ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】 作:月日は花客
20:14 七海班
伏黒はえもいわれぬ不安を抱えていた。
東京に降ろされた謎の帳もそうだが、なにより遊海の失踪が脳内に暗い影を落としている。
あれからもう何日も捜索を続けているが、彼の気配は何処にも見当たらない。
最後の目撃情報はとあるクレープ屋をでたらしい、というあまり信ぴょう性に欠けるものだった。
「遊海さんが心配ですが」
「……はい」
「今は目の前の任務に集中してください。彼は強い、呪術師としての経験は私よりある。きっと生きています」
「……はい」
七海にそう叱咤されるが、かの師の安否はやはり気になるところだった。
そしてやはり、何か……何か違和感を覚える。
羂索との謎の伝言、最後の任務、誰も目撃者がいないという最後の状況。
そしてあれから、呪力を流してもカードのモンスターが立体映像にならなくなったのだ。
遊海の呪力じゃないと実体化はそもそもしなかったが、立体映像……実態を伴わない立体化なら伏黒たちでもできた。
それが、今は機能していない。
やはり何か彼に異常があったとしか思えない。そんな中での大規模な帳展開。
なにか、何かある。
「なー、その遊海ってあの一級術師の?」
ふと、今まで蚊帳の外だった猪野が話しかける。
猪野は七海とは関わりがあったが、遊海とは関わりがなかったな、と伏黒は思い出した。遊海は高専の若いメンバーとの関わりが多く、ある程度成熟した術師とはあまり関わりがなかった。
それは彼の術式がカードゲームを模したものという年齢層の問題があったのかもしれない。七海や灰原といった例外はあるが。
「遊海さんは伏黒くんの師匠みたいなものだったんですよ! 遊戯王のですけど」
「遊戯王?」
「彼の術式兼カードゲームです。灰原、もう少し静かに」
七海班は七海、灰原、猪野、伏黒の四名だ。そのうち三人には腰にデッキケースが収まっているのだから、彼の影響力が知れる。
「信じて待ちましょう! きっとまた1BOX抱えて帰ってきますよ」
「そう……ですね。すいません、弱気になってました」
伏黒はそっとデッキケースを撫でる。その中にある相棒たち、エースカードは、ただ静かにその中に収まっていた。
*
21:18 副都心線B5F
「獄門疆 開門」
それは不意のことだった。
現れた箱が歪に開き、こちらを見つめる一つの瞳。罠だと瞬時に悟る。
逃げなければ、と足を動かそうとした時。
「や、五条くん」
「は、」
「これ、なーんだ?」
そう言って見せられたのは……紛れもない、遊戯王の、カード。
《覇王龍ズァーク》、見たことないカードだが、確かに遊海のカードだ。彼の、ほんの僅かだが呪力を感じる。
偽物? 偽造? いやあれは本物の──
瞬間、五条の脳内に溢れ出す、遊海との……何十戦とやった、遊戯王の対戦時間。過ごしてきた、あの長い年月。
刹那、彼の脳内では、1分など、とうに──
「お前……遊海を何処にやった!!」
「ひどいなぁ、私が彼に何かしたと思ってるのかい?」
「そうじゃないとお前がそのカードを持っているわけがない。アイツを……何処へやった」
「ふふ、これはね……彼が
「……は?」
まぁそれはいいよ。と羂索は笑った。もう目的は達成した。五条悟は封印される。
獄門疆の中で永遠に。
「遊海は私に似ている。それだけ言っておこう。おやすみ五条悟。新しい世界でまた会おう」
閉じられた箱で、五条はそっと黒いカードケースを撫でた。
今日こそは、それを持ってきていたのだ。なんだか、持って行った方が良かった気がして。
ケースの中に収まるカオスMAXが、まるで怒るような気配をもたげている。
「はは……それはどうかな?」
暗い結界の中、五条は笑っていた。
*
21:22 冥冥班
「虎杖悠仁、五条悟が封印された」
「お前……与か!? 急にどうした!?」
バチ、と突然耳に張り付いた機械から聞こえた声に、虎杖は別の班に居るはずの与幸吉からの連絡に驚愕の声を上げた。
「渋谷全域に探知と連絡用の機械を仕掛けておいた。これはその一つだ。いいか、もう一度言うぞ、五条悟が封印された」
「何を根拠にそれを信じればいいんだい?」
「それは俺の縛りの関係で詳しくは言えない。ただ、五条悟が持っていた遊海のカードの気配も一緒に途絶えている。頼む、信じてくれ」
「……わかったよ、それでどうすればいい」
「虎杖は明治神宮前に戻り地上から渋谷に向かってくれ。五条封印を術師全体に伝達、五条奪還をこちらの共通目的に据えろ」
「応!」
「冥冥は虎杖が抜ける隙を作ってくれ」
「わかった、あとで口座をおしえてね?」
「…………え?」
五条悟が消えれば呪術界も人間社会もひっくりかえる。すまないが命懸けで頼む。こっちもそのつもりでいく。
そう言うと、与からの通信は途絶えた。
とにかく、今は先の指示に従って五条悟を奪還する。
「遊海さんは……ほんとに何処にいるんだよ……!」
「彼が失踪していた分の損失額は、きっちり払ってもらわないとね」
冥冥さんの恐ろしい言葉にゾッとしつつ、なんだかんだ冥冥も虎杖もデッキケースを持ってきている。それは彼の存在を確かめるような祈りにも似たものだった。
*
21:27 夏油班
「夏油様、どうします?」
「五条悟の封印は拙いですよ」
「そうだね、菜々子、美々子。先ずは悟奪還を最優先。相手も無策では来ないだろう、慎重に行くよ」
夏油班はもうすでに帳の中に侵入している。改造人間を殺しながら、虎杖の叫びを確かに聞いていた。
「こう言う時に遊海がいると便利なんだけどね」
「あちこちに自由に飛べる力……」
「無い物ねだりをしてもしょうがない。我々は我々の仕事をするだけだ、行こう」
夏油は取り込んだ呪霊を次々と召喚していく。
目の前には大量の改造人間が蠢いていた。
「フィールドの私の呪霊を任意の数だけ裏側で除外して……【極の番 うずまき】」
その一撃は、まさに必殺の衝撃。
その轟は術師たちが行動を開始した合図……いや、ゴングのように渋谷全体に鳴り響いた。
「遊海……君は何処にいる? 私のサイバードラゴンも寂しがっているよ」
腰にあるデッキケースには、初めて手にしたあのモンスターが、そっと出番を待っている。
視点コロコロ変わって読みづらいの申し訳ない。
羂索に使うカード
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マインドクラッシュ
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超融合
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融合解除