Re:ゼロから始める騎士団生活〜TSラインハルト&TSユリウスを添えて〜 作:リゼロ好き
はい、終わりです。
人生が始まった途端に終わりについて考える赤ん坊、普通に嫌だと思います。親がね。
「ばぶぁ〜!! うぅーー!!」
「はいはい、よしよし。いいこね」
さてさて。現在あやされている赤ん坊は俺です。
状況から鑑みるに……どうやら俺は転生してしまったらしい。
死に際の記憶はかなり曖昧だったが、異世界転生宜しく普通に交通事故だったような気がする。テンプレで人を軽々と轢かないでくれ、頼むから。
んでもって、気がつけば俺が産まれたってわけ。
新しい名前はシャリン・アイズ。
ここ、ルグニカ王国の騎士団所属の父親を持つごくごく普通の一般家庭である。
はい、ここでストップ。
この情報は母親から語られる父親の人物像で把握したのだが、当初聞いた時はもうそれはそれは頭の中が大混乱状態だった。
ルグニカ王国? 騎士団?
あれ……ここリゼロ世界じゃね!? と。
Re:ゼロから始める異世界生活。
主人公、ナツキ・スバルが織りなす異世界チートハーレムもの……と思いきや、死に戻りとかいう地獄みたいな苦痛のループを強制させられ、更には大切な仲間や周りの人の命がスナック感覚で消し飛ぶ世界である。
異世界転生には当たり外れがある(持論)。
大当たりは、オリジナルの知らない世界でチートを持って産まれた場合。
この場合は大抵ハーレムを形成した後にスローライフを送れるので勝ち確定。
中当たりはゲーム世界への転生。
こちらはチートがあろうと無かろうとゲーム知識をもとに効率の良い成長を重ね、結果的に最強になれるパターンが多い。
どちらも生存率はかなり高めであり、ピンチが巻き起ころうと大抵の場合は何とかなる。
そして外れ。
それは、ド級の鬱アニメ、またはモブの命がハチャメチャに安い世界である。
当たり前ですけど、当然リゼロは外れです。ハイ。
多少強くなってもチート級に強すぎる敵によって一瞬で消し炭にされます。人類が敵う相手じゃありません。
「あうあ〜〜〜〜!!!!(クソッタレィ!!!)」
俺は叫んだ。
美人ママのパイパイを吸って得た体力であらん限り叫んだ。
ふざけるなと。
転生したこと自体そもそも不服であるし、もしも神の計らいで転生させてもらえたとしても、せめて世界を選べと。
ランダムで転生するには責任が重すぎる世界なんよ。
物語に介入しても死ぬし、介入しなくても死ぬし、運が悪ければ野生の大罪司教によって死ぬ。つまり終わり。
人生の終着点isここ。
「あう!!(じゃかあしい! やってやるわい! 簡単に殺されねぇように訓練でも何でもやってやるわクソが!!)」
齢0歳にして覚悟ガンギマリになった俺は、とにかく世界が破滅する前に全力で己を鍛え上げることを決意した。
☆☆☆
決意してから三年が経過した。
時間の流れが早いのは赤ん坊だったから定期。
記憶ある状態で赤ん坊から始まるのは精神的にも肉体的にもかなりキツイことが分かった。
すぐに眠くなるし催すし腹減るし、おおよそ我慢という機能が備わっていないのだ。だから泣いてアピールする。
前世は高校生だったわけだし、泣かんでも幼少期を過ごしてやるわい、ガハハ!! なんて思ったのも束の間。
えっとですね……勝手に出ます……涙……。
まあ、生理現象の話はさておき、強くなろうと決意して最初に行ったことはゲートとマナの知覚だった。
マナとは大気中に存在する……簡単に言えば魔力的なやつで、ゲートは取り込んだマナを魔法として変質させるための体内器官である。
おおよそ魔法使いとしての素質はゲートの優秀さによりけりで、取り込んだマナをどこまで耐えられるかってのが肝になる。
折角異世界に来たからには魔法を使ってみたいし、魔法の実力を鍛え上げることもこの世界で生き抜くことに直結する。
ま、できることは何でもやってみよう、ってこったな。
そんなわけで三年の間にゲートの知覚とマナを取り込む作業自体はできた。
んでもって肝心の魔法だけども一応できた。
「ジワルド」
ピューと小さな指から小さな熱線が飛び出る。
放たれた熱線とも言えないナニカは、ジュッと壁に少しだけシミを付けて消えた。
「よりにもよって陽魔法かぁ……」
陽魔法については、アニメ勢の俺はあんまり分かっていない。
だから、家の書庫にあった魔法書を調べたのだが、記述されていたのは基本魔法のジワルドと身体強化の魔法のみだった。
リゼロ世界において、純粋な身体能力が強化できるのはかなりのアドではあるものの、どうせなら炎出したり氷の槍出したりしたかった気持ちが強いためガッカリした。
「まあ、ゲートにガタが来てないし、体内に取り込めるマナの量は結構多そうだしヨシ!」
これで主人公くんみたいに一発使うだけでゲートにガタが来たらたまったもんじゃない。使える武器は多いほうが良い。
「ってことは剣を習ったほうが強くはなれそうか……」
どうせなら後方でバカスカ魔法撃って安全圏でヒャッハーしていたかったぜ……。
とりあえず強くなるビジョンは固まったし……まあ、父親が帰ってきたら頼み込んでみるかぁ。
☆☆☆
「剣を? まだ早くないか?」
「どうしてもやりたいんだ。パパのお仕事カッコイイんだもん」
「フッ……そうかそうか。カッコイイか。じゃあ教えて──あいた!」
「パーパ……? そうやってすぐ調子に乗るんだからもう……。ダメよ、シャリン。あなたに剣はまだ早いわ」
「いやだ! 強くなってママを守るんだ!」
「あらやだ……じゃあ仕方ないわね」
や っ た ぜ !
気合いと根性で精神を幼児に落とした甲斐があったぜ。
にしてもクソチョロいなおい。3歳児が剣を習おうとしてるんだぜ? ……いやでもラインハルトとか5歳で大人に勝ったとか言ってるしな……あいつはレベチとして。
ってか今って時系列どんなもんなんだろ。亜人戦争真っ只中とかはやめてくれよ、マジで。
「よおし、シャリン。じゃあ早速剣を教えてやろう」
ウッキウキのパパンの言葉にハッと現実に戻ってきた俺は、訓練のために早速外に繰り出した。
☆☆☆
7歳、ワイ。パパンに勝ちました。