勇者王は偉大なる英雄《ヒーロー》   作:しらすの番人

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血狂い

 

『ヴィラン十余名襲来!!!他にも複数いる可能性アリ!!!動ける者は直ちに宿へ!!会敵しても決して交戦せずに撤退を!!!』

 

 

「───な」

 

 ヴィランだと?こんな時に?十人以上も?待て、意味が分からん。だが今は──洸汰を保護しなければ。アイツはこんなモノに巻き込まれていい歳をしていない。

 

 

「ラグドール!ピクシーボブ!!ここら辺にいるのだろう!?」

 

「呼ばれて飛び出てニャニャニャニャン!あちきだよ!!」

 

 中間地点の奥からやってきたのは黄色のコスチュームに緑の髪をした女性ヒーロー、ラグドールだった。

 

 

「カマソッソも聞いたでしょ!私達プロは生徒達を保護しながらヴィランを撃退するよ!今ピクシーボブが後半ルートの生徒を保護しに行ってる!あちきはその逆ね!」

 

「・・・・・・あぁ、確かに保護しなければならない、なのでラグドール。雪芽を頼む」

 

「─え、想太さんは?」

 

「洸汰──マンダレイの従甥を保護しに行く。アイツはこの四日間、人目につかない所で普段を過ごしていた。恐らく居場所を知るのはオレと生徒一人のみ」

 

「・・・・・・それは大変だ、お願い。行ってきてくれる?」

 

「無論だ、それでは行ってくる」

 

「ッ──気をつけてね!!」

 

「あぁ」

 

 カマソッソは翔んだ、音をも置き去りにして。

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ヴィランが十人以上だと?考えたくもないな」

 

「何が・・・・・・どうなってんだって話だな!まったくよォ!!」

 

 マンダレイからテレパシーのあった相澤と山田は、補習を受けている生徒達・・・・・・一名を除き・・・・・・をその場に留まらせてから、外へ向かおうとしていた。

 相澤は山田へ「この場で生徒と待機してほしい」と頼んだが、山田が「個性的にも俺も外へ出た方が良い」と言ったので、二人で外へ向かうことにしたのだ。

 

 

「お!?プロだな!?遊ぼう!!」

 

 相澤が見たのは筋骨隆々のフードを被った男。

男はニヤリと笑うと、体の表面にまで出た赤い筋肉を大きく、多く増加させ始めた。

 

 

「マズイな、捕縛する!」

 

「心配が先に立ったか?イレイザーヘッド」

 

「──ッ」

 

「『ラウドヴォイス』!!!」

 

 その場にいたヴィランは一人だけではなかった。横からただれた皮膚の青年が奇襲を仕掛けようとした──が、マイクの判断により青年は吹き飛ばされた。

 

 

「おいおい炎君弱いなァ、でも俺は強い!遊ぼう!!」

 

「・・・・・・一つ聞く」

 

「ッ!個性使えないってマジかよ!!」

 

CRACK!

 

 

「目的・人数・配置を言え」

 

 

「言うわけないな!強いて言うなら俺は殴りたい!!」

 

 

ゴキッ!

 

 

「つってぇ!」

 

「次は左腕だ、足は面倒だから合理的に済ませたい」

 

「言わないなぁ」

 

ゴゴキッ!!

 

「おいガチかよ!」

 

 

ドォン・・・・・・

 

 

「何だ・・・・・・?」

 

「・・・・・・ダメージもう限界かよ、炎のやつはもう消えてるか・・・・・・じゃあな!プロ、また会おうぜ!!」

 

「その筋肉が個性じゃないのか・・・・・・!?」

 

 フードを被った男は、先程自分の腕の筋繊維を増幅し、腕の表面にまで露出させていた。相澤は筋力増強系の個性だろうと踏んでいたが、フードの男の体はまるで泥のように消えてしまったのだ。

 

 

「先生ー!」

 

「宿の中入っとけ、マイクの指示に従って、決して外には出るな」

 

「先生は!?」

 

「外に出る」

 

 

 相澤は広場から戻ってきた生徒に指示を出しながら、「これは不味い」と視覚からも、直感的にも感じ取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー!ダメだ荼毘!そしてマスキュラー!!やられた!弱!!ザコかよ!!!」

 

「もうか・・・・・・俺はいいにしてアイツもか・・・・・・弱えな、俺達」

 

「ハァン?バカ言えおまえ達は強いさ!!この場合は流石にプロが強かったと考えるべきだ!」

 

「・・・・・・アイツは?」

 

「さぁ?増やした後一人で行動するつってどっかいったぜ」

 

「俺をもう一回増やせトゥワイス、まだ足止めは必要だ」

 

「ザコが何度やっても同じだっての!!任せろ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・見通しの良いとこを探して来てみればどうも」

 

『洸汰聞いてた!?すぐ宿に戻って!私ごめんね知らないの、あなたがこの四日間どこに行ってるか・・・・・・ごめん洸汰!助けに行けない!すぐ戻って!!』

 

「生徒が一人と資料にすら乗ってない子どもが一人か」

 

 

「・・・・・・う」

「ふぅー」

 

 ・・・・・・しくった。ケータイ補習の所に置いて出てきちゃった。洸汰君を保護しに先生に断り入れて出てきてみればヴィランが一人・・・・・・!増援は望めない・・・・・・!不味いねコレ・・・・・・!!

 

 

 

「なァ、センスの良い帽子だな子ども。俺のこのダセェマスクと交換してくれよ。上が納期がどうとかってこんなオモチャつけられてんの」

 

 どうにかして洸汰君を抱えながら逃げるか・・・・・・?だがそうすると確実に追ってくる・・・・・・なら!

 

 

「ヴィラン!俺が相手だ!洸汰君には指一本!触れさせない!!」

 

「・・・・・・あァ?」

 

「洸汰君、ここは俺に任せて逃げて。大丈夫、君は俺が必ず救ける」

 

「・・・うぁ」

 

 逃げられないなら、戦うしかない!百万を救う『ルミリオン』なんだろ!?目の前の子ども一人くらい、守れないんじゃ百万なんて救えない!!

 

 

「おいおい逃げんなよ」

 

ダンッ!

 

「景気づけに一杯やらせろや」

 

「あ─パパッ!ママァ!!!」

 

「させない!」

 

 個性伸ばしで訓練した!相手は壁伝いで来る!なら個性の発動を繰り返して──

 

 

「必殺!『ファントム・メナス』!!」

 

「あァ!?ワープか!?」

 

 繰り返せ!繰り返せ!!相手に動く暇を与えるな!!予測しろ、着地点を、出発点を!地面から攻撃して壁に!壁から攻撃して地面に!!攻撃をし続けろ!!

 

 

「洸汰君、行って──行け!!!」

 

「──う」

 

 

「残念」

 

DOOOMMM!!!

 

「あ、行けね」

 

 

「・・・・・・かはっ」

 

「そこそこの速さだ、だがなァ、力が全ッ然足りてねェ!ちょこまかと移動する、それだけ!!」

 

「そうだ!なァ、『送戻(おくりもどし)』と『涼原(すずみはら)』ってガキはどこにいる?一応仕事は果たさなくちゃぁ、知ってたら教えてくれよ!」

 

 ──ッ!?送戻さんと涼原さん・・・・・・!?

 

ドゴォ!

 

ガシッ

 

 

「ガッ!?」

 

「答えは”知らない”でいいのか?いいよな!?じゃあ──」

 

 

 

「遊ぼ「そこまでだ」!?」

 

 

DOOMM!!

 

 

「カマソッソ──」

 

「遅くなった通形ミリオ。ここからはオレに任せて洸汰を連れて逃げろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・何とか間に合ったな」

 

 オレながら遅くなってしまった・・・・・・倒れていた生徒を見つけたからと言ってこちらが蔑ろになる所だった・・・・・・

 

「『血狂い』マスキュラー・・・・・・」

 

 特徴、個性の見た目、どちらも洸汰の両親・・・・・・『ウォーターホース』を殺害したヴィランと酷似している。

 ・・・・・・洸汰が泣いているのはコイツの存在を知っていて、思い出したからだろう。

 

 

「通形ミリオ、早く行け。手応えが薄い、”個性”で威力を軽減したのだろう。すぐに起き上がってくるぞ」

 

「はいッ!後コイツさっき「『送戻』と『涼原』はどこだ」って!二人が危ない!!」

 

「何?」

 

 雪芽と雪芽の友達が?狙われているのか?──チィ!さっきあのまま宿に連れていけば良かったか!!

 

 

「・・・・・・いってぇなぁ」

 

「!行け!!」

 

「行くよ洸汰君!!」

「うん──お兄さん!」

 

「む?」

 

「負けないで!!」

 

「・・・・・・あぁ」

 

 

 

 

「・・・・・・ひでぇなァ。いきなりぶっ飛ばして・・・・・・あ?お前リストに乗ってたな。誰だっけか?」

 

「カマソッソ。貴様を倒し、全てを守るヒーローの名だ」

 

 

「・・・・・・そうか!じゃあ──」

 

「遊ぼう!!!」

 

ドンッ!!

 

 

「お前殺せないんだよ上の指示で!!でも遊ぶのはいいよな!?プロだから死にはしないだろ!!」

 

「貴様等雪芽を狙っているそうじゃないか!目的は何だ!?」

 

「雪芽──あァ!氷の方か!知らないけどさァ、”個性”が使えるんだとよ!!」

 

 ──個性?確かにアイツは強いが、狙われる程か!?

 

「良いよなァ、()()()()の技持ってるなんてさァ!!俺達はこうやって拳で語り合ってんのに!!」

 

 一撃必殺・・・・・・アイツが?というかこのヴィラン、力を弱めているとは言え何故俺とまともに打ち合える!?

 

 

 カマソッソはマスキュラーから情報を得るために普段ヴィランに殴る力よりも弱い力で攻撃を仕掛けていた。

 対してマスキュラーはカマソッソと『遊ぶため』の力で攻撃を仕掛けていた。

 カマソッソが手を抜いてるわけでも弱いわけでもない、マスキュラーの力と速度が通常のヴィランと比べ規格外なのだ。

 

 

 雪芽達生徒が狙われていると知れただけでも値千金、目的は分からずとも目標は判明した。俺もリストに乗っているらしいが、まずはこのヴィランを・・・・・・潰す

 

 

「・・・・・・俺を持ち上げ!?」

 

「オレは別に被害を出さない盗みを働く賊などはどうでもいいと思っている。人的被害を出していないからな」

 

「あ!?」

 

「だがオマエは違う、幾度と人を弄び、嬲り、殺してきた。それは・・・・・・それは!『俺』が許さない!関係のない人を傷つけ、小さい子どもまで手にかけようとしたお前を許せない!!」

 

「ンだてめ・・・・・・お!?」

 

DOOMM!

 

 

 カマソッソは何故かは分からないが、マスキュラーのことを調べた時から、無性に怒りを覚えていた。沸々としていた怒りが何故沸いていたなぞ、カマソッソには知る由もないしどうでもよかった。

 

 

 

「はは、おまえ強いな」

 

「しぶといな・・・・・・」

 

 

 少なくともカマソッソは普通なら気絶する程のレベルでマスキュラーを投げ飛ばした。

 それがマスキュラーを更に高ぶらせてしまった。カマソッソが『想像以上に強かった』から、彼は遊ぶことを止めた。

 

 

「いい、良い・・・・・・強いなァおまえは。俺さっき言ったよな!?遊ぼうって!言ってたんだよ!!遊ぶのやめるよ!おまえ強いもん!こっからは・・・・・・」

 

「──何を」

 

 目を疑う光景が起きている、マスキュラーはあろうことか自分の左眼をブチ、とくり抜いた後、ポケットの中からいくつかの眼を取り出し始めたのだ。

 一つ、禍々しい眼を見てニヤリと笑うと、マスキュラーはその眼を強引に左目に嵌めた。

 

 

「本気の義眼()だ」

 

 

ドゴッ!ドドドドドドド・・・・・・

 

 

「・・・・・・まずいな」

 

 マスキュラーが本気になり下ろした拳は地を割かち、地割れとなって音が響いた。

 ここまでの威力が出せる者を、顔見知りが少ないのもあるがカマソッソはオールマイトとエンデヴァーぐらいしか知らない。

 それほどまでに、マスキュラーという男の力は凄まじいのだ。

 

 実際、カマソッソも空中に浮いていなければ攻撃を相殺するのに相当な力が必要だった。

 

 

「義眼を変えることで力が増す・・・・・・?左眼・・・・・・ウォーターホースにつけられた傷はそんなにも響いたかヴィランよ」

 

 

「ウォーターホースね・・・・・・覚えてるさ、俺の左眼をこんなにしたんだ、忘れられるわけないな、まだ半年も経ってねぇ」

 

「だが、別に俺はこの眼のことは恨んでねぇぜ?俺は殺す(やりたい)ことやって、あの二人はそれを止めたがった。お互いやりてえことやった結果だ」

 

「悪いのは出来もしねえことやりたがったあの二人(ウォーターホース)だろ?そうだろ!?」

 

 

ドゴッ!

 

 

 一発一発がオールマイトのスマッシュ級か!だがどこかに弱点はあるだろう!?

 それよりも──

 

 

「やったもの勝ち、ということか。オマエが言いたいのは」

 

「やったモン勝ち!いいなそれ!そうだよ、世の中そうなったら最高じゃねぇか!俺ァただ暴れてえだけなんだ、ハネのばして個性ぶっ放せれば何でも良いんだ──」

 

「よ!!」

 

「では・・・・・・制裁されるべきだ!!」

 

 

ドッ

 

 

「血ィ見せろやァ!!!」

 

「この世界にはな、法律というものがあるのだ!!ヴィラン!!!」

 

「つまり!オマエが絶対の悪!!地獄へと落ちるべきモノ!!!」

 

「知らねぇ──よッ!!!!」

 

 コイツ、更に力を・・・・・・

 

「・・・・・・全力を!!!」

 

「マジか、これでも互角か。相当強いなおまえ!!でもさぁー」

 

 

ブチ、ブチブチブチ

 

 

「はっはは!血だ!やっぱ戦いはこうじゃなくっちゃあ!!こっちのが俄然!楽しい!!」

 

 拳で打ち合ってもコチラが負ける──いや、この筋繊維!コレが俺の攻撃の威力を軽減では済まないレベルで落としている!!厚すぎるのだ、皮膚が!

 これは真正面から突破するのはオールマイトと同じくらいの難易度!!

 

「・・・・・・チィ!!」

 

「おっと、逃さないぜ?」

 

「筋繊維ッ──」

 

 

 今まで攻撃に転じていたマスキュラーの筋繊維はいつの間にかカマソッソの腕を絡め取る方向へシフト。

 ヴィランとは言え極悪犯罪者、殺すため、逃さないための技術は一流。

 

 

「おまえはいい速さだよな!さっきの子供と比べて!!」

 

「ただ、力が足りてねえ!!」

 

ゴッ!!

 

 

「・・・・・・ッ」

 

「俺の”個性”は筋肉増強!皮下に収まんねえ程の筋繊維で底上げされる速さ!力!!」

 

「何が言いてぇかって!?自慢だよ!速さはおまえの方が上だが、おまえは俺の──」

 

 

「劣等型なんだよ!!わかるか俺の気持ちが!?今なぁ、笑えて笑えて仕方ねぇよ!!」

 

「超新星だこいつは殺すなとか言われるからさ!どんなものかと思ったら!速さに頼って俺よりも力は弱い!!全てを守る!?どうやって!?」

 

「実現不可能なキレイ事のたまってんじゃねぇよ!」

 

ズオッ

 

 

「自分に正直に!生きようぜ!!」

 

・・・・・・ガッ

 

 

「あ?ンだおまえ。はな──離れねえ!?」

 

 

「・・・・・・聞いていればぬけぬけと。やはり(ヴィラン)(ヴィラン)だな」

 

「あ?」

 

「・・・・・・貴様、オレに『劣等型』だと、見下したな?オレがオマエより下だと、そう言ったな?」

 

「あぁそうだよ!速さで勝ってても、結局力負けしてんじゃねぇか!!劣等型!下位互換だよおまえ!!!」

 

 

「・・・・・・はぁ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァァ・・・・・・」

 

「ハァァアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

「不遜不遜不遜不遜不遜不遜不遜

  絶殺絶殺絶殺絶殺絶殺絶殺絶殺!」

 

 

「───ッ!?」

 

 

「──よし、こんなところか。いや、何も良くはないが。」

 

「忌々しいことこの上ないが、その勇気を評価しよう」

 

 

「──あ?」

 

 

「カマソッソ相手にそのセリフを吐けるモノなどそうそういない。評価・称賛されるべき偉業だ」

 

「だが──不敬・不遜極まりない。故にオレは決めた」

 

「オマエを一分の内に処し、独房行きとする」

 

 

「は!何を言うかと思え」

「黙れ」

 

ガッ ドッ

 

「(速すぎねえか!?)」

 

 

「速さでオレはオマエに勝っていた、そうだな?万に一つもないが、仮にオレが力でオマエに劣っていたとしよう。だがオレはオマエに速さで勝っているのに関わらず、オマエはオレを劣等と決めつけた」

 

「──まるで速さは力に劣っている様な言い草だな?」

 

 

「そうだrガッ!?」

「発言は許可していない」

 

 

「ならば教えよう、その身に刻もう!!カマソッソの『速さ』!その真髄を!!」

 

 

 

 物体・物質を加速させるということは、運動エネルギーも増加させるということ、質量そのものが大きくなる。

 強さ=速さは結びつかない。重力・自然などは速さなどなくても強く、脅威たり得る反例だから。

 しかし、戦闘やその他の出来事において、速さ=強さは結びつく。物体質は速ければ速い程質量は増す、当然ぶつかった時の衝撃は増す、つまり威力が高くなる。

 

 

 

 一撃。音を越える速度で迫ったカマソッソは、マスキュラーの腹目掛け右拳を超速で撃つ、インパクトの瞬間にマスキュラーの体が持ち上がる

 二撃。そのままの勢いで左拳での突き。ただのパンチのはずなのにマスキュラーの巨躯は十メートル程後退。

 三撃。マスキュラーが反撃しようとするも遅く、腕が動こうとした瞬間に再度カマソッソが腹への攻撃。先程よりも高く体が持ち上がる。

 四撃。カマソッソは足を蹴り上げマスキュラーの巨躯を空中へ飛ばす。この時点でマスキュラーの意識消滅。

 五撃。カマソッソは超速の力を加えられ上空に上がったマスキュラーの体を追い越し、カマソッソは上から──

 

「終わりだ」

 

 抉るようにして拳をマスキュラーの顔面に叩き込む。

 相反する上と下からの速度の対決は、加速度的に増していったカマソッソのスピードによる決着。つまり、マスキュラーの体が隕石のように地面に衝突する形で終演となった。

 

 

 この間わずか五秒。

 

 勝者、カマソッソ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、逃げるよ雪芽ちゃん!!」

 

「ラグドールさん・・・・・・はいっ!!」

 

 

ボソ、ボソ・・・・・・

 

 

「「!?」」

 

 

「仕事・・・・・・しなきゃ・・・・・・あれ」

 

 

「ッ!」

「ダメ!逃げるよ!!」

 

 

「・・・・・・あは、肉、見せて」

 

 

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