「ガライモはこれでいいとして"癒しの薬"か、これは…なるほどこいつか」
感覚の通りに膝ほどの高さの緑の植物を摘む。
確かこれは薬草だったか?それと…
「なぁ、クランベリー持ってたろ?何個か分けてくれ」
そう言って手のひらを出せばそこに乗せられるクランベリー。
文字通り道草食いながら集めて食べたのは先程見ていたので、先程から走る感覚の通りにその二つを調合すれば
「これでいいのか?まぁいいや、とりあえずさっさと渡しちまおう」
出来上がったのは緑色の液体、"癒しの薬"と呼ばれるポーションである。
集めたそれらを持って再びマーカスの元へ。
「どうした?追加物資はもう集まったのか?」
「ほいほい、ガライモ3つに癒しの薬2つ、確認してくれ」
「おぉ完璧だ素晴らしい!いやぁ助かったよ。
代わりに集めさせて悪かったな、とりあえずこれは礼って事で受けとってくれ」
それと共に渡されたのは中にきめ細かな粉が詰まった小さな薬瓶。
「"目覚ましの粉薬"だ、かなり効くぜ?
じゃあおれは宿営地に戻るとするか、みんな待ってるだろうからな」
そうしてマーカスは荷物を背負い直すとそのまま宿営地へ
「どうする嬢ちゃん、採取でもしてくか?それとも宿営地に戻るか?」
こちらもその後に続くかと少女を見ればそこには近くの低木へ向かう姿。
「あぁ、クランベリーね…あんまりとりすぎて腐らせるなよ?」
この後、めちゃくちゃ採取を手伝った。
そろそろ暗くなって来たので採取を切り上げ宿営地に戻り、渋る少女を休息させるとポーンを率いていた女、ルクサの姿を探せば、探すまでも無くその姿は例のリムストーンの横にあったのでそのまま声をかける。
「貴方は先ほどの…覚者様はお休みに?」
「あぁ、ちょっと聞きたい事があるんだがいいか?」
「えぇ、私にできる事ならば、何なりとお尋ね下さい」
「確かアンタ言ってたろ?異界の記憶ってのは何なんだ?」
「何だ?と言われましても文字通りとしか…
そうですね、覚者様は我々ポーンをこのリムストーンを通して呼び出す事ができます。
そうして呼び出されたポーンは覚者様の従者として旅に付き従うのですが、そこで得た経験や知識を"異界の記憶"と呼んでいます」
「ん?という事はその異界とやらにも覚者がいるって事か?」
「えぇ、異界と言ってもここと大きく違う世界ではありません。
そして10や100ではきかない、何千、何万という世界があるのですがそれらを総称して"異界"と呼ぶのです」
「…とんでもないスケールだな」
「因みにリムストーンを通じて呼び出されたポーンは、知識や経験だけで無く、たまに異界側の覚者様からプレゼントされたアイテム類を持ち帰ってくることがあるそうですよ?」
「なるほど…つまり、"本来であれば"そういった知識や経験、その異界で別の覚者と旅をした記憶を持っているわけだ」
「"本来であれば"?どういう事ですか?」
「んにゃこっちの話だ、まぁとりあえずこっちは覚者サマの記憶を取り戻せるようにメルヴェに行ってくる。
領都にいるっていう覚者の事は頼んだぜ?何しろ情報は多い方がいいからな」
「えぇ、領都にいるという覚者の事は気になってました。
実際にいるのは確かなようです、ただ…」
「ただ?」
「更に深く知ろうと送り込んだポーン達は誰も戻っていません」
「物騒だな…この国の王は覚者がなるんだろ?んで、新たに覚者が現れたので王座を預かっていた執政公に変わり新たに王位につく。
成る程道理だ…なのにここに覚者サマがいる、はーくせぇくせぇ」
「もう少し色々調べてみますので貴方は覚者様の事をよろしくお願いします」
そう言って軽く頭を下げるルクサに片手を上げて答えるとそのまま宿としている休憩所に戻るのだった。
補給部隊員の悩み
マーカスに補給部隊員のメモを渡す。
癒しの薬2個とガライモを見つける。
マーカスに癒しの薬2個とガライモを渡す。
ジェフリーに仕事を終わらせたと報告する。
人の営みの速度は人それぞれである。
だが、その速度の不和により、損得は現れてしまう。
そんな中で覚者は全ての頼みに応え、誰しもに感謝された。
癒しの薬:一般に流通している滋養強壮薬。
体力が適量回復する。