神から与えられし祝福/呪い それは死徒化   作:一般通過龍

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調査不足かもしれませんが、呪術廻戦世界に星と人間を侵す呪い、原理血戒付きの死徒を入れる小説が無かったので書きました。

何故ウルトラ怪獣の要素を入れた?何故ギマイラやキュラノスのような吸血怪獣でなくメツオロチ?等の色々なツッコミどころはあると思いますが自己満足小説なのでお許しください。

そして、プロットなしです。ライブ感で書いています。
完結できるかな・・・・・?


1

突然だが、皆様は輪廻転生を信じているだろうか?

 

天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄からなる六道輪廻という仏教の概念を。

 

自分は神様や仏様も含めて信じている。

何故なら実際に輪廻転生を体験中であるから。

 

 

「ガハハハハ」

 

燃えて崩れゆく街に巨大生物の鳴き声が木霊する。

 

「ギャハハハ」

 

それが発する咆哮は人間の笑い声、嘲笑に似ていた。

 

 

逃げ惑う群衆に向けて、街の中を暴れ回る巨大生物がハンマーの如く頭を振り下ろす。サラリーマンやOL、老人も、若者も。性別や年齢関係なく、平等に、周辺の建物ごと丸ごと喰われていく。

 

誰もが滅亡を齎す巨大生物から悲鳴を上げ、堰を切ったように逃げ出している中で、一人だけ泣いているように、狂ったように笑っている少年がいた。

 

「あっははははははは!!いいぞ、もっとやれ!メツオーガ!こんな世界なんて壊してしまえ!!」

 

 

メツオーガと呼ばれた巨大生物は、恐竜にも似た頭と体型であるが、両腕が存在しないという異形の見た目をしていた。

 

60メートル以上もある大きさも含めて、その外見をしている生物は正に怪しい獣。怪獣と呼ばれるに相応しい存在であった。

 

 

 

しかし、この様子から、狂ったように笑っている少年がメツオーガと呼ばれた怪獣を街の中で暴れさした張本人なのか?違う。少年と怪獣は無関係だ。・・・・・厳密には関係あると言えるかもしれないが。

 

少年は破壊願望や破滅願望があったとはいえ、大多数の人間とそれほど差異がない人生を送っていた。特段不幸な出来事には遭遇してない。精々、自分が住んでいる街に怪獣が出現したということが不幸な事態かもしれない。本人視点ではそうではないかもしれないが。

 

そして今しがた、長く鋭い牙が不揃いに並んでいる巨大な口の中に、重力操作で地形ごと少年を運んで喰った怪獣もそうだ。彼?は色々な銀河に存在している、沢山の星々を捕食していただけだ。地球に訪れたのは、彼?自身の意思である。

 

はい。街の中で暴れまわっている怪獣が自分です。

 

宇宙伝説魔獣メツオーガ。惑星、彗星の域を超えて、手当たり次第何でも捕食する怪獣だ。ウルトラシリーズでは恒例になっている星喰いの怪獣でもある。

 

 

宇宙規模の生きた災害。そんな怪獣になってしまったのだ。そして、ついさっき哀れにも捕食された少年は前世の俺である。

 

意味分からない?安心しろ。物理的に脳味噌がデカくなった自分にもよく分からない。前世の自分を今しがた殺したとはいえ、何故前世の人間としての自分と今世のメツオーガとしての自分が同時に存在していたのかが。

 

精々分かるのは、過去の宇宙からウラシマ効果で現在の地球にやってきた(帰ってきた)のと同時に街を破壊活動して、前世の自分を殺すのは既定路線だったことだ。この行為は親殺しのタイムパラドックス、ノヴィコフの首尾一貫の原則、踊る酋長と言った概念に近い事象。世界(神様)が決めた絶対的な運命である。

 

第六感みたいなモノがそう訴えているのだ。だからこそ、従わないといけない。もしも、この行動をしなかったら、自分がこの世から消える!どころか世界(宇宙)全体に悪影響を与える。そう確信できる。

 

かつての自分が住んでいた現実世界にメツオーガという空想の生物が現れたことで、アンバランスゾーンそのものな世界になりかけているのだ。自分が存在ごと消滅するのはまだいいが、世界が消えることになる事態が発生することになるのは、たまったものではない。だから、自身に語りかける本能や第六感に身を委ねて暴れることにしたのだ。

 

それはそれとして、完全に価値観が変化している実感がする。泣き喚く人間達の姿を見て、楽しい。美味しそうという感想を抱くのだから。

 

前世の人間時代から褒められるような性格ではなかったような気がするけど、完全に最低最悪の畜生と堕ちている。人間だけでなく全ての存在が美味しそうに見える時点で、餓鬼道も兼ねているかもしれない。とメツオーガとなった彼は自身を客観視する。

 

自分に捕食されて死んでも大丈夫。輪廻転生があるんだから!!まぁ、輪廻転生というシステムは、解脱できない存在に対する罰ゲームみたいなモノだけどね!!

 

「ギャハハハ!!ガハハハ!!」

 

ただし、悲哀を感じさせる雰囲気はメツオーガとなった人間は纏ってなかった。そんなモノはない。あるのは獰猛さと狂気、凶悪なる食性の持ち主であるだけだ。ということを彼の行動が示していたから。

 

 

そろそろアイツが来るはず。絶対に来るはず。自分も含めた皆を救いに来るはずだ。

 

 

未来予知に等しいレベルまで発達した直感に素直に従いながら、食事行為(破壊活動)を中断した灰色の魔獣は夕暮れに染まった宙を見上げる。

 

太陽が少しずつ大きくなる。

 

 

いや、それは太陽ではない。赤い球体だ。

 

太陽の如く光り輝いている赤い球体がメツオーガがいる街に迫ってくる。

 

「あれは・・・・・」

 

「まさか・・・・・」

 

宇宙伝説魔獣によって食い荒らされた街に天空から舞い降りた赤い球体の正体は光の巨人だった。

 

「ウルトラマンて・・・・・本当にいたんだ」

 

壊れゆく街から避難をしようとしていた両親と一緒に、憧れの人物を見るような目で、メツオーガに向き合うウルトラマンを見上げた子供がいた。

 

遂に来たぞ!我らのウルトラマン!!

 

ウルトラマン。M七八星雲に存在する光の国からやってきた正義のヒーロー。見知らぬ惑星の上で生まれた自分が地球に帰ろう(いくか)と決心したきっかけの一つである。

 

だって仏様がモチーフに入っているウルトラマンに殺されることができたら、輪廻転生の輪から外れることができるかもしれないから。捕食活動も兼ねて数多の星を巡っても、この世界の宇宙にはウルトラマンが存在しないと分かった時はガッカリしたが、地球を襲ったら予想通りに来てくれた。自分は嬉しいぜ。

 

 

ウルトラセブンが顕著だが、ウルトラマンという種族は異常地球人愛者な気がする。だから、メツオーガに転生した者は、人間ごと地球を滅ぼすという使命感に似た気概を持って破壊活動に勤しんだという訳だ。

 

「ウルトラマンだ!!」

 

「頑張れ、怪獣をやっつけてくれ!!」

 

彼の考えを裏づけるように異なる世界から時空の壁を超えて、ウルトラマンが別世界の地球に来訪してくれたことに人々は歓喜する。

 

「ギャハハハハハハ!!」

 

メツオーガに転生した者も全身を震わせて、鳴いた。

それは喜びの感情を表す行為である。

 

地球の美しい夕日に照らされた二人。ウルトラマンとメツオーガの戦闘が始まった。

 

 

強っ!初代ウルトラマン強っ。光線技が効かないなら投げまくればいいじゃない。と絶賛投げられまくっています。ブラックホールも恒星も捕食して、吸収できた必殺の噛みつき攻撃も通用しねぇ。

 

「ヘヤァッ!!」

 

相手の攻撃を受け流す合気道の達人のように、ウルトラマンがメツオーガの飛びかかりからの噛みつきを全てタイミング良く掴むのと同時に、相手の勢いも利用して投げる。投げまくる。

 

流石は怪獣退治の専門家だ・・・・・。メツオーガになった自分に対して最適解な戦法を選んできやがる。今の自分は連続で地面に叩きつけられたことでグロッキー状態になっている最中だ。ウルトラマンガイアSVに痛めつけられたミーモスのように。

 

地球に来る途中、色々な星を喰ったおかげで宇宙伝説魔獣メツオーガから新宇宙伝説魔獣メツオロチに進化することも可能だが・・・・・。メツオロチになっても、ウルトラマンに勝てる気がしない。見ろよ、膨れ上がった大胸筋(ウルトラマッスル)。あの自慢の筋肉で色々な部位を破壊をされて死ぬ未来が簡単に予測できる。ゼットンを素手で殴り殺せるくらいに鍛え上げたパワーと積み上げた経験値は伊達ではないということか。このままでは、初代レッドキングのように投げ殺されることになる。

 

せめてスペシウム光線で殺してくれ。大多数の怪獣が見せる死に様を真似て、爆発して死ぬから。

 

重力操作や捕食行為もできなくなったメツオーガに対して、光の巨人が十字の構えを取る。

 

それは伝家の宝刀であり、数多の怪獣達を屠ってきた必殺技。その名はスペシウム光線。

 

「やったぞ!」

 

スペシウム光線がメツオーガの喉袋に直撃して貫通した途端、彼の巨体はゆっくりと傾き、瓦礫の中へ地響きを立てて倒れ込む。そして━━━メツオロチにならずに大爆発を起こして死んだ。

 

「ウルトラマンが勝った!」

 

「ありがとう。ウルトラマン」

 

人々から一斉に歓声があがる。

 

「シュワッチ!!」

 

感謝と喜びの声が溢れる中、ウルトラマンはメツオーガが死んだ所を意味深に見つめると、宙に向けて飛んでいったのであった。

 

 


 

 

「憧れのウルトラマンに倒される感覚はどうだったかしら?感想を教えてちょうだい?」

 

キシャァァ(気持ち良かったです)!!」

 

上下左右の感覚が分からなくなって狂うかもしれない白い空間に女性口調で喋る黒い影法師と何故かメツオロチの姿になっているメツオーガがいた。

 

死んだ自分の目の前に此神神通廣大と名乗る黒い影法師がいた。ウルトラマンで黒い影法師と言えば、人間が持つ悪意や負の感情が具現化して生まれたマイナスエネルギーの化身で色々な平行世界を滅ぼしてきたという経歴を持つ存在だが・・・・・。この黒い影法師は何か違う気がする。

 

おそらく、彼女?にとって黒い影法師という顔は持っている側面の一つでしかないのだろう。

 

「よく分かったわね。そこまで気づけば私の名前も言えるよね?」

 

言えますよ。そう・・・・・変なTシャツヤロォォ!?!!!???

 

「この私が月と夜の女神。ヘカテ神ということを見抜いていて、ふざける必要はあるかしら?56億7千万年、蝋燭として生きる人生を送らせようか?」

 

メツオロチの彼を蝋燭に変えた此神神通廣大と名乗る黒い影法師の正体はウルトラQdarkfantasyの夜霧よ、今夜も・・・・・という物語に登場する魔女の女王にして月の女神ヘカテその人であった。

 

「本当なら・・・・・このまま蝋燭としての人生を送らせるところだが、輪廻転生の輪から解脱できるチャンスをやろう。命令だ、別世界の地球を滅ぼしてこい」

 

「えっ」

 

黒い影法師の姿から、ギリシア神話の神様らしい姿に切り替わったヘカテの魔術によって、今度はメツオロチを擬人化したような姿になった彼女が驚いた。人間?の姿に戻ったとはいえ、価値観は歪んだままなのに。

 

「ヘカテ様・・・・・。別世界の地球を滅ぼす理由があるのでしょうか?」

 

先程のふざけたような態度と打って変わって、敬虔な信徒のようにヘカテを崇めはじめた彼女は疑問に思った。

 

当然だろう。怪獣としての自分を別世界に送ったらウルトラマンに対処される懸念もあるが、ヘカテ自身が異なる世界の地球を滅ぼすに足りる充分な能力を秘めているから。

 

怪獣娘になった彼女は知らないが、かつての女神ヘカテを筆頭とした存在によって、自身の世界がとっくの昔に色々な怪異や不思議な現象や概念が蔓延するアンバランスゾーンな奇妙な世界に変化させられていることが良い証拠だろう。

 

現に三つ目のトーテムポールやゲノム新人類やブレザレンの手によって、世界滅亡エンドを全人類が知らず知らずの内に何回も迎えているではないか。ただし、破壊もあれば創世もあり。世界が滅亡する度に世界丸ごと再生(リセット)を繰り返すことができる一部の存在のおかげで、人間達はいつもの日常を暮らすことができるが。

 

「あります。暗黒悪意マーラーや黒い影法師のおかげで」

 

突然、白い空間が暗闇に包まれたと思うと、地獄の炎を思わせる業火が彼女達の周囲を囲んだ。

 

闇と炎が黒い人の形をなしていく。

 

実体化して現れたのは、一人の怪人であった。

 

世界中の悪意と無秩序を寄せ集めた闇の存在。釈迦の瞑想を妨げた魔王魔羅。ネオ・ウルトラQに登場する暗黒悪意マーラーその人だ。

 

 

「私も説明してもよろしいかな?ヘカテ殿?」

 

「いいでしょう」

 

重力という概念でもあり月の化身でもあるヘカテと全人類の負の側面の化身でもあるマーラー。語り合う二柱の神様を見た転生者はようやく気がついた。

 

自分の世界はウルトラシリーズの世界観(マルチバース)に組み込まれている。完全に終わっているわ。と。

 

その認識は正しい。地球(ガイア)そのものはヘカテに征服されていて、集合的無意識(アラヤ)の方はマーラーに汚染されているのだから。

 

ただ、ウルトラマンがこの世界に来た以外の救いはもうある。既に二柱の神様が人類を破滅に導く気概をなくしていることだ。歪んだ愛だが、彼女達は色んな意味で人間という種を愛していた。だから、この世界に存在する他の神様や仏様や人間に友好的な怪異のように、世界の破滅を食い止めようとする人間達をこっそりサポートすることがあった。

 

「ヘカテという神様がシンクレティズム。日本で言えば、神仏習合という言葉が分かりやすいか。色々な神々と同一視されていることは知っているな?」

 

「知っています」

 

「それなら話は早い。私達が内包している黒い影法師が完全な世界の破滅をお望みのようで、こまっているのだよ。ゆえに別世界の地球の終焉を見せることで満足させようと思ったわけだ。君に白羽の矢が立った理由もそれだ」

 

大自在天や摩多羅神とも同一視されることがある魔王魔羅。この世界では暗黒悪意マーラーの形を取っている神様が人間達の信仰によってヘカテと習合してしまったことで、同じように負の感情の化身でもある黒い影法師の成分が二柱の神様に入ってきてしまったというわけだ。

 

年々肥大化していく黒い影法師の世界の滅亡を見たいという欲望に彼女達は困っていた。だから、色々な方法で破滅する世界を見せていた。少年をメツオロチに転生させて暴れさせたのもそれが理由だ。ウルトラマンに阻止されたが。

 

「自分達の世界を完全に滅亡させるのは気が引ける」

 

「けれど、私達が管理してない別世界なら話は別。躊躇なく終わらせることができる」

 

「これでこの世界に存在する黒い影法師も完全に満足できるだろう」

 

「ヘカテは吸血鬼の神様という肩書きも持っている。ある作品に登場する吸血鬼の特性を転生特典としてあげよう。これを上手く利用して別世界の地球の法則をウルトラマンに気付かれずに侵し殺して塗り替えろ」

 

ヘカテが念じただけでメツオロチの力を保有する怪獣娘になってしまった彼の魂のラベルが死徒に切り替わっていく。原理血戒が刻まれて独特の原理が誕生していく。

 

月や地球の化身で吸血鬼の神様と語られるヘカテ神にとって型月作品の一人である月姫という物語に登場した死徒27祖という吸血鬼集団が持つ特性を再現するのは容易いことだ。

 

「行き先は呪術廻戦世界だ。呪力を筆頭とした設定の擦り合わせは心配しなくてもいい。それとサービスとしてメツオーガの能力も引き継がせたから怪獣としての強さは本来のメツオロチを上回っているぞ。上手く行けば君は更に進化することが可能だ。さて、どんな姿になるかな?」

 

怪獣の力と原理血戒を宿した転生者が、負の感情の化身でもある暗黒悪意マーラーによって、自身の足元にいつの間にか存在していた穴の中に抵抗も許されず吸い込まれていった。

 

 

呪いあれ。

世界に呪いあれ。

人間達と神は滅びを望んでもいる。

 

 




転生神や朱い月の代わりに原理血戒をオリ主に授けるポジションにヘカテーを入れました。吸血鬼伝承に深く関わっている神様で月や地球、重力そのものを具現化した神格でもあるではないか?と研究者達に語られているので。
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