勇者王は偉大なる英雄《ヒーロー》   作:しらすの番人

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お気に入りが1000を突破しました!本当にありがとうございます!!
どこかで記念に一日二話投稿とかやってみたい・・・・・・と思っている所存でございます


腹を割って話そう

 

『えー皆さん、長いことお疲れ様でした。うん、皆さんそれぞれ言いたい事は山積みでしょう。でも今回全部オールマイトさんからのお願い(圧力)だったのでそれだけは誤解されることのないよう』

 

『ちょっと!?』

 

『事実でしょう。えーじゃあ合格発表の前に採点方式について説明します。今回は我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させて貰いました』

 

『最初から(ヴィラン)がいる。更に時間経過で追加ヴィラン出現。避難者が散らばっている、避難者の近くにヴィランがいる。このプロでも絶望的な状況の中でどれだけ間違いなく、正しく、迅速に行動出来ていたかを審査しています。まぁ合格した方は五十音順で名前が載っています。はいどうぞ』

 

「嘘、これだけしか・・・・・・?」

「終わった、俺無い・・・・・・」

「え、落として落とす試験だったのこれ!?」

 

 受験者達が驚いているのにも無理はない、今回の多古場競技場の試験は、過去含めても最難関。故に受かった人数はたったの10人だけ。「本免は一割しか受からない」を超えて、もはや一次の1000人から数えたら百分の一である。

 

火方(ひがた) 明日斗(あすと)・・・・・・合格

 

森鎌(もりかま) 想太(そうた)・・・・・・合格

 

 

「やったぁカマソッソさん!俺受かってます!!受かってるよね?」

 

「受かってるぞ少しは落ち着いたらどうだ」

 

『はい次に続きましてプリントをお配りします、採点内容が詳しく記載されておりますのでしっかり目を通して下さいね』

 

 合格点数のアベレージは80。『チャッカマン』こと明日斗は82、カマソッソは90での合格である。

 

「あ、俺あの時カマソッソさんのとこに行ったことで減点されずに済んでる。ふぉッ、あっっぶねぇええええ!!カマソッソさんは?」

 

「オレも大体、そんな感じだ」

 

 カマソッソの点数の解説欄には『空中から周りを見渡し、判断するのは良いが情報をすぐ共有するべき』と書かれている。やはりあの時の判断ミスで減点されている。その他特にオールマイトとの戦闘の所には何も書かれていないどころか、『将来有望です!』とまで書かれている。

 

『合格した皆さんはもう今から晴れてプロヒーローと同じ。いついかなる時も自分の判断で権利を行使出来るようになりました。(ヴィラン)との戦闘を始め、事件・事故からの救助、全てあなた達の判断で動けるようになります。ですが裏を返せば「自分で判断しなければいけない」、「プロヒーローとしての責任が求められる」んです。今までの仮免みたいに一番上のプロが責任を負うんじゃありません、あなた達が責任を負うんです。ですがまぁそんなに気張らないで、今日からあなた達は「自分で事務所を立ち上げる事が出来る」し「個人ヒーローとしても活動出来る」そして何より、活躍すればあの「ヒーロービルボードチャート」に乗れるかもなんですよ!自信持ってやっていきましょう!!』

 

『で、不合格になってしまった皆さん──には特に言う事がありません。今回は「プロとしての実力が足りてなかった」ということに他なりません。今の日本は”超”質の高いヒーローが欲しい。それこそ横に経ってるNo.1みたいに。仮免許では「落として、残す」だったりがたまにありましたが、本免許では基本的に「落として、落とす」です。めっちゃ篩にかけられます。それでも再挑戦したい方はまた今度頑張って下さい。以上!合格者に免許証渡して解散になります!!』

 

 

「じゃあ、お疲れっすカマソッソさん。短い間でしたが楽しかったです。同じプロとして、もし一緒に戦うことがあったらチームアップしましょうねー!!」

 

「あぁ、達者でな」

 

 

 そしてカマソッソはじろーとこちらを見つめてくるアメリカンな服装をした巨漢と帽子を被ったまるで潜入捜査でもしているかのようなコートを来ている人物の方を見る。すると二人の人物はビクリと影に引っ込んでから、そーっとまたこちらを覗いてくる。

 

「こっちに来い、ということだろう?」

 

 ツカツカ、とカマソッソは二人の人物に向けて歩き出す。すると二人は再度ビクリと体を震わせたが、観念したのかカマソッソの前に出てきた

 

 

「・・・・・・やぁハロー、あ今の時間だとグッドアフタヌーン?さっきぶり、森鎌君」

 

「はい、塚内です・・・・・・ちょっとまぁご存知の通り色々あるんで・・・・・・少しお時間いただけます?」

 

 

 

 

 

「本当にごめんなさい!!」

 

「何なんだ急に・・・・・・まぁ大体察しはつくがな」

 

「森鎌さんは全くの白です。疑って本当にすいませんでした。というか我々はまずこれをするべきだった、オールマイト、()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだろう?」

 

「あ」

 

「何か忘れているとは思ったんだ。で、君が森鎌さんを黒だったり白だったり試験会場で見てもらっている間に、私は先週土曜日朝の監視カメラを確認していたんだ。そしたら出てきたよ、森鎌さんがゴロウを倒してた映像。証言的にも証拠的にも森鎌さんは最初から圧倒的に白かったんだ」

 

「あわわのわ・・・・・・」

 

「気にしていない、と言っただろう。オレはオールマイトと全力で戦えて気分が良いしな。それに、オレはまだまだ未熟だったと再確認出来た」

 

「映像、見させて貰いましたよ。オールマイトとあんなに互角に戦えるとは・・・・・・将来が有望すぎですね」

 

「だが・・・・・・、これでオール・フォー・ワン探しは振り出しに戻ってしまった・・・・・・」

 

「そう、それだ。そのオール・フォー・ワンとは何なのだ。オレが知りもしないことをどんどんとまくし立ておって。無論オレに説明してくれるのだろう?」

 

「そうだね、森鎌君程の強さを持つ人物なら知っておくべきだ。ヤツのことを──」

 

 

 オールマイトはカマソッソにオール・フォー・ワンとは何なのかを分かりやすく説明した。裏の社会を支配する悪の帝王。人の心の隙間に入り込み、恩を売って配下を増やしていく狡猾な男。本名は判明していないが、ヴィラン名と同じ『オール・フォー・ワン(AFO)』という個性を持ち、他人の”個性”を奪い、与える個性を持つと説明した。

 

 

「オール・フォー・ワン、『全ては一つのために』か。ハハハハハハ!何たることか!これは、これではまるで──」

 

 臣民全員がオレに身を捧げた様子を表しているようではないか、という言葉は出てこなかった。

 

 

 

「・・・・・・森鎌さん?」

 

「なんでもない。だが実に不快だ、オール・フォー・ワン。全てを可能にする能力を持ちながら、己のみのために使うなど。成る程、確かに君臨者として最悪・最低の人物だ!」

 

「私は・・・・・・オール・フォー・ワンにお師匠を殺された。仇を取るべく修行などもして、遂に四年前、ヤツに重傷を負わせた。だけど──ご覧の通り、私も重傷を負ってしまったんだ」

 

「ふむ・・・・・・酷いな」

 

「呼吸器官半壊、胃袋全摘。手術や後遺症も受けて憔悴していてね、今ではヒーローとしては一日三時間半も活動できな「シュウウウ」・・・・・・」

 

「「あ」」

 

「む、煙?・・・・・・何だその姿!!」

 

 オールマイトが急に煙に包まれ、煙が晴れると、そこには先程までのマッチョなオールマイトは存在しなく、ガリッガリに痩せ細ったものが現れた

 

「私はオールマイトだよ」

 

「骨格すらも変わっていないかそれ?」

 

「こっちが『トゥルーフォーム』で、さっきの筋肉モリモリマッチョマンが『マッスルフォーム』。ヒーローでない時はもっぱらトゥルーフォームなんだ、マッスルフォームを維持するのにも体力がいるからね!!」

 

 

 

「あ、森鎌さん。君は今日からヒーローになったわけだけど・・・・・・個性はなんて言うんだい?ヒーローとして活動するなら個性届けは必須でね、今それも聞いてしまおうと思って。あぁ、分からないことがあったらいつでも私達に相談してくれ、きっと力になる」

 

「む・・・・・・」

 

 カマソッソも知らない”個性”の話。いや、この場を乗り切るだけなら簡単だ、「恐らく蝙蝠の個性だ」と、そう伝えるだけでいい。だがカマソッソは考えていたのだ、塚内はこの国の警察で、オールマイトは日本No.1のヒーロー。彼等ならば『過去を明かし、自らが何者で、何が起きたのかを説明し、自体解決に協力してくれるのではないか、あわよくば何か知っているのではないか』と。カマソッソはリスクとリターンを天秤にかけ考えた結果───

 

「・・・・・・まぁ、いいだろう。お前達の秘密もオレは知ってしまったのだし」

 

「「?」」

 

「いいか、オレは今から少し語る。それは塚内、お前が気にしている個性にも繋がる話だ。良く耳を澄まし聞くのだぞ」

 

 お互い全力で殴り合ったオールマイトもいるのならば、賭けてみてもよい、と判断した。

 

 

 そこからカマソッソは二人に時間をかけて語った。カマソッソは本当は森鎌(もりかま) 想太(そうた)などではなく、カーンの王にして勇者王カマソッソだと。想太の体には自分でも分からないまま入ってしまったこと、自分はこの状態からどうにか抜け出すこと、そして何故こうなったのかを解明するためヒーローになることにしたこと、個性は目覚めた時に急に出てきて自分でも良く分かっていないこと、あわよくばこれらについて知らないか、もしくは情報集めに協力してくれないか等々の話をした。無論、カマソッソを語る上で外せないカーン王国とORTのことについても話した。カルデアとのことに関しては長くて説明する気にもならなかったから最後のニトクリスに忘却を禁じられ、そのまま倒されたこと以外省略した。 

 

 

「私達とんでもない人犯罪者にしてるじゃん・・・・・・何国民全てと一緒になって、独りになっても戦い続けるって・・・・・・覚悟が決まりすぎてる・・・・・・」

 

「ごめんけど地球も滅ぼすORTってホント何?でそれ倒したカマソッソさんはもっと何者?」

 

「でもまぁ納得したよ。あの時感じた「すでに苦しんでいる?」という考えは図らずとも近かったんだね。それに何故か急に口調が変わったと思ったらこれが本性だったとは・・・・・・」

 

「過ぎたことだからオレはもう何も言わぬ。して、返答は?」

 

「まずこれだけは言わせて貰うよカマソッソさん、私達は君がこの世界に来てしまったことに対して何の知識も持ち合わせていない。だけど、それを踏まえた上でその調査に協力させて欲しい。僕達は君に大きな借りが出来てしまったし、それに──」

 

「困っている人は放っておけない、だろう?塚内君」

 

「・・・・・・そういうことだ。どうだろう、カマソッソさん」

 

「いや、こちらからは感謝しか言えぬだろう、とてもありがたい。正直オレだけじゃ何をどう探したらいいのかすらまだ分からなかったしな。後、オレのことは別に森鎌でいいぞ。今はそれで通しているしな、ヒーロー活動とやらをしている時はカマソッソと呼べばいいだろう」

 

「それもそうだね。とりあえずヒーロー協会には僕から個性『蝙蝠』で登録しておくよ。あと森鎌さん、一つ聞いておきたいんだけど、何か心当たりとかないのかい?この世界に来てしまった理由的な何か」

 

「うーむ?」

 

 オレが汎人類史に来てしまった理由・・・・・・やはり一番有力なのはカルデアだろうか。何故カルデアに直接召喚されなかったのかは知らんが、あっちでは『縁』とかいう、繋がった印、みたいなものがあったはずだ。オレがカルデアからの縁を辿って汎人類史の地球に来てしまったと言う説が一番有力。そしてこれは可能性は薄いとは思うが・・・・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()説。オレ、というより森鎌 想太が肌が日本人になった版のオレに容姿が酷似していること。そして試験中のあの親子の既視感。何かしら意味はある・・・・・・のか?現状、それくらいしか思いつかない。

 

「カルデア・・・・・・『人理保障機関カルデア』は存在しているのか?」

 

「んー?塚内君聞いたことある?」

 

「いや、僕も知らないな・・・・・・それが何か関係しているのかい?」

 

「まぁ少し縁があってな」

 

 ・・・・・・ふむ、カルデアは公には公開されていない組織なのか。警察でも知らない程とはな

 

「少し僕も調べてみるよ」

 

「頼む・・・・・・それと、今は西暦何年だ?」

 

「今は2017年だね」

 

「そうか」

 

 地球白紙化が起きていない過去、ということか。・・・・・・やはり何か違和感があるな。カルデアを縁にして辿ってきたとして何故過去なんだ?まだこの時代だとカルデアの神官はオレを知らないどころかクリプター・異聞帯すら知らないはずだ。未来での縁・・・・・・で過去に来るか?

 

 

 

「さて、世話になった・・・・・・オレは帰らせて貰うとしよう。塚内、オールマイト。これからよろしく頼む」

 

「あ、森鎌さん、これ僕のメルアドね。何かあったら連絡するし、逆に何かあったら連絡してほしい。出来るだけ力になるよ」

 

「森鎌君、これからはヒーロー同士よろしく!」

 

「・・・・・・感謝する。二人からしたらオレは急に別の世界から来たなどと意味わからないことを言うモノであろうのにな」

 

「それ言われたら僕達勝手にヴィラン扱いしてた不審者になっちゃうから・・・・・・」

 

「ヴィランはもうヴィラ(嫌)ん!ってことかい?HAHAHA!!」

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

「ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

「森鎌君帰っちゃったかぁ」

 

「どうしたんだオールマイト。彼に伝え忘れたことでもあったのかい?」

 

「そうではないんだけど、試験の最後の方にさ、彼言ったんだよ。『全てを守り、二度と失わないようにする』って。その時の彼の目が、本当に全てを守りそうな程光っていたんだ。彼ならもしかしたらって」

 

「そうか、オールマイトの活動限界が三時間と少しの現状、彼が次の『象徴』となってくれればって思ったってことかい?」

 

「そういうこと(本当は”後継”に関してだけど・・・・・・むやみには話せないからね!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・へぇ。ゴロウ君が捕まっちゃったか、彼は女しか持って来なかったが、皆持ってる個性は優秀だったから期待していたのにね」

 

「それと・・・・・・そう、今年の雄英生は粒ぞろいだ。友達によるとね、肺まで凍りつかせられる『氷雪』だったり、ある種の『再生』持ちもいるんだってさ。・・・・・・うん、だから僕は決めたよ。今年の林間学校、一年生を狙い撃ちにする」

 

「おいおい僕を心配しているのか?これはシミュレーションゲームだ。僕は出ないよ。・・・・・・・・・・・・弔はなぁ、あと一年か二年後だったら任せてみても良かったんだけどね。大丈夫、万全を期して『マキア』も向かわせようか」

 

 

「楽しい夏休みになりそうだなぁ・・・・・・ふふふ」

 

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