ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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☆4:ゴーティスの高専

 

 ホテルや満喫を転々としているとどうなるか。

 そう、金が無くなる。

 

 元々貧乏学生の身。なるべく安いところに泊まっていたけれどついに底をついた。

 このままでは野宿! あるいはひたすら彷徨って不審者化! 通報だけは避けたいところである。

 

「金がねぇ〜つらい〜」

 

 化け物探知兼不意打ちの護衛として召喚している《ゴーティスの(きざし)イグジープ》がクルクルと心配気に回る。

 はぁ……モンスターに心配されるなんて、決闘者(デュエリスト)としてどうなんだ?

 

「あ、いたいた」

「ひょえっ!?」

 

 突然、気配もなくすぐ背後から男の声がした。イグジープも驚いているということは、マジで突然現れたようだ。

 思わず飛び退いて、デュエルディスクに手をかける。

 見れば、声をかけてきたのは白い髪に黒いサングラスをした不審者だった。飛び退いた俺に少しも構えたりせず、余裕そうな態度だ。

 

「お前が遊海宙だよな? ちょっと着いてきて欲しくてさ〜」

「なっえっ、何者? てかなんで俺のこと知ってんの? どこに連れてかれんの?」

「質問が多い多い」

 

 呪術高専、と言うところから来たらしい五条と名乗った男は、何故か俺を探していたらしかった。

 奇妙な魚を操り、ジュレイ? を祓う謎のジュツシ? として高専側で正体を探られていたらしい。

 この前の七海君と灰原君の事で、俺の外見や名前が割れたので、迎えに来たと。

 

「なんか俺話題になってる感じ……?」

「うわ、お前が連れてる式神、キモいしザッコ。こんなんが一級呪霊払ったわけ?」

「あ゛ぁテメェイグジープ馬鹿にしやがったな潰す!! 決闘(デュエル)じゃあ!!」

 

 大事なカードを貶されて我慢できる決闘者なんていないぜ!!

 殺すまではいかないが、痛い目には遭ってもらう!!

 

「《ゴーティスの灯ペイシス》を召喚! ペイシスの効果で《ゴーティスの妖精シフ》を特殊召喚! そして《ゴーティスの兆イグジープ》を効果で特殊召喚!」

「うわっなに今のでキレたの? 沸点低くね?」

「うっせぇ!! イグジープとシフでチューニング、シンクロ召喚《瑚之龍(コーラル・ドラゴン)》!! こいつに攻撃されたくなきゃイグジープに謝れ!」

 

 流石に攻撃力2400をただの人に向けるわけにはいかないので、脅しとしてだ。

 コーラル・ドラゴンは見た目がかなりドラゴンで圧もあるから、普通の人ならビビって手出しできなくなるはず。

 

「なんだよ、見せるだけって。そいつも雑魚だし」

「あ゛あん!? いよいよ許されねぇぞテメ────」

 

 白髪の男がピンっとコーラル・ドラゴンを弾くと、コーラル・ドラゴンが一瞬にして塵となった。遅れて、俺に余剰分のダメージが入ってくる。

 凡そ600……つまり、あいつのデコピンはそれだけで3000の攻撃力があるって事だ。人間がそんなこと可能なのか……??

 

「それじゃ、行くぞ」

「えちょま何嫌触らないでこの人痴漢ですイヤ━━━━!!!!!」

 

 *

 

「それは……かなり無理やり連れてきたな、悟」

「抵抗してたし仕方なくね?」

「それはお前が挑発したから……はぁ……」

 

 そうして連れてこられたのは、なにやら木造建築が時代を感じる教室のような場所だった。

 あれから一瞬で……次元の裂け目でワープしたみたいに視界が移動したからあの白髪サングラスがワープしたんだと思う。本当に何? あいつ。

 そして目の前には黒髪で前髪を垂らした男、坊主でガタイがいい男、そして俺のモンスターを馬鹿にしやがった白髪サングラスがいる。あ、七海君灰原君もいるじゃん、久しぶり〜。

 因みに俺はいつの間にか椅子に座らされていた。

 

「乱暴に連れてきてしまってすまない。俺は夜蛾。ここ東京呪術高専の学長をしている」

「ジュジュツコウセン」

「端的に聞こう、君は呪霊を知っているか」

「呪霊……なんか廃墟とかにいる化け物の事ですか?」

「そうだ。そして君はそれを祓う能力を持っているな?」

「こいつらのことスかね」

 

 そうして俺は《揺海魚デッドリーフ》を喚び出す。

 フワフワとヒレをなびかせ現れたデッドリーフは、何故呼び出されたのか判っていないようだ。

 

「あ! あの時のキレーなコだ!」

「キレイ? どこがだよ、キモくね? 見るからに弱っちぃし」

「テメェ今度こそぶち殺すぞあ゛あん!?!?」

「悟、お前煽るな。話がややこしくなる」

「弱い奴を弱いって言って何が悪いんだよ」

「もう知らん! 帰るぞ俺は! なぁデッドリーフ悲しいよな〜お前は初動札で頑張ってるのにな〜」

 

 ヨシヨシとデッドリーフを撫でながら、俺は立ち上がる。

 なんでこんな俺のモンスターを馬鹿にされなきゃならんのか。あの白髪サングラスは礼儀というものを知らんのか。カドショ出禁になるぞ。

 夜蛾と名乗った男は、ため息をついたが、同時に焦っているようだった。

 

「私は……君が呪術高専(こちら)に所属してくれないかと交渉したかったのだが」

「え、あの白髪サングラス野郎殺ってもいいすか?」

「ダメだ。落ち着いてくれ」

「や、俺の相棒たち馬鹿にされて我慢できないんで。無理っす。あ、灰原君たちバイバ〜イ!」

「はい! またお会いしましょう!」

「灰原」

 

 次元の裂け目でパパッと元の場所に帰りますよ。

 高専メンバーは俺の能力がデッドリーフなんかを召喚する事だけだと思っていたのか、目を丸くしていた。

 残念、魔法罠も上手く使いこなすのが決闘者ってものだぜ! オールモンスターなんて初期の城之内君みたいなことしねぇよ!

 

「あ、でも所属したら家とか紹介してもらえたんかな……」

 

 人が賑やかな街並みに戻ってくると同時に、自分の懐の寂しさを思い出す。

 あの時は頭に血が登って瞬間的に却下してしまったが、よくよく考えると割と美味しい提案だったのでは? 詳しくは聞けてないが。

 白髪サングラス以外は割とまともそうだったし、なんかこう……逃した魚は大きかったのでは。

 

「でもモンスター馬鹿にされたし……俺悪くないし……」

 

 ブツブツと言い訳のようなことを呟きながら、今日もまた俺は街をぶらつく事になったのだ。

 皆んなは一時の熱で判断しないようにしような! 遊海お兄さんとの約束だ!!

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