「うぅ……,ここは……?」
男は暗闇の中で意識を取り戻した。周りを確認してみると辺りは完全に黒一色だったが何故か自分の姿だけは克明に捉えることができた。
(確か僕は巨竜の背中でギムレーの魂を破壊して……)
其処からが思い出せない。
(……ということは、此処は死後の世界か? 本当にあるのか……)
ルフレは聖竜ナーガを信奉するイーリス王国の軍師だったが、そういった事象は信じていなかった。
(僕が死んだということは世界は救われたのか…。自己犠牲のつもりなんて更々なかっかけど、多分これが最善の選択肢だったはずだ)
世界を災厄で満たそうとしていた古の邪竜ギムレーが死ぬ事があればそれは自殺のみ。聖竜の力を身に宿したクロムでさえ封印するに留まってしまう。唯一ギムレーが器として使っていたルフレだけが邪竜を滅ぼすことが出来たのである。
ふうっと溜息をつく。
(若干21年の人生だったか…。短い間だったが楽しかったよ、クロム、マーク……。)
ルフレは自分との絆を信じてくれた最良の友と未来から迷い込んできた将来の娘の姿を思い浮かべて目を閉じた。
「………て……、………ん」
「……か、……」
何処からか声が聞こえてくる。
(いよいよ天界への招待かな…。善行積んどいて良かった)
などと呑気なことを思いながらぼうっとしていた。
「………てよ…、る………ん」
「……ぶか、…ふ…」
(まだかなー)
「起きてよ、ルフレさん」
「大丈夫か、ルフレ」
(ん!? 妙にリアルな上に僕の名前呼ばれてる? しかもこの声何処かで聞いたことあるような…)
片方は幾らか幼さの残るはきはきとした少女の声。もう片方は力強くも聞く方に包み込むような優しさを感じさせる声だ。
ルフレははっと瞼を開ける。すると其処には金髪をツインテールにした少女と、群青色の髪で強い意志を携えた瞳を持った男がいた。
(そうか、僕は帰ってきたのか…)
「あ! ルフレさん起きたよ、お兄ちゃん!」
「そうだな。 ルフレ、目は覚めたか? そんな所で寝てたら風邪ひくぞ? ほら」
其処にいたのはイーリス王国の王女リズとルフレの友にして現イーリス国王、クロムだった。
(ああ…、このやり取り以前にもあったな…)
既視感を覚えながらクロムの差し出してきた手を取る。そして力強く手を引かれルフレは起き上がった。改めてクロム、リズと向き合う形となった。2人とも最後に見た時からあまり見た目は変わっていなかった。
「やあ、クロム、リズ…。僕はなんとか帰って来れたようだ。もう死ぬのかと思っていたんだけど…」
「はは、俺たちはお前が必ず帰ってくると信じていたがな」
「そうだよルフレさん! 私たち相当探したんだから!」
クロムは楽しそうに笑い、リズは少し怒った口調だ。ただ2人ともルフレとの再会に心から歓喜しているのは間違いないだろう。
「ともかくだ、お帰り。友よ」
そんなクロムに返す言葉は決まりきっているだろう。
「ただいま」
本編は次からです。良ければ感想をください
ルフレ
顔 タイプ1
声 僕1
髪 タイプ1
髪の色 茶色やつ(番号忘れた)