クックックッ…愛です、愛ですよ! シロコ!   作:ゲマ

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哲学的内容があるかもしれませんが、知識がそこまであるわけではないので、エアプで書いていきます。

エタらないために話を必要最低限まで削ります。
気力、もしくはリクエストがあったら番外編として書くと思うので待って頂けると……


評価100と、赤バーを同時に達成させていただきました。本当にありがとうございます。





.7 虚空へ誘う(前編)

 

 

 この世界は残酷だ。

 

 

 苦しみはすぐ近くにあり、幸せは遥か遠くにある。

 喜びなどを見出す暇もなく時は過ぎていき、無情に世界は進んでいく。

 弱者は救済されることなどない。

 

 信じるものは救われる。

 

 それは弱者への慰めであり、麻薬であった。

 実際は自分がどうにかするしか無いはずなのに、“神”という偶像を信仰することで救われるという可能性を生み出す。

 だからこそ神は時に否定される。

 

 Vanitas vanitatum et omnia vanitas.

 

 生に希望を見ていたが故に感じる虚無。それは神という偶像に裏切られた時とよく似ている。信じるが故の痛みということだ。

 受動的ニヒリズムはそうして発生していく。

 

 

 

「──クックックッ、チェックメイトです」

「うわあぁぁぁぁん!! 勝てません〜!!」

 

 

「……ん、大人げない」

「チェスは集団指揮に活用出来るのか?」

「……………」

「何分やってるの……」

「これだけやっても勝てないとは……」

 

 

 中々に酷い言われようだと思うが、仕方がないことではある。

 チェスで手を抜いて負けるというのもバカバカしいため、容赦なく徹底的に潰していく。大人げないというのは肯定するが、大人にもくだらないプライドがある。

 

 勉学と言っても、彼女達にいきなり座学を教えるというのも、ベアトリーチェとの関係や白洲アズサが補習授業部へ入れるかなどを考えると、余り得策ということは出来ない。

 ならば別の方法で頭を使おう。そう考えた結果のチェスである。

 

 だが負ける気せえへん、大人やし。

 

 

「まだまだ甘いですね。今の状態ではどんなゲームでも負ける気がしませんが」

「………初心者狩り?」

「クックックッ、心外ですね」

 

 

 ボードゲームであろうとビデオゲームであろうと負ける気がしない。ただし、肉体をフル活用するものは別とする。キヴォトス人には単純な肉体では勝つことは出来ないのだ。

 戦術的なゲームをしていると気になることは先生の指揮能力である。

 原作では生徒から戦いやすくなったと褒められていた指揮能力は実際どの程度なのか、気になる。

 

 ……こうしてゲームをしていると、中々見えない視点から見ることが出来る。

 

 たかがゲームとはいえアリウススクワッドが虚しさばかりを唱えるのではなく、勝つために創意工夫をこなし、次々と成長をしていっている。

 勿論それは今までの環境からの闘争心などもあるのだろうが、虚しいからと諦めない姿は少しずつだが変化をしていっているように感じるのだ。

 

 ──だからこそ惜しい。この日常が後少ししか続かないということが。

 

 もうすぐ学年が変わり、ベアトリーチェにアリウススクワッドの面々を返さなければならない。

 現在はこちらで彼女達の考え方に少しだけ新たな視点を提供しているため成長が見られているのかもしれないが、アリウスに戻った際に再び虚無を嘆き始めるのかもしれない。

 

 こちらもシロコの入学準備などで作業が増えてくる。手を出すことは出来ないのだ。

 

 

「さて、私はご飯の準備でもしてきましょうか」

「ん、パスタが良い」

 

 

 ご飯を作るというと、口それぞれに要求を出してくる。

 おい、今「焼き肉で……えへへ」とかいった図太いやつが居た気がするが。

 アリウスの面々からも少し信頼されているというのは素直に嬉しい。今後の計画上便利なことは勿論だが、一人の大人として子供の成長は嬉しいものだ。

 

 子供の成長において必要なものは”多角的な視野”だろう。

 

 多次元解釈までとはいかなくとも、様々な視点で物事を見れるに越したことはない。

 変わらない日常的風景でも、そこまでの人生の過程から得た視野によって風景の見え方は変化する。ある者には退屈に思え、ある者には幸せに思える。

 そういった視野を持つことで人生は彩られ、また人を理解出来るようになっていく。

 

 大人に近づくことだけが、成長ではないということでもある。

 

 子供だからこそ見ることが出来る視点というものもまた重要だ。

 純粋であるがゆえ、物事を独自の視点から捉えることも出来るのだ。それは大人には出来ない。

 

 成長といっても千差万別でもある。

 

 環境要因と内的要因の違いによって人はそれぞれの形に成長していく。

 アリウスのメンバーでもそれはわかりやすいだろう。

 環境が似通っているというのに、槌永ヒヨリは図太く、白洲アズサは挫けることがなかった。逆に錠前サオリと戒野ミサキは虚無に囚われた。

 ロイヤルブラッドである秤アツコは別枠としても、中々の差である。

 

 結局、何が言いたいのか。

『一つの言葉でも、視野によって様々な解釈が出来る』ということだ。

 

 

 

「さあ、出来上がりました。どうぞ食べてください」

 

 

 皿を全員分置くと、机を囲うようにして食事を開始する。

 

 

「クックックッ、こうしてみると家族のようですね」

 

 

 アリウススクワッドは間違いなく家族なのだろうが、食卓を囲むとより一層そう感じる。

 シロコもいるが、それが気にならないほどに馴染んでいるようにも思える。

 嗚呼、中々どうして面白い。

 

 

「家族……?」

「おやおや、わかりませんか?」

「ん、よくわからない」

 

 

 シロコがわからないといった様子で疑問を口にする。

 

 まあ、それも仕方がない事だろう。

 シロコは記憶喪失で彷徨っていたのだ。家族について詳しく知っているはずがない。

 知っているのは定義上の家族についてくらいだろうか。

 

 

「──家族とは血の繋がりのみを言うのでしょうか」

 

 

 定義上の家族は血縁上の人とされている。

 だが、それだけなのだろうか。

 

 

「私はそうは考えていません」

「………む」

 

 

 いつの間にかアリウスの面々も此方の話を聞いている。

 哲学的ではなく、あくまで一つの捉え方だとしても、教養にはなるだろう。

 実際、彼女達にはそういった見方は必要だ。

 

 

「慈しみ合う心がヒトを家族たらしめるのです。血はその助けに過ぎません」

 

「じゃあアリウススクワッドは家族っていうこと…?」

「ええ、私はそのように解釈しています」

 

 

 血縁でないだけで家族にはなれない。そんなことはないのだ。

 だからこそアリウススクワッドは家族たりえる。そして助け合い、共に生きていっている。

 

 ”家族”という言葉の解釈も無数にある。

 定義上の血縁者であり共に暮らすもの、慈しみ合う心を互いに持つもの、ただの研究対象や監禁対象にも『お前はもう家族だ』なんていう者もいるだろう。

 

 自分の考えも解釈の一つに過ぎない。

 

 

「……家族か」

 

 

 錠前サオリは少し考えている様子を見せる。

 彼女の考えていることの可能性としては、自分達は家族たりえるのかということだろう。通常の家族に対する羨望は見受けられない。

 

 

「クックックッ、それならばサオリさんは長女ですね」

「私が……?」

「ええ、勿論」

 

 

 アリウスの他の面々も同意を示す。当たり前といえば当たり前だ。

 

 彼女はアリウススクワッドを助けるため、楽にするために様々なことを成してきた。

 中には汚いものもあっただろう。だが、それでもやり切った。

 それは単に、アリウススクワッド(家族)のためだ。

 

 言ってしまえば責任感があるのだろう。自分が何とかしなければならないという責任感。

 少女が負うには重いが、彼女はそれでも生きてきたのだ。

 

 

「じゃあ私は次女で」

 

 

 そんな戒野ミサキの発言をもとに、会話は活発となる。

 だが、それは楽しげな雰囲気であり、和気藹々としていた。

 

 

 

「──さて、ここからは重要な話です」

 

 

 

 そう言うと、彼女達の表情は変わり、少しばかりの困惑とともに此方を見てくる。

 いや、薄々勘づいている者もいるのだろう。

 

 

「…じゅ、重要な話ってなんですか?」

「おや、気付いているでしょう。時期的に契約の終了は間近ですから」

「まさか………」

 

 

「貴女達をベアトリーチェに引き渡します」

 

 

 アリウスの面々は少しだけ沈痛な面持ちへと変化する。

 それだけこの期間が大切に思われていたことは素直に嬉しいが、契約は契約。それを覆すことは私には出来ないし、することもないのだ。

 原作の過剰な変化はするつもりはない。

 

 

「そうか………」

 

 

 錠前サオリは仕方がないといった様子を見せる。

 彼女が納得をしてくれるのならば此方としては説得が楽になる。

 諦める、虚しい。そういったことではなく、これは一つの契約。絶対性に近しいのだ。

 

 

「……………」

「おやおや、どうかしましたかアズサさん」

 

 

 嗚呼、その目だ。

 虚しさに呑まれることなく、輝きを保っていた瞳。

 

 

「クックックッ、反抗期でしょうか」

「私は納得していない」

「ほう、それは契約について。もしくは今後についてでしょうか?」

 

 

 白洲アズサの青空のような瞳に吸い込まれそうになる。

 彼女はやはりアリウスの中でも異常といえる精神性を持っているのだろう。

 

 素晴らしい。

 

 選択による可能性の変化。それは原作という本筋に届きうるのか。

 是非見てみたい。もしこの世界が物語として構成されていると知った際、彼女はどのような反応を示すのか。()()()()()()()()()()()()()()()から逸脱しうるのか。

 知識欲が溢れ出て、留まることを知らない。

 

 しかし、酷く気にはなるが、今ではないのだ。

 

 

「──両方とも」

 

 

 Vanitas vanitatum et omnia vanitas.

 

 彼女のことは”理解”している。それ故、この後についても予想がつく。

 出来れば素直に終わらせたかったが、そうもならないことは分かっていた。

 

 

「では、どうすると」

「諦めずに最後まで抵抗する(自分の意思を示す)

 

 

 そうだ、そうでなくてはならない。

 それもまた一つの視点となる。

 

 

 

「クックックッ…さあ、見せてください。貴女の()()()を」

 

 

 

 

 アジト内に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 ブービートラップの類だと思っていたが、想像よりも被害が大きい。

 好き勝手にアジト内を歩かせていたことが影響したか。

 

 いや、白洲アズサがアジト内に様々なトラップや爆弾を仕掛けることはわかっていた。彼女がどのような行動を取るのか、単純に期待していたのかもしれない。

 自分のアジト内で塹壕戦のようなことをするとは思っていなかったが、これもまた貴重な機会。

 新たな知識のために活用させてもらおう。

 

 ……いや、今普通に考えると抵抗のためにこんなことをするか? 

 頭ゲヘナかよ。いや、恐らく殺すことは出来ないという信頼の元の行動なのだろうが。

 

 

「これ以上アジトを壊されては支障が出ます。早急に対処させてもらいますね」

 

 

 自身のスーツを破るかのようにパワードスーツが現れる。

 戦闘の可能性が高い以上、着用しないわけにはいかない。しなければ肉体が使えなくなるのだ。

 尻尾は移動で邪魔となる可能性があるので今は出していない。

 

 さて、現状はかくれんぼのようなもの。

 ゲリラ戦に持ち込み、微小ながら継続的にダメージを与えることが目的だろう。

 

 白洲アズサを認識していないため『明星へ登る(ギャングウェイ)』は使えない。

 アジトが崩壊しかねないため『枢機へ還す光(スパラグモス)』は使いたくない。

呪い針(シェイカー)』と『月に触れる(ファーカレス)』による鎮圧が主だった作戦となる。

 

 実際最も有効なのは『明星へ登る』なのだが、そう簡単に姿を見せるとは思えない。

 

 

「アズサ…………」

 

 

 錠前サオリが白洲アズサの名前を小さく漏らす。

 先ほどの家族に対する解釈によるものなのだろうか。

 ベアトリーチェの元へと戻る抵抗心のようなものは無いとは思うが…

 

 

「安心してください。手荒な真似はしませんよ」

「…………違う」

「おや、おやおやおや」

 

 

 中々面白いことになってきた。

 

 迷い、困惑、諦め、様々な感情が渦巻いているのだろう。

 それは自分達の現状について解釈でもあり、白洲アズサの行動や考えについての解釈であり、『全ては虚しい』という今までの考えについての解釈でもある。

 

 錠前サオリがどのような解釈を導き出すのか、非常に気になる。

 だが、今はそうも言っていられない。

 

 

「クックックッ、私も無責任に貴女達をベアトリーチェの元に送り返すわけではありません」

「どういうことだ?」

「私にも貴女達を一時的にとはいえ預かったという”責任”がある。それを遂行するだけです」

 

 

 ──銃弾の発砲音が聞こえたため、即座に腕で防ぐ。

 

 

「今は制圧が先ですかね。全員外に出ておいてください」

「……………」

 

 

 だが、動くものはいない。

 反抗期といっても差し支えないものだが、これも成長の一種だろう。

 

 シロコは此方を見ているだけ。中々私のことを理解しているのかもしれない。

 

 

「私は私の計画を遂行する。それで信頼してくれませんかね」

「……わかった」

 

「……リーダー、いいの?」

「ああ、今は従っておこう」

 

 

 信頼されているのか、されていないのか。

 全員が籠もり始めた場合、面倒だったためありがたい。

 シロコも納得の意を示し、アリウススクワッドと行動をともにする。

 

 さて、周囲に人がいなくなり、音がよく聞こえてくる。

 

 アジト内を走り回った上での高速行動。

 射撃位置の変動による混乱と、移動の際に私がトラップを踏むことを期待しての行動だろう。

 または、私の攻撃手段を警戒してのこともあるかもしれない。

 

 スタミナ切れを狙うか…? 

 いや、キヴォトス人の鍛えたスタミナは相当持つ。時間がかかりすぎる。

 

 こういった戦いはしたことがないため、中々やりづらさを感じる。

 さて、どうするか。

 

 アジト内の構造に関しては私のほうが理解しているが、それを戦闘に活かせるかどうかと言われると、こういった場合での戦闘経験が豊富な白洲アズサに軍配が上がるだろう。

 近接戦闘ならば負けることはないと思うが、そこまで近づけるかと言われると微妙。

 しかし、『呪い針』で狙おうとも位置がわからない状態での高速移動に当てることは難しい。

 

 最悪の場合、『枢機へ還す光』の使用も考えておかなければならない。

 

 

「反抗期もユニークで可愛いですね」

「…………」

 

 

 一瞬だけ足音が止まった。つまり、交渉は出来ないこともない。

 だが、この決意ガンギマリ少女がそう簡単に折れるとは思えない。

 

 

「白洲アズサさん、私は貴女に感心しているのですよ」

「なぜ……?」

「貴女のその考え方はアリウスの中でも特異です。自覚はあるんじゃないですか?」

 

 

 少しずつ対話を重ねる。

 可能であれば交渉。不可能であれば声をもとに位置を特定するだけだ。

 

 

Vanitas vanitatum et omnia vanitas.(全ては虚しい。ただ虚しいだけだ。)貴女の解釈は()()()()()()

 

 

 Vanitas vanitatum et omnia vanitas.

 全ては虚無へと還り、その過程に意味を求めず、ただ虚しさを感じるだけ。

 世界の真理であるかはさておき、幼少から教えられてきた考え方を彼女は特異な解釈をした。

 

 

「──ただ、そう教えられただけ。それが諦める理由にはならない。そうでしょう?」

「ッ………」

「クックックッ、私はこの解釈は好きですよ」

 

 

 白洲アズサが少しだけ動揺し、息を呑む。

 自分の解釈を話したことがないというのに他者が知っている。それは不気味なのだろう。

 ある種の知識の有効活用とも言えなくはない……のだろうか。

 

 

「貴女には、……いや、貴女達には可能性が宿っている。私でも観測しきれないほどの可能性が」

 

 

 未来ある子供だからということもそう。神秘を身に宿しているからということもそう。

 知的好奇心が、湧いて止むことを知らないのだ。

 それこそ、原作を変化させてまで知りたいと思ったほどに。

 することはなく、これからもないとは思うが、それほどまでに知りたいと思う。

 

 だからこそ、子供たちには成長をして新たな可能性を見せてほしい。

 

 

「さて、次はどう動きますか?」

 

 

 ここでの戦闘で私の仮定が証明される可能性もある。

 やりたいようにしてもらいたい。

 

 本来ならば複眼も使用したほうが良いのだろうが、今は使わない判断をする。

 幾ら高速で移動を繰り返そうと、そう簡単に背後に回ることが出来ない。例え出来たとしても、そこまでの時間で背後に回っていると特定することが出来る。

 前方に只管意識を割いていて問題はない。

 

 突如、背後が爆発する。

 背後に意識を割くための戦略だろうか。だが前方から目を離すことはない。

 真正面から撃ってくることは考えられない。右は目があることを知っているため可能性が低い。

 

 となると左方向だ。

 

 

「『呪い針(シェイカー)』」

「くッ………!」

 

 

 決まったかと思ったが、針は外れ壁に当たりコロコロと転がる。

 時間と労力からすれば面倒ではあるが、彼女の行動がどれだけの結果を及ぼすのかということのほうが気になる。これはきっと原作が開始してからは出来ないことだ。

 

 白洲アズサは『呪い針』を回避しながらも、此方に銃を的確に撃ってくる。

 大きなダメージとなることはないが、蓄積した場合以前のように一部が損傷しかねない。ダメージを食らわないに越したことはないのだ。

 

 腕で銃弾を防ぎながら白洲アズサを見てみれば、未だ諦めていない。

 

 

「クックックッ、素晴らしい……素晴らしい」

 

 

 もっと見ていたいと思わせる気力。

 勝てない確率が非常に高いことを分かっていても諦めることのない胆力。

 自分の意志が抑圧されることなく解放されているのだ。

 

 彼女の選択により、可能性は広がった。

 アリウススクワッド全員と戦うことになる可能性もあれば、今後アリウスでの考え方により強く疑問を抱く可能性をある。可能性は変化していっているのだ。

 

 

 設定と物語

 

 あくまで解釈の一つだが、この世界はそうやって定まっていると仮定した。

 原作という本筋に沿って話は展開され、崇高が記号と化し、テキストが書き込まれた生徒たちが主軸となって物語は進行していく。それがこの世界だと解釈している。

 

 だが、今は原作前。

 どこまで私という異分子がどこまで本筋とずらすことが出来るのかということは興味があった。

 

 梔子ユメは生存させた、砂狼シロコを拾った、アリウスの面々を預かった。

 

 これが本来あるべき本筋にどのように影響するのか。未知数ではあるが、非常に気になる。

 原作知識(チート)を活かすために決定的な乖離は発生させていない。だが、それは自分の意志に見えて、ただ本筋からズレないように()()()()()()()()()()()()()()の可能性もある。

 

 ブルーアーカイブという物語の中でも、知識外にあるもの。

 神秘や恐怖、崇高。名も無き神々に忘れられた神々。

 ──そして、より上位の存在。

 

 それらは知識として存在していないため、未だ未知である。

 だからこそ、知りたいと思うのだ。

 

 

「神秘の総量も、性質も変化はしていませんね……」

 

 

 白洲アズサの神秘に変化は見受けられない。

 だが、知識外であり観測外からの視点があればそれもまた別に見えるのかもしれない。

 以前の錠前サオリの時のように。

 

 本筋と設定と可能性と異分子。

 それらの相関性は是非解き明かしてみたい。純粋な知識欲だ。

 ……もちろん、ハッピーエンドを迎えることが出来てからだろうが。

 

 

 ──そんな時、体が割れるような感覚がした。

 

 

 契約期間の警告。時間がない。

 今ほど契約を恨めしく思ったことはないだろう。

 今になって思えばミスをしたかもしれない。

 

 

「ああ、残念ですが時間切れです」

「…………?」

「私もやらなければならないことがあるので、形振り構っていられません」

 

枢機へ還す光(スパラグモス)

 

 

 肘から打ち出し、アジトを更地に変えるほどの出力を出す。

 勿論白洲アズサに当てるつもりはない。ただアジトを崩壊させるだけだ。

 

 此方に乗せられたのか、白洲アズサは咄嗟に動き出す。

 だが、その行動は命取りとなる。

 

 

明星へ登る(ギャングウェイ)

 

「うっ……」

「本来このような形は取りたくなかったのですが…」

 

 

 動いた際に白洲アズサを対象として確実に意識した。それならば『明星へ登る』が有効である。

 ダメージとしてはそこまで大きくはないが、確実に当てられることは優秀だ。

 白洲アズサは少し足を止める。

 

 

呪い針(シェイカー)

 

 

 針は確実に白洲アズサに命中し、眠るように倒れる。

 神秘をぐちゃぐちゃにしただけなので、大きな傷とはなりえない。

 

 倒れた白洲アズサを背負い、外へと出た。

 

 





アズサ、ヤベえやつみたいになっちゃった……反抗期だから仕方ないね。

誰かセイア襲撃とかアズサ転校の時系列を教えください……
前回の話考えれば考えるほど今後の展開が難しくなってくるという……

ブルアカの石が30000を越えました。(どれ引けば良いのか)もう、わかんないよぉ…!!


【追記】
アンケートを始めたのですが、書きたい展開が出来たので男先生にします。結果が多かったので番外編として女先生も書きます。
投票で結構差が出てて驚きました。

戦闘描写

  • 省け(サクサク)
  • 書け(それっぽい)
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