牢獄の目覚め
喝采と美酒に酔う王から、襤褸と泥土に塗れる奴隷へ…
夢から覚めると全ては一変していた。
故もわからぬまま、"目覚めた者"は牢獄を出る。
監督官を先頭にゾロゾロと続く採掘奴隷達。
「さて、仕事の時間だ。今日も張り切っていこうか」
男に女、年齢も様々で白い肌に黒い肌、果てには獣の特徴を持ついわるゆる"獣人"など、様々な特徴を持った奴らが通り過ぎていく。
軽くストレッチしながら見るがどいつもこいつもとぼとぼと死んだ目で歩いていた…が、最後尾にいた奴は他の奴隷達とは違っていた。
服装こそ他の奴らと同じ見窄らしい服装だが、違ったのはその目。
何を考えているかわからない…が、生きた透き通った紫色の瞳。
褐色の肌に背丈も他の奴隷達と比べて一回り以上小さく肩の辺りで切り揃えられた黒い髪型もあってかその身はまるで子供のように見えた。
「…子供?おいヘンリク、なんでこんなとこに子供がいるんだよ?」
「子供じゃ無ぇらしいぞ?というか…あれが例の"黒焦げ"だ」
そう言いながら牢を開けるヘンリクであったが心の中はそれどころでは無かった。
"彼女の為に動かなければならない"
彼女を見た途端に心の奥底から湧き上がってきたのはそんな思い。
「守護らねば…」
「え?ポンタローさん何か言いました?」
ヘンリクの声にハッとして頭を軽く振る。
不可解な感情に今のは何だったんだ?と首を捻りつつ自身も採掘現場へと向かう。
作業自体は掘って運んで、と長年従事していた事なので簡単なものである…ただ環境が悪いだけで。
監督官の怒鳴り声をBGMに他の奴隷達に今日の作業の指示を出しながらそれと無く先程の彼女に目をやれば、比較的まともな奴隷として目をつけていたルークが話しかけていたので基本的な事は彼に任せておけば大丈夫だろうと考えると共に、再び湧き上がってくる思い。
両頬を叩いて気合いを入れながら
「さて、今日も一日ご安全に!!」
唱和を終えると散々個々に散っていく奴隷達。
先程から走る感情、庇護欲なり献身欲なりなんだか知らないがアホくせぇ、いくら子供といえど見ず知らずの子供のために尽くすほど人間は出来てない。
まさか魅了とかその類のもんでも持ってるのか…と考えつつ周囲の警備状態を確認する。
この採掘場は高い崖に囲まれ、更には前後2ヶ所は木製だが頑丈な壁に囲まれており、それに加えて立ち並ぶ武装した兵士達。
ターバンと動き易そうな軽鎧に装備は剣と盾、それに弓も持っている奴もいる。
警備の手伝いをしているいわゆる戦闘奴隷こそいるものの、そちらへの伝手はまだ構築中であり、今反乱をおこしても容易に叩き潰されるだけであろう。
もし、さっきの奴が魅了とか何らかの特殊な力を持っているならそれを上手く使えば…そう考えてひとまずは先程の彼女と話すべく崖下にある大坑道へ向かおうとした所で響く轟音。
何事かとそちらを見れば外壁を打ち破り現れたのは蛇の下半身に女性の胴体、そして髪の代わりに無数の蛇を頭から生やした異形。
「メデゥーサ!?こんなものまでいるのかよ!?」
神話にも語られる異形、かつて美しい女神でもあったとも言われるメデゥーサが現れたのだった。
覚者ちゃん:名前は後程
黒の肩まで伸ばしたショートカット
身長:150センチくらい
胸:うすめ
褐色ロリ
主な功績(罪状)
なし