新人指揮官だけど部隊の空気が最悪です   作:rezeaizen

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現在の持ち物
端末
無線通信機器
発煙筒

現有戦力
採掘資源部隊 量産型ニケ5機
臨時戦闘部隊 量産型ニケ8機


ロード級討伐

「こっちだロードきゅおわあああああああ!!!!」

 

拝啓 父様 母様

晩秋のこの頃、如何にしてお過ごしでしょうか。お身体を冷やさないように体を労わってください

さて、今私はロード級にバチクソ追われております。全戦力をロード級に向ける為に、端末と無線通信機器だけでロード級の近くで走り回っております

正直に言います、死にそうです。実を言えば先程からアドレナリンのせいで痛みを感じておりません

 

『A3配置につきました!!!!指示を待ちます!!!!』

 

『指揮官早く!!!!もう直ぐですから!!!!』

 

「簡単に言ってくれる!!!!」

 

何ヶ所か服が破れていますし、血も流れてます。ロード級が直撃を狙わないのは多分捕まえようとしているからでしょう

それでも多分腕の骨にヒビは入ってると思います

父様はこんな化け物を相手にして、こんな事をしていたのでしょうか

んなわきゃねーよな、親父ならもっと上手くやってるよなクソッタレ!!!!

 

「今!!!!」

 

『射撃開始!!!!』

 

ビル間の交差点を通り過ぎ、ロード級が差し掛かった瞬間、十字砲火による一斉射撃でロード級を攻撃する

耳をつんざくような音に思わず耳を塞ぎ、遮蔽物に身体を隠す。その間も端末からニケの状態を確認し、改めて被害状況を確認する

自らを囮にしたこの作戦でも、他のニケが犠牲になった。指示を聞こうとした瞬間にロード級の触手で潰されたのなんて、見たくも無かった

幸いにも頭部は堅固に作られていたのか無事であった為に回収させたが、それによって更に戦力が減った

 

『ロード級にダメージ蓄積!!!!後一押しです!!!!』

 

「交互にリロードして火力を出し続けろ!!!」

 

ロード級が暴れるだけで自分の身体は両断されるだろう。ニケの身体すら易々と引きちぎるようなやつに、人間と言うのは無力だ

だからこそある物全て使って勝ちに行く。ダビデが投石紐で巨人を倒したように。古くからの人類が、骨を組み合わせて投槍したように

 

『こっちを向い───』

 

『任せて』

 

ハチからの狙撃によって狙いが変わり、遮蔽物から出てきた指揮官を、再度ロード級が認識する

全ての触手が指揮官を捕えようと動き、地面が隆起する。上下合わせ8本の触手が迫り、逃げ場の無い指揮官は不敵に笑う

その笑みを理解したのかしていないのか、ロード級の動きが一瞬止まり───

 

『うぉぉおおおおおお!!!!!』

 

ピナが身体を捩じ込む余裕が出来た。真正面に相対したピナは持ってきていたショットガンの弾薬を全弾使い切るつもりで撃ち込んだ

距離にして10mも無いだろう。ショットガンの弾薬は全てがロード級に飲み込まれ、十字砲火にはグレネードまで混じり、ロード級はその大きな身体をもたげ、鳴いた

 

「射撃停止!!射撃停止だ!!!」

 

指揮官の声が響き、全員が射撃を終える。絶命する鹿のような鳴き声を間近で聞いた指揮官は耳鳴りに耐えながら、全員に聞こえるように指示を出す

全員が射撃を止め、Eとサンが確実に死亡したかを近付いて確認する

銃口でつつき、蹴りを入れ、動かなくなったのを確認し、2人は互いにハイタッチをした

 

『嘘でしょ……勝ったの?』

 

『ええ、勝ったの。私達だけで!!!』

 

「……勝鬨を上げろ!!!」

 

全員の歓喜の声と共に、採掘部隊全員が指揮官に抱きついた。へぶ、なんて言う断末魔と共にニケに溺れる指揮官の後ろで、1本の触手が動く事に、誰も気付かなかった

大きく持ち上げられたソレが、指揮官に狙いを定めた瞬間───

 

 

触手が鋭利な刃物で断ち切られ、特徴的な笠を被ったニケが、彼女らの目の前に着地した

砂埃と触手が倒れる音に一瞬だけ反応が遅れるも、全員がそのニケに対して銃を構えていた

 

「ぼっちゃんに会いに行こうと思って来てみたら、中々面白い戦い方をしている指揮官が居ると噂に聞いてな。見に来てみたが……成程、ぼっちゃんには劣るが面白い子だ」

 

ピルグリム。初めて会ったと言うのに、全員がその言葉が脳裏に浮かんでいたと言う

マイペースに話すこのニケは、自分達が対処に手間取った触手を、まるで片手間のように切り落とした

コイツはヤバイ。銃を構えていると言うのに、何名かは震えている

 

「……全員、銃を下ろせ。ハチ、狙わなくて良い。先ず礼を言うのが先だ」

 

全員を制すように手を出し、おしくらまんじゅう状態の中から出てきた指揮官は襟を正す

服装を直し、改めてそのニケを見つめては、その姿を目に焼き付ける

 

「ありがとう。もしアレの最後の足掻きを止めて頂けなかったら我々は死亡していた。礼を言う」

 

「なぁに、道すがらの見物料だ。それよりもぼっちゃん……前線基地?の指揮官は何処に居るか分かるか?」

 

「申し訳ない、こちらで手一杯で情報が無く……ただ、前哨基地には居ないと思う」

 

「そうか、それだけ分かれば良い。ではまた」

 

二度と会いたくない。そんな感想を飲み込みながら、そのニケが立ち去るのを見送り、指揮官はへたりこんだ

このロード級コアと多数のラプチャーコアを手土産とし、新人指揮官及び量産ニケはアークへと帰還

前哨基地の指揮官程では無いにせよ、知る人ぞ知る有名人にまでなり始めている事を、まだ彼は知らない




???「マジでやっちゃったよ……」
???「ウチの指揮官が強くてごめんなさいねwwwwwww」
???「草生やすな殴るぞ。クソ、そっちの部隊に入りたいぜ」
???「掛け合ってみても良いんじゃない?まあ無理だろうけど」
???「今回のMVPは私です褒めなさい」
???「燻製肉はしっかり持ったかピナ」
???「あの野草と肉の炒め物はどうかと思うぞピナ」
???「サバイバルデータしっかり入れとけよピナ」
???「OKお前ら後でボコす」
???「取り敢えず早く帰ってシャワー浴びたい……」
???「全会一致で早く帰ってシャワーを浴びる事が決定しました」
???「誰か燻製肉持って〜……そろそろ臭いがこびり付いちゃうよぉ……」
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