透き通った世界にあるウソツキの酒場〜Liar's Bar〜   作:カンキツ蜜柑

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 はじめましての方ははじめまして。
 他のを見てる方は土下座謝罪。

 大変申し訳無い。

 (すーぱーいいわけたいむそのに)思いつかんのじゃ。時間をくれ下さい。

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【白兎を誘う闇の酒場】
【白兎を誘う闇の酒場】〜黒崎コユキ編その1〜


「にははは〜」

 

 少女、黒崎コユキは暇を持て余していた。

 

「なにか面白いこと無いですかねぇ」

 

 コユキはふとスマホに目をやるとそこに一通のメールが届いていた。

 

『日給百万円!募集人数4人だけ、楽しくお金を稼ごう!ゲームのテスター募集!詳しくはこちらのモモッターのDMから!』

 

 いかにも闇バイトそうなそのメールを見たコユキは……

 

「なんですか、これ!にははは、面白そうですねぇ!」

 

 好奇心は猫をも殺す。コユキはバイトの募集にのってしまったのだ。

 

 

 バイト当日。

 

「ねぇあの子」

「ん、あれか?お前もここに用が?」

 

「にはは!はい!あなた達もですか?」

 

 元気よく返すが、コユキに話しかけてきた人達は見るからの不良の生徒。1人は黒髪のマスクをかけた小柄な不良でもう一人はユウカくらいの大きさの黄色よりの金髪の不良。

 

「おう、なんたって日給百万円だからな。ウチらみたいな不良からすれば喉から手が出るほどやりたいバイトさ。お前もそんな口か?見るからにミレニアムの生徒みたいだが」

 

「応募見て面白そうどなと思ってきちゃいました!」

 

「なるほど。ミレニアムともなると金よりも興味か。まぁいい、そろそろ時間だし行こうぜ」

 

 金髪の不良がそう言ってバーの中に入っていく。黒髪の不良とコユキも続いて入っていく。

 

「中々風なお店ですねぇ」

 

 店内は海外のバーを意識させるようなデザインで、カウボーイなんかがやってきそうな店となっている。

 

「すんません、ウチら募集で来たバイトなんですけど」

 

 カウンターで準備をしているのかこちらに背を向けた馬の獣人、バーテンダーがこちらを向く。

 

「おや、テスターの……わかりました。今からゲーム会場に案内します。もう一人の方はもう既に到着されてますので」

 

 バーテンダーは地下へと案内する。

 

 コユキは道すがらバーテンダーに聞く。

 

「ゲームって何をするんですか?麻雀?ポーカー?」

 

「ポーカーではありませんが、賭けの要素を加えた簡単なトランプゲームですよ」

 

「トランプゲーム?ありふれたもんじゃねぇか。ポーカーが違うとしたら何だ、七並べでもするのか?」

 

「流石に七並べはないでしょ。……ババ抜きじゃない?」

 

「それこそ無いだろ。ババ抜きなんてテストする必要すらねぇじゃねぇか」

 

「確かに」

 

「賭け、ですか。面白そうですねぇ!」

 

 不良二人はこれから何のゲームをするのかを話し、コユキはこれから始まるゲームに思いを馳せる。コユキは趣味と言えるほど賭け事が好きだ。

 

 

「さぁ、ここがゲーム会場です。こちらのテーブル席にお座りください」

 

 バーテンダーは丸いテーブル席へと案内する。

 

 この場には彼以外の獣人もいてギターを奏でる猿、アンティークパイプを口にする熊、大柄な牛。そして。

 

「……どうも」

 

 コユキ達が座るテーブル席に見後手を気だるそうに挙げる一見地味な生徒がいた。見るからにミレニアムではない制服。

 

 どこでしたっけ?見覚えがある制服なんですけど思い出せない……

 

「時間通りに来たんだが、またせたようで悪いな。サッサと始めようぜ」

 

「……時間通りって……普通、集合時間の三十分前には会場に着いてるのが普通だと思うんだけど……着いたの時間ギリギリだし……」

 

 二人はギリギリに来たようだった。

 

「そうですね。早速ゲームのルールを説明しましょうか」

 

 4人は席に着いた所でバーテンダーはルールの説明をする。

 

 座っている順番は時計回り順に

 

 

 気弱そうな生徒

 ↓

 黒髪の不良

 ↓

 金髪の不良

 ↓

 コユキ

 

 

 の順番である。

 

「ルールを説明します。まず初めに、今回あなた達にやっていただくゲームの名は『Liar's Deck』。敗北条件は至ってシンプル、そこにあるリボルバーに1発弾を込め、回転。込められた弾が発射されればあなたの負けです」

 

「このゲームはキング、クイーン、エースを6枚、ジョーカーを2枚使います。最初に5枚のカードをディーラーがあなた達に配ります。そのカードの中には出しても問題ないカードと出したうえでバレると危険なカードがあります。例えば、『エーステーブル』ここではエースが安全カードとなり、他のキング、クイーンは危険カードとなります。ここで重要なのが『ジョーカー』の存在で、ジョーカーは全てのカードの役割を果たします」

 

「順番は

 1『カードが決まる』

 ↓

 2『カードを伏せて出す(出すカードは自由)』

 ↓

 3『嘘だと思った場合は「ライアー!」と宣言それ以外はスルー』

 ↓

 4『嘘がバレる。又は間違えるとペナルティでペナルティは自身に向かってリボルバーの引き金を引く』

 ↓

 5『空撃ちの場合テーブルを変え続行』

 ↓

 『最後の一人になるまで2→5の流れを繰り返す』」

 

「カードは一度に3枚まで出すことができます。プラスにするのも良し、あえて本当のカードを出すのも良しです」

 

「は〜ん、なるほど。つまりはダウトにギャンブル要素を付け足したようなもんか」

 

「カードの合計が20枚で安全なカードは一律8枚、ターンが回ればいずれウソのカードを出す必要があるってことね」

 

「なるほど!」

 

「皆さん理解できたようですね。私も大丈夫です」

 

「理解が早くて助かります。では早速ゲームを始めましょう」

 

「まずはテーブル決めから……『クイーンテーブル』。ではお配りしますね」

 

 ディーラーはカードを配る。

 

 エース1枚、キング1枚、クイーン2枚、ジョーカー1枚。

 

 安全カードが3枚も!運が良いですねぇ。

 

 この場の安全カードの8分の3殆ど半分を所持するコユキは思わず笑みをこぼしそうになるが、何とかこらえる。

 

 他のプレイヤーを見ると、金髪の不良はあからさまな苦い顔を、黒髪の不良は辺りを見渡していて少し忙しない。寡黙な生徒はポーカーフェイスを貫いている……単純に顔に出ない人なのかもしれない、とコユキは思った。

 

 順番は最初に寡黙な生徒から。

 

「私からですね、では手始めに『ワンクイーン』」

 

 次に黒髪の不良。

 

「……スルーで『ワンクイーン』」

 

 金髪の不良のターン。

 

「……序盤だしな、スルーで『ワンクイーン』」

 

 コユキのターン。

 

「『ワンクイーン』です!」

 

 寡黙な生徒はこちらを少し見てからスルーの判断をする。コユキが出したのはクイーン。

 

「『ツークイーン』」

 

 ここで初めて2枚の宣言が出る。

 

「!ライアー!」

 

 黒髪の不良がライアー宣言をする。

 

「お」

「ここでですか!」

 

「では結果ですね。結果は……」

 

 表になるカードはクイーンとジョーカー。

 

「マジかぁ、クイーン3枚も持ってたのに……」

 

「良かったぁ、1枚しか無かったから焦ったぜ」

 

 黒髪の不良は肩を落とし、金髪の不良は安堵する。

 

 コユキは「手札が良かったからにもっと楽しみたかったのに!」と思った。

 

「では、自身でリボルバーをお願いします」

 

「仕方ないか、まぁ6分の1だしね。いやぁ、いくらキヴォトスの生徒と言っても頭に弾が当たるのは普通に痛いんだよなぁ」

 

「にはは!もしかしたら一発で終わる可能性もありますからねぇ!」

 

「はは、コイツ運がないからあり得るな」

 

「ハハハ!」

「にはは!」

 

「おい、こういう時運がないことは言うなよ」

 

 コユキは不良とも仲良く話す。少しの時間でも話した仲、もうコユキは気兼ねなく話す程度の存在となっていた。

 

「……よし」

 

 黒髪は軽い気持ちで自身の頭に銃を向け、引き金を引く。

 

 リボルバーの撃鉄が弾ける音がした。

 

 ──ダンッ!

 

 ブシュ──

 

 ──ドサッ。

 

 銃弾は当たり。黒髪の不良は頭から血を流しながらテーブルに斃れる。

 

「にははは…………は?」

 

 突然の出来事にコユキの笑い声は止まり、会場内は一気に静寂に包まれる。

 

 先程まで話していた少女の頭からは血が流れテーブルを赤く染める。瞳孔が開き生気がない瞳、斃れた後に少しの痙攣があったもののそれ以降は動く気配すらない。

 

「……は?なん、で……コイツ……しん、でる!?」

 

 唖然とした様子の金髪の不良。友達が死んだのだ当然のことだが、コユキは『キヴォトスの住民が銃弾で死んだ事』に一番驚いていた。

 

 そもそも、キヴォトスの住民には銃が効きづらい。撃たれてもかすり傷程度で大怪我はおろか、死亡することは相当な量の銃弾か衰弱した状態でないと難しいくらい。……だが、今目の前の不良はリボルバーの弾一発で脳を貫通し、死に至らしめた。これは、キヴォトスでは『異常』なことだった。

 

「では、1名ゲームオーバーとのことで、軽く血を拭いた後に再開します」

 

「えっ」

 

 平然とディーラーが言ってテーブルに垂れる血を拭き取り始めた。

 

「おい!お前ッ!」

 

 金髪の不良が涙声混じりに叫ぶ。

 

「何でしょうか?」

 

「『何でしょうか?』じゃねぇよッ!人が、友達が死んだんだぞ!何でそんなに平気でいられる!!!何で進められると思っている!」

 

 金髪の不良は自身の銃が近くにないため、リボルバーを咄嗟に持ち、ディーラーに発砲する。

 

 カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、ダンッ!

 

「……折角の運がもったいないですね」

 

「は?何で効かないんだよ……」

 

「『何故か』……ですか。簡単に言えば『生徒の神秘を貫通し、我々に効果がない銃弾』を使っているから……ですかねぇ」

 

「そんなご都合主義な弾があってたまるかッ!」

 

「『ご都合主義』……それはあなた方が言える事ではないと私は思うのですが」

 

「それはどういう──」

 

「『キヴォトスの住人には銃弾が効きづらい』なんて、それこそ『ご都合主義』だと言うことです。お金や興味につられてノコノコとやって来た甘ったれた脳みそを持っているあなた方がにはこれでやっと理解ができたことでしょう。そんなに甘いものではないことが。……それに」

 

 次の瞬間、バーにいる熊、猿、牛がそれぞれ寡黙な生徒、金髪の不良、コユキに銃を向ける。

 

「私たちはあなた達をいつでも殺せます。あなた達の銃はあらかじめ没収済み……この言葉の意味が分かりますね?」

 

「ッ!クソ……クソッ」

 

 金髪の不良はただ恐怖と悔しさと悲しさで涙を流し、震えることしかできない。

 

「寧ろ、『1人は生き残ることが出来る』事を幸運に思ってください。」

 

 私たちは命を握られている。

 

 興味につられ、募集に乗り、今や命の危険にさらされている。

 

「こんなことになるんだったらユウカ先輩か先生に相談していれば……」

 

 思い出すユウカとノア、先生の顔。

 

 きっと、この募集に応募するかどうか相談したのだとしたら、止めてくれただろう。

 

 だけど、それはタラレバの話に過ぎない。

 

 自然とコユキの目からも涙が流れ、頬を伝わる。

 

「うぐっ、ひぐっ……先輩……せんせぇ……」

 

 2人が泣いている最中でもゲームは無慈悲に無情にも進められる。

 

「『キングテーブル』」

 

 コユキの眼の前には血に濡れて使い物にならなくなり交換した新しいカードが5枚配られた。

 

 残り3人。




 運って大事。
 次回からは緊張感を持ってゲームに挑もうね、コユキ!
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