少女は、ふかふかの布団に包まれて目を覚ました。
見上げた天井も、包まれている温かな毛布の感触も、自分がいたはずの路地裏とはまるで違う。
ふと外の冷たい雪の感触が体に蘇り、ここがどこなのか分からず、胸に戸惑いが広がる。
「……ここは……?」
状況がつかめずにいると、静かに扉が開き、男がゆっくりと入ってきた。
不気味さを感じさせるその人物は、ゆったりとした動きで彼女に近づいてきた。
底知れない恐ろしさが伝わり、少女は思わず身を縮こまらせた。
しかし男は優しく穏やかな声で語りかけてきた。
「目が覚めたんだね。気分はどうだい?」
その問いに、少女は一瞬驚いたように彼を見つめ、小さな声で尋ねた。
「あなたは……誰ですか? ここはどこ……?」
男は微笑みを浮かべるようにして静かに言った。
「僕はオールフォーワン、君を保護した者だよ。君の名前を教えてくれるかい?」
少女は少し戸惑ったように視線を落としながら、か細い声で答えた。
「……
その名を聞いたオール・フォー・ワンは静かに頷き、温かな声で続けた。
「
少女はその質問に少し口をつぐんだ後、視線を落としたままぽつりと呟いた。
「……私、家から追い出されたんです」
そう告げた瞬間、彼女の胸の奥にずっとしまいこんできた孤独と諦めがじわりと浮かび上がる。思い出したくなくても、心の奥底に染みついている言葉が響いた。
「私、無個性なんです。それで……ずっと、失敗作だって」
小さな声でそう呟いた彼女に、オールフォーワンは静かに頷いた。彼はそっと少女の頭に手を置き、やわらかな声で語りかける。
「それは、かわいそうに。辛かったね。でも、もう大丈夫だよ。僕がいるからね」
その言葉が少女の心の奥に染み渡り、張り詰めていたものが少しずつほどけていくようだった。
「でも、私は無個性で……」
そう小さな声で抵抗するように告げたが、オール・フォー・ワンは変わらぬ穏やかな声で言った。
「それでも、
その一言に、少女の胸の奥で抑えていたものが一気に崩れていくのを感じた。
これまで誰からも「必要」と言われることがなかった自分が、初めてそう言ってもらえる――その事実に心が揺さぶられ、気がつくと、頬に温かい涙があふれ出していた。
今まで一人で耐え、誰にも見せずに抑え込んできた分、その小さな体は深い悲しみと安堵に揺れながら涙を流し続けた。
オールフォーワンは何も言わず、ただ大きな手で優しく彼女の頭を撫で続けていた。
やがて灯里が涙をぬぐい、少し落ち着きを取り戻すと、オールフォーワンは静かに語りかけた。
「僕の個性はね、他者に個性を与える力があるんだ。……灯里、君に個性を与えよう。」
灯里は目を見開き、驚きとともに彼を見つめた。自分には信じられない話だった。
でも、心の奥ではどうしても信じたかった。
これまで「無個性」として否定されてきた自分に、「価値」が生まれるかもしれない。
そんな希望を胸に抱かずにはいられなかった。
しばしの沈黙の後、オールフォーワンは灯里に手を差し伸べ言った。
「灯里、僕の娘にならないか?」
その言葉を聞いた灯里の胸には、これまで感じたことのない温かなものが広がっていくのを感じた。
彼が伸ばした手にそっと自分の小さな手を重ね、静かに頷いた。
そして、彼から「
自分の存在を認められ、無個性ではない新しい力を手に入れた瞬間、灯里は「
主人公:
性別:女
個性:幻惑(AFOさんに頂いた個性)…幻惑を見せる個性、詳細は後に
年齢:7歳(現在)
その他:AFOさんに拾われ娘となりました。