ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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☆42:決闘者の渋谷事変②

 

22:25 禪院班が陀艮と交戦開始した頃

 

 最果てさーん! どうしてそんなに大きくなっちゃったんですかー! 真面目にやってきたからだよ。

 どうも、遊海です。

 最果ての宇宙での修行を終え、無事に現世に帰ってまいりました!!

 

 あんなことやこんなことがあったけど……私は元気でやってます。

 なんて言ってたら、東京にでかい帳が落とされていた。

 あれぇ? なんか重要なイベントを乗り過ごしてない? 俺。

 

「ちょっとそこの補助監督さーん、何があったんですか?」

「っ遊海一級術師!? あなた今までどこに──」

「ちょっとそこまで、ね。で、どーゆー状況」

「それが……」

 

 ふむふむ、五条悟が封印……封印!? なんかマジで重要な部分の時に俺いなかったね!?

 正体不明の帳に、多数の呪詛師、呪霊……。

 高専のメンバーも対処に……か。

 

「了解した、俺もすぐに援軍に向かう」

「しかし帳が……」

「問題ない。《次元の裂け目》を使えば帳を突破できる。と言うわけで、イテキマース!!」

「あっちょっと!?」

 

 悪い、今の俺は止まれないんだ。

 五条悟が封印されたのは、おそらく羂索の仕業! 

 これら全部、あのクソ野郎が仕組んだことで間違いないだろう。根拠なんて無い、勘だ。

 それに、ズァークの気配を感じる。カードとして使われず、ただの人質となったズァークの叫びが。

 

「ははっ……舐めやがって」

 

 いいじゃねぇか、特訓の成果見せてやろうじゃねぇの。

 何度も組み直し、何度も精霊に助力を乞い、何度も血反吐を吐いて呪力を練り上げた渾身の力を!!

 

「領域展開──《最果ての宇宙(うみ)》」

 

 瞬間、全ての帳全域に宇宙が広がった。

 

 *

 

「死累累湧軍」

 

 大量の異形の魚たちが、真希たちに襲い掛かろうとした時だった。

 

「……は?」

 

 飛びかかってきた魚に対して構えたが、いつまで経っても衝撃がやってこない。

 陀艮の方向に目をやれば、そこにいたのは……。

 

「《破戒雙王神ライゴウ》……?」

「《心宿りし青眼》……!」

 

 二体のモンスターが、その魚たちを一匹残らず……叩き落としていたのだ。

 どう言うことだ? 遊海がいなくなってから、立体映像にはできなかったはず。そもそも、呪力を流していないし攻撃もできないはずなのに……。

 

「星空……?」

 

 ふと、直毘人が空を見た。

 真夏の無人島のような雰囲気だったはずなのに、まるで馴染むように明星が輝いているのだ。

 明らかに陀艮の領域による風景ではなかった。

 

「なんだその獣と竜は……!? 魚たち、やれ!!」

「こっちもよくわかんねぇけど、ライゴウ、やれるんだな!?」

「心宿りし青眼……行きますよ!」

 

 二人の言葉に、モンスターたちはこくりと頷いた。

 直毘人はよくわかっていない様子だったが、即座に二体を援軍と把握し構えなおす。

 

「ライゴウ! どんどん破壊して行け! やっぱ破戒はこうでなくっちゃあなぁ!!」

「青眼、確実に、一匹ずつ、落としていきますよ」

「なんじゃあよくわからんが、頼もしいな!!」

「ぐっ……なんなのだ、この領域に混じる星空も、その異物共も!!」

 

 陀艮が無数の魚を召喚しようにも、ライゴウと呼ばれた獣の巨躯がそれを打ち払っていく。さらに青い龍が魚を破壊するたびに、ライゴウの目が光り他の魚が破壊されるのだ。

 陀艮はなんとか魚たちを送り続けるものの、徐々にこちらに刃が届きそうになっている。

 焦っていた。

 

「嵌合暗翳庭!!」

 

 そこに、さらに領域が押し込められる。

 伏黒だ。

 その領域は練度の低いものだったが、確かに術式の必中効果が無効化されている。

 

「馬鹿なっ……!!」

「《究極宝玉神レインボー・ドラゴン・オーバー・ドライブ》! お前も攻撃に参加しろ!!」

「────!!」

 

 伏黒の背には、宝玉を形どられた白銀の龍が一体、伏黒に向かう魚たちを叩き潰していた。

 

 伏黒は七海に意図を伝える。この領域に穴を開けること、縁が伏黒の足元にあること。

 瞬時に判断した七海は、残る二人に集合をかける。

 

 そこに、さらなる異物が混じった。

 

 *

 

 決着は一瞬だったといえよう。

 謎の男……禪院甚爾による蹂躙は、残る四名を置いてけぼりにして行われていった。

 余談だが、灰原は猪野の救援に向かっている。

 

 そして領域が解かれ、陀艮が祓われた。

 

 伏黒は、そのまま甚爾と呼ばれた男の一撃で外に放り出される。オーバードライブのおかげでダメージは無い。

 外はまるで絵画のような星々が煌めいていて、やけに違和感を覚える。これは……領域、なのか?

 

 しかしそんな考察をしている余裕はない。

 

 脱兎による撹乱カードはきつい。どちらにせよ相手は勘で突っ込んでくる。

 なら、怪我覚悟でカウンターを狙っていくしかない。

 

「脱兎と蝦蟇で……シンクロ召喚『鰐之空泪』」

 

 こいつ(ワニ)で反射を構えて、オーバードライブで追撃を……!

 

「がっ……!?」

 

 真っ先に攻撃しに行ったオーバードライブが一瞬にして破られた。余剰ダメージが伏黒に入る。

 しかしまだ鰐之空泪が残っている、噛みつきにいくも、甚爾はそれを回避して伏黒に真っ直ぐ向かってきた。

 こいつ、鰐之空泪の効果分かってんのか!?

 

「ぐっ……!!」

 

 なんとか位置をずらして遊雲を喰らう。横っ腹をやられたものの、まだ継戦可能範囲。

 家入さんもこっちへ来ている。まだ戦える。

 しかしオーバードライブが破壊されたのは痛い。これは伏黒もよく判断していない謎の現象だ。リクルート手段も理解できていない。戻ってこれるのかもわからない。

 

「オマエ名前は」

「……? 伏黒……」

「……禪院じゃねぇのか」

 

「よかったな」

 

 その言葉は、今の伏黒にはよくわからなかった。

 

 *

 

 今はただ、家入さんの元へ行かなければ。

 オーバードライブも、呪力が回復したら戻ってくるかもしれない。

 フラフラと歩みを進めながら、家入の拠点へ向かう。

 

 その時、背中に異物感が走った。

 

「これこれこーいうのよ! こーいうのが向いてんのよ!」

 

 そう叫ぶのはおそらく呪詛師だ。、伏黒は戦闘終わりの頭を無理やりドーパミンで動かし、その呪詛師に思いっきり蹴りを叩きつけた。

 

「……は? なんで、背中を叩っ斬った筈なのに」

「クリクリ〜☆」

 

 異物感はあれど怪我など何処にもない。

 それは……いま、目の前にいる茶色い毛玉。《ハネクリボー》のおかげなのだろう。

 

「ははっ遊海さん……本当に貴方は」

 

 ラッキーカードだ。と渡されたそれが、肝心なところで自らを守ってくれた。本当に、貴方は何処まで見えているんだ?

 

「──!!」

 

 オーバードライブが復活する。

 式神を出す気力は残り少ないが、負ける気はしなかった。

 

「この星空の下で、負けるわけにはいかないんだよ」

 

 戻ってきた。

 その確信は、伏黒の傷の痛みなど容易く忘れ去ってしまえた。

羂索に使うカード

  • マインドクラッシュ
  • 超融合
  • 融合解除
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