ゴーティス使い俺、呪術の次元は禁止カードが多すぎる【改訂版】   作:月日は花客

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☆8:ゴーティスの最強③

 

 あれから、俺は夏油君とたびたび話すようになった。

 と言っても、軽快なおしゃべり……というより夏油君の愚痴や不安を俺が聞くという形だ。

 村の一件から、夏油君は一時的に気を落ち着かせたけど、また不安不満がぶり返してしまう。それを俺にぶつけて解消する、というサイクルだ。

 しかし今日の夏油君はなんだか機嫌が良い。いつもは思い詰めたように眉間に皺を寄せているか、貼り付けたような笑みを浮かべているのに。

 

「遊海さんに渡されたカード、使ってみたんですよ。発動はしたんですが……」

「あ、上手くいかなかった? ごめんな」 「いや、味もマシになったんですが、その……光りまして」

「光る」

「虹色に」

「虹色に」

 

 そうして夏油君が懐から取り出したのは、ゲーミング呪霊玉と言うに相応しい虹色に光るそれだった。グラデーションが目に痛い。

 

「ンッフ、なにこれ?? こんなんになるの??」

「ちょっと……ふふ、味どころじゃ無いって言うか」

「ンン目がチカチカしてきた。ちょ、しまって」

 

 強烈な色彩を放つ玉を口に入れる経由で、五条や家入さんにも呪霊玉の悩みがバレたらしい。しかしゲーミング呪霊玉が面白すぎてあえなく撃沈となったようだ。南無。

 味は、まぁ無味〜若干の甘みらしい。美味しいとは言えない。しかし光り方に気を取られて味どころではない。

 つまり、ダメージ(まずさ)はちゃんと無効にできているのだ。

 

「うーん、でも流石に派手すぎるな。《神秘の中華鍋》に変えてあげよう。発動できたならこっちでも大丈夫な筈」

「ゲーミング呪霊玉……フフッ」

「《レインボー・ライフ》ってこんなんになるんだ……やば……」

 

 これを決闘(デュエル)で使うと、モンスターや自分がゲーミングになるのだろうか。ちょっと集中力が切れるな、使わんとこ。

 いやでも、他人でも無事にカードを使えて、決闘ではない効果を発揮できたから良い……のか……? 結果があまりにも馬鹿みたいだが。

 ただ、おそらく戦闘では使えないだろう。俺のように決闘というシステムを採用していないからだ。あくまでも呪霊玉用として使うことを夏油君に伝える。

 

「そういえば……遊海さんは特殊な戦い方をするそうですね」

「ああ、このカードたちを使って、TCGの対戦みたいな感じで戦うぞ」

「現代風ですね。デュエマとかMTGみたいな感じですか?」

 

 おお、夏油君はTCGジャンルを知っているらしい。この世界そういうのはあるのに遊戯王は無いんだよな。ふざけるなよ世界。

 俺はざっくり遊戯王のカードを紹介した。通常、効果モンスターと魔法罠があって、エクストラがあって〜みたいな感じで。

 

 すると、夏油君が遊戯王に興味を持ってくれたのだ! 嬉しすぎる神か??

 俺もちゃんと任務受けまくってカード集めまくってるからな! もうゴーティス以外のテーマも組めてるぞ、それも複数!

 だから俺はつい、その構築済みデッキたちを広げて夏油君を誘った。

 俺のカバンはいつの間にか、カードなら無限に入るようになっていたので重さも枚数も気にしなくていい。つまりカード限定四次元ポケットから、何十種ものカードテーマ群を取り出す。

 夏油君はちょっと引いていた。

 

「一個、好きなデッキをあげよう! 戦闘には使えないが、ただ遊ぶには問題無いぞ!」

「こんなに種類があるとは……」

「テキトーに絵柄で選んでも良いし、面白そうと思った効果で選んでも良い。ただ呪具扱いになるから失くさないよう気をつけてくれ」

「流石に迷うな……どれにしよう」

 

 ちゃんとブラック冥冥で働いていた俺の持つカードは、大抵のテーマなら揃っている。若干汎用で固めてるものもあるが、遊ぶ分にはそこまでパワーは偏ってない筈。

 図書館エクゾとか少し王道から外れたのもあるぞ。

 さてさて、夏油君が選んだのは──

 

「ほう、《サイバー・ドラゴン》ですか……趣味が良いですね……」

「シンプルにカッコいいなって」

「ただ意外かも、もうちょっとダークなやつを選ぶと思ってた」

「不気味な奴は現実で十分なんで」

「確かに」

 

 夏油君の操る呪霊は呪霊だから見た目良くないやつ多いもんね。

 脳筋! 火力! 複数回攻撃! なサイバー・ドラゴンは男の子はみんな大好き。ロマン砲に憧れる心の中の小学生が疼くね……!!

 

「サイバー・ドラゴンはロマンだぞ〜楽しいぞ〜!」

「遊海さんのテンションがさっきから怖いな」

「そんな複雑な処理しないし、目に見えて攻撃力(アド)が上がるからわかりやすく強さが実感できるよ。ついでにデッキケース、プレイマット、トークンのセットをあげよう」

「熱意が! 熱意が怖い!」

「何がなんでも遊戯王にハマってもらう」

 

 この数ヶ月、俺は呪霊とばっか戦ってきた。大抵は除外一発で消え去り、2500程度の攻撃力で破壊される。そんな環境では、デュエルタクティクスが鈍ってしまう!

 何より対人戦したい! 人とやりたい! 知ってるテーマ同士で対決したい!!

 なので、遊戯王で対戦したい気持ちが溢れ出ていた。

 初心者は丁寧に沼に嵌めねーとなぁ! バンデット・キースさんもそう言っています。

 

「まずは基本ルールの説明からやろう」

「もしかして私はとんでもないものに手を出してしまったのでは」

「ルールは複雑なように見えて複雑だぜ!! 着いてこいよ!」

「テンションが怖い」

 

 夏油君、座学の成績悪くないし、そもそも理解力とか思考力が高いから基本ルールくらいはさっさと覚えてしまった。

 そこに更にサイバー・ドラゴンの展開や妨害への対処を学んでいき、いずれ最強のサイバー・ドラゴン使いとなってもらおう。目指せカイザー亮!

 

「ここで《パワー・ボンド》で融合召喚すると?」

「攻撃力4200の3回攻撃……!?」

「そこに《リミッター解除》を発動させると……?」

「すごい! 私の《キメラテック・ランページ・ドラゴン》が……!!」

「これがサイバー流だ」

 

 夏油君にはじっくりたっぷり遊戯王に浸からせ、俺の対戦相手になってもらおうじゃないか……フフフフフ……。






レインボー・ライフのくだりはやりたかっただけ。
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