スペーストレーラーからモビルスーツが出てきたので、海賊達は驚いた。
《ロ…ロガさん!!
モビルスーツです!!〉
と、慌てふためく部下Aに
「見りゃわかるッ!!」
と怒鳴るロガ。
《ど…どうしますか?〉
と訊いてくる部下Bに
「うろたえるなッ!!
相手は1機だけ…
しかも、見たところ、新型機みたいだし、なにより
丸腰
だ☆
生け捕りにすりゃ、ボスから褒美がもらえるぞッ☆」
と言うロガ。
《ホントだ☆
アイツ、武器持ってねぇや☆〉
と、立ち直る部下A。
「銃は使うなッ!!
無傷で捕らえるんだッ!!」
と部下に指示を出し、ロガはガンダムの捕獲を試みた―。
◇
ガンダムのレーダーが、向かってくる3機のザルクを捉えた情報が、ショーゴの脳内に伝達される。
《データ照合…
ディオン皇国軍のモビルスーツ、ザルクです。〉
と言うガンダムのAI。
『すでにディオン軍から退役している、旧型のモビルスーツだ。
君の性能なら、負ける相手じゃないよ。』
と言う、ショーゴの意識。
《はい。
私とザルクのスペックを比較しましたが、全ての項目において、私の方が優っています。〉
と言う、ガンダムのAI。
この時のガンダムの言い方が、なんだか自慢しているように聞こえたのは、気のせいだろうか?
『よし
撃退
するよ。
使える武器はあるかい?』
と訊く、ショーゴの意識。
《現在、使用可能な火器は
頭部プラズマバルカン
と
腕部プラズマグレネード
です。〉
と言う、ガンダムのAI。
『プラズマグレネード?
それは、どんな武器なんだ?』
と訊く、ショーゴの意識。
《プラズマエネルギーを圧縮、凝縮して、半固形エネルギー実体弾として発射する火器
です。〉
と言う、ガンダムのAI。
(何だって…!?
そんなの
戦艦の主砲と同じ構造
じゃないか…!!
そんなのを、モビルスーツサイズで…!?)
と驚くショーゴ。
《敵モビルスーツを射程圏内に捉えました。〉
と言ってくる、ガンダムのAI。
『プラズマグレネードを使う!!』
と言う、ショーゴの意識。
《了解。
プラズマグレネード、起動。
プラズマエネルギー、送入開始。
発射準備完了まで0.7秒。〉
と言う、ガンダムのAI。
まもなく、ガンダムのレーダーが戦闘モードに移行し、ショーゴがかぶるヘルメット内側のモニターに、ターゲットサイトが表示された。
向かって左のザルクに、ロックオンカーソルを合わせる。
『照準修正。
右腕を狙う。』
と言う、ショーゴの意識。
《警告します。
そこはアンデッドポイントです。
そのような場所を攻撃しても、敵は撃墜できません。〉
と言う、ガンダムのAI。
『撃墜するんじゃない。
敵の戦闘能力を無力化して撃退する
んだ。』
と言う、ショーゴの意識。
《私の戦術ドクトリンには無い行動パターンです。〉
と言う、ガンダムのAI。
『なら、登録するんだ。
これは
今後の全ての戦闘状況における最優先行動
だ。』
と言う、ショーゴの意識。
《了解。
戦闘プログラムの更新を行います。〉
と言うガンダムのAIに
『それはあとにしろ。
今は戦闘に集中しろ!!』
と言う、ショーゴの意識。
《了解。
ターゲットロックオン。
目標、ザルクの右腕。〉
と言う、ガンダムのAI。
『プラズマグレネード、発射!!』
と叫ぶ、ショーゴの意識。
《プラズマグレネード、発射。〉
と、ガンダムのAIが復唱し…
ガンダムの右腕に装備されているプラズマグレネードの砲口から、青白い、半固形エネルギー実体弾が射出された。
射出された半固形エネルギー実体弾は、
《命中しました。〉
と言う、ガンダムのAI。
『よくやったぞ☆
次は左腕だ☆』
と言う、ショーゴの意識。
再び、プラズマグレネードを発射するガンダム。
射出された半固形エネルギー実体弾は、
両腕を失った
◆
「ぅがぁッ!!」
と、
「ロ…ロガさん…
やられました…!!」
と叫ぶ部下A。
《お前は戻れッ!!〉
とロガに言われたので、撤退していく部下A…。
「どうやら、無傷で手に入れるのは難しいみたいだ…。
ならば、せめて、あの両腕だけでも破壊するぞッ!!
いくぞッ!!」
と、ロガは部下Bとともに、
◇
ショーゴがかぶるヘルメット内側のモニターに、向かってくる2機のザルクが映し出された。
『諦めの悪いやつらだ…。
よし…
さっきと同じ要領で、敵を戦闘不能にして撃退する!!』
と言う、ショーゴの意識。
《了解。〉
と、海賊Bが乗るザルクに照準を合わせるガンダム。
そして、両腕からプラズマグレネードを発射した。
射出された半固形エネルギー実体弾は、
両腕を失った
残るは、ロガのザルクのみ―。
『回避するんだ!!』
と叫ぶショーゴの意識。
しかし
《必要ありません。〉
と言う、ガンダムのAI。
本当に、ガンダムは回避行動をとることの無いまま…
…が…
なんと!!
ガンダムは無傷だった―!!
『なんでだ…!?』
と驚くショーゴに
《プラズマフィールドにより、プラズマ光弾は効きません。〉
と言う、ガンダムのAI。
プラズマフィールド―。
スターライト号の船体を覆っている、プラズマエネルギーのバリアだ。
しかし、それも、船舶用の大型大出力プラズマリアクターでなければ、使うことはできない。
そもそも、プラズマフィールドを展開できるほどの大出力プラズマリアクターで、モビルスーツに積めるほどの小型のプラズマリアクターなんて、ショーゴは見たことも聞いたこともない。
(何なんだ、このモビルスーツは…!?
これじゃ、まるで
モビルスーツの姿をした戦艦
じゃないか…!!)
と、戦慄するショーゴ…。
◆
一方、
(バカな…ッ!?
モビルスーツなのに、プラズマフィールドを…ッ!?)
と驚愕していた…。
(ならば…ッ!!)
と、腰の左のサイドアーマーにマウントされていたヒートアックスを右手に持ち、
◇
『来たぞ!!
接近戦用の武器はないのか!?』
と訊くが
《現在は装備されていません。〉
と答える、ガンダムのAI。
『ならば、頭部のプラズマバルカンだ!!
ヒートアックスを持っている右手を狙うんだ!!』
と指示するショーゴの意識。
《了解。〉
と、側頭部に装備されているプラズマバルカンを発射するガンダム。
連続射出される青白い光弾が
◆
「ちくしょうッ!!」
と、
プラズマライフルは効かないし、ヒートアックスも破壊されて、もはや、
「おぼえていろ…ッ!!」
と捨て台詞を残し、ロガは撤退していった…。
◇
《敵、逃走。
追撃しましょう。〉
と言ってくるガンダムのAIに
『その必要は無いよ。
戦闘終了だ。』
と言う、ショーゴの意識。
《了解。
戦闘モード、解除。〉
と、戦闘モードを解除するガンダムのAI―。
◇
戦闘が終わって、ようやく、カラバ宇宙港の警備隊が到着した。
《カラバ共和国警備隊のモビルスーツ
メイガン
を確認しました。〉
と言う、ガンダムのAI。
『戦闘モードへの移行は禁止する。
彼らに投降するんだ。』
と指示する、ショーゴの意識。
《命令の意図を理解しかねます。〉
と、ショーゴの指示を拒否するガンダムのAI。
『僕の指示に従ってくれ…
いや、違うな…。
本来、僕は君に指示できる立場じゃない…。』
と言う、ショーゴの意識。
《命令の意図を理解しかねます。〉
と訊いてくる、ガンダムのAI。
『僕はね…
君を勝手に使ったんだよ…。』
と言って…
ショーゴはヘルメットをはずした。
これにより、ショーゴとガンダムとのマシン・シンクロニティが遮断された―。
ショーゴとのマシン・シンクロニティが切断されたことで、ガンダムは機能を停止した―。