違う、シリアスばっかにするつもりはないんだよ……
素晴らグモス、とかいってサオリを爆笑させたいんだよ……
独 自 ( 捏 造 ) 設 定
アジトの外は爛れた街並みが広がっている。
砂塵が吹き荒れており、まともな生活が出来るとは思えない。
アビドスは砂嵐の影響によって住民が減少していっており、その結果廃墟などが多い。
だからこそアジトとして活用出来るわけなのだが。
白洲アズサを背負いながら、シロコやアリウススクワッドが待つ場へと向かう。
白洲アズサ、彼女はストーリーに非常に関わってくる。
ティーパーティーの百合園セイアの襲撃、補習授業部への所属による阿慈谷ヒフミとの接触、アリウススクワッドとの対立……エデン条約編においてキーパーソンとなるのだ。
だが、アリウススクワッドとの関係性については私が関わるところではない。
それは白洲アズサの役割上勝手に決まっていくものだろう。
「──アズサ……!」
錠前サオリが白洲アズサを心配して駆けてくる。
「安心してください、少し眠っているだけですよ」
「……そうか」
「クックックッ、そう不安がらなくても大丈夫です」
白洲アズサを無駄に傷つけたりするつもりは毛頭ない。
錠前サオリがこうやって駆けてくるのは白洲アズサを心配する気持ち故だ。
その気持ちは大切にして貰いたいものだ。
アリウスと関わることになるのは2年後。それまではもう関わることはない。
ここで伝えることは厳選しておかなければならない。
「さて、皆さん荷物は持っていますか?」
といっても荷物は多くはない。
銃弾や通信器具などがあれば十分だろう。
「あの〜、雑誌ってありますか?」
「………ええ、持ってきています」
こいつ。
いや、想定していて良かったとボジティブに考えよう。
「他にはなにかありませんか?」
「…特に問題はない」
「(うん、私も大丈夫)」
荷物に問題はなし。それならばもう大丈夫だろう。
といってもアビドスからアリウス自治区まではそれなりに距離があるため、少しは見送りとして共に歩くことにする。
シロコにとってもいい経験となるはずだ。
アリウススクワッドの面々はアリウスに帰ったらベアトリーチェから任務失敗の叱責を受けるだろう。とはいえ、そこまで酷いものではないとは思う。
そもそも、あちらから仕掛けてくること自体が失策であり、私に利用された形になっている。
ベアトリーチェには研究対象として活用することを伝えているため、より世界の真実は虚無であると信じ込ませるための拷問などは行われないと見て良い。
ここで重要なことは、彼女達の考え方である。
世界の真実だと教え込まれてきた言葉。別にそれが真実ではないと否定する気は毛頭ない。それもまた考え方の一種であり、間違えていると一概に言えるような内容でもないからだ。
これも一つの世界線に過ぎないのだ。無に帰す可能性も高いだろう。
では、何が重要なのか。
それはこの言葉に対する考え方である。
──白洲アズサのような、それが諦める理由にはならないという考え方。
──戒野ミサキのような、絶望した傍観主義者のような考え方。
──錠前サオリのような、自己肯定のため信奉するような考え方。
一つの言葉を同じような環境で教えられたというのに考え方は異なっている。
能動的ニヒリズムと、受動的ニヒリズム
簡単に言ってしまえば、この2つなのだろうと思う。
虚無だからといって諦めること無く新たな価値を見つけ出していく能動的なものか、虚無だからこそ諦め流れに身を任せる受動的なものか。
白洲アズサが能動的であり、錠前サオリが受動的なものだ。
これに良し悪しをつけるのならば、間違いなく能動的である方がいい。
受動的だった場合、可能性を低めるだけの考え方に過ぎず、勝手に自滅しているだけである。
能動的であれば、新たな価値や可能性を発見し、自己を高めることに繋がる。
私からしても、能動的である方が可能性が高まるため見ていて楽しい。
では、何故受動的ニヒリズムが発生するのか。
主だった理由は
嘗ては神を信仰し、祈りを捧げた。だが人生に幸福は訪れず、試練と信じることも出来なかった場合は“神に裏切られた”という解釈を成したのである。
酷く身勝手ではあり愚者のように思えるが、だからこそ面白いのだろう。
今まで信じていたものから裏切られ、何を信じて良いのか、何を指針にしたら良いのかが分からなくなる。言ってしまえば、自分の行動を神という存在に任せていたからこそ裏切られた際はどうしていいかが分からず、受動的ニヒリズムに陥るのだ。
では、受動的ニヒリズムの例として挙げた錠前サオリはどうだろうか。
神を信じているか──否である。
裏切られたのか──否である。
行動を自分で決めていないのか──是である。
彼女のニヒリズムの本質は『
それならば自身の根幹に根付いているわけでもないため、変化をさせるのは容易であると思っても良い。それが、まだ未来ある子供ならば尚更だ。
だが、
この言葉自体は彼女の
それすらも否定してしまうと、彼女のこれまでの人生が否定されることとなり、結果的に受動的ニヒリズムへと陥る可能性があるのだ。
原作では能動的ニヒリズムすらも否定しようとしていた。
だが、今は原作前であるため間に合うだろう。
人を殺したわけでもなければ、酷く傷つけたわけでもない。可能性は残されている。
「──さて、私とシロコはここら辺りまでです」
場所的にはアビドス自治区の端、一目につく場所でもない。
「ん、お別れ」
「……ああ、世話になったな」
「クックックッ、出会い方からすると考えられませんね」
そうだ、本当に。
偶然であり必然ではあったが、タイミング的には完璧だとも言える。
もしこれがエデン条約直前などだった場合、もう彼女達が引き返せることはなく、こちらとしてもやりにくいことが多かったため、非常にありがたい。ナイスベアトリーチェ。
「最後に、私から一つアドバイスを……」
「なんだ?」
別に深い話をするつもりはない。
「──これから大切なのは、よく考えることです」
アリウススクワッドはよくわからないといった表情を見せる。
白洲アズサもそろそろ目覚めるため、話は軽く切り上げる程度でいい。
「
「…………」
「ですが、そこで考えることを止めては駄目なんです」
世界は虚しいから。それは確かに気力を削ぎ、絶望するに値するものかもしれない。
だが、そこで諦めては駄目なのである。
「世界は虚しい。ですが、その中で何を大切にし、成していくのか。それが重要なのです」
「……それは何でもいいのか?」
「ええ、よく考えろとは言いますが、深く考えすぎないことも重要です。それが『家族』であったり、『神秘』であったり。それらがきっと貴女達の生きる理由となるでしょう』
彼女達には切っても切れない絆と愛情がある。
それを指針にして行動するのもいいだろう。
ここで忠告しておきたいのは、ただベアトリーチェの言いなりとなるのではなく、自分で考える力を養ったほうがいいということだけだ。
「──2年後、ですね」
「………?」
「2年後、此方からコンタクトを取り、貴女達の考え方を聞かせてもらいます」
「(それでどうするつもり?)」
「貴女達に関する私の計画を教えます」
少しだけアリウススクワッドの表情が変化する。
これまでチラつかせていたが、ここである程度ハッキリとさせておこう。
エデン条約編での動き。
それは彼女達の行動によって変化をしていく。
彼女達が何を思い、どのように行動するのかということは、小さなことで変化をしていくのだ。それがハッキリとすれば、此方としても動きやすい。
「クックックッ、サオリさんは知っているとは思いますが、私にも目標がある」
「……………」
「──旅路の果てに何を選び取り、終わるのか。それを決められるのは挑むものだけです」
彼女達がどのような選択を取ろうが、私のスタンスは変わらない。
ただ、その仮定の変化がどのように
だが、彼女達には幸せになってもらいたいものだとは思う。
「クックックッ、貴女達がどのような選択をするのか、楽しみにさせておいてもらいましょう」
「……………」
「生を呪う虚無の子……君にしか出来ないことがあります」
思考し、選択し、掴み取る。そんな当たり前のこと。
ただそれだけでも彼女達にとっては新たな価値観となり得るのだ。
「…また会いましょう」
「………ああ」
彼女達はゆっくりと歩いていく。
ゆっくりと踏みしめ、考えていく。それが成長へと繋がり、可能性へと昇華される。
さあ、原作に影響を与えたり得るのか。
不幸は幸福へと反転するのか、虚無を前向きに捉えることは出来るのか。
嗚呼、だからこそ、
──
◇
「……これからどうするの?」
あのアジトは崩壊した。
だからといって活動に大きな影響が出るわけではないが、一つの区切りとはなるだろう。
此方も少しずつだが活動範囲に変更があるかもしれない。
「シロコ、貴女も独り立ちです」
「………え」
「ああ、勿論支援はしますよ。日常生活に支障があるかもしれませんからね」
時期的にアビドスへの入学手続きを進めなければならない。
シロコの独り立ちにはいい季節だろう。
「クックックッ、シロコももう高校生ですからね」
「そう……」
シロコは少しだけ寂しそうな顔をする。
「おやおや……」
随分と親しくなったものかもしれない。
今後の展開という面で考えれば不安要素ではあるが、個人的な考えとしては嬉しい限りである。
だからといって決断が変わるわけでもないが。
「取り敢えず、移動をしましょう」
「ん、わかった」
こんなアビドス砂漠の端で話していても仕方がない。
向かう場所は別のアジト、と言いたい所だがそうではない。シロコとは今後も必ず付き合うこととなるため、ある程度の情報は開示しておいたほうがいいだろう。
原作について考えていると胃が痛くなる。
「………ここは?」
「私の活動の支部だと思っていただければ」
アジトのように廃れた場にあるわけでもなく、カイザー本社のように荘厳な建物というわけでもない。実際活用する機会が多いかと聞かれると微妙である。
実際は本拠地に在住し、活動することのほうが多い。
遺物さえあれば、ある程度の神秘の研究は進められるからだ。
神秘と科学の融合というのは無名の司祭など、限られたものしか成し得ていない。
「──”
数はそれなりにいる。
実際、多いほうがメリットが明らかに大きいため、多いに越したことはない。
ギャリケー、グェイラ、ビドゥーなど名前はあるが、それは特に気にすることでもない。
この世界に人間の姿の人間などは生徒達しかいないため、オートマターばかりだ。
それに、もしシロコと親しくなってしまった場合、面倒なことになりかねない。
「……あれがボンドルドの仲間?」
「ええ、そうですね」
「ん、皆仮面付けてる」
装束を身に纏い、顔を見えないように仮面を付けている。
理由は集団意識などといって誤魔化せばいいだろうか。
そんな中、祈手の一人が此方に気付き近づいてくる。
「旦那、その子は?」
「以前言っていた保護した子供ですよ」
「ああ、前言ってましたね」
当初の考えとしては、祈手として保護するものがあった。
だが、色々と悪影響が出かねないため断念したのである。話だけは祈手内には流しておいたため、シロコは認知されており、サポートを受けることは出来るだろう。
シロコは今後原作通りにアビドスへと通うこととなるのだ。
此方側からの干渉は小さくしておきたいというのが本音ではある。彼女達の人間関係が異物が混ざり込んだことにより崩壊したら、笑うことなど到底出来はしない。
「どうです、一人暮らしへの期待などはありますか?」
「…よくわからない」
「おやおや、そうですか」
一人暮らしに必要な能力は備わっていると思われるため問題はないだろう。
一応此方から支援することも出来る。支援といっても、食料の提供程度に収まるとは思うが。
シロコと黎明卿の繋がり。
それは認知される範囲が限られているほうがいい。それは認知度が高すぎるとシロコが狙われたり、此方の行動に支障が出てくる場合がある。逆に低すぎると何等かの疑いを掛けられるかもしれない。
アビドスメンバーは知っておいたほうがいいだろう。仕込みはしておく。
「…………」
シロコは何かを言い淀むように口を閉じる。
一体何が聞きたいのか見当も付かない。
「──ボンドルドは何を目指してるの……?」
「…………」
なるほど、と合点ができた。
私の行動や計画というワードから何かを目指していると理解するのは容易だろう。
何を目指している、と聞かれるとハッピーエンドとしか言いようがない。
だが、それをシロコに伝えたところで意味がないことも分かっている。
”黒服”という記号に書き込まれた
その先にあるのは恐らく消失。それは本質的な死と同義であると考えてもいい。
どこまで行っても”黒服”でありながら、異分子である。中々面倒な性質だ。
ならば、ここでの返答は黒服のテキストに沿った内容である必要がある。
これからの私の行動と、テキストとの矛盾などがあれば笑えるものではない。
必要なのは『子供を利用する悪い大人である』ということだ。
「私は私の計画のために様々なことを利用します。それはシロコ、貴女も例外ではありません」
「っ……!」
嗚呼、愛していることは間違いがない。
砂狼シロコというキャラクターも、人物も。
だからこそ、ハッピーエンドを迎えなければならない。
その過程で利用しようとも。
「クックックッ、本来なら神秘の研究、と答えるのが適切なのでしょうが……」
それは目的ではない。
黒服に憑依したが故と思われる湧き出てやむことのない知的好奇心もあるが、ハッピーエンドに勝るほどではない。
ハッピーエンドを迎えなければならないのだ。
――脳裏に浮かぶのは、赤く紅く染まったキヴォトスの夜空。
「……夜明けを見届けるため、と答えておきましょう」
「夜明け…?」
「クックックッ、いずれ分かることですよ」
色彩は必ずやってくる。
それは逃れることの出来ない
だからこそ、シロコが詳しく知ることは良くない。
平行世界において、私が存在するのか否か。
それを確認するすべは連邦生徒会長に聞くことくらいだろう。
私がもし平行世界に存在するのならばシロコ*テラーは存在しないかもしれないし、プレナパテスは変化を起こしているのかもしれない。
だが、それを私が観測する術はない。
外の外からやってきたものの性質は中々厄介だ。特に、憑依という形では。
憑依元のテキストを受け継いでいるため、一部の行動は制限される。テキストから逸脱してしまうと、それはキャラクターとして成り立たなくなってしまうからだ。
だが、それでいて異分子として行動が出来るのだ。
梔子ユメを保護したように、砂狼シロコを拾ったように、ボンドルドという架空の存在として行動できるように。
原作から乖離するような行動は取ることが出来る。
これまでの性質から考えると、どこまでも原作キャラクターとして行動しなければならないと思っていたのだが……
何故行動できるのかを考えるとキリがない。
答えが出ることは想像ができない。
結局平行世界について観測が出来ていない今は彼女が知りすぎることは良くない。
下手をすれば百合園セイアのような虚無主義へと陥る可能性もあるからだ。
だからこそ濁して答える。
「シロコ、貴女が気にする必要はありません。高校生活を謳歌してください」
「ん…………」
まあ簡単に納得はしてもらえない。
此方も話すことは出来ないため何処まで言っても平行線だろう。
「ただ、夜がやってきた時は――」
赤く、紅く、黒く彩られた夜。
「――共に夜明けを見届けましょう」
砂狼シロコはこれにてアビドス生となる。
仕込みは済ませているため、対策委員会編においての行動はある程度計画は決まっている。
あとは先生という存在だけだろう。
先生がどのような存在なのかは良くわからない。だからこそ、この目で観測し自分で定義付ける必要がある。ただきっと、私と同じ異分子なのだろう。
取り敢えずは、同志達と語り合おう。
ゲマトリアで集まる時期だ。
少し適当になってます。
何故かログイン出来なくなっていたので投稿が遅れました。
暇つぶしにボンドルドポーズの黒服を書いていました。
原作において悪役として登場していないキャラを悪として書くのは非常に抵抗がありますね。原作リスペクトが何処までの範囲なのかという点になりそうですが。
戦闘描写
-
省け(サクサク)
-
書け(それっぽい)