『おいでよ魔法少女村(不法占拠)』のSS(ショートショート) 作:ユウキング
ある日、人を脅しまくって魔法少女村に軟禁されたという新たな魔法少女が現れる
「ちーっす!新たに魔法少女村に放り込まれた旭岳でーっす!同じ魔法少女同士よろしく〜!」
魔法少女とは思えない程の陽気な新入りが軽快に挨拶するが居合わせたのは晴耕と根室だけだった。
「旭岳ちゃんよろしくねぇぇえ!私は晴耕ぉぉぉ!お酒飲むぅぅう!!??」
「…根室です、よろしくお願いしますね旭岳さん。」
「あっは!魔法少女が飲んだくれって面白〜!根室さんは普通な感じで逆に面白いっすねw」
仲良く挨拶を交わした所で旭岳が他の魔法少女を探しに行こうとした時、根室から声をかけられる
「…旭岳さん、私達は別に構いませんが他の人達には
「…?はーい、分かりました〜」
いまいちピンと来ていない旭岳は生返事を返して魔法少女村を散策する
「おっ!新たな魔法少女発見!!こんちゃ〜!新しく入居した旭岳で〜す!」
「…網走だ。」
「網走さんは無口な人なのかなぁ〜?皆さん普段ここで何してるんですかぁ??」
「特に何も、時間が過ぎるのを待ってるだけの方が多いな。」
「えぇ〜!そんなの暇すぎじゃないですかー!街に出て人間を脅しましょうよ〜人間達の怯える顔ほんっと傑作で笑えますよねぇー!」
楽しそうに物騒な事を言ってる旭岳に興味が無さそうだった網走が急接近する
「…えっなになに!?びっくりしたなぁ〜もう。どうしたんですか〜?」
「お前、魔法少女じゃないだろ。」
「…はっ…?」
「魔法少女の事を色々調べたつもりだろうが─詰めが甘いな。俺たち魔法少女はな…暇だとかつまらないだとか、楽しいっていう感情は魔法少女になった時に消滅してるんだ。」
「え、えっ…嘘嘘っ…嘘ですよそんなの!だって資料で調べた魔法少女達は人間を殺してる時あんなに楽しそうに…はっ!」
思わず口を滑らせた旭岳は自分の口を手で塞ぐ
「資料、ねぇ…お前がどの魔法少女を調べてきたのかは知らねぇが俺たちは人を殺しても罪悪感も優越感も何も感じないんだ、ただの流れ作業と同じだ。
楽しそうだったり怒っていたり泣いていたり酔っていたり…お前には感情豊かに見えただろうがあれは皆人間の頃を思い出しながら演技しているだけにすぎないんだよ。
魔法少女ってもんは見た目が人にそっくりな全くの別物なんだ、魔法少女になりすまして人を脅したり媚びを売らせたりするのが楽しいかもしれんが程々にしておかないと身を滅ぼすぞ。他の奴らも気付いているだろうしな」
「嘘…」
言いたい事を言った網走は興味が失せたかの様に旭岳から離れていく、1人残った旭岳は足をガクガクと震わせ遂には尻もちを着く
「感情が無いのにあんな人間みたいに生きていられるの…?そんな事できる訳ない…訳が分からない…怖い…うっ気持ち悪い…」
そう口にした途端、今いる魔法少女村が自分がいるべき場所ではないと気付き悪寒が走る
ジョワァ…
「あっあっ…」
耐えきれなくなった旭岳の体が意識とは別に尿を漏らす
「うっうぅ…ひぐっ…うわぁぁぁん!」
恐怖心と羞恥心に旭岳は泣きじゃくりながら魔法少女村から逃げるからの様に去っていった
その様子を根室と晴耕が遠くで見ていた
「はぁ…定期的にああいう輩が湧いてきますね。」
「魔法少女のなりすましねぇぇぇ、あぁいうのはまだ可愛い方だよねぇぇぇ!本格的に魔法少女を騙って悪事を働こうとする奴らは猿払ちゃんが黙ってないだろうしねぇぇえ!」
「そんなに魔法少女になりたいなら魔法少女を交代して欲しいですね…」
晴耕と根室は他愛もない会話をしながら旭岳が走っていった方をいつまでも眺めていた。
読んでくださりありがとうございました!Twitterに投稿した際は偽魔法少女の名前を市名にしちゃったんですけど、偽物なので市名ではなく山の名前になりましたね。
ほんと思いつきをそのまま書いてしまったので出てくるキャラも少ないし、光景の描写も甘いので伝わりにくかったと思いますが、1ミリでも伝わって楽しんでいただけたら幸いです!