あれから数年が経った。私は現在15歳です。
この数年で大きな変化がありました。
5年前、お父様は大怪我を負いました。
ナンバーワンヒーロー『オールマイト』との戦いでだ。
命は助かったものの、顔の大半が砕かれて
ドクター曰く、超再生を手に入れるのがあと5年早ければ、こうはならなかったらしい…
そのためお父様は顔や首に生命維持の様なチューブが何本も繋がれていなくてはならなかった。
自由に動けないお父様に代わって、私は振動や赤外線と言った感知個性を持つ人を生け取りにしてお父様に献上した。
お父様のため回復の個性も探した。しかし上手くいかなかった。
多少は動けるようになったが、お父様の怪我を完全に治すことはできなかった。
ごめんなさいお父様、返しきれないほどの恩があり、無価値だった私に価値を持たせてくれたのに…
それでもお父様は私を褒めてくれた。お父様の手のひらは大きく暖かかった。
ヒーローはいつも私から奪っていく…
大好きなお父様すら奪うのか
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな…
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そんなところで、今日はお父様に呼ばれています。
まぁおおよそ予想はできる。
ワープゲートをくぐり、お父様に会いにいく。
「冥、来たか…少しお願いしたいことがあってね」
「雄英高校の内通者として入学すれば良いですか?お父様」
「ふふ、流石だね冥。今年はオールマイトが教師として赴任するのは知っているだろう。年齢的にも君が適任だからね。」
噂には聞いていたが、本当にオールマイトが教師として赴任するのか。
「かしこまりました、お父様。お任せください。」
「嗚呼、期待しているよ冥。」
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そして私は今…雄英高校で実技試験の説明を受けています。
流石雄英と言ったところ、倍率300倍と言うだけあって、人が多い。
おかげで問題なく潜入できた。
住民票や身分証明書といった必要な資料と、拠点となる一軒家を用意していただいた。流石お父様!
私は今”
いなくなったはずの”灯里”が来たらどう反応するだろうか。また失敗作というか?はたまた謝罪するか?
まぁその話は一旦置いて説明を聞こう。
「今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」
「ふむ、プレゼント・マイクか」
「こいつはシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?YEAHH!!!!」
シーンとしている中、1人叫んでポーズを決めている…哀れむべきか?流石ヒーローとでもいうべきか?
まぁどうでもいいか、とりあえず出てくる仮想敵を倒せばいいらしい
「質問よろしいでしょうか!?」
「?」
「プリントには四種の
いかにも真面目って感じの人だ。この場で質問をするとは中々肝が据わっているな。
「ついでにそこの縮毛の君」
「先程からボソボソと…気が散る!!物見遊山のつもりなら即刻
「すみません…」
モサモサ君可哀想に、ビクビクしちゃってメガネ君もこんな所で指摘しなくてもいいのにね…
「四種目の
なるほどお邪魔虫ね。ここは雄英だ、これをどう対応するかによっても判断されるのだろう。
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校”校訓”をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と」!!」
「”
筆記試験は問題ないはずだ。実技試験…どうするか…
内通者として潜入するのだ、当然目立つべきではないだろう。
合格さえしてしまえば第一関門突破なのだから
しかしどうだろうか、雄英で活躍している生徒が実はヴィランと知った時、優等生として見られていたヒーローの卵が悪の帝王の娘だと知った時、世間はどんな顔をするだろう。オールマイトはどんな顔をするだろう。
お父様とオールマイトの関係は知っている…
嗚呼、考えただけでも興奮する。殺したいほど憎い奴の顔が歪む姿が、お父様が笑う姿が…
「はい、スタート」
唐突に開始の合図が言われる。
そう聞こえた瞬間動き出した。他の受験者はまだ固まっている。
「どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?」
他の受験生は我に帰ったのか私の後ろを追うように続々と走り出す。
「標的補足!!ブッ殺ス!!」
直線的な動き…わかりやすいね
最低限の動きで仮想敵を殴り、破壊する。
とりあえず1P、個性なしでも十分だが、稼ぐか…
個性「炎華」
個性を発動し、周囲に炎の蝶を生み出す。
私は雄英では炎華を使っていくつもりだ。
ただ会場を走り回り、仮想敵がいれば蝶をぶつけて破壊する。
これから私は優等生を演じるのだ、当然他の受験者の助けもする。
今のうちに印象付けは大事だからね。
おそらく80ポイントは稼いだ。より広範囲に攻撃することもできたが、流石にこのくらいがちょうどいいだろう。
「THOOM OOOOOOOM」
残り時間3分、轟音を上げながら、0P仮装敵が現れる。
「うわぁぁぁ」「逃げろ」
他の受験者は背を向けて逃げていく、当たり前か、0Pを相手するメリットはない。0Pを相手にするくらいなら1Pでも多く稼ぐべきだろう。
しかし0Pにどう対応するかも見られている可能性もある。十分ポイントは集まった…
周囲の蝶を一箇所に凝縮させる。
そして1匹の炎の蝶を0Pに向けて放つ。
「
先程のとはひとまわり大きい蝶は0Pに向かって一直線に飛んでいく。
触れると同時に
BOOON!
爆発が起き、0Pが音を立てながら崩れていった。
そして
『終了!!!!』
試験終了の合図が響いた。
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数日後、全ての試験が出そろい、モニタールームには雄英教師陣が揃っていた。
「実技総合成績出ました。」
「救助P0で2位とはな!!」
「1P、2Pは標的を捕捉し近寄ってくる。後半他が鈍っていく中派手な個性で寄せつけ迎撃し続けたタフネスの賜物だ。」
「対照的に敵P0で8位」
「アレに立ち向かったのは過去にもいたけど…ブッ飛ばしたのは久しく見てないね」
映像を確認しながら、わいわいと盛り上がっていた。
「それでも1番注目するのはこいつだな!!」
「アレを破壊する火力、そこらのプロヒーローに劣らない。むしろプロヒーロークラスの威力と言えるだろう!!」
「個性の使い方も上手い、最低限の動きで後半鈍ることなくポイントを稼ぎ続けている。」
「それに救助も評価が高いね、的確に個性を命中させ、怪我している他の受験生の避難誘導まで行っている!判断力、戦闘力どちらも素晴らしい!!」
「敵ポイント80、救助ポイント45!合計125ポイントでぶっちぎり1位だ」
「それじゃあ、橘灯里を首席として合格とさせるのさ」
こうして、無事入試試験が終わりを迎えたのだ。
《技説明》
・獄蝶
凝縮した炎の蝶を飛ばす技、着弾時凝縮した炎が解放され小爆発が起きる。
大きさ:基本的にはサッカーボールサイズ(通常の蝶が手のひらサイズ)大きさはある程度調整できるが小さいとより精密性が求められ、大きいと凝縮時間が長くなります。
※今回は周囲の蝶を集めていましたが、獄蝶のみを作ることもできます。