思いつきで書いてみようと思いました。
主人公の設定は後書きにします。
夜の静寂を切り裂くように、雪がしんしんと降り積もっていた。
少女は、かすかな明かりが届かない路地裏でぼんやりと目の前の雪を見つめながら、ふらふらと歩いていた。
凍えるような寒さが肌を刺すように感じるが、少女はその冷たさをどうでもいいと思っていた。
「……なんで、私はこんなところにいるんだろう?」
小さな声で呟いてみても、その答えは分かりきっている。
答える者などいない。
暗闇の中で、少女はその問いを虚空に向かって投げかけ、またただ黙り込んだ。
目の前の雪道を歩き続ける理由も、そこにたどり着く意味も、少女にとってはどれもどうでもいいことだった。
お腹は空いている。けれど、それも他のことと同じで、気にかける気にもならない。
「生まれるべきじゃなかった」と、何度も何度も教え込まれてきた言葉が、頭の中で響いているからだ。
自分の存在が他人にとって無意味だと、彼女は痛いほど理解していた。
「……生まれてこなければ、こんな思いをしなくて済んだのに」
自分でさえ、もう少しも大切に感じることのないこの命。
夜の静けさと雪の冷たさに飲み込まれ、少女の小さな体は、ただただ闇に溶け込むかのように立ち続ける。
その無表情の瞳には、未来への希望も、過去への憧れも、今を生きる意義すらも宿っていなかった。
時が経つにつれ、少女の小さな足は少しずつ力を失っていった。
ふらつきながら歩き続けるその足取りは、まるで行き場のない影のようだった。
とうとう少女は歩く力が尽きた。冷たい路地裏の隅にゆっくりと座り込む。
凍えるような寒さが地面から体へと染み込んでくるが、少女はその冷たさすら気に留めることはない。
お腹の空腹感も、心の虚しさも、どれも今の彼女にはどうでもいいことのように感じられた。
小さな体に雪がさらさらと降り積もり、肩や赤色の髪が白く染められていく。
じわりと重たくなる瞼が、少女の視界をゆっくりと閉ざしていく。
声を出すこともなく、ただ静かに、寒さと暗闇に包まれて、瞼が降りていく。
世界が遠ざかるように、彼女の意識は次第に深い闇へと引き込まれていった。
降り続ける雪が、少女の小さな体を覆い隠していく。
暗い路地裏の片隅で、誰の声も、誰の温もりも届かないその場所で、少女は静かに目を閉じたまま、深い眠りの中へと落ちていった。
そして少女は気づかなかった。
暗闇からひっそりと伸びてきている手に。
眠りに落ちた彼女は、その存在に気づくこともはない。
やがて、静寂が戻り、降り積もる雪が路地を白く染めていく。いつの間にか、そこにあったはずの少女の姿は、夜の闇の中に消えていた。