ウマ娘 サークル・オブ・ミッドナイト・オリジン   作:ワシ15C

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第2話「ダイスロール」

キーンコーンカーンコーン

 

一日の終わりを学校(まなびや)全体に告げるようにチャイムが鳴り、それを聞いた生徒は一人一人、思い思いに行動していく。

部活で良い汗を流すか己を磨こうとする人達

図書室で受験勉強をする先輩方

アニメを見るために全速力で帰宅しようとする人

各々それぞれの友人達と雑談しながらのんびりと帰宅しようとする人・・・と様々だ。

 

「ふぅ〜」

 

「ありゃま

すんごい溜め息だねぇ」

 

「金曜日だしね

それはそれとして、なんでお婆ちゃん口調?」

 

「なんとなく〜」

 

「そっか」

 

おっと、自己紹介を忘れてた。

ボクは「スターリィスピア」

お婆ちゃん口調だったのは幼馴染で親友の「前原 香澄(まえばら かすみ)

かなりのウマ娘オタクでレースにも詳しいし、「将来はトレーナーになる」と言うぐらい

ボクはそうでもないんだけどね・・・

と、そんな事を考えていたら

 

「そういえばアーちゃん。『例の話』はどうするの?」

 

とスーちゃんが聞いてきた。

『例の話』というのは「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」

通称:中央

そこで行われる「春のファン大感謝祭」のことだ。

事の発端は、今週月曜日の帰り・・・

 

 

「アーちゃんアーちゃん」

 

「どうしたスーちゃん」

 

「今度の土曜日って空いてる?」

 

「空いてるけど…何か有るの?」

 

「フッフッフッ…実はな」

 

「ごめん

スパッと言ってほしい」

 

「あ、うん

まあ、トレセン学園でイベントがあるんだけどさ…」

 

「『それに一緒に来てほしい』…って?」

 

「そう!!」

 

「声でかすぎ」

 

「ああごめん…」

 

「いいよ

そういえば、前に言ってたっけ…

確か…」

 

「『春のファン大感謝祭』だね!」

 

「それそれ

そのファン感謝祭に行くかは、ちょっと考えさして」

 

「おっけ〜」

 

 

ということが有ったのだ。

 

「う〜ん…」

 

と、思わず声にしてしまったが、スーちゃんはそれを聞いて

 

「やっぱ、乗り気じゃないかぁ…」

 

と落胆した声を漏らしたため、ボクはすぐに

 

「あ、いや…

そこじゃなくて…」

 

と前置きして

 

「正直、スーちゃんがそこまで言うなら行ってみたいと思ってたんだけどさ…

その〜…

交通費が…ね?」

 

と行くのを渋ってた理由を話すと、落ち込んでた顔が一転してすんごい笑顔になって

 

「そこはダイジョブ!

うちの親が『スピアちゃんも連れてくなら言ってね!

交通費、2人分出すから!』って言ってたし!」

 

と言ってきたのだ。

そこまでやられたら「行かない」とか「行けない」なんてことは言えない。

 

「オーケー

行くよ

感謝祭」

 

とボクがそう口にすると、スーちゃんは笑顔のまま

 

「ホント!?

やったぁ!!」

 

と思いっきり喜んでいた。

いたので

 

「そこまで?」

 

と聞いてみた。

すると、アーちゃんは

 

「いやぁ〜…

実は…」

 

と事情を話してくれた。

 

 

明日、アーちゃんを感謝祭に誘うことにしたのは良いのだが・・・

一つだけ気にしてる事があり、『同志』に連絡することにした。

トォゥルルルルルルルルルルン

 

「あ、もしもしデジタルさん?」

『どうしました?香澄さん

何か、将来有望なウマ娘ちゃんの情報でも?』

 

電話の相手はウマ娘愛に溢れ、トレセン学園を『楽園』と称し、『推し』である様々なウマ娘との共同生活を心の底からエンジョイしている私の同志「アグネスデジタル」さんだ。

 

「あ〜いえ…

残念ながら、そういったのは何も…

ただ、ちょっとご相談したい事がありまして…」

 

と前置きした。

『アレ』は知らない人…特に同じ『ウマ娘』ならビックリするのは間違いないからしょうがない()

そしたら

 

『ほいほい

なんでござんしょ』

 

と言ってきてくれたので、私は早速アーちゃんの事を話し始めた。

 

「実は私の幼馴染に『スターリィスピア』というウマ娘が居まして…」

 

とそこまで言った時にデジタルさんが

 

『なぬ!?

幼馴染にウマ娘ちゃんがいらっしゃるとぉ!?

水臭いですぞ!?』

 

とすんごい興奮した口調で言ってきた。

 

(まあ聞かれなかったら答える必要も無いし」

『聞こえてますぞ〜?』

 

おっと漏れてたか

 

「いやまあ、ホントに聞かれなかったから答えてなかっただけですからお許しを…

それに、まだまだ前置きの段階なんでちょっとだけ我慢してもらっても?」

『あ、そうでしたね

すみません』

「いえいえ!

お気になさらず」

 

とちょっとだけ変な空気が流れかけたが、私は遠慮なく続けることにした。

 

「それで、相談したい事と言うのはですね、そのスピアちゃんの事なんですよ」

『ほうほう』

「まあ、結論から端的に述べてしまうと…

あの娘、今まで一度もレースを見たことが無いそうで…」

『へ?』

「それだけならまだ良くてレースも『全く興味ない』そうで…」

『Oh...』

「おまけにトレセン学園の事も『知らなかった』そうで…」

 

と、そこまで言ったその瞬間・・・

 

ドンガラガッシャン!

 

・・・と、電話越しにも「あ、ずっこけた」というのが分かるような派手な音が聴こえてきた。

 

(まあ、そうなるよな…)とすこーしだけ他人事のように思いながらも返事がなく、(あれ?これ大丈夫?)となり、

 

「大丈夫ですか?」

 

と聞こうとした時に

 

『お、推せる!

推しポイント高すぎますよ!!』

 

と興奮した声が届いてきた。

どうやら見事にスイッチが入ってしまったようだ。

誰だよ入れたのは私だった()

 

『私が好んでいるジャンルとはまた別の切り口!

そこに魅力があります!いや、魅力しかない!』

 

とすんごい勢いで来た。

それを聴きながら私は

 

(アーちゃんは友達だから『推し』の観点からは観ていなかったな…

でも、確かにそういう見方も出来るな…)

 

と新たなジャンルを開拓した。

 

言い忘れていたが、デジタルさんは特に『趣味』と呼べるようなものが無かった私にウマ娘の魅力を余すことなく教えてくれた『師匠』のような存在なのだ。

 

おっといけない

本題を忘れるところだった・・・

 

「あ〜デジタルさん?

本題に戻しますね

といっても、ある意味で単純なことでして…

あの娘に…スピアちゃんにレースの魅力を教えてあげてほしいんです。

私をウマ娘の沼に引きずり込んだ時みたいに余すことなく

出来ますかね…?」

『なるほど…

スピアちゃんを…ですか

う〜ん…』

「難しそうです?」

『!

いえ!出来ますぞ!』

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