夢特典は皇帝竜の魔法?   作:流星群

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主人公が置いていかれます。

今回は短めです。





夢の高LVクエスト

 

 

「えっ、俺、置いてかれたんですか?」

 

「くくくっ…、そうだ、リン。てめえはてめえのチームに裏切られたんだぁ」

 

 

目の前の大柄金髪の男、ラクサスは邪悪な笑みを浮かべてそう言った。

 

 

 

 

事は遡り、昨日の夜。

 

ナツがハッピーを使って2階にある難易度が高い仕事がある依頼書を1枚持って行った。その際にルーシィを誘って2人と一匹でクエストを受けに行った。ギルドの仲間達が言うにはラクサスやエルザを見返したいばかりにその依頼を無断で受けたらしい。

 

ギルドに来る依頼には難易度がある。その中でも特に難易度が高い依頼をS級クエストと呼んでいる。普通の魔道士は難易度が高いS級の依頼をこなせない。依頼に失敗すればそのギルドは客先の信用を失う。基本依頼は受けたからには遂行せねばならない。その為、S級クエストを受けていい人間はギルドの中でも一定以上のレベルを超えた魔道士のみと決めてある。彼らはS級魔道士と呼ばれている。

 

 

S級の依頼を受けていい魔道士は、現在の妖精の尻尾では俺は知らないがギルダーツ、ラクサス、ミストガン、そしてエルザさんの4人のみらしい。つまり新人のルーシィは勿論、ナツは受けてはいけない依頼を受けているのだ。

 

その為、朝一番から妖精の尻尾では騒動が起き、マスターがラクサスに連れ戻しに行くように言ったがラクサスが断り、成り行きでグレイがナツ達を連れ戻しに行ったようだ。

 

 

そして俺は今日、少し寝坊してギルドに来たら門の所でラクサスが待ち構えており、その話しを聞かされた訳だ。

 

 

 

なんと言うかなあ…

 

何で俺抜きで行ったんだろう。

 

 

「くくくっ…、どうだ?信頼していた自分のチームに裏切られるってのはよぉ?悔しくねえのかぁ!?」

 

「……」

 

 

ラクサスの言葉に俺は何も返せなかった。裏切られたとは思ってないが何となく抜け駆けされた気分だ。

 

 

「…取り敢えずギルドに行きます」

 

「くくくっ…まあ待てや。このままだとあいつらがもしもクエスト達成したとなったらお前のチームでS級の仕事出来ないのお前だけだぜ?」

 

「グレイさんが止めに行ったなら戻って来…」

 

「あの小僧はナツを連れ戻せねえよ。多分なあ、反撃食らって連れてかれて一緒にクエストをやろうとするぜ」

 

「……」

 

「リン、てめえはこのままで良いのかぁ?んな訳ねえだろぉ!?もし仮にだ、S級クエストにあいつらが間違ってクリアしたらギルドの奴らにあの3人はS級レベルとして認知される。そうなればお前1人だけS級未満として取り残されるんだ。そんなの許せないだろ!?悔しいだろ!?お前1人だけ置いてけぼりだっ」

 

「…っ…」

 

 

ラクサスの言葉に刺激された訳ではない。だが俺は自分の中の何かが燃え上がるのを感じだ。嫌だ。置いてかれたくない。俺だってナツ達のチームの一員のはずだ。

 

 

「そんなお前に取っておきを用意しておいたぜ」

 

 

ラクサスはそう言うと懐から1枚の依頼書を出した。その依頼書を見る。場所はフィオーレ極北部の山村。内容は毎年この時期に村を襲う巨大魔獣の討伐。

 

 

「ジジイ共には内緒だぞ?何せ後数カ月で十年クエストになる予定のクエストだからな。この村に入った魔道士は皆帰ってこねえか何らかの後遺症を抱えて戻って来るみたいだぜ?」

 

 

随分危険なクエストのようだ。戻れない原因は何だろうか。ギルドでよく聞く魔力を失い連鎖的に死ぬ魔力欠乏症とかだったら笑えない。

 

 

「どうだ?この機に挑んで見ねえか?勿論ジジイ共には黙ってやる。俺の中でギルドで俺の次に強いのはリン、お前だ。一番強い俺と次点のお前が組めばこのクエストも楽勝だろうぜ」

 

 

此方の反応を伺うラクサス。

 

…本来ならどうするべきかは分かっていた。医者の資格を持ってない人間がその仕事をしてはいけないようにS級の資格を持ってない俺がこのクエストを受けてはいけないのだ。

 

だが俺はこの日判断力が鈍っていた。ナツ達に置いていかれ仲間外れにされた気分であり、孤独感と焦りを感じていた。故にラクサスの提案は俺にとって救いの手のように思えた。

 

色んな思考がぐるぐると俺の中で動いた。

 

結果…

 

 

「行きます」

 

「くっ、はははははっ!!良いぞ、その意気だ!!達成してジジイ共を見返してやろうぜ!!」

 

 

俺の背中をバンバン叩くラクサス。決まりのようだ。

 

 

 

 

 

早速、目的地へ向かう。本来なら距離的に汽車を使う所だが、俺は乗り物に乗ると酔ってしまう。ラクサスもそれは同じなのかどうか不明だが、彼は汽車を使おうとは言わなかった。

 

代わりにラクサスは雷を纏い、俺は背中にドラゴンの翼のようなものを生成し、それぞれの飛行魔法で目的地へと向かった。

 

 

「ラクサスさんはチームを組んでないのですか?」

 

「…今回は俺の部下共…雷神衆は留守番にしてる。流石に連れて行けねえ」

 

 

どうやらチームを組んでない訳では無さそうだ。言葉からして最低3人くらいは居そうだ。その人達はまだS級では無いのだろう。S級だったら連れてきてるはずだ。

 

 

2時間かけて目的地に到着した。

 

辺りは雪景色だった。

 

山の中腹にある大きな屋敷があった。この土地の領主の屋敷だ。この屋敷にいるとある17歳の魔道士が依頼主である。

 

門番に話を通して屋敷の前庭に入る。広い前庭だった。

 

 

「いらっしゃいませ、依頼を受ける魔道士様ですね」

 

 

金髪のメイドが迎え入れる。俺達2人はそのまま奥へと進められた。1室に入れられた。出された飲み物を飲んで待っている。

 

コンコンと扉を叩く音。間もなくして部屋に1人入って来た。

長い銀髪の綺麗な娘だ。白を基調とした服を来ている。軽装備をしている所を見るとこの娘が依頼主である魔道士だろう。

 

 

「お待たせしました。私、エリスと言います。魔法は結界を張ることが出来ます。貴方達2人が依頼を受けた魔道士さん達で間違いないですね?」

 

「はい、それで依頼内容について話しを聞かせていただけますか?」

 

「手短に説明しろ」

 

 

俺とラクサスは催促した。「分かりました」と一言言うと女魔道士は話を切り出した。

 

 

「今回の依頼内容は、村の人達が感染している呪いの解除と、村を襲う巨獣の群れの討伐です」

 

「今も私は森と村の境界線に結界の魔法をかけています。村の皆を守る為に」

 

 

 

その後俺とラクサスが女魔道士から聞いた話は想像よりも厄介なものだった。

 

 

 







因みにナツが主人公を誘わなかったのは主人公に対する対抗心と、後は誘っても主人公なら断るだろうと言う予想からです。ルーシィは原作通り、鍵が目当てでナツに付いて行きました。
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