勇者王は偉大なる英雄《ヒーロー》   作:しらすの番人

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感謝の一日二話投稿です


君の名前は

 

カマソ:これが塚内・・・・・・であっているのか?

 

塚内:カマソッソさん!僕であっているよ、何か相談事でも?

 

カマソ:あぁ、塚内は警察という職業柄、個人の事を調べやすいだろう?だからオレのこと     オレというより森鎌 想太について、特に想太の家族関係について調べて欲しいのだ

 

塚内:あれ、確かカマソッソさんは想太さんの記憶も分かるんじゃなかったのかい?

 

カマソ:それが想太の家族関係の記憶だけモヤがかかったように思い出せんのだ。想太の家族構成も、家族の名前も、思い出も何もかも。オレが元に戻る方法を探る中で、想太は何も無関係ではないような気がするからな

 

塚内:なるほど・・・・・・それでカマソッソさんは僕に想太さん近辺の情報を調べて欲しいと

 

カマソ:頼めるか?

 

塚内:もちろん、任せといてくれ

 

カマソ:助かる

 

 

 

 

「とは言ったものの、だよなぁ・・・・・・」

 

 塚内は項垂れていた。先週カマソッソが依頼してきたこと自体には全力で応えようとし、情報自体はまとめ上げることが出来た。だがその内容が問題なのだ、カマソッソの自意識が全面に出る前の想太が中々に波乱万丈な人生を歩んでおり、これは直接カマソッソを呼んだ方が良いと決断を下した。

 

 

塚内:カマソッソさん、明日の土曜日とか空いてるかい?

 

カマソ:どうした?

 

塚内:前カマソッソさんが言っていた想太さんの情報の件なんだけど、調べたのはいいんだ。けど中身が強烈過ぎてね・・・・・・出来れば直接話がしたい

 

カマソ:了解した、明日だな?場所はどうする

 

塚内:前君と涼原さんが来てくれた警視庁でいいかい?時間はそっちの都合に合わせるよ

 

カマソ:では午後一時くらいに向かうとしよう

 

 

 

 

 

 

「さて・・・・・・もうそろそろ時間か」

 

「・・・・・・・・・・・・ふっ!!」

 

 塚内の目の前に空から蝙蝠が降ってきた。カマソッソはプロとして個性が使用出来るようになったのを良いことに移動の大体を飛行して済ませるようになった。警官などに個性を使用しているのがバレても「プロです」と言えば解決してしまうのだ。

 

「やぁカマソッソさん・・・・・・・・・・・・それは?」

 

「途中で暴れていたのでな、無力化してそのまま飛んできた。ここでなら直接引き渡せるのだろう?前にオールマイトがしていたように」

 

 カマソッソの右腕にはトゲトゲした体をしていながら白目を向いて意識を失っている(ヴィラン)が。塚内の仕事が増えるだけだが、カマソッソが普通にヴィランを持っているのを見て、塚内は「オールマイトみたいだなぁ」とどこか他人事じみた考えが浮かんできた。

 

 

 

 

「凄いじゃないか、デビューして一週間でもう二十件ものヒーロー活動なんて。どこからかは知らないけど『人攫いのゴロウ』を倒していたのも世間にバレちゃったから連日テレビでは君のことが取り上げられるようになった。カマソッソさんのスピードと戦闘力、そして圧倒的な顔面力でファンもずっと増え続けているんだってね、この調子なら十一月に発表されるビルボードチャートにはもう載ってるいるんじゃないか?」

 

「オレ的には逆に有名になりすぎだとも思うのだが・・・・・・」

 

「はっはは、ヒーローとして活動するなら知名度はあることに越したことはないよ。はは・・・・・・たまーに厄介な事に巻き込まれることもあるかもだけど」

 

「駄目ではないか」

 

「そこら辺のリスク管理とかも考えて行かなきゃねぇ・・・・・・とここだここ」

 

 塚内は警視庁内にある個室へとカマソッソを案内した。そして塚内はすぐさま使用中の看板を。ここは犯罪者などに詰問したりする独房。機密性が高い+他の人に見られたくないという条件ならば、独房は警視庁の中でもトップクラスの場所である、部屋が少し暗いのがキズではあるが。

 

 

 

「さて、最初に言っておくけど、今回は想太さんの身辺についてだ。前カマソッソさんが話してくれた『カルデア』についてはまだ待ってほしい。このカルデア、多分だが何者かに意図して情報を隠されている。僕も少し警察の力を使って調べてはいるが、最近やっと繋がりそうな情報が出てきたくらいなんだ」

 

「・・・・・・了解した。オレがカルデアの場所を知っていれば良かったのだが、まぁ言っても栓のないことか。それで、直接会ってまで伝えたいこととは?」

 

 

「そうだね、本題に入ろうか。・・・・・・・・・・・・一応最初に言っておくね、僕からどんな言葉が出てきても、あまり声を荒げないで欲しい。まず確認から、今カマソッソさんの体は本来ならば『森鎌(もりかま) 想太(そうた)』という人物のものであり、カマソッソさんはその想太さんの意識を上書きする形で想太さんの体にいる、ってことでいいんだよね?」

 

「そうだな」

 

「で、確認の結果。想太さんは元々、()()()()()()()()()。今の想太という名前は二年前に改名されたもの。本当の名前は『託郎(たくろう)』、というより生まれてから二十一歳までは『森鎌 託郎』という名前だったんだ」

 

「・・・・・・何だと?」

 

「更にここからだ。元託郎こと想太さんの家族構成は、想太さんと父:(やいば)と母:優香里(ゆかり)の三人のみ。そして想太さん以外の二人は()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「───な」

 

「・・・・・・こうも考えられるんだ、託郎さんは『両親が事故により死んでしまったことにより、自分もこのままだと死んでしまうのではと考えた。託郎のままだと死ぬのなら、改名したどうだ?』と、考えていたんじゃないかと。まぁこんな風に考えていたわけではないとは思うけど」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「けど実際、両親が他界してしまっているんだ。当時の家庭裁判所はその心象を察し改名の許可を出した。そこから『森鎌 託郎』は、『森鎌 想太』としてカマソッソさんが現れるまで生活していた。恐らく、カマソッソさんが想太さんの記憶を辿り、家族のことについて知ることが出来ないのは、想太さん、元託郎のトラウマ的なものが原因なんじゃないかな」

 

 

「・・・・・・ふむ、想太が二十一か。確かその年は、想太は仮免を取った年だったと記憶している」

 

「そこも調べた。時系列的には仮免取得→事故で両親他界→改名という流れらしい。つまり、当時の仮免の時は想太ではなく託郎として受けていたわけだ」

 

「だが、仮免にはキチンと『想太』という名前が書かれているぞ?」

 

「うーん、それは合格してれば再発行出来るからあまり関係がないかもね」

 

「なるほど・・・・・・ちなみに想太の両親の死因は?事故と言っても何の事故なのだ?」

 

「それがただ死因『事故』としか書かれていないんだ。何故死んでいたのか不明、誰かに殺害されたのかも不明、死体が発見された場所と状態から、『恐らく交通事故だろう』と備考欄に書かれている」

 

「・・・・・・気味が悪いな」

 

「更に気味悪くしてあげよう、カマソッソさん。君は六月の何日にこの世界に来た?」

 

「六月の・・・・・・十七日」

 

「あぁ、やはりか。想太さんの両親が事故で死んだと推定されているのも六月の十七日だ」

 

「待て、それで合わせようとすると時系列が合わなくないか?仮免と本免は毎年、同じ時期に行われるはずだろう?二年前では想太が仮免を合格してから六月十七日を迎えている。だが今年はオレが来た日、つまり六月十七日が過ぎた後に仮免と本免が行われているではないか」

 

「はい、これも一応言っておくけどね。確かに仮免と本免試験は毎年六月と九月の二回開催だけど、何も日にちまで毎年一緒なわけではないよ。だからその意見はあまり意味がない」

 

「・・・・・・そうか」

 

 

「僕は君が来た日と想太さんの両親の命日がおそらく同じだと気づいた時、そりゃもう確信したよ。『君は来るべくしてこの世界の「森鎌 想太」の体に来た』ってね。何で想太さんの体なのかは分からないし、来た理由も分からない。だけど来たのには何らかの意味があると思っていいだろう」

 

「来た方法ではなく来た意味か・・・・・・オレ自体がその意味に関係しているからこそオレが呼ばれた、という可能性か」

 

「あくまで憶測の粋を出ないけどね。ただここまで君が乗っ取ってる・・・・・・は語弊があるか?」

 

「オレは依代と呼んでいるな。カルデアに合わせて」

 

「どんな組織なんだカルデア・・・・・・まぁ、君のその依代にここまでの出来事があったんだ。一番怪しいのが君が来た日と想太さんの両親の命日なんだけど・・・・・・流石に情報がなさすぎる。まずは想太──当時託郎さんの心情の変化とかを調べていこう。当時託郎さんが目指していたヒーローの夢を諦め、今まで想太さんが勤めていた会社『インターネット・エンカウンター』を目指し始めたのもこの時期だ。何か関連性があるのかもしれないし」

 

「二年前、というと2015年か。当時何があったのかを調べないとだな──」

 

「ごめんごめん、ちょっと待った!!」

 

「む?」

 

「体感的にはそれくらいだからずっと二年で話してしまっていた。そうか、すまない。そうだもんな、君は知らなくて当然だ」

 

「・・・・・・?」

 

「想太さんが仮免を取ったのも、想太さんの両親が死んでしまったのも、体感的には二年前くらいの出来事だ。でも違うんだ、ちょっとややこしくなるんだけど。実際はそれらの出来事は三年前の出来事なんだ」

 

「・・・・・・???」

 

「何しろ未だに原因が分かっていない。私達も知らない未知の現象だ。ことは2015年七月末、いきなり僕の視界が真っ暗になっていた、そして次の瞬間目が開いたと思ったら、今年、2017年一月になっていた」

 

「・・・・・・!!」

 

「国連はこれを『空白の一年と五ヶ月』とし、未だに原因解明が行われている」

 

「それもコレ問題なのが、当時世界中の全ての人に起きた現象だということなんだ。スマホを確認すれば、確かに西暦2017年。だが記憶や周辺の環境は全部先程の2015年七月のまま。そりゃあもう混乱したよ。だって夏を過ごすはずだったのが一年と五ヶ月後の冬を過ごすことになったんだからね。もう半年前か・・・・・・色々あった、本当に色々あった。けどまぁ今は置いといて、だ」

 

「結局2017年のまま進行することで国連は決定したんだけど、僕が言いたいのは、体感二年前の事件だが、実際は三年前のことを調べなきゃいけないんだ。何しろ2016年のことは誰にも分からないんだからね」

 

「・・・・・・つまり、2014年の記録を調べていけばいいのか」

 

「そういうことになる。・・・・・・まぁ今日は色々衝撃なことを話してしまった。本格的な調査はまた今度話していこう。今は君が言ったカルデアの方に専念したいからね」

 

「迷惑をかけるな」

 

「いや、いいのさ。気にしないでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2015年七月末から2017年までの記憶障害・・・・・・」

 

 これカルデアの人理焼却、いわゆる人理を取り戻すグランドオーダーの影響だろう?十中八九。なるほど、カルデアの神官達が特異点を潰しまわっている間、焼却された人類達は文字通り消されていたから記憶が無いのか。それでカルデアが人理焼却を解決した瞬間、人類及び地球は元通りになったがそこはカルデアが解決したことで2017年の地球に。何も知らないものからは一瞬で一年と五ヶ月のワープをしたみたいに感じられたワケだ、それは混乱するだろう。

 

「何とかカルデアとコンタクトを取れればいいが・・・・・・」

 

 人理焼却がカルデアによって解決されたことで、文字通り一年の間は平和だったのだろう。だがそれは一年だけだ、2017年末、今から数えてももう半年もない間に地球は『異星の神』に侵略され地球は白紙化される。折角オレがこの世界に来たというのだ、そんなことはオレがさせない。あの武器を渡す女狐やクリプター、異聞帯のことを諸々教え込んで地球白紙化なんぞ阻止してやるわ!!

 

「現状カルデアの位置を知らんから塚内に一任するしかないがな」

 

 結局カルデアの場所が判明するまでオレはこの一週間みたくヒーロー活動をして地道に情報を集めるしかない。そのためには睡眠だ、休息のための睡眠だ。体が万全では無い状態でどうしてヒーロー活動なぞ出来ようか。まだ日を跨いでもいないが疾く眠るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁドクター聞いてくれよ。『カエルブラザーズ』の二人、新人ヒーローなんかにやられたってさぁ。折角林間学校奇襲のための駒として使おうとしてたのに。それも見たかい?イチローの方が先走ったせいで得意のコンビネーションを行えずに捕まったんだよ、バカだよなぁ。・・・・・・でもあの新人ヒーローの個性、単純な増加系かな?異形状態を使い分けられるようだし気になるが・・・・・・・・・・・・今は林間学校の戦力補充だ。カエルブラザーズの穴を埋めなければ」

 

「で、そうそう、ドクターに頼みたいのが・・・・・・そう、今月になってロシアで台頭してきた民間の警護サービスもとい専門の傭兵集団、N()F()F()()()()()。一度どんなものか借りてみようじゃないか。とは言っても僕が用意する駒よりかは質は低いだろう・・・・・・うん、まぁ十人くらいでいいかな?とりあえず今回は『再生』と『氷雪』さえ取れればいいさ。・・・・・・うん、よろしく頼むよ」

 

 

 

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