夢特典は皇帝竜の魔法?   作:流星群

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色んな人達が騒いだり、或いは頑張ります。

ラクサスとリンが去った後のギルドの様子からです。





夢のチーム結成

 

 

ラクサスを追ってリンが去った後の妖精の尻尾(フェアリーテイル)には穏やかではない空気が流れていた。

戦いもせずにギルドを馬鹿にしたラクサスを論破出来ずに、皆、抑え込まれ、更に幽鬼の支配者(ファントムロード)戦で妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆の代わりに戦ったリンまでもが、ラクサスの後を追ったのだ。気分が良いわけが無かった。

 

「くそっ、なんなんだ!!ラクサスの奴!!言いたい放題言いやがって!!」

 

「こっちはギルドの為に戦ったってのによお、頭にくるぜ」

 

「参戦すらしなかった奴が何ほざいてやがるんだ」

 

 

あちらこちらからラクサスに対する不満が飛び交う。幽鬼の支配者(ファントムロード)戦でラクサスは直接の戦闘は一切してない。ギルドに貢献してないラクサスにヘイトが溜まっていた。

 

その一方で…

 

 

「おい、やばくねえか?」

 

「ああ、あいつら2人で組まれると厄介だぞ」

 

「ラクサスの野郎、リンを取り込みやがったな」

 

 

先程、ラクサスとリンの間に流れていた妙な上下関係を思い出して、皆思った事を口に出す。

 

そして遂に矛先は…

 

 

「リンもリンだ!!何故ラクサスに抵抗しないんだ!!」

 

「ビビってんだろ、新人だからよ」

 

「ジョゼに勝ったくせしてなんであんな弱腰なんだ?」

 

「あいつ、俺達の事内心見下してるんだろうな」

 

 

ラクサスに弱腰なリンに対しても不満が勃発する。ラクサスより遥かに言いやすい相手だけにその勢いも強かった。

 

 

「皆、よさないか」

 

 

リンの陰口を言うギルドメンバーをエルザが抑えた。マスターがギルドに不在の今、この場を纏められるのはエルザ1人しかいなかった。エルザは皆によく通る声で不満を止める。

 

 

「リンはラクサスに巻き込まれただけだ、あいつはまだ染まってない。勝手に槍玉にあげて、ギルド内の分裂を加速させるな」

 

「けどよお、リンの魔法見たか?ジョゼを倒した時の魔法よ。あんなのくらったらひとたまりもねえって」

 

「ラクサスと一緒にいる以上、染まるのは時間の問題さ。今のうちに排除したほうが良いんじゃ…」

 

「やめて!!」

 

 

リンに対する批判に耐えられずルーシィが叫んだ。

 

 

「リンは染まらない!!あんな人についていくわけがない!!あたしの背中を押してくれたんだもん!!あたし1人じゃどうにもならない時に、リンはあたしに力を与えてくれた、弱いあたしでも戦えるって言ってくれたの。そして信じてくれた。あたしにナツを助ける役目をくれたんだ」

 

 

震え、泣きながらもルーシィはギルドメンバーに訴えかけた。

 

 

「ギルドをあたしのせいで傷つけたくなかった、凄く辛かった、これ以上皆に迷惑かけたくないのに、あたしにはそんな力は無くて…、でもリンはあたしに寄り添ってくれたんだ、あたしと2人だけでファントムを止めるって言ってくれた。そして勝ってくれたんだ。あの人は絶対にギルドを裏切らない!!」

 

「ルーちゃんの言う通りだよ!私もリンに護られたから分かる。回復魔法で私達を治してくれたの。あまりいい魔法じゃなかった。治した分だけリンが傷つくのに…、本当だよ」

 

 

ルーシィに続いてレビィまでもが、リンを庇う。彼女達の声に少しギルドが静まった。

 

 

「あたしこのギルドは凄く温かい場所だと思ってた、ギルドにいる人達は皆家族の一員なんだって、そう思ってたの、でも今のギルドを家族だなんて思えない!もしもリンを孤立させたら、あたしがリンを連れて出ていくから!!」

 

「ルーちゃん…」

 

 

ギルドが静まった。何かを言いたげなメンバーも何も言えない。

 

 

パンパンとエルザが手を叩いた。

 

 

「そこまでだ、皆、一旦落ち着くんだ。リンがラクサスに染まらない事を信じるしかない。少しでも染まりかけたらその時は私が抑える。兎に角リンを孤立させない事だ。これ以上孤立させようものならリンはどんどんラクサスの影響を受ける。我々は仲間だ。その事を忘れるな。それが私達に出来ることだ。」

 

「つ〜か、どれだけラクサスを怖がってんだよ、全員で束になってかかればなんとかなるっての。ラクサスが今直ぐマスターになるわけじゃねえんだから、少しは落ち着けねえのか」

 

「グレイ、服…」

 

「しまった…!!」

 

 

グレイが上半身裸の格好で最もなことを言うが、カナに指摘されて、慌てて、服を着始める。その光景にギルドメンバー達の間にも笑いが生じ始めて、空気が幾らかマシになった。

 

そんな中、ナツが叫んだ。

 

 

「だー、ラクサスなんかにリンを渡してたまるかっつーの!!だいたいラクサスがリンに何をしたって言うんだ!!たかが、超難関クエストに1回連れて行っただけじゃねーか!!俺とルーシィはあいつと何回もチームでクエストをこなしたんだ!!今はリンがラクサスに恩返しする為に協力するフリしてるだけだっつーの!!それがなんだってんだ!!」

 

「あい、オイラもリンと仲いいよ。刺身貰ったんだ〜」

 

「そうだな、リンには借りがある。これから返していかなきゃな、というわけで俺はリンを援護するぜ」

 

 

ハッピーとマカオがナツを援護した。そんな中、エルザが真剣な表情でナツに問いかける。

 

 

「ナツ、その様子だと以前にもリンはラクサスとクエスト行ったみたいだな?どういう事だ?」

 

「おいおい、やっぱりやべーじゃねえか」

 

「あ、やべっ、言っちまった!!ち、違えっつうの!!あれだ、俺とルーシィS級クエストに行った時にリンを置いてったからって、あいつが勝手にひねくれてやがるんだ!!」

 

「「結局、お前(ナツ)のせいじゃねえか!!」」

 

「「「はははははっ!!」」」

 

 

ナツが自分の失態を暴露したせいでギルドメンバーの中に笑いが広まった。それを見て、エルザがため息を吐いた。

 

 

「はあ、よそう、ラクサスを気にし過ぎたな。あいつに構うと疲れるだけだ。リンが帰って来たら、ルーシィ、その時は頼んだぞ」

 

「当然よ、リンはもうあたしの大切な人なんだから!ラクサスなんかに渡さないから!」

 

「ん?ルーシィ?」

 

 

以前と何かが違うルーシィの返答に皆「ん?」となる。

 

 

「る、ルーシィ?」

 

「え、ルーシィ、リンと出来てるのか…?」

 

「あっ…」

 

 

ギルドがしんと静まった。本音が出たルーシィは顔が真っ赤になる。つい、恥ずかしい事を言ってしまった。その態度を見て、ますます気になるギルドメンバー達。

 

 

「えっ…、マジで…?おい、嘘だろ、リンと出来てるのかよ…」

 

「ルーシィ、私も気になるなー」

 

「漢らしく、告白すべし!」

 

「ちょ、ちょっと、な、なんでもないって、ほ、本当に…」

 

 

ギルドメンバー全員がルーシィの方を向いた。ルーシィは茹でダコみたいに真っ赤になった顔でしどろもどろになりながらも、なんとか言い訳をしようとする。

 

そこにレビィがそっと耳元で囁いた。

 

 

「ルーちゃん、ルーちゃんがリンと何もないなら私がリン貰っちゃうよ…」

 

「そ、それは駄目っ!!」

 

 

反射的にルーシィは叫んでしまった。その返答にレビィがニコッと笑った。

 

 

そしてギルド全体に聞こえる声で…

 

 

「聞いた?皆、ルーちゃんはリンを誰にも渡す気はないんだってー!!」

 

「「「何ー!!」」」

 

「ちょっと、レビィちゃん!!」

 

 

ギルドの男性陣がバタバタと倒れる。ルーシィを密かに狙っていた人も多かっただけに、レビィの言葉は衝撃的だった。

 

 

「ルーシィ!!本当なのか!?」

 

「お、おい、ルーシィ、リンの事好きなのか!?」

 

「どぅえきてる〜」

 

 

必死な顔でギルドメンバー達は騒ぎ出した。ハッピーが巻き舌でルーシィをからかう。

 

 

「ルーシィっ、教えてくれ!!」

 

「そうね、気になるわ、どういう関係なの?」

 

 

アルザックとビスカがルーシィに迫った。ギルドメンバーが一斉に注目する。

 

ギルド全体の視線に追い詰められたルーシィは顔を真っ赤にしてこう言った。

 

 

「ち、違うの//、あたしは…、その…//、リンがあたしの事好きって言ってくれたから、それで抱きしめられて…//、す、凄く温かかったから…//、その…、可愛いから抱きしめ返してあげただけ…//」

 

「「「何ー!!」」」

 

 

バタバタと倒れるギルドメンバー。ルーシィの勇姿を見ていた人達にとって彼女は女神に等しい存在だっただけに、ショックが大きかったようだ。

 

 

「な、なんだ…あいつ、普通の男の子じゃねえか…」

 

「ルーシィには逆らえないって事か…」

 

「はあ〜、ビビって損したぜ…」

 

「そんな〜、ルーシィ狙ってたのによ〜」

 

 

リンを警戒していたギルドメンバーが皆、肩の荷を降ろした。

 

 

「作戦大成功だね♪ルーちゃん♪」

 

「レビィちゃんの馬鹿〜」

 

 

ルーシィは涙目でレビィを睨むが正直可愛いままだった。パンパンとエルザが再び手を叩いた。

 

 

「話は決まったようだな。リンはルーシィを深く愛してると言う事だ。ルーシィがこのギルドを愛する限り、リンは我々に敵対しない」

 

「リン、なんて良い漢だ!!」

 

「ヒュー、ヒュー」

 

「え、エルザっ、何言ってくれてるのー!」

 

 

エルザは言い切った様子だったが、ルーシィは恥ずかしさで真っ赤だった。そんな中、ナツがルーシィをじっと見ていた。

 

 

「…(ジー)」 

 

「ナツ、なんでルーシィの方見てるの?」

 

「別に…、見てねえよ」

 

「あれ、ナツがヤキモチ妬いてる」

 

「ほう、馬鹿炎が姫さんに恋だと?リンに勝てるわけねえから諦めろよ」

 

「んだと!!変態かき氷!!」

 

「やんのかこらあ」

 

 

グレイの言葉にムカついたナツとグレイの喧嘩が始まる。ミラジェーンが笑って喧嘩しているナツに声をかける。

 

 

「ナツ、残念だけどもう遅いよ。ルーシィの心はもうリンのものなんだから」

 

「だーっ!!別に恋なんかしてねーって!!今はこいつ(グレイ)をぶっ飛ばすからミラは黙ってろ!!」

 

「ち、違うってば!!いや違わないかも…、

ああ〜ん、あたしとリンの大事な秘密だったのに〜」

 

 

暴露させられたルーシィは顔を抑えて泣いていた。

 

 

そんな中、エルザがコホンと咳払いをする。

 

 

「話は決まったな、ルーシィ、リンを頼むぞ。ギルドの命運はルーシィにかかってるからな、そこで私から提案があるんだが」

 

 

そのままナツとグレイの方を見る。

 

 

「この際だ、ラクサスに対抗する訳じゃないが、私とルーシィ、ナツにハッピーにグレイ。この4人と1匹でチームを組まないか?」

 

「「なっ、こいつとだと?」」

 

「不満か?」

 

「「な、なんでもないです」」

 

 

互いに睨み合うナツとグレイだが、エルザの決定には逆らえないようだ。

 

 

「ルーシィ、どうだ?」

 

「あ、あたしと…エルザ達…?」

 

「そうだ、鉄の森(アイゼンバルト)の時以降、このメンバーで一緒にいる時が多いからな、この際チームを組んでしまおう。リンがこの場にいないのは残念だが、どうする?」

 

「あ、あたしとで良いなら…」

 

「うむ、決まりだな、ナツ、グレイ、そう言う訳だ。これからも仲良くやって行こう」

 

「うっ…」

 

「お、おう…」

 

 

渋々と了承する2人。それと反対に周りがざわめいた。

 

 

「凄え、最強チームが正式に結成だ」

 

「エルザだけでも強えのに、そこにナツとグレイとルーシィって」

 

「これならラクサスにも対抗できそうだぜ」

 

「ルーシィ、頑張れよ〜」

 

「今のルーシィならエルザ達にも引けを取る感じはないな」

 

「そもそもアクエリアス出されたら勝てる気がしないよ」

 

 

最強チームの正式な結成に騒々しくなるギルドメンバー達。話は決まった。これでエルザのチームの総合力がラクサスを超えたと騒いだ。

 

 

「さっそくだ、我々も依頼に行こう、このチームならどんな依頼もこなせると信じてるが、まず初めにチームの実力が知りたい」

 

「上等だ、俺が全部纏めてぶっ飛ばしてやる!」

 

「へっ、幽鬼(ファントム)戦ではリンとルーシィに活躍を取られたが、今度からはそうはいかねえ」

 

 

ナツとグレイが拳を握りしめる。

 

 

「そうだな、私も幽鬼の支配者(ファントムロード)の件で役に立てなかったからな。本気でやらせて貰う。ルーシィ、期待してるぞ」

 

「じょ、上等よ。あたしだって負けてられないから!!」

 

 

ルーシィは拳を握りしめた。強くなってレビィ達を馬鹿にし、ギルドの風紀を乱すラクサスからリンを引き離す事を決意する。その為には自分が活躍しなければならないと。

 

エルザが拳を振り上げた。

 

 

「ラクサスに負けてられん、私たちの初仕事はこの仕事だ。ルピナス城下町で暗躍している魔法教団を倒す!行くぞ」

 

「「「「おおおおおっ!」」」」」

 

 

次の日の夜

 

 

「ああ〜ん、リンがいないと報酬がちゃんと貰えない〜!!」

 

 

ルーシィの泣き叫ぶ声が響いた。

 

 

 

 






ルーシィ…色々と多分大変だったと思う…。

今回は主人公除外ですね。
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