ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】 作:月日は花客
「俺はねー、アイツに目つけられてるんだよ。で、遊戯王に興味あるって言われたから誘っちゃってさー。決闘者友達って感じなんだよね」
「は?」
「交流戦の時のコソコソ話も、ただ遊戯王のデッキ調整に付き合ってってお誘い」
「は?」
「高専の情報は流してないよ! ただマジで遊戯王してただけ。だからアイツは俺の術式の脅威を知ってるから逃げたんだと思う」
「は?」
メカ丸くんが「は?」しか言えないbotになってしまった……。
しかし100%事実でお送りしているのよね、これ。マジのマジのマジなのよ。
みんなもびっくり最悪の呪詛師が遊戯王と敵の命を天秤にかけて遊戯王をとったのだ。
「もちろん呪霊は祓うつもりだったさ、アイツの仲間でもな。それはあっちもわかってるから逃げた。俺としては呪霊を祓えば1BOX貰えるから祓ってるようなものだし」
「つまり……高専を裏切ったわけではない、と?」
「完全に裏切ってないと判断するのは高専のみんなだから、俺はそれに関してははっきり言えない。でも、俺と羂索が遊戯王という糸で繋がっているというのは事実だ」
「……そうか……」
メカ丸くん改めて与くんは、頭痛が痛い(誤用)みたいに頭を抱えている。まさか敵も遊戯王にハマっていたとは思わなかったようだ。
「これで俺のことは全部話した! 次は与君の番だよ」
「俺は……天与呪縛でろくな体じゃなかった。それを真人……あの特級呪霊に直してもらう代わりに、高専の情報を流していたんだ」
ふむふむ、天与呪縛は真希ちゃんもあるが、与君は身体的に酷い状態だったらしい。それこそ、満足に歩けず学校生活も送れないほどに。
だから、体を改造する力を持った真人という特級呪霊を利用しようとして、縛りを結んだ。
たとえそれが、高専を裏切ることになっても。
「だがアイツらは縛りを破り、京都校の皆んなにも手を出した。だから、さっさと体を正常に戻してもらって真人を祓おうとしてたんだ」
「……それで、ピンチになっていたところに俺が偶然来た……と」
「偶然?」
「俺はなんとなく特級の気配がしたから《次元の裂け目》で飛んできただけだぜ?」
たまーにあるんだよね、
俺としてはなんかこう……リンクセンスみたいなものなのかなって。特級センスっていうかさ。
「そうか……。それで、真人を祓おうとしたんだがアイツは正真正銘化け物だった。死ぬ直前にアンタが来てくれて俺は本当に助かったんだ。きっとあのままだと死んでた」
「んー、俺としては特に助けようって動いてたわけじゃないから、そんな気にしなくていいよ。それより、高専に帰ろうぜ? きっと新しい姿になった与君にみんなビックリするよ」
「俺は……許されるだろうか」
「さぁな。それ言ったら俺も許されるかわかんねーし。お互い秘密を──って、与君はこれ皆んなに知らせないといけないから俺だけ得してる?」
「いや別にいい、俺の自業自得だ」
そうは言っても、なんかスッとしないんだよなー。
「あ、じゃあこれやるよ。《セリオンズ“キング”レギュラス》」
「……?」
「カラクリに入れてみな。強いぜ」
汎用妨害札。攻撃力もあるぞ! 巨大なロボを操っていた与君には似合うんじゃなかろうか。カラクリと相性良いし。
これでお互い共犯者ってことにしておこう。お互い敵と通じてて、自他の情報を流した。
「俺はこの場にいなかったってことにしておいた方がいいかな。術式ほぼ使ってないから残穢も残ってないだろうし。与君があのふたりを追い返したってシナリオにしよう」
「わかった。……本当にありがとう」
「いいって事よ。また京都に行ったら決闘してくれると嬉しいな! じゃーね〜」
きっと騒ぎを聞きつけた窓や術師がこの場に来るだろう。今この状況を見られるのは不味い。
そんなわけで俺はさっさと退散しま〜す。
次元の裂け目で飛ぶ先は、適当に高専だ。それも京都校ね。
実は決闘の特訓をしたいって、京都校メンバーにねだられちゃってさ〜。もう感激で即OKだしたよね。
「というわけで、呼ばれて飛び出て特殊召喚! 遊海宙でーす!!」
「きゃっ!? 急に現れないでよ!!」
「神出鬼没って噂、本当だったんだな……」
俺は最近、っていうか活動を始めてから数年で「神出鬼没の青い術師」と呼ばれてたらしい。何それ全然知らんかった。
まぁ次元の裂け目であっちこっち飛んでるからね、そう言われるのも納得なわけだが。あと呪術師ってなんでみんな黒い服着てるの? 血を隠すのが楽なの?
思考が明後日の方向に飛びそうになったわけだが、いかんいかん、俺は今日は京都のみんなと決闘しに来たんだ。
「まず、東京校のみんなと比べて君たちには圧倒的に足りないものがある」
「それは……?」
「試行回数!! 決闘者としての勘は決闘でしか鍛えられない! まずはスラスラと効果宣言ができるところから始めて、各テーマの止めどころや伏せカードの知識、自分のデッキの弱みを確認する事で決闘者としてより高みへ至ることができる!」
「なにより経験ってわけだな。俺たちは確かに東京メンバーより遥かに経験値の少ないビギナーだ。そこを補うには数をこなすしかない」
あとカードプールね。これは京都校でも不定期にわくわくストレージ漁り祭りを開催するので今後をお楽しみに。
「相手は強敵だ。でも、君たちの力なら必ず追いつける! なんなら俺が直接指導して、リベンジを果たせるようにしてやろうじゃないか!」
「……なんだかすごい熱がこもってないかい?」
「俺はブラザーと戦えるならなんでもいいな」
「あとついでに五条をボコボコにしといて。これは私怨」
「個人の意思がすごい」
俺はまだ許しちゃいない。根に持つタイプなんだ。なんならまだ五条は俺の術式を「よくわかんなくてマジで気持ち悪い」と言っている。許されることではない。
本人に悪気はないのはわかっている。おそらく膨大なカード数、そのシナジーの無さやいわゆる「クソカード」と呼ばれるものに混乱しているのだと思う。
でもそれはそれ、これはこれ。
「そういえば三輪ちゃんは? 姿が見えないけど」
「確かメカ丸を呼びに行ったのよね」
「も、もしかしてラブ♡ロマンスが……?」
「おいおい、それは邪魔しちゃ野暮だろうよ」
実際の与君は特級呪霊と会って死にかけていたのだが、まぁ三輪ちゃんはそれを知らないし……。
今後与君の処遇がどうなされるかはわからないが、良い方向に向かってくれればと思う。
「さて、では決闘講座を始める! ルールは複雑そうに見えて複雑だしなんなら矛盾もある! こちら資料となります」
「分厚」
「これ東京校の奴らもやらされたの?」
京都校は先にルール把握しといた方がやり易そうな頭脳メンバーが多いので、講義形式にします。東堂君とかあれで知能派だぞ。
与君は今頃高専の誰かしらに見つかっている頃だろうか。うまくやれると良いんだけど……。
「せんせー、資料のラストに“青眼デッキの倒し方”があるのは私怨ですか?」
「私怨です」
40話まで来ました。いつもコメントありがとうございます。毎日舐め回すように見返しております。
もはや感想が来たら即続きを書くレベルのモチベになっているので、本当にありがたいです。