ショーゴ達が収監されている部屋の扉を開けるイワン。
「今度は何の用だよ!?」
と言うラノ。
「ショーゴ君!!
私と一緒に来てくれ!!」
と言うイワン。
「また僕だけですか?」
と訊くショーゴに
「今、本艦は海賊の襲撃を受けているんだが、戦力が足りない!!
そこで、君にガンダムで出撃してもらいたい!!」
と言うイワン。
「おい、オッサンっ!!
ショーゴはおめぇの部下でも何でもねぇんだぞっ!?」
とキレるラノ。
「このままでは、本艦は撃沈される可能性が高い!!
そうなると、君達もここで死ぬんだぞ!!」
とイワンに言われ、沈黙するラノ…。
ショーゴもイワンの必死さから、かなり逼迫した状況だと理解した。
「わかりました。
同行します。」
と言うショーゴ。
「たのむ!!
急ぐぞ!!」
と、イワンと一緒に営倉から出るショーゴ。
そのまま、2人は更衣室に行き、青と白のツートンカラーパイロットスーツに着替える。
着替えている時に
「ところで、あなたの名前は?」
と訊くショーゴ。
「そうか。
名前を言ってなかったか。
私は連邦軍大尉のイワン・マクドナルドだ。」
と名乗るイワン。
「よろしくお願いします、マクドナルド大尉。」
と言うショーゴ。
パイロットスーツに着替えた2人は、モビルスーツ格納庫に向かう―。
格納庫に着くと、イワンが
「白いヘルメットをかぶっているのが、ガンダムのチーフメカニックのタケオだ。
彼からガンダムの状態を聞いてくれ。」
とショーゴに言って、乗機に向かっていく。
ショーゴも、ガンダムに向かう―。
「おっ?
お前が、もしかして、コイツを動かしたっていう野郎スか?」
と言うタケオ。
「あなたが、マクドナルド大尉の言っていた、ガンダムのチーフメカニックのタケオさん?」
と訊くショーゴ。
「おぅ☆
タケオ・ワッタッス☆
よろしくッス☆」
と、ショーゴと握手するタケオ。
ガンダムを見れば
右手にはゼム・ネクストのプラズマライフル
左腕にはゼム・ネクストのシールド
が装備されていた。
「プラズマグレネードもプラズマフィールドも、使うとけっこうプラズマリアクターに負荷がかかるッスから、なるべく使わないようにしてくれッス。」
と言うタケオ。
「わかりました。」
と言って、コクピットに入るショーゴ。
「生きて帰ってくるッスよ…!!」
と言うタケオに
「はい!!」
と答えたショーゴは、コクピットハッチを閉める―。
アラミス級巡洋艦は、艦底部がモビルスーツの発着デッキになっている。
カタパルトデッキの左右に、電磁加速機がせり出してきた。
《進路、クリア。
ガンダム、発進どうぞ。〉
と、オペレーターからの通信が入った。
「ショーゴ・オータ!!
ガンダム、出ます!!」
と、発進の申告をするショーゴ。
すると、リニアカタパルトが作動し、ガンダムは電磁加速されて宇宙空間に射出された―。
先行していたゼム・ネクスト隊に合流する
《私とショーゴ君で、ゲルーグがいる編隊を迎え撃つ!!
みんなは、ザルクの編隊を頼む!!〉
とイワンから指示され、3機のゼム・ネクストはザルクの編隊を迎え撃つため離れていった。
《ショーゴ君は、決して私から離れるな!!〉
とイワンからの通信が入る。
「了解!!」
と答えるショーゴ。
その途中…
《マスター。
現在のセッティングではゲルーグに対抗できないので、セッティングの
と、ガンダムのAIが言ってきた。
『頼む。』
と答える、ショーゴの意識。
まもなく、ショーゴのヘルメットの内側のモニターにゲルーグ1機とザルク2機の編隊が映し出された。
《ショーゴ君!!
私が『いい』と言うまでは、絶対に撃ってはいけないよ!!〉
という、イワンからの通信が入った。
「どうしてですか、大尉?」
と訊くショーゴ。
《いいから、私の指示に従うんだ!!〉
と言うイワン。
《イワン大尉の命令の意図を理解しかねます。〉
と言う、ガンダムのAI。
『きっと、何か考えがあってのことだよ。
ちゃんと、大尉の指示に従おう。』
と言う、ショーゴの意識。
実際、海賊達も撃ってこない。
だが、それは、戦場において、異様な光景でもあった。
やがて、海賊達は停止する。
すると…
《すまない、ショーゴ君…
ガンダムから降りてくれ…!!〉
と、イワンが言ってきた。
「えっ?
マクドナルド大尉?」
と訊くショーゴ。
〈聞こえなかったのかッ!?
降りろって言ってんだよッ!!》
と、
「大尉…!?
これは一体…!?」
と訊くショーゴ。
《すまない…ショーゴ君…。
私には、こうするしかなかったんだ…!!〉
と言うイワン。
「すみません…
何を言っているのか、わからないんですが…?」
と訊くショーゴに
〈ものわかりの悪い野郎だなッ!!
このクソ軍人はな
ギャンブルでつくった2000万もの借金の返済のために、軍の新型モビルスーツをオレ達に売ろうとしたんだよッ★》
と言う
「な…なんだって…!?」
と驚くショーゴ。
〈わかったら、とっとと降りやがれッ!!
それとも、テメェもオレ達の仲間になるか!?》
と言う
「ま…まさか…
僕達のスペーストレーラーにガンダムを載せたのは…?」
と訊くショーゴに
〈そうだよ☆
そこのクソ軍人だよ☆
ちっぽけなスペーストレーラーにガンダムを載っけて、オレ達に強奪させる手筈
だったんだよッ!!》
と言う
《お願いだ、ショーゴ君!!
ガンダムから降りてくれ…!!〉
と言ってくるイワン。
《従う必要の無い指示です。〉
と言う、ガンダムのAI。
『うん…。
だけど、この状況の打開策が思いつかない…。』
と言う、ショーゴの意識。
《海賊達は完全に油断しているので、まずは海賊達を撃退しましょう。
その後、イワン大尉を拘束しましょう。〉
と言う、ガンダムのAI。
『なるほど…。
だけど、もう少し、様子を見させてくれ…。』
と言う、ショーゴの意識―。
◆
「と…とにかく、ガンダムは持ってきた…!!
そ…それで2000万は、いつ払ってくれるんだ?」
と言うイワン。
〈悪ィな☆
あいにく、こっちも金が無ぇんだ☆
ゲルーグ買うのに使っちまったからな☆》
と言うロガ。
「な…
なんだとぉ…!?
は…話が違うじゃないか!!」
と詰めよるイワン。
〈あ?
テメェ、何言ってんだよ?
だいたいからして、オレ達が2000万なんて金、持ってるわけねぇだろ★》
と言うロガ。
「だ…だましたな…!!」
と叫ぶイワン。
〈だましただと…ッ!?
寝言ぬかしてんじゃねぇぞッ!!
誰がテメェに2000万出すなんて言ったッ!?》
とロガに言われ、たじろぐイワン…。
そう…。
海賊がガンダムに2000万出す…
というのは
イワンの思い込み
だったのだ…。
ギャンブルでつくった2000万もの借金の返済に追われ…
ついに、新型モビルスーツを海賊に横流しすることで、2000万の資金を得ようと考えたのだ。
海賊ならば、2000万くらい、簡単に出してくれる…
そんな軽い気持ちで、イワンはガンダムを海賊に引き渡そうとしたのだ。
しかし…
あっさりと足元を見られてしまった…。
「この…
海賊の分際でぇー!!」
と、プラズマライフルをかまえる
しかし…
〈元はと言えば、全部テメェが悪いんだろうがッ!!
人様の金で助かろうなんざ、虫が良すぎんだよッ!!》
と、
「ぐわぁあぁ…!!」
2機のザルクのプラズマライフルの集中射撃をくらった