機動戦士ガンダム スタァライト   作:星龜

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第2話∶陰謀と空想(ファンタジー)



 

カラバ民主共和国―。

 

ジャンブーロ連邦と同盟関係にあるコロニー国家である。

 

カラバには軍隊が無く

警備隊

が軍隊の役目を担っている―。

 

 

ジャンブーロ連邦軍の試作モビルスーツ・ガンダムを無断使用したショーゴと、港湾部の手違いとはいえ、ガンダムを誤載したエリーとラノはカラバ警備隊に拘束され…

 

3日が過ぎた…。

 

 

「…ったく★

こんなところに閉じ込めていねぇで、とっとと死刑にしやがれってんだっ★」

と、営倉内で愚痴るラノ。

 

「私は、もうちょっと生きたいかな…★」

と言うエリー。

 

「つ〜かよ、俺はスターライトに乗ってたんだから無罪だろ!?」

と言い出すラノ。

 

「はぁッ!?

アンタ、自分だけ助かろうとしてんのッ!?」

とキレるエリー。

 

「俺だって、まだ死にたくねぇんだよっ!!」

と叫ぶラノ。

 

「私だってッ!!」

とラノにつかみかかるエリー。

 

「やめてよ、2人とも…。

2人はどうにか助かるだろうけど、実行犯である僕は助からないんだから…。」

というショーゴの発言を聞いて、取っ組み合っていたラノとエリーは

「すまねぇ…。」

「ごめん…。」

と謝る…。

 

しばらくして

「ねぇ…。

ショーゴを助ける方法って、本当に無いの?」

と訊くエリー。

 

「難しいだろうな…。

マジの実行犯だからな…。」

と言うラノ。

 

「じつは、あのモビルスーツに乗っていたのは私です…

…って名乗り出ようかな…?」

と言うエリーに

 

「ムリだね…。

ガンダムのパイロットに、僕の名前で登録されてるから…。」

と言うショーゴ。

 

「ガンダム?」

と訊くエリーに

 

「あのモビルスーツの名前。」

と言うショーゴ。

 

 

しばしの沈黙ののち―

 

 

「現実逃避させてもらうぜ★

でも、マジにひっかかってんだ。」

と言うラノ。

 

「何が?」

と訊くショーゴ。

 

「なんかよ…

茶番くせぇ

んだよな…。」

と言うラノ。

 

「茶番?」

と訊くエリー。

 

「あくまで現実逃避だ★

けどよ…

民間の物資の集積所に軍事物資が混ざることなんてあるのか?」

と言うラノ。

 

「でも、ガンダムが入っていたのは民間のコンテナだったよ。」

と言うショーゴ。

 

「そこだ!!

何で、戦闘用のモビルスーツが民間のコンテナに入っていたんだ?

まさか、軍が入れ間違えたなんていうマヌケなオチか?」

と言うラノ。

 

「たしかに…。

よくよく考えたら、おかしなことだらけね…?」

と、首をひねるエリー。

 

「なんだよ、それ?

僕達は

誰かにハメられた

ってこと?」

と、顔をしかめるショーゴ。

 

「そう考えた方が、辻褄が合うわね…。」

と、つぶやくエリー。

 

「待ってよ。

この話って、あくまで

ラノの現実逃避

なんでしょ?

まったく…

これが誰かの陰謀だなんて

出来の悪いB級コミックの世界

だよ★」

と言うショーゴ。

 

「ごめん…。

私、ラノを支持するわ。

誤載なんて、今の今まで無かったもの。

それが、今日に限って誤載だなんて…。」

と言うエリー。

 

「運が悪かったんだよ。」

と言うショーゴに

 

「じゃ、私達、このまま死刑!?

冗談じゃないわよッ!!

運が悪くて死刑だなんて、死んでも死にきれないわッ!!

今のこの状況が運だって言うんだったら

運の向きを変えてやる

わッ!!」

と立ち上がるエリー。

 

「どうやって?」

と訊くショーゴに

 

「運には流れってのがあるのよ★

今はおとなしくいていた方が賢明ね…。」

と座るエリー。

 

「よ〜するに

何も考えていない

んだな★」

とラノにツッこまれたエリーは

うるさいッ★

と、そっぽむいた…。

 

 

カラバ警備隊基地のモビルスーツ格納庫に、2人のジャンブーロ連邦軍の軍人が、基地責任者に案内されて来た。

 

1人は、身長170センチくらいで丸顔の

イワン・マクドナルド大尉(28)

 

もう1人は、身長は180センチはあろう屈強の体つきをした、堀の深い、面長の

オスカー・リッチマン少佐(32)

 

 

メンテナンスベッドに寝かされているガンダムを見上げるイワンとオスカー。

 

「これが、我が軍が開発した新型モビルスーツ・ガンダムですか?」

と訊くイワンに

 

「らしいな。

私も見るのは初めてだ。」

と言うオスカー。

 

「聞けば、これを操縦したのは民間人だそうですが?」

と訊くイワンに

 

「らしいな。」

と言って、メンテナンスベッドに乗るオスカー。

 

イワンも、オスカーのあとに続く。

 

そして、2人はガンダムのコクピットまで行く。

 

「何かわかったかね?」

と、調査している技術者に訊くオスカー。

 

「はい。

ガンダムのAIに記録された戦闘データから、乗っていたのは

ショーゴ・オータ

という人物です。」

と言う技術者。

 

「何者だ?」

と訊くオスカーに

 

「人物検索の結果、年齢は17歳。

カラバにある運送会社

ガルダ・ロジスティクス社

の社員であることが判明しました。」

と言う技術者。

 

「運送会社の社員が、なぜモビルスーツを操縦できるんですか?」

と訊くイワンに

 

「マシン・シンクロニティ技能を持っているからです。」

と言う技術者。

 

「でも、ガンダムに乗ったのは、戦闘訓練も受けていない民間人でしょ?

しかも、まだ少年…。

そんな人物が、我が軍の新型モビルスーツを操縦したというのですか?」

と驚くイワン。

 

「戦闘データを解析すると、ディオン軍の旧型モビルスーツ・ザルク3機と交戦したみたいなんですが…

戦術ドクトリンに

敵の戦闘能力を無力化して撃退する

ことを

今後の全ての戦闘状況における最優先行動

と登録されているんです。」

と言う技術者。

 

「バカげた話だ。

抹消しろ。」

とオスカーに言われた技術者は、手に持つタブレットを操作するが…

 

「こ…これは…!?」

と驚く技術者。

 

「どうした?」

と訊くオスカーに

 

「抹消できません…!!」

と言う技術者。

 

「なぜだ?」

と訊くオスカーに

 

「ロックがかけられています。」

と言う技術者。

 

「パイロットがかけたのか?」

と訊くオスカーに

 

「おそらくは…。」

と言う技術者。

 

「では、オータとかいう少年から、パスコードを聞き出さないと…。」

と言うイワン。

 

「そうだな。

では、大尉。

オータ君を連れてきてくれ。」

と言うオスカー。

 

「了解。」

と、走り去るイワン―。

 

 

「な…何だ、これは…!?」

と、技術者の驚く声が聞こえたので

 

「今度は何だ?」

と訊くオスカー。

 

「戦闘データを解析していったら…

交信記録

のようなデータが出てきたんです…!!」

と言う技術者。

 

「交信?

誰とだ?」

と訊くオスカーに

 

「わかりません…。」

と言う技術者。

 

「交信記録の内容は?」

と訊くオスカーに

 

「それが…

わけがわからない

んです…。」

と言う技術者…。

 

「君の言っていることの方が、よっぽど、わけがわからないのだが…。」

と、あきれるオスカー。

 

「それが…

少々、信じがたい内容

なので…。」

と言う技術者。

 

「わかりやすく説明してくれ…。」

と、やや、あきれ気味に言うオスカーに

 

「はい…。

パイロットのショーゴ・オータの命令に、ガンダムが従っている

んです。」

と言う技術者。

 

「マシン・シンクロニティとは、パイロットの思考で搭乗機を操縦するのだから、ガンダムがパイロットの命令に従うのは当然だろう?」

と言うオスカー。

 

「厳密に言うと…

ガンダムがパイロットに従っているというよりも…

パイロットとガンダムが会話している

んです…!!」

と言う技術者。

 

「パイロットとガンダムが会話?」

と、首をひねるオスカー。

 

「はい…。

パイロットの思考とガンダムのAIが、お互いに意見を出しあっている

んです…!!」

と言う技術者。

 

「ガンダムのAIに、そんな機能が?」

と訊くオスカーに

 

「まさか。

自分も、このような事例は初めてです。」

と言う技術者。

 

 

(人間とモビルスーツが会話?

それは、マシン・シンクロニティによるものなのか?

それとも、オータという少年の能力なのか?)

と、オスカーは首をひねった―。

 

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