ダンジョンに初代ロトの勇者がいるのは間違っているだろうか。 作:ドラクエ11激推し侍
いつもありがとうございます。
評価、感想等、有難き幸せ。ここ好きとかも見てると楽しくて、モチベ維持に繋がっております。
今回は少し時間が進みまして
多少の原作改変はありますが、ご容赦ください。
アルフィアの来訪から半月が経った。
天才と才禍の衝突によってボロボロになった地下訓練場だったが、既に修繕自体は完了している。
肝心の支払いはアナーヒター・ファミリアで建て替える形にしており、ベロニカは個人の金から半分の60億ヴァリスを即金で返した。
残念ながら七年間で蓄えが減ったアルフィアは即日30億を返したが、あれから半月ダンジョン深層まで潜って金を稼いでくるほどの時間は確保できていないらしい。
アナーヒター・ファミリアも、あの翌朝にザルドの訪問があったり、フレイヤ・ファミリア、ロキ・ファミリア、アストレア・ファミリアの幹部含めて、合計で百名を超える史上初の連続昇華騒動などがあったが、もう終わったことなので割愛する。
強いて言えば、フレイヤ・ファミリア幹部以外三十余名ランクアップ、フィンLv.7昇格及び一部除き幹部陣ランクアップ、アリーゼLv.6昇格及び幹部全員ランクアップと言う感じだった。
何処ぞの神曰く、ランクアップのバーゲンセールだとか。
そのため半月が経った今でもオラリオは景気が良かった。
かつてのゼウス・ヘラの二大巨頭が君臨していた時代のように、群雄が並び立つ新時代が来たのだと一般市民から都市外まで大盛り上がりである。
実際知る者は少ないが、現在この都市にはLv.8を超える冒険者が
『都市最強』と名高い
そんなオラリオだが、本日はガネーシャ・ファミリアが主催する
都市外でも有名な催事の一つであるため、特に今日は外部からの客人が多かった。
まるで街全体で祭りを行っているかのような騒ぎ。
こういうお祭りのような行事が嫌い、または騒がしい空間が苦手な冒険者などはダンジョンに篭っていたりするが、アナーヒター・ファミリアは全員揃って参加していた。
だが、祭りに喧嘩はつきものである。
人口が多くなれば当然騒動も起きやすく、副業として診療所を経営しているセーニャと手伝いのベロニカは途中で別れることになった。
更に、サーカス団もこの活気に便乗する形でショーを開催するため、シルビアとサプライズゲストとしてグレイグとロウが連れ去られていく。
気が付けば、主神アナーヒターとイレブン、カミュとマヤの兄妹、マルティナの五人だけになっていた。
「セーニャ達は災難だったな。折角の祭りだってのに、急に呼び出されちまうなんてよ」
「これだけ人が多ければ喧嘩の一つや二つくらいあるわよね。二人には申し訳ないけれど、私達は楽しませてもらいましょう」
「そうだね。
つまり、
アナーヒター・ファミリアにも犬系のモンスターのみという、限定的ではあるが強力な
この場にエマがいないのは、
ただ、エマの
基本的な痛めつけて従わせるという遣り方ではなく、条件に合致さえすれば殆ど無条件に従わせることが可能なのだ。
それはとある前代未聞のレアスキルが原因だった。
以下が、エマの【ステイタス】である。
エマ
Lv.3
力 :H167
耐久:I84
器用:B799
敏捷:F301
魔力:E415
幸運:F
連携:H
《魔法》
【ブレス・オブ・ルビス】
・広域強化魔法
・『大地の精霊』の加護
・全
・詠唱式:【我等イシの民、大地の精霊と共にあり】【御身に崇め奉る。我等に大いなる祝福を与え給え】
【コール・オブ・ルビス】
・召喚魔法
・『大地の精霊』の加護
・
・詠唱式:【我等イシの民、大地の精霊と共にあり】【御身に崇め奉る。我等の献身に、希いに応え給え】【尊き御姿を拝謁することをお許し下さい】
《スキル》
【
・対魅了効果の御守り作成可能
・御守り作成時、『神秘』の一時発現。
・想いの丈により効果向上
【
・自身の全
・対象の力・耐久・敏捷に補正
・特定対象のみ全
・複数対象可能
【
・モンスターの
・配下のモンスターと意思疎通できる
【
・歌うことで
・犬系及び狼系モンスターの
・眷属の犬・狼系獣人及び配下の犬・狼系モンスター戦闘時、配下の力・耐久・敏捷に補正
・愛犬の戦闘時、愛犬の全
このうち【
両者共に
ダメ押しで歌を歌えば、何故か勝手にモンスターの方から
特定モンスター限定ではあるが、まず間違いなく世界最高クラスの
そんなわけでエマは、毎年ガネーシャ・ファミリアからの要望を受けて
とはいえ、他派閥なので
「「あっ」」
赤髪と糸目(あと無乳)が特徴の女神の名前はロキ、金髪金眼の美しい少女の名前はアイズ・ヴァレンシュタイン。
オラリオ最大派閥の一角を担うロキ・ファミリアの主神とその幹部にあたる眷属が、両手一杯に食べ物を抱えて祭りを満喫していた。
「ヒーたんやんか!久しぶりやなぁ〜っ!」
「ひぇっ、ロキぃ〜!なんでこんなところにいるのぉ〜!?」
がばっ、と抱きつこうとしたロキに対して、アナーヒターは慌てて隣にいたイレブンの背中に身を隠す。
そのままイレブンを中心に円を描くように行われる鬼ごっこ。いい迷惑である。
「ぜぇっ……はぁっ……や、やるやんか、ヒーたん。ほんまにいつも引き篭もっとるんか?」
「ロキに褒められても嬉しくないですぅ!近寄らないでくださいっ!」
「うぐはぁっ!?今のは効いたでぇ……」
ガーンやでぇと膝をつくロキを目にしても、まだアナーヒターはイレブンの背中から姿を見せない。
地上に降りてきた後で酷い目に遭わされたらしいというのは、イレブンも知っていた。
こうまで怯える以上、どんなことをされたのか気になるところだった。
「あ、あのっ……そのっ!」
「久しぶりだね、アイズ。遠征お疲れ様。無事なようで安心したよ」
「あっ……うんっ。頑張った、よ?」
それはそれとして、主神同士の戯れ合いは放置して何やらイレブンに向かって話し掛けようと頑張ってるアイズに優しく声を掛けた。
すると、表情の乏しい顔を仄かに綻ばせて首を傾ける。
ロキ・ファミリアは半月前に眷属が大勢ランクアップした直後、間を開けず遠征に行っていたのだ。
ギルドからの
50階層で
「……イレブンは、Lv.8になったんだよね?」
「うん。アイズ達が遠征に行く前にね」
「…………カミュさんとマルティナさん達も、ランクアップしたんですよね?」
「まあ、相棒に置いて行かれるわけにはいかないからな」
「同感ね。この子が先に進む以上、私達もその後を追うだけだもの」
「……………………ズルい、です」
むすっと頬を膨らませてカミュ達を睨んだ。
別に睨むと言っても敵意などはなく、言葉通りに羨ましいと軽く嫉妬しているだけのようだった。
昔の無表情っぷりが懐かしくなるイレブン達であった。
「ちょっ、アイズたーん!?アカンっ、絶対にアカンでっ!アイズたんはうちのアイズたんやーっ!!」
「ロキ、うるさいです」
「へぶぅっ!?……う、うへへ、これもアイズたんなりの愛情やと思えば、うちは…………うちはぁっっ!!!!」
その場のノリで抱きつこうとしてアイズに投げ飛ばされたロキが、地面に寝転びながら咽び泣いている。
何故こうも大袈裟な反応をしているかと言えば、イレブンとアイズの関係が理由だった。
アナーヒター・ファミリアのイレブンとロキ・ファミリアのアイズ・ヴァレンシュタインは九年前、同じ七歳の頃に冒険者になった。
当時既に最大派閥の一角であるファミリアと結成したばかりの零細ファミリアでは、ノウハウの蓄積や潤沢な資源からなるサポートなど何もかもが違う。
だが、先にLv.2にランクアップしたのはイレブンだった。
その頃のアイズは黒竜への復讐心で頭が一杯だったが、ファミリアの仲間達から同じ七歳の冒険者については話を聞いていた。
ロキ・ファミリアとしては、比較対象を作ることでアイズの成長速度を自覚させることが目的だったのだが、まさか零細ファミリアに所属する眷属の方が先にランクアップするなんて思いもよらなかったのだ。
アイズは天才だった。けれど、イレブンはそれ以上だった。
それを見誤った結果、ある意味で同期のような存在が先に進んだと知ったアイズは────暴走した。
アイズがやったことは単純である。
即ち、アナーヒター・ファミリアへのカチコミだ。
当時のアナーヒター・ファミリアの
賢いアイズは目的の人物が同じ年齢の少年だと知っていたので、
あと少年は一人だけ。つまり、彼がイレブンだ、と。
そして、黒竜への復讐心、焦りと自分への怒りなど、処理しきれない感情に振り回されたアイズは混乱の最中で剣を抜いた。
何故、私はまだLv.1なのか。
何故、ロキ達は私の邪魔をするのか。
何故、彼と私で何が違うのか。
口下手なアイズは言葉で尋ねるという選択ができなかった。
幼い情緒では御しきれない感情の奔流に流されて剣を向け、衝動に従って振り下ろされた白刃は容易く受け止められた。
駄々を捏ねる幼児そのままに、剣技の欠片もなく暴れる。
しかし、何度振るおうとも届かない。躱すこともせず、無言でただ剣を受け続けた。
それだけ激しく動けば、気分も少しは晴れてくる。
ふと、反撃もしないイレブンのことが気になって顔を見て────アイズは思わず剣を振る手を止めた。
イレブンは、とても優しい顔をしていた。悲しい顔をしていた。
古い記憶が蘇る。
父の顔。母の顔。優しい笑顔。
何故そんなことを思ったのか。
青空のような透き通った色の瞳は何も言わず、けれど静かにアイズの金眼を見詰めていた。
「…………どうすれば、強くなれるの?」
しばらく沈黙が支配したあと、絞り出すようにアイズが尋ねた。
冷静になった頭では最初に謝罪しなければいけないと理解していても、どうしても聞かずにはいられなかった。
同じ七歳の冒険者。自分よりも強い剣士。父と母を思い出させてくれた優しい光を湛えた瞳の少年。
イレブンならば答えてくれる気がして、果たしてその直感は正しかった。
これは僕の話になってしまうけど。
そう前置きしたあとに、ゆっくりと語り始めた。
「────仲間がいるから。だから、僕は強くなれる。これから先も強くなりたいと思える」
「一人でも強くはなれるよ。でも、本当に強い敵には勝てない」
「仲間が一緒に戦ってくれたら、僕はどんな強敵にだって勝ってみせる。例えそれが
Lv.2になったばかりの子供が言う台詞ではない。
過去に頂点とされたLv.9が敗れたことを考えれば、あまりにも現実を見ていない大言壮語だ。
黒竜への復讐心と共に、その恐ろしさも知るアイズは無理だと否定しようとして、何故か言葉が出てこなかった。
どうしてかイレブンの言葉は、真っ直ぐな瞳は、アイズの心を強く揺さぶる。
呆然とイレブンを見返すことしかできなかった。
残念ながら、その時にできた話はそこまでだった。
知らず手から離れていた剣が落ちる音を聞いて駆け付けたフィンとリヴェリアによって、アイズはファミリアに引き摺られるようにして帰らされる。
そのあと就寝時間まで叱られ続けて、アナーヒター・ファミリアとフィンの間でどのような話があったかも教えてもらえなかった。
結局謝罪もしていなかったことに気付いたのは翌朝のことである。
それからもイレブンとは何度となく遭遇し、色々な話などをすることになった。
初対面時の謝罪から始まり、訓練方法やら剣術について、好きな食べ物と嫌いな食べ物、到達階層や倒したモンスターの話等々。
結果として、アイズはイレブンに懐いた。
明らかにイレブンが由来となっているだろうレアスキルまで発現するほどに。
当然だが、ロキは発狂した。
そういった経緯から、ロキは一方的にイレブンを敵視する……こともできなかった。
イレブンとの初邂逅から、アイズは少しだけ落ち着いた。
今までのように焦りは見えるし、相変わらず強さを求めることも変わらないが、フィンやリヴェリアを筆頭に仲間達の言葉を聞くようになった。
もちろん我慢できずに暴走することもあったが、その回数は日々減っていったのだ。
フィンの判断は早く、正確だった。
アイズの変化の理由を即座に突き止めると、アナーヒター・ファミリアとの同盟を結ぶようにロキへと掛け合ったのだ。
その数日前にアイズがイシュタル・ファミリアのフリュネに襲われているところをイレブン達に救出されていたこともあり、ロキは拒否するどころか快諾した。
同盟締結によって、両派閥は定期的に合同訓練やら合同遠征などを行うようになると、急速にアイズの精神は安定し始めた。
Lv.2になって半年でLv.3、それからまた半年でLv.4と飛躍的に成長するイレブン及びアナーヒター・ファミリアに対して、ロキ・ファミリアも新人団員を始めとして奮起して全体的に底上げされていた。
アイズも背を追うように九ヶ月でLv.2にランクアップして、その十ヶ月後にはLv.3になっていたほど。
そんな折に七年前の『大抗争』が勃発し、オラリオにいる全てのファミリアは、イレブンに返しきれない恩を受けることになる。
言うまでもなく、ロキ・ファミリアも例外ではない。
アイズに二つ目のスキルが発現したのも、最後に『奇跡』を起こしたイレブンを目撃してから。
こんなのロキでなくても、眷属を愛するまともな精神をしていれば敵視どころか文句の一つも言えるわけがなかった。
そんなわけで、ロキはこうして泣き寝入りするしかできないのであった。
公衆の面前であると考えれば精神攻撃としては悪くないが、アイズからの心象も悪くなるという諸刃の剣だ。
元からそんなに良くないとか言ってはいけない。本当のことだとしても。
「えっと、ロキ様達も僕等と一緒に行きませんか?アナーヒター・ファミリアからは今年もエマが参加しているんです」
「ほんまにええんかっ!?やったーっ、やったでアイズたーんっ!!うちのお陰やろ!?」
気の毒に思ったイレブンがそう言えば、瞬時に立ち上がってアイズへのアピールを欠かさない。
だが、肝心のアイズは申し訳なさそうだった。
「…………イレブン、ごめんね」
「いいよ。僕もアイズと一緒に見られて嬉しいから」
「!?う、うん!私も……っ!」
ほんのりと頬を赤く染めながら、アイズが何度も嬉しそうに頷いて…………いる姿を、ロキが絶望の表情で眺めていた。
「アイズたん……うちのアイズたんが…………」
譫言のように呟きながら、ロキは再び地面とキスをする。
目の前で思いっきり脳を破壊された
◆◇◆
「俺がっ、ガネーシャだっ!!」
エマも余興として観客を沸かせて、ガネーシャ・ファミリアの公開
そして、ガネーシャは今年もガネーシャしていた。
オラリオに新時代到来!
そして、ロキとアイズが登場しました。
みんな最後まで楽しく
アイズ及び、ロキ・ファミリアとの関係性について少し触れてみました。
過去に同盟を組んでいました。親密な様子を見る限りでは、現在も変わらず同盟は継続しているか、そうでなくても親交はありそうです。
年齢の近い目標とする人物がいたことが、原作よりも早いランクアップの理由だったということですね。
自覚のない感情に戸惑っているところに歯の浮くような台詞でトマトになってしまうアイズ…………ええやんか、うちも混ぜて!
そう思った方は高評価、お気に入り登録、感想、ここ好きなどして頂けると作者のモチベーションに繋がります。
それでは、また次回をお楽しみに。
【人物紹介】
・ロキ
数億歳。女性。赤髪糸目。
ロキ・ファミリアの主神。『狡知』の他、様々な概念を司る女神の一柱。
オラリオ二大派閥の一つにするほどだが、本神は良くも悪くも眷属達から雑に扱われている。美形が大好きな面食い女神であり、基本的に美男子・美少女が多く所属している。一応尊敬はされている。
特にアイズ・ヴァレンシュタインがお気に入りの一人だが、他派閥のイレブンに入れ込んでいる様子に何度も脳を破壊されてしまう。応援する気持ちも少しだけあるし、それとは別にイレブンに対しては七年前の件に関して心底から感謝している。
・アイズ・ヴァレンシュタイン
16歳。女性。金髪ロングヘアー。
ロキ・ファミリアの幹部。二つ名は『剣姫』。過去には『戦姫』や『人形姫』、現在は『恋姫』などがある。
原作開始から二年前、Lv.6に到達済み。
ダンまち原作とは多少乖離している。八年前からアナーヒター・ファミリアと同盟を結んでおり、イレブンの影響を強く受けている。二つ目のスキルが発現。イレブン由来のレアスキルらしい。
片手剣、格闘を使用する。そこに極めて強力な風属性の付与魔法や卓越した戦闘センスによって、一つ上の階位相手にも善戦可能なほどの強者。
実は、人間と精霊のハーフ(?)。黒竜に並々ならない復讐心を抱いていて、それ由来のレアスキルがあり、現在は条件付きで制御可能になったとか。イレブンのことが気になっているが、本人は自覚していないらしい。