2月25日 一部書き直しました
設定はいろいろちゃんと確認してから書こうな、俺!
"レユニオン"のガイに付いて、入り組んだ路地を進んでいく。
「俺たちはどこへ向かってるんだ?」
「今はここを脱出するために動いてる。外の合流地点まで行ければ…何とかなるはずだ」
『ろんめん』ってのがここの名前か。…さっきから一気に気配を感じるようになったんだが…。
「…こっちとしてもあまり変に詮索したくないんだが…その、さっき使ってた銃はどうしたんだ?」
…いや、別に隠すようなことでもないな。
「あぁ、それはこの手袋が…」
「その手袋、アーツユニットだったのか。物を消したり出したりできる…便利そうだな。いや、まぁそっちも気になってたんだが…サンクタじゃないのに銃を使ってる奴なんて珍しいからな」
アーツユニット…ってなんなんだ?それにサンクタってのも…。相手は俺が素性を隠すために変な嘘をついたんだと思ってるみたいだし、どうするか…。
「答えたくないならいい。アンタは俺を護衛して、俺は…俺なんかが知ってる情報なんてたかが知れてるだろうが、アンタに情報を提供する。それだけだしな」
……やっぱり正直に包み隠さず話せば信じてもらえたりしないか?いや、信じてもらえたとしても…。
「悪い、ちょっといいか?」
「なんだ?」
「さっきから俺が素性を隠したくて変な嘘をついたと思ってるみたいだけど、言った通り俺は気がついたらあの路地にいたんだよ。そうだな…別の世界から来た、って言ったら信じてもらえるか?」
……反応がないな。仮面で表情が見えないから何を思ってるのかも読めないし。
「それ、本気で言ってるのか?」
「本気だ。さっきアンタが言ってた…アーツユニット?ってのも、サンクタってのもなんのことなのか分からない」
「嘘だろ…?そんな訳のわからないことをいきなり言われて信じられるわけが…」
「信じてくれなくてもいい。俺本人にも別の世界からきたって確証はまだ無いし。ただ…護衛の代わりに情報を貰う約束、俺にアンタの知ってる常識が通じないって事だけ把握しておいてほしいんだ」
短い沈黙の後、ガイが答えた。
「分かった…信じる。どう考えてもアンタにそんな訳の分からない嘘をつく理由がないし…。とりあえず歩きながら話そう。近衛局の奴らに見つかったら面倒だ」
「感染者ってのはわかるか?」
本に"鉱石病"ってやつにかかった人間のことだってのは書いてたが…。
「いや、さっぱりだ」
「別の世界から迷い込んできたってのが現実味を帯びてきたな…」
嘘をついてるだけかも知れないが、と小声で漏らした後、ガイが話し出す。
「感染者ってのは鉱石病ってやつにかかった人間のことだ。感染したら遅かれ早かれ死ぬ。治す方法は見つかってない。…それで感染者は迫害されてる。…住んでた場所を追われたり、強制的に労働させられたりな」
話を聞きながら歩くうちに路地を抜けて大通りへ出た。
「他の人間にも伝染するからってことか?」
「…死んだ時にだけ伝染するが、その時以外は伝染しない。そうだな、もっと詳しく言えば……感染者が死んだ時に肉体が源石の粉塵になって…それを吸うと感染するってことだ。」
要するに特殊な場合じゃないと伝染しないってことか。なら俺は気にしないけど…上のヤツらは、不治の病なら気にしないってわけにもいかないってことだろうな。どこでも…そういうのは変わらないな。
「…話を戻すが、それで感染者は団結して『レユニオン』を結成した。今まで俺たちを蔑んできた世界に、復讐するためにな」
「もう分かっただろうが、俺も感染者だ。……あー、気になるなら距離を取って歩いてもいい」
そのまま歩き続ける。
「要するに普通の…鉱石病に感染してない人間からすれば、テロリストってことだ。俺たちからしても非感染者に良い印象は抱かないけどな」
鉱石病、感染者、レユニオン…か。ん?
「ちょっと待ってくれ。テロリストって…」
「……レユニオンはこの都市を襲って…作戦が失敗して敗走中だ。仲間が逃がしてくれたが…あの化け物に追いつかれて他のやつとはぐれたんだ」
どこか諦めを感じる声音でガイが答える。
ってことは俺は今まで…クソ、頭痛くなってくるな。
「…そこは一旦置いておこう。そうだな…それはそれで、これはこれだ」
「意外だな……騙して護衛させてたら後が怖いし…そもそも命の恩人だから正直に話したんだが、情報は他を当たるって言われるかと思ったよ」
「俺がこの場所で最初に出会ったのはアンタだったし…一回助けたのに見捨てるのも悪いしな」
「そうか…ありがとう。……あー、次は何を話せば良い?アーツユニット…は実を言うと俺もよくわかってなくて…」
そのまましばらく歩き続けた。
途中で全身黒色の奴ら…近衛局と鉢合わせそうになったが、なんとか隠れてやり過ごす事ができた。
移動しながら聞いた話だと、アーツユニットはアーツー"魔法みたいなものだ"らしいがーを起こす道具?らしい。あと、ここの人間は種族で別れてて…サンクタってのは天使のことだそうだ。天使って…白夜みたいなやつのことだよな?本の中でしか見たことないんだけど…。銃を使うって…そんなのホントにいるのか?ちなみにガイはクランタ…って種族らしい。
そんなこんなで動き続けてて…やっと目的地に着いたみたいだな?
「あれが龍門の出口の関所だ。騒動から反対の方向に来たから警備は薄い…と思うんだが…」
建物の影から見ると、道路の先にデカい門みたいなのが見えた。
「確かに周りに黒い奴らはいないけど…閉じてるな。アレ開けれるのか?」
「管理者用の通路があるはずだ、そこを通る。見たところ警備はいなくなってるし…監視カメラに映って近くの警備に連絡が行っても外にでれば逃げ切れるはずだ」
監視カメラか…顔が写ると不味いか?
手袋から仮面を取り出して、着ける。
「その黒い仮面…なんだ?変な感じがするんだが…」
「カメラに顔が撮られないようにな。…速く行こう。またさっきみたいに彷徨いてる黒いのと鉢合わせても嫌だし」
「そう…だな。速く進もう」
門に近づいて行くと、確かに端の方に小さな通路があった。
そのまま進んで…いけたらよかったんだけどな!
咄嗟にゲートから"デュランダル"の剣先を出して後ろからの斬撃を弾く。
「警備が1人もいないなんて有り得なかったか…罠だったのか?」
後ろを振り向くと…黒装束に、頭のは…笠ってやつか?図書館に来た剣契の頭目があんな格好だったな…んてこと考えてられないな!
続けて振るわれた剣を弾いて、距離を取る。
「ガイ!アンタは先に行ってくれ!俺はこいつをなんとかしてから…」
前に向き直すと、別の黒装束と…地面に倒れ伏したガイが視界に映った。あれは……助かりそうにないな。これから結構仲良くなれそうだと思ってたんだけど。
既に地面一面に広がった血が致命傷だということを表していた。
…人のことを考えてる場合じゃないな。
さっきの感触的になかなか面倒な相手だろうし…2:1か。
1人で2人以上を相手にするのは慣れてるけど…これは結構骨が折れそうだな。
なんてことを考えながら、俺は臨戦態勢に入った。
ガイ…良い奴だったよ。
手袋のゲートってなんだよって?ローランの防御モーションを見て…俺にはゲートとしか表現が見当たらなかったんですよ…。