれてた子ね」

 

 女性陣にウケは良いようだ。ペイシスはメンダコモチーフで透き通ったガラスのような体が綺麗でかわいい。異論は認めない。

 

「こいつは《ゴーティスの灯ペイシス》。ゴーティスというテーマの下級モンスターで、仲間を呼ぶことに長けているぞ! こいつは人に慣れてるから、触っても大丈夫」

「撫でていいですか?」

「どーぞ」

 

 三輪ちゃんが恐る恐るペイシスに手を伸ばすと、ペイシスはそっと、頭を手にすり寄せた。

 わぁ、と歓喜の声が上がる。ペイシスはぷにぷにひんやりボディ。触り心地がクセになると、西宮ちゃんや真依ちゃんも触り出した。

 かわいいかわいいと撫でられるペイシスはご満悦である。アイドル精神が高いので、たまに触手で指を握って黄色い声を上げさせていた。強い。

 

「こんな奴もいるぞ」

 

 俺はエクストラデッキから、さっきの戦いでは不覚を取った《氷結界の龍ブリューナク》を顕現させる。

 十何メートルとある巨体の青い龍は、周りにいる沢山の人間たちに合わせて姿勢をかがめ、俺にそっと寄り添う。花御戦で役に立てなかったことを申し訳なく思っているようだが、それは俺の戦術が甘かったからだ。気にしていない意味も込めて翼を撫でる。

 今度は男性陣が反応した。

 

「これは……龍、なのか……?」

「式神トシテハカナリノ力ヲ感ジル」

「いいじゃないか、強そうだ。俺は好きだぞ」

「こいつは《氷結界の龍ブリューナク》。デカいけど頼れるシンクロモンスターだ。伏黒たちもあんま見たこと無かったな」

「はい、しかもこうして決闘以外で関わることは初めてですね」

 

 伏黒くんがブリューナクに近寄ると、ブリューナクはゆるりと尻尾を振った。挨拶だろう。もしかしたらデッキの他カードから戦友である伏黒くんのことを聞いていたのかもしれない。その動きに警戒心は無かった。

 

「上級モンスターはデカいからあんまりこうやって出せないんだ。ヤンチャな奴もいるから下手に手を出すと怪我させそうなカードもあるし」

「性格を把握してるんですか?」

「いや、効果からテキトーに予測してるだけ。流石にカード一枚一枚の把握はしてないな」

 

 同じカードとかシャッフルしたらわかんなくなるし。ただ、呪力を流して顕現させるモンスターは大抵同一個体なんだろうなとは思っている。

 例えば《ゴーティスの死棘グオグリム》は死棘の名の通り好戦的で、その身体に構わず呪術師に勝負を挑みかねない。人間が除外される姿とか見たくない。

 他にも《ゴーティスの月夜サイクス》はキーフを囮にしてなにかと驚かせてくるのだ。中には暗闇から突然大口を開けて飛び出すというトラウマ必死の悪戯を提供してきたりする。

 友人にPTSDを植え付けたくないので、コイツも却下である。

 ドラガイトはいかんせんデカいんだよなぁ……単純に。

 

「俺の術式はカードで遊ぶだけなら他人も使える! 呪力を流して姿を実体化させたりな。と言うわけで、君たちにはこれからこの遊戯王でトーナメント戦をしてもらう! デッキ……カードの束のことだな。はこっちで用意してあるから、京都メンバーは好きに選んでくれ!」

 

 俺は持ってきた呪具であるカバンから黒いデッキケースを一つ取り出した。呪術師はなんでか黒い服を着てるやつがほとんどなので、デッキケースも黒で合わせてある。俺は青だけど。

 屋外ではカードが汚れる可能性があるため、校舎で一番広い教室に戻る。

 決闘者が増えることにウッキウキな俺は、思わずスキップをしたいくらい浮かれていた。

 

「でも、その遊戯王ってやつを東京校の人たちはずっとやってたわけでしょ? あまりにもこっちが不利すぎない?」

「タシカニ、不公平ダナ」

「そこは安心してくれ! 伏黒くんたちが使うのはいつものデッキではない……そう、サブデッキだ!!」

 

 つまり普段使ってない、かつ身内の使ってないテーマを使えと言うことだ。もちろん俺の作った初心者用デッキを使う。

 俺としてはゴーティス一筋なので他人に他テーマを強制的に使わせるのも抵抗があるのだが、公平性のためだ。

 

「プラース! 東京チームのみにターンに時間制限を設ける! タイムは100秒な。これだけのハンデだ。歴戦のデュエリストなら、このくらい余裕だろ?」

「うっ……結構辛くないか?」

「初めてみるデッキを、限られた時間で理解し限られた時間で回さないといけない……かなりのデュエルタクティクスを求められるぞ」

「……なんか、そこまでお膳立てされるのもムカつくわね」

「まぁまぁ、これは所謂エキシビジョンマッチみたいなもの! 親善試合と行こうじゃないか」

「……先程マデ殺シ合ッテイタノダガ」

「数秒前まで殺し合ってても決闘を通じれば仲間にだってなれる……それが決闘者だぜ!」

 

 俺だって一度やり合った羂索とそこそこ仲良くやれたしな。

 決闘でみんなを笑顔に……!

 というわけで、恒例のデッキ選びターイム! 今回は東京&京都生徒全員だから人数が多いな。被った時は平等にじゃんけんだから、各々勘で選ぶと良い。

 俺はリュックから大量のテーマカードデッキを並べる。その数は何十とあり、その数に京都メンバーが若干怯んでいた。

 

「初心者の君らにはちゃんとルール説明はする。だが、先ずは絵柄なり気になるテキストなりで自由にデッキを選んで欲しい! こういうのは直感が大事だ。強さにそこまで差はないから、テキトーに手前のやつを引っ掴んでもいいぜ」

「多……」

「ルールも覚えて、デッキを確認して、実際に対面で決闘……なかなかハードですね!」

「遊戯王のルールは複雑難解だが、間違った時は遊海が修正してくれる。俺たちも慣れないデッキを使うから、ジャッジに頼ることは多くなるだろうな」

 

 流石にルールミスでジャッジキルは鬼畜すぎるので、効果ミスがあったら適宜指摘して教えていくぞ。

 そう言って、俺は生徒たちをデッキの海に放った。

 伏黒くんたちは気になるテーマに当たりをつけていたのか、そのカードデッキに迷いなく向かっていく。

 反面、京都メンバーは遊戯王の絵柄の多様さや長文テキストに驚いているようだった。加茂くんなんかは眉間に皺を寄せている。覚えられるか不安なのだろう。

 ま、ある程度回し方も教えるから心配はいらない。普段の戦闘の方が難しい可能性だってあるぜ?

 

「デッキ決めは30分だ。使いたい傾向のある人は俺に聞けば近いやつを出してやるよ」

「ケツとタッパのデカい女」

「はい、イビルツインとドラゴンメイド」

「機械系ハアルカ」

「あるよ〜たくさん」

 

 京都メンバーも戸惑いながら、初めてみるカードたちにゆっくりと触れていっている。

 ふふふ、決闘者が増える増える……。

 俺は内心ニヤけながら、京都メンバーからの質問攻めに答えるのであった。








誰がどんなテーマを使うのか予想してみよう!!
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