グランブルファンタ……え? ロマンシング? 知らない子ですね……   作:葛城

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難しく考えてはいけない(戒め)



誰か続き書いてくれ、誰も書かないから好き勝手に書くんやで


プロローグ

 

 

 

【朗報】実家の裏山に出没する白蛇にご飯をあげるのを日課にしていたら、死後に転生させてくれる系の蛇神だった。

 

 

 

 詳しく説明するとくっそ長くなるうえに、約6000文字ぐらいになりそうなので省くが……さすがに省き過ぎと怒られそうなので、簡潔に説明しよう。

 

 ワイの実家=いわゆる地方、一軒家で広い庭(物は言い様)が付いていて、家の裏手にはちょっとばかり小高い山がある。

 

 別に、由緒ある山でもなければ、歴史ある神社があるとか、そういう系でもない。ましてや、ワイの所有物ですらない。

 

 バブルの景気に乗り遅れてしまい、かといって、乗れたところで利便性もなければ目玉もないうえに、手入れもほとんどされていない。

 

 日本に数多くある、土地の所有者はいるけど二束三文どころか買い取り拒否されかねない、そんな山だ……ん? 

 

 自分の物でもないのに、なんでそんなに詳しいのかって? 

 

 そんなの、所有者(近所の爺さん、御年89歳)から『山、欲しくない(ゲス顔)?』と何度も話を持ちかけられているからだ。

 

 

 ……なんでそんな事をされているのかって? 

 

 

 そりゃあ、持っていたって負債にしかならないからだ。

 

 駅が開通するとか、電線が通るとか、そういう話が持ち上がっているならまだしも、過疎化が進んでいる土地なんて、持っているだけで税金が取られるだけの土地だ。

 

 ソーラーパネルが取り付けられるようなアレなら売り飛ばせたのだろうが、それもどうやらできないらしい。

 

 なんでも、地面の傾斜のアップ&ダウンが絶妙にいやらしい感じなうえに、日当たりの関係から、日照時間が微妙に少ないらしい。

 

 つまり、補助金ジャブジャブするには条件を微妙に満たせないうえに、自費でやったとしても、元を取れるまで何十年掛かるのか……といった話なのだ。

 

 おまけに、取れる山菜の類も別に希少価値があるようなモノでもなく、放置されっぱなしで何十年……そういう場所なのである。

 

 

 ──で、話を最初に戻すが、時々だけど、その山から、蛇が下りてくる。

 

 

 幸いにも毒性が強い類の蛇ではなく、家の中に入り込んでも無視しておけば勝手にいなくなるうえに、小さい害獣を食べてくれるので、ワイのところでは放置が基本となっていた。

 

 

 で(Part.2)、ある時、ワイは怪我をしている白い蛇を助けた。

 

 

 理由は、特に深い意味はない。というか、大した治療を施したわけでもない。

 

 ただ、白い蛇とは縁起が良いなと思っただけだし、朝晩が冷えるようになったなという時期だったので、放置したら凍死するかもと思っただけ。

 

 電気毛布に新品のタオルを置いて、そのうえに蛇を乗せただけ。後はまあ、飲むか分からないけど水と、砕いたゆで卵を置いたぐらいだ。

 

 死ぬなら寿命だと思っていたし、翌日になって覗いてみたら居なくなっていたので、『元気になったなら、いいか』と三日後には忘れたぐらいの話でしかなかった。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………で(Part.3)、それからさらに二週間後、ワイは死んでしまった。

 

 

 おまえ展開早くないとか言われそうだが、事実なのだから仕方がない。

 

 死因は、なんというか、突然死だ。具体的には、ヒートショック。

 

 今日は冷え込むなあと思って熱いシャワーを浴びた瞬間、人生最高レベルに心臓が『ドクン!!』と跳ねて……気付けば、ワイは死んでいたのだ。

 

 死ぬ直前、『え、これヤバくね?』とか思ったけど、思っただけで限界だった。なにせ、心臓発作が起きていて、実家に居るのはワイ1人だけだったから。

 

 父も母も10年以上前に亡くなったし、親戚とは付き合いがほとんどなく、生涯独り身で細々と暮らしていただけのアラフォーの男。

 

 せめて、身体が腐る前に誰かに発見されたらいいなあ……それが、生前最後に考えた事……で、目の前も何もかもが真っ暗になって……次に、フッと目が覚めたら。

 

 

『──おっ、生きてっか~?』

「……いや、死んだと思う???」

『ヨシッ! ばっちぇ、生きてますね~』

「……???? いえ、死んだと思いますけど???」

『Foo!!! 見ろよ見ろよ、ホラホラホラ』

「聞いて????」

 

 

 なんか、白い輝きで満たされた謎の空間にワイがいて、目の前には推定数十メートルはありそうな巨大な白蛇がとぐろを巻いて己を見下ろしていた。

 

 驚き過ぎて混乱するしかないワイを尻目に、白蛇は一方的な説明を始める。

 

 

 一つ、ワイ、蛇の神様! この前助けてくれた白蛇だけど、アレはワイの幼い眷属なんやで。

 

 二つ、無事に回復したのはひとえに貴方のおかげなので、なにかお礼をしようと思っていたんやで。

 

 三つ、その前に貴方が死んでしまったので、どうしたものか……そうだ、新しい命を与えて転生させよう! 

 

 四つ、同じ世界に復活させるのは禁忌なので、別の世界に転生させるね、そこならセーフ! 

 

 五つ、さすがに今のまま放り出すのは危険というか無責任なので、特別製の身体を用意するんやで! 

 

 六つ、人の身体なんて分からないので、最近君らの間で人気の……あの、『そしゃげい?』なるやつとか、とにかく色々と片っ端から参考にしたんやで! 

 

 七つ、ほな、また……。

 

 

 まとめると、マジでこんな感じ。

 

 有無を言わさないというか、人の話を聞かないというか、神様はナチュラルに人とは分かり合えないとか言うけど、実際にそうだった。

 

 なにせ、ワイの方からは一度として転生させてくれとか言っていないし、そもそも、質問させる隙を欠片も与えてくれなかった。

 

 

『逝きすぎィ!! 逝く逝く逝く逝く……ンァ──!!!!! (超激デカボイス)』

「うるっせぇなあ!!!! 神様、なんか汚い動画とか見てるだろぜったい!!!」

 

 

 あと、この神様はぜったいにネットの汚いミームに毒されている……なんというか、リアルでネットスラングを口にする痛々しさを前にして、ワイは再び意識を失ったのであった。

 

 

 

 

 

 ──そうして目が覚めたら、ワイの前には荒野が広がっていた。

 

 

 そう、荒野だ。

 

 周囲には文明の気配は全くなく、人の気配だってない。

 

 もう、本当に何も無い。地平線の彼方まで、点在する雑草集団がチラホラ確認出来るだけで、森すら見えない。

 

 見えないといえば、服すら無い。生まれたままの姿、それが今のワイ。

 

 空に浮かぶ太陽は憎たらしさを覚えるぐらいに地上を照らしていて、ときおり吹きつける風は、嫌気を差すほどに乾燥していた。

 

 もう、これだけで半日後には死亡確定みたいな状況だが……そこに加えて、さらにもう二つ。

 

 

「──お、女になってるぅぅ!?!?!?! そのうえ髪がながーい!?!?!?」

 

 

 それは、頼んでもいないのに、用意してくれた身体が『女』だったこと。それも、髪の量が男だった時の比ではない、紫が掛かっていた。

 

 素っ裸だったので、すぐに分かった。

 

 男とは明らかに違う膨らみ、慣れ親しんだ股間の感覚は消え去り、手を当てたら……男の時とは根本から違う、女性器の感触と感覚が伝わってきた。

 

 

「……尻尾?」

 

 

 そして、どうやらこの身体は、普通の人間ではないということだ。

 

 だって、尻尾がある。

 

 まるで、蛇のように伸びるそれはとても長く、また、器用で、たった今気付いたばかりだというのに、手足の延長線の感覚で自由に動かすことができた。

 

 だが、それだけだ。

 

 分かったのは、今の己が女になっている事と、人間とは違う身体になっているということ。あと、このままでは翌日には脱水症状にて動けなくなるということ。

 

 これはもう、嫌がらせを通り越して殺しに掛かっているレベルだと、ワイは思ったわけだ。

 

 見渡す限り、誰かの助力を借りられる状況ではない。ていうか、自分以外の人間(?)がいるのかどうかすら、不明だ。

 

 

「    」

 

 

 だから、ワイは今までで断トツに一位を取れるぐらいに考えた。考えなかったら死ぬのが確定だから、そりゃあ必死だった。

 

 とにかく、水だ。食糧よりも、まずは水。

 

 しかし、飲める水など何処にある? 

 

 下手に移動するにしても、取り返しは聞かない。一発で正解を引き当てなければ、そのまま終わり……ん、いや、待てよ。

 

 

(そういえば、あの蛇の神様……たしか、色々と片っ端からって……)

 

 

 それは、閃きであった。

 

 伊達に、独り身生活が長いわけではない。

 

 暇を潰せるもの(あと、お金があまり掛からないモノ)は粗方手を出したからこそ、導き出せる答えがあった。

 

 

「ステータスオープン!!!」

 

(ステータスオープン!!!)

 

 

 渾身の力を込めて、ワイは唱える。

 

 すると……何も、変化は起きない。

 

 しかし、焦ることはない。

 

 伊達にあの世は見て……いや、アレをあの世とカウントするかは判断に迷う所だが、とにかく、一度は死んだ身だ。

 

 

「アイ──」

 

 

 テムボックスと、言い切る前に、ワイの眼前に、ゲームとかで飽きる程に見慣れたやつがババンと表示された。

 

 と、同時に、頭の中に入ってくる、存在しない記憶……どういうわけか、気付けば使い方などを理解していた。

 

 

 なんとも、気の早い。しかし、小難しい理屈を並べている場合ではない。

 

 

 試しに、たまたま目に入ったペットボトルっぽいアイコンより取り出せば、ポンと唐突にワイの前に出現した。

 

 中には、透明な液体……開けて臭いを嗅いで、軽く口に含み……気合を入れて、ゴクンと飲めば……後はもう、一気飲みである。

 

 自覚している以上に、身体は乾いていたようだ。

 

 喉が潤ったことで少しばかり冷静になる……次いで、表示されたソレを見やれば……なんと、在庫が減っていない。

 

 よく見ると、アイコンの右下に『∞』マークが付いている。

 

 どうやら、水に悩まされる心配はないようで……同様に、パンのアイコンより使えば、ポンとパンが現れた。

 

 パンのアイコンの方にも、『∞』マークが付いていた。

 

 水とパン、とりあえず、飢えに怯えることはなさそうだ。食べてみれば、普通に美味しい……贅沢は言ってられぬと、不安と共に水分と一緒に胃袋へ流し込む。

 

 そして、食べ終わった後の、空のペットボトルを……アイテムボックスのゴミ箱へと念じれば、パッと消えた。

 

 存在しなかった記憶のとおりに、念じるだけで消したり表示したりできるようで、パッと見ただけでも色々入っているのが見えた。

 

 

「Foo!!! やったぜ!」

 

 

 思わず口走る、汚い雄叫び。

 

 以前のワイなら野太い声色だったのだが、この身体は女……なんとも可愛らしく、誰が聞いても可愛いとしか感じない。

 

 可愛いは、正義。醜いよりも、美人なのが一番だ。

 

 そんな真理を胸に、ワイはさっそくアイテムボックスの中身を確認……すると、『マイホーム』なるアイテムを発見。

 

 もちろん、言われずとも使い方を理解していたワイは、それを取り出す──直後、ワイの前方には、ちょっとばかり大きめなログハウスが出現していた。

 

 中に入れば……なんという事だろうか、前世では一度も行ったことがない、豪華な世界が。

 

 

 ……どういう世界かって? 

 

 

 なんというか、ワイの語彙力では表現しきれない世界である。気になる人は適当に『世界の高級ホテル』でもググってみたら分かる。

 

 この中は特殊な空間であり、お湯も出ればトイレも完備であり、電気も通っていれば、Wi-Fiだって通っている。

 

 こんな場所でWi-Fiが通ったからといって何だって話だが、大は小を兼ねるのだ。

 

 掃除しなくても自動的に汚れは洗浄され、常にキレイ……排水関係も不思議なパワーで完全浄化し、大地に還元する優れ物だ。

 

『冷蔵庫』と『倉庫』はワイのアイテムボックスと連動しており、どちらからも無限に等しい食料や反則アイテムを取り出すことが出来る。

 

 そのうえ、このログハウスはとにかく頑丈で、核ミサイル1億万発の直撃を受けても傷一つしない……とにかく、痒いところに手が届き過ぎる、最強の持ち運び可能なマイホームなのである。

 

 しかも、このログハウスには一日一回、『新聞』が届く。

 

 これは、言うなればこの世界のその日のニュースを新聞形式にまとめたもので、一歩も外に出なくとも、最低限の情報を仕入れ続ける事が可能となって……説明が長くなるので、止める。

 

 そうして、ひとまずいきなり命の危険はないだろうと安心したワイは……浴室に設置されてある大きな姿見に己の裸体を晒し……ようやく、気付いたのだ。

 

 

「──グラブルのメドゥーサじゃん!!」

 

 

 今の己が、かつてプレイしていたスマホゲームの『グランブルーファンタジー』に登場する、メドゥーサにそっくりであるということに。

 

 メドゥーサ……ゲームを引退してから相当長いので設定なんて忘れてしまったけど、キャラの造形とかはしっかり覚えている。

 

 だって、始めてプレイした際の100連ガチャで最初に手に入った、SSRキャラで、なんだかんだ気に入ってしばらく使い続けたキャラだから。

 

 

(──ってことは、この世界って……もしかして、グランブルーファンタジーの世界なのか?)

 

 

 なんとも、どこぞのネット小説みたいな展開だぁ……と思ったワイは、シャワーも浴びずに浴室を飛び出し……『新聞』を広げる。

 

 グランブルーファンタジーのストーリーはほとんど思い出せないが、なんか戦争というか、大勢の犠牲者が出る様な話があったような覚えがある。

 

 確実性はないが、何かしらを切っ掛けにして思い出せば、危険に巻き込まれる可能性が……そう、考えたわけなのだが。

 

 

『 ──七英雄!! アリどもを蹴散らす!! ── 』

 

 

 一面にデカデカと乗った7人の者たち、誰も彼もが美形と称するしかない……そんな者たちと、なんかファンタジーっぽい恰好を見て。

 

 

「……七英雄? え? そんなんいたっけ? え? 本当にだれ? やべぇ、まったく思い出せないぞ……!!!」

 

 

 カスリともしない己の記憶に、焦りを覚えたのであった。

 

 

 

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