ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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☆5:ゴーティスの冥冥

 

 呪術高専から逃げてきた俺は、相変わらず呪霊を狩りながら郊外を彷徨っていた。

 もう野宿イヤ! とか言ってられなくなったため、休みたくなった時は森の樹上や適当なベンチで休んでいる。睡眠を取らなくても良い身体になっていたから耐えられるようなものだが。

 俺の身体の変異については、よくわからない。カードの効果でもなさそうだし、便利なので治したいとも思わない。

 

「でもなぁ、金が無いのはなぁ」

 

 恐らくだが俺の預金なんかもゴッソリ消えているはず。そうなると、俺は本当に無一文になってしまう。

 この世界に来てそろそろ一ヶ月が経とうとしている。ずっとフラフラしているわけにも行かないし、何処かに所属したいところだが……。

 

「アテも金も無いなぁ……」

「金が欲しいのかい?」

「ヒュ」

 

 いつの間にか背後を取られていた。なんか背後を取られること多くない?? 俺別に油断とかしてねぇのに。

 話しかけてきたのは、薄浅葱? グレー? っぽいロングヘアが綺麗なお姉さんだ。瞼は淑やかに伏せられ、真っ黒な装い。

 どこか、呪術高専の人らを思い出す。

 

「やぁ、私は冥冥。君が高専の誘いを蹴ったっていう呪術師だろう?」

「呪術師……? いえ、決闘者(デュエリスト)です」

「……決闘者って?」

「ああ!」

 

 冥冥さんは少し困惑している。やっべ、一般人に語録は伝わらねぇ。もう反射で出るようになっちゃってるから……。

 俺は改めて呪術師は何かと聞けば、術式を使って呪霊を祓う人を言うそうだ。なるほど、俺のこの力は術式な訳か。

 

「高専から何も説明を受けてないのかい?」

「悟? ってやつが煽りに煽ってきてイラついて逃げました」

「ああ……五条君らしいね」

 

 どうやら五条悟という人間は有名らしい。最強と言われていて、なんか六眼? と無下限呪術の抱き合わせ? らしい。

 つまり禁止カードってこと? 色々抱き合わせちゃった《超魔導竜騎士ドラグーン・オブ・レッドアイズ》ってこと?? 犯罪ってこと???

 

「はえ〜やばいんすね。だから俺の《瑚之龍(コーラル・ドラゴン)》が一撃だったのか」

「遊海くん、君は中々に強いと聞く。どうだい、私に雇われてみないかい?」

「雇……?」

「私は君に任務を斡旋する。君はそれをこなし、報酬を得る。私はその報酬の七割を貰う。でどうだい?」

「えぇ〜七割も……」

「じゃあ五割だ。どうだい?」

 

 任務の斡旋、報酬。つまり金、そして任務はおそらく呪霊を祓うこと。つまりカードパック。

 俺の中に最強の方程式が浮かび上がってくる。

 

「因みに報酬って一回いくらで……?」

「ものによるが、一級相当なら500万はくだらないね」

「やりまぁす!!!!」

 

 即答。

 一級ってこの前のクソデカボックス呪霊でしょ!? そんなのやるっきゃねぇべ!!

 ボックスに250万……えへへ……夢が広がる〜。

 冥冥さんはフリーの呪術師らしく、俺も冥冥さんの元にいるフリー呪術師として扱われるそう。

 

「君の呪術はどんなものなのかな」

「ざっくり言えばTCGすね」

「TCGか……単価の割にプレミア物が多く、100円のカードが数千になったりするらしいね」

「詳しいですね? 俺のカードはカドショでは取引されませんがね。えーと、こんな感じで召喚します。《ゴーティスの灯ペイシス》」

 

 ペイシスを出せば、冥冥さんはツンツンと突いてちょっかいを出す。ペイシスも冥冥さんの指で戯れだす。冥冥さんは動物の扱いに長けてるんだろうか? 手つきが慣れている。

 

「このままだとパワーがないので、他にもモンスター……えー、式神? を出して合体……合体か……? させたりして戦います」

「ふむ、ひとつお手並み拝見というこうか。この近くに呪霊が確認されているようでね、祓ってみて」

「うす」

 

 融合はともかく? オーバーレイやリンクやらを合体と称して良いのか。決闘者学会に疑問を投げつける。シンクロはなんか足し算で合体感ある。個人的に。

 冥冥さんがスタスタと歩いていくので、俺もそれに続く。

 呪術師の皆さんって、みんな服真っ黒なんかなぁ。色が少ないというか。

 俺はズボンとリュックこそ黒だけど、上に着てるパーカーは青だし。ゴーティスイメージの星空っぽいラインが入ったパーカーである。決闘者こだわりファッション。

 

 廃墟ビルにデカめの呪霊がいたので、パパッといつもの様に倒すことにする。

 風呂の時にしか取れないデュエルディスクを構える。マジで風呂の時しか取れない。トイレも一緒。どうなってんのこれ。

 いや待て、緊張感緊張感! 冥冥さんが見てるんだぞ!

 改めて、俺はデッキをセットし手札をドローした。

 

「《ゴーティスの灯ペイシス》を召喚、効果で除外し手札から《ゴーティスの守人イーノック》を特殊召喚」

「おお……続々と出てくる」

「イーノックの効果でペイシスを特殊召喚。二体でチューニング。《ゴーティスの死棘(しきょく)グオグリム》をシンクロ召喚。ターンエンド」

 

 雑魚はこの時点で勝ち確である。たま〜に、本当にたま〜に戦闘時に効果を受けない奴がいるので、そこは注意が必要だ。

 基本的に《ゴーティスの双角アスカーン》かこのグオグリムになんとかしてもらうことが多い。

 

「攻撃してきたな? グオグリムの効果で除外だ!」

 

 除外効果を使えば、ミチミチとカードの形に変形させられて消えていく。いつ見てもグロい。血とか肉片が飛び散るのだ、勘弁してくれ。

 一篇の流れを見ていた冥冥さんは、拍手をしてくれる。なんかすごい似合う、裏社会のボス感。

 

「素晴らしい。二級呪霊がこんなにあっさりだとは。一級の時もさほど苦戦していなかったと聞いたが、やはり中々やるようだね」

「へへ、照れる……」

「合格だ。これからは君に依頼を渡そう。……覚悟しておくように」

 

 俺は最初、その言葉がなぜなのか分からなかった。

 しかし次から次へとカラス経由で送られてくる依頼に、靴も精神もボロボロになった頃叫ぶのだ。

 

「服どころか仕事もブラックじゃねぇか!!!」

 

 ってな。

 騙されてブラックな仕事に就かされました。チクショウ!!







遊海がきた時期を変更しました。(2004→2007)
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